胆管癌

出典: meddic

cholangiocarcinoma CCC, bile duct cancer, bile duct carcinoma, cancer of the bile duct
胆管細胞癌 cholangiocellular carcinoma, primary cholangiocellular carcinoma
cholangioma
肝内胆管癌胆道癌

概念

  • 胆管に発生する癌腫の総称
  • 胆管癌とは通常肝外胆管癌のことであり、肝内胆管細胞癌とは区別される。

部位による分類

  • 肝内胆管癌
  • 肝外胆管癌
  • 肝門部胆管癌
  • 上部胆管癌:肝外胆管中枢側と下部胆管中枢側を二等分したときの、その中枢側?
  • 中部胆管癌:肝外胆管中枢側と下部胆管中枢側を二等分したときの、その末梢側?
  • 下部胆管癌:膵臓内の胆管?

早期癌

早期胆管癌:組織学的深達度が粘膜(m)・線維筋層(fm)にとどまるもの。リンパ節転移の有無は問わない。

疫学

  • 高齢男性
  • 男女比=2:1。50歳代、60歳代に好発し60歳代が最多 (⇔胆嚢癌)

リスク因子

  • 膵胆管合流異常、原発性硬化性胆管炎、炎症性腸疾患、肝吸虫症

症状

  • 初発症状は黄疸(31%)、腹痛(13%)、全身倦怠感(11%)、食思不振(9%)、暗色尿(8%)、発熱(5%)、掻痒感(4%)、背部痛(4%)、嘔気・嘔吐(3%)、体重減少(2%)

検査


肝門部胆管癌
[show details]

治療

  • 胆道癌の唯一の根治治療は外科切除

手術療法(ガイドラインより)

  • 標準術式
  • 切除不能例

胆道癌の肝,肺,腹膜転移,遠隔リンパ節(大動脈周囲リンパ節,腹腔外リンパ節など)転移は切除不能

ガイドライン

資料

  • 胆道癌の診断

国試


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出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2015/06/15 18:42:33」(JST)

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UpToDate Contents

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和文文献

  • ICG肝予備力検査法としてのICG Rmaxの意義
  • 櫛部 朗,山本 哲,大西俊郎,葛西眞一,水戸迪郎
  • 薬理と治療 10(Suppl.1), 27-32, 27-32
  • … 雑誌掲載版一般肝機能検査の他にICG Rmax,ヘパプラスチンテスト,50 g糖負荷試験及びグルカゴン負荷試験をすべて施行し得た各種肝疾患,胆管癌,ミリッチ症候群17例(手術例14例,非手術例3例)を対象とした.ICG Rmaxをみると死亡例は1.0以下の例,特に0.6以下に集中しており,水本分類とも高い相関を示したが他の検査法では予後と検査値との間にばらつきがみられ,ICG Rmaxほど予後との相関はみられなかった …
  • NAID 80001169192
  • 手術症例報告 右胃大網動脈を用いた冠動脈バイパス術後に右胃大網動脈温存, 幽門輪温存膵頭十二指腸切除術を施行した下部胆管癌の1例
  • 内海 方嗣,松田 浩明,楳田 祐三 [他]
  • 手術 65(12), 1833-1836, 2011-11
  • NAID 40019056736
  • 臨床の実際 腹腔鏡下胆嚢摘出後の良性胆管狭窄との鑑別に難渋した高齢者胆管癌の一例
  • 西野 豪志,片山 和久,高橋 裕兒 [他]
  • 外科治療 105(5), 500-503, 2011-11
  • NAID 40019045173
  • III-2.胆管癌術後のリンパ漏による慢性腎不全の増悪に対し,腹水濾過再静注法が有効であった1例(一般演題,日本アフェレシス学会第17回九州地方会抄録)
  • 岡 哲,浦松 正,釜谷 寛之,井生 久美子,太田 祐樹,南 香名,北村 峰昭,森 篤史,北村 里子,小畑 陽子,新里 健暁,西野 友哉,足立 智彦,黒木 保,錦戸 雅春,古巣 朗,河野 茂
  • 日本アフェレシス学会雑誌 30(3), 405, 2011-10-31
  • NAID 110008802447

