胸部誘導
出典: meddic
- 英
- chest lead, precordial lead
- 関
- 標準胸部誘導
和文文献
- 専門医部会 考えてみよう 臨床クイズ 動悸発作で来院した31歳の男性
- 安田 智生,朔 啓二郎
- 日本内科学会雑誌 101(7), 2094-2095,2115-2118, 2012-07-10
- NAID 40019392778
- 症例 入院時心電図検査で広範前胸部誘導に著明なST上昇がみられた下壁急性心筋梗塞症の1例
- 和田 健作,居原田 善司,東山 文香 [他]
- 呼吸と循環 60(1), 91-95, 2012-01-00
- NAID 40019140127
関連リンク
- 胸部誘導の波形の捉え方は、胸部のそれぞれの電極の位置が「目の位置」で、そこから 心臓を眺めているものと考える。 [図] 図: 胸部誘導. V1誘導○: 主に右室側から心臓を 見る誘導である。 V2誘導○: 右室と左室前壁側から心臓を見る誘導である。 V3誘導○ ...
- ⅢとaVL誘導に関しては、個人差があり必ずしもR波は高くならない。 ≪胸部誘導波形 ≫. 胸部誘導は、心臓を水平断面(輪切り)でみている。 V1・V2は右室心外膜側、V3・V4 は心室中隔近辺、V5・V6は左室側壁に近い位置にあり、それぞれ近接した部位の電気 ...
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関連記事 | 「誘導」「胸部」 |
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「心電図」
- 図:PT.268,279(心臓の構造と興奮伝導系)
- 心電図の読み方:PHD.108
概念
- 心臓全体の電気的活動を体表面から経時的に記録したもの。
- 特殊心筋の活動電位は記録されない。固有心筋の活動電位のみ
医学大事典より
- 心臓は拍動のたびに電気を発生し、これを心起電力(cardiac electromotive force)と呼ぶ。
- 心起電力により体表面に電流が流れると四肢や胸壁など、体表面の異なった部位間に電位差が生じる。
- この電位差を導出するための装置を心電計と呼び、心電計により時間軸に沿って記録された電位の変化を心電図という。
意義
- 心電図は心臓の電気的興奮の伝達を記録したものである。P波は心房の脱分極を、QRS波は心室の心筋細胞の脱分極を表す。T波は心室の再分極を表す。つまり心筋の異常がある場合何かしらの変化が心電図上に表れるということである。心電図は身体に侵襲的な影響を及ぼさない検査である。このことはこの検査を心臓の疾患を疑ったら即行ってよいということである。
- 心電図は、不整脈、心筋梗塞、心筋虚血、心膜炎、心房負荷、心室肥大・心室拡大、電解質異常などの判断に有用である。
施行する目的
- 心臓疾患疑い(狭心症・心筋梗塞・不整脈など)
- スクリーニング(学校検診、職場検診など)
心電図の種類
- 臨床では一般に標準12誘導心電図が良く用いられる
電極の部位による分類
- 体表の誘導
- 体内の誘導
- 食道内心電図
- 心腔内心電図
- ヒス束心電図
表現形式による分類
- ベクトル心電図:心起電力をベクトル環として三次元的に描く
- スカラー心電図:時間軸に沿った電位の記録
心電図の記録サイズ
- 縦軸:10mm = 1mV
- 横軸: 5mm = 0.2s
標準12誘導心電図
- 標準肢誘導(I,II,III) + 単極肢誘導(aVR, aVF, aVL) + 胸部誘導(V1, V2, V3, V4, V5, V6) = 12誘導
電極の取り付け位置・電極の色
単極肢誘導
右手首 | 左手首 |
右足首 | 左足首 |
単極胸部誘導
- EAB.5改変
V1 | 右第4肋間 | 赤 |
V2 | 左第4肋間 | 黄 |
V3 | V2とV4の中点 | 緑 |