関連リンク

胆管癌(たんかんがん、英: Cholangiocarcinoma)は、胆管に発生する悪性腫瘍である 。胆管とは肝臓でつくられた胆汁を十二指腸へ流す導管である。胆管は肝臓内の細い枝 に始まり、次第に合流して2本の太い管(左肝管・右肝管)になり、肝門部で1本に合流 ...
2006年10月1日 ... 胆管がんは、胆管の内側の粘膜から発生しますが、大きく分けて以下の3つの発育の 仕方があります。 ... 肝外胆管がんは、1と2の発育形式をとり、肝内胆管がんは主に3の 発育をしますが、2やまれには1の発育を示すものもみられます。

関連画像

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★リンクテーブル★
国試過去問105A031」「100A031」「104I043」「089A070
リンク元嘔吐」「胆道癌」「原発性硬化性胆管炎」「内視鏡的逆行性胆管膵管造影」「胆嚢癌
関連記事」「胆管

105A031」

  [★]

  • 70歳の男性。全身の掻痒感と褐色尿とを主訴に来院した。 1週前から尿の濃染を、 3日前から皮膚掻痒感を自覚していた。意識は清明。身長160cm、体重58kg。体温35.8℃。脈拍72/分、整。皮膚は黄染、乾燥し、多数の掻爬痕を認める。眼球結膜に黄染を認める。腹部は平坦、軟で、肝・脾を触知せず、圧痛を認めない。血液所見:赤血球 454万、 Hb 12.1g/dl、 Ht 36%、白血球 5,500、血小板 12万。血液生化学所見:総蛋白 6.1g/dl.アルブミン 3.4g/dl、総ビリルビン 12.1mg/dl、直接ビリルビン 8.3mg/dl、 AST 233IU/l、 ALT 354IU/l、 LD 48S IU/l(基準176-353)、ALP 1.091 IU/l(基準115-359)、γ-GTP 825IU/l(基準8-50)、Na 141mEq/l、K 4.2mEq/l、Cl 107mEq/l。経皮経肝胆道ドレナージチューブからの造影と内視鏡的逆行性胆管造影とを同時に行った胆管造影写真(内視鏡は抜去後)(別冊No.6)を別に示す。
  • 最も考えられるのはどれか。



[正答]


※国試ナビ4※ 105A030]←[国試_105]→[105A032

100A031」

  [★]

  • 35歳の女性。腹部超音波検査で総胆管の著明な拡張を指摘され来院した。幼少時から年に数回腹痛があった。貧血と黄疸とを認めない。腹部は平坦で、肝・脾を触知しない。血液所見:赤血球420万、Hb12.2g/dl、白血球6,200、血小板28万。血清生化学所見:総蛋白7.5g/dl、アルブミン5.0g/dl、総ビリルビン0.6mg/dl、AST38単位、ALT32単位、ALP212単位(基準260以下)。腹部MRIのT2強調冠状断像を以下に示す。
  • この疾患に合併しやすいのはどれか。


[正答]
※国試ナビ4※ 100A030]←[国試_100]→[100A032

104I043」

  [★]

  • 34歳の女性。3か月前からの食欲不振体重減少とを主訴に来院した。上腹部に圧痛を認める。下腹部腹痛を触知する。CEA 65ng/dl(基準5以下)。骨盤部造影CT(別冊No.4)を別に示す。転移性悪性腫瘍が疑われる。
  • 原発巣として最も考えられるのはどれか。



[正答]


※国試ナビ4※ 104I042]←[国試_104]→[104I044

089A070」

  [★]

  • a. (1)(2)
  • b. (1)(5)
  • c. (2)(3)
  • d. (3)(4)
  • e. (4)(5)

嘔吐」

  [★]

vomiting, emesis
vomitus
悪心嘔気 nausea悪心・嘔吐 nausea and vomiting

概念

  • 胃の内容物をはき出す現象。
  • 胃または腸内容が食道を経て口腔より吐出される現象。

嘔吐中枢

嘔吐中枢の近傍に存在するもの

  • 呼吸中枢、血管運動中枢、消化管運動中枢、唾液分泌中枢、前庭神経核

随伴症状

  • 発汗、唾液分泌、顔面蒼白、脈拍微弱、徐脈、頻脈、血圧の動揺、めまいなど

症状の出現形式と原因の所在

  • 突然の嘔吐:中枢性
  • 消化器症状を伴う:末梢性

嘔吐に関わる経路

IMD.351
  • 1. 嘔吐中枢(延髄網様体背側神経背側核近傍)への直接刺激(脳圧亢進、循環障害)
  • 2. 化学受容体誘発帯(CTZ; 第四脳室底)への刺激(代謝異常や中毒による化学物質の作用) → 1.
  • 3. 大脳皮質(中枢神経など高位中枢)からの入力 → 1.
  • 4. 求心性迷走神経や交感神経を介する入力 → 1.

原因

中枢性刺激 化学受容器引金帯刺激 薬物 アポモルヒネモルヒネジギタリス抗菌薬抗癌薬降圧薬アミノフイリンコルヒチンアルコール
毒物 重金属ガス
放射線 各種癌治療後
感染症 細菌毒素
内分泌疾患 肝性脳症糖尿病性ケトアシドーシス/ 高血糖高浸透圧症候群尿毒症妊娠悪阻妊娠高血圧症候群
代謝疾患 甲状腺クリーゼ副腎不全Addison病
直接刺激 脳圧亢進 頭部外傷脳腫瘍脳出血くも膜下出血髄膜炎、脳への放射線療法後
脳循環障害 ショック低酸素脳症脳梗塞片頭痛脳炎髄膜炎
上位中枢刺激 神経性食思不振症不快感てんかんヒステリー抑うつ状態うつ病、過度の嫌悪感、不快感拘禁反応による恐怖ストレス視覚嗅覚味覚的刺激
末梢性刺激 消化管疾患 舌咽頭疾患 アデノイド咽頭炎
食道疾患 胃食道逆流症食道裂孔ヘルニア食道癌
胃腸疾患 急性胃炎、急性胃十二指腸粘膜病変、急性腸炎急性虫垂炎消化性潰瘍食中毒、消化管腫瘍、寄生虫食中毒Mallory-Weiss症候群
消化管通過障害 腸閉塞、胃幽門部狭窄、輸入脚症候群
腹膜疾患 腹膜炎
胆膵疾患 急性胆嚢炎急性胆管炎急性膵炎膵癌胆管癌
肝疾患 急性肝炎
循環器疾患   うっ血性心不全狭心症急性心筋梗塞
泌尿器科疾患 尿路結石腎結石急性腎炎腎盂腎炎腎不全
耳鼻咽喉科疾患 中耳炎Meniere病乗り物酔い
眼科疾患 緑内障
呼吸器科疾患 肺結核胸膜炎肺癌、咳嗽発作
婦人科疾患 子宮付属器炎月経前症候群更年期障害
脊髄疾患 脊髄癆多発性硬化症
膠原病 結節性多発動脈炎強皮症側頭動脈炎

小児科で遭遇する嘔吐の原因

  新生児 乳児 幼児~学童
消化器疾患以外で見・落とさないよう注意する疾患 敗血症髄膜炎水頭症脳奇形尿路感染症 髄膜炎脳炎脳症虐待児尿路感染症呼吸器感染症心疾患薬物中毒誤嚥 脳炎脳症脳腫瘍肺炎中耳炎頭部外傷薬物中毒心筋炎不整脈
よくある消化器疾患 溢乳空気嚥下・哺乳過誤・初期嘔吐胃食道逆流現象・胃腸軸捻転・腸管感染症壊死性腸炎 食事過誤・空気嚥下便秘腸管感染症幽門狭窄症腸重積症胃食道逆流現象・胃長軸捻転・食事アレルギー 腸管感染症急性虫垂炎腹部外傷肝炎胆嚢炎膵炎腹部外傷・食事アレルギー・好酸球性胃腸症
主な代謝性疾患 先天性副腎過形成・ガラク卜ース血症 先天性副腎過形成Reye症候群 アセトン血性嘔吐症ケトン性低血糖症糖尿病性ケトアシドーシスReye症候群
その他     起立性調節障害神経性食思不振症
外科的疾患 食道閉鎖狭窄症胃軸捻転十二指腸閉鎖狭窄症腸回転異常捻転小腸閉鎖症Hirschsprung病胎便性イレウス・稀に腸重積肥厚性幽門狭窄・特発性腸管偽性閉鎖症 肥厚性幽門狭窄症腸重積腸回転異常捻転Hirschsprung病虫垂炎 虫垂炎腸重積腸回転異常捻転上腸間膜動脈症候群腫瘍嚢胞