V4 | 左第5肋間かつ鎖骨中線 | 茶 |
V5 | V4と同じ高さで前腋窩線との交点 | 黒 |
V6 | V4と同じ高さで中腋窩線との交点 | 紫 |
心電図の波
- 6つの棘波よりなる
- P波:心房の電気的興奮。:0.12-0.20s (3-5mm)
- QRS複合:心室の電気的興奮:0.06-0.15s :正常; 0.06-0.08s (1.5-2mm), 不完全脚ブロック; 0.08-0.12s (2-3mm), 完全脚ブロック ≧0.12s (≧3mm)
- T波:心室の再分極(心室筋興奮の回復過程):
- U波
心電図の波の間隔
- PQ時間:房室間伝導遅延:0.12-0.20s
- QT時間:電気的心室収縮時間:心拍数と相関関係がある
- QTc=QT/sqrt(RR)
- 心拍数によらずほぼ一定の値を示す
- RR:心臓の一周期
- TP:心臓の弛緩期
正常心電図における波
- I,IIにおいてP, QRS, Tが全て正 → 100G096
心電図による得られる情報 (SP.536)
- 心臓における興奮の発生と伝達の過程を可視化
各誘導で取りやすい所見
- 第II誘導:P波の描出
- V5誘導:虚血性変化
特徴的な所見
新生児・幼小児の心電図
- SPE.428-
- 電気軸:右軸偏位 → 左軸偏位 胎児循環では右心系が主に体循環に関わっていたが、成人で見られる循環では左心系が関わる。生後一ヶ月らいまでは+120~130°程度の右軸偏位
- 呼吸性不整脈:小児では顕著。吸気時に心拍数増加、呼気時に心拍数減少
- 右室肥大:新生児~乳児では肺血管抵抗がまだ高いために右室肥大が持続。
心電図と心疾患
- 狭心症:血液が不足する状態
- 心臓を栄養している血管が急激に閉塞するため、全く血液が供給されない状態。
- 急性期と慢性期では異なった心電図をとる。
- 異常Q、ST上昇、冠性T
- 心臓に器質的疾患を持たないにもかかわらず、心電図上でQT時間の延長(QT時間が0.46秒以上)を認める病態。
疾患と心電図
- 心膜炎 心外膜炎:90%の患者に異常が見られる。aVR, V1を除いたST上昇。いくつかの電極でPR部の低下(PR segment depression)
- 肺性心(肺気腫):肺性P、不完全右脚ブロック、右軸偏位、V1-V3のT波陰転・平坦化、II,III,aVFでST低下。肺高血圧、最初の3つは右室負荷を反映
- 肥大型心筋症:ST-T変化(ストレイン型の陰性T波は、上に凸のST低下を伴い、非対称性陰性T波)。Sv1, Rv5の増大。QRS時間の延長。
- 心房中隔欠損症:PR延長、不完全右脚ブロック、右軸偏位。右心系の容量負荷による遠心性心肥大。
- 心室中隔欠損症:
- ブルガダ症候群:右側胸部誘導(V1-V2(V3))のST上昇(coved型あるいはsaddle back型) 。完全あるいは不完全右脚ブロック様QRS波形(つまり、V1-V3でJ波が見られる)。
- 脚ブロック
- WPW症候群:Δ波。PQ短縮、QRS延長。V1に特徴的変化「A型: 高いR波。左室自由壁」「B型: rS型。右側」「C型: Qr/QS。中隔」
注意点
- 胸をさらすことになるので、女性の患者では特に配慮する。誘導の電極が正しい位置に貼られていないと記録される結果が異なってくるので、正確な位置に貼る。また、心電図は筋肉の活動も拾ってしまうので、筋緊張を和らげるため患者にはリラックスしてもらい、リラックスできる状況を作ることを心がける。
参考
- [display]http://www.cardiac.jp
「V5誘導」
- 関
- 胸部誘導
- 虚血性変化を検出(SAN.173)
「右側胸部誘導」
- 関
- 右胸部誘導、右室梗塞
- V3R,V4Rのこと。
「誘導」
「胸部」
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