胆道癌」

  [★]

biliary tract cancer, biliary cancer, carcinoma of the biliary tract
胆道胆管
[show details]

定義

  • 本来、胆道は肝細胞から十二指腸に至るまで胆汁の全排泄経路であるが、胆道癌は胆道に発生する癌を示しているのではない。
  • (胆道癌取扱い規約)「胆道=肝外胆道系のみ」と定義。肝外胆管癌=胆道癌。肝内胆管癌≠胆管癌
  • (原発性肝癌取扱い規約(1997))肝内胆管癌が取り扱われている

分類

  • 胆管癌:肝門部胆管癌、上部胆管癌、中部胆管癌、下部胆管癌。この区分の3つ以上の領域を癌が占める時 → 広範囲胆管癌
  • 胆嚢癌:胆嚢・胆嚢管に原発する癌
  • 乳頭部癌(十二指腸乳頭部癌):オッディ括約筋に囲まれた乳頭部に原発する癌 ← 胆道癌に含まないことが多い

疫学

  • 肝門部~上部胆管癌が胆道癌の50%を占め、次いで下部胆管癌が多い。
  • 胆管癌:50歳以上の男性に多い(IMD)。先天性総胆管嚢腫・潰瘍性大腸炎と合併することがある。
  • 胆嚢癌:60歳以上の女性に多い(M:F=1:2)(IMD)。胆石との共存していることが多い。

リスクファクター

部位別

  • 胆管癌:胆管拡張型の膵・胆管合流異常、原発性硬化性胆管炎(PSC)
  • 胆管結石による慢性炎症との関連は明確ではない
無症候性胆石症に対する胆嚢摘出術は必要か? → 無症候性胆石症に対して胆嚢摘出術を勧める根拠は不十分である。(推奨度C2)
  • 胆嚢癌:膵・胆管合流異常のうち、とくに胆管拡張をともなわない膵・胆管合流異常
  • 1. 膵・胆管合流異常
  • 本邦における膵・胆管合流異常を対象とした全国集計の検討3)(レベルIV)では胆管拡張をともなう群における胆道癌の発生頻度は10.6%,胆管拡張をともなわない群では37.9%であった。胆道癌のうち胆嚢癌の割合は,胆管拡張をともなう群では64.9%,胆管拡張をともなわない群では93.2%であった。膵・胆管合流異常の胆嚢において粘膜過形成,K-ras遺伝子変異,p53蛋白過剰発現が高頻度に認められる。
  • 2. 胆嚢結石症・胆嚢壁の石灰化・陶器様胆嚢と胆嚢癌との因果関係は証明されてない。
  • 3. 胆嚢腺腫
  • 胆嚢ポリープが10mm以上で、かつ増大傾向を認める場合、または大きさにかかわらず広基性病変では胆嚢癌の頻度が高い。
  • 4. 胆嚢腺筋症
  • エビデンスなし
  • 乳頭部癌:エビデンスなし

膵・胆管合流異常

  • 膵・胆管合流異常1,627例
  • 胆管拡張型 :胆道癌10  %合併(このうち 胆嚢癌64.9%、胆管癌33.6%)
  • 胆管非拡張型:胆道癌37.9%合併(このうち 胆嚢癌93.2%
  • 膵・胆管合流異常における予防的治療は必要か?(ガイドライン)
  • 胆管拡張型では胆管癌の合併頻度が高く、予防的な胆嚢摘出と肝外胆管切除の有用性が期待できる可能性がある。(推奨度C1) (ガイドライン)
  • 胆管非拡張型は胆嚢癌のリスクファクターであり、予防的胆嚢摘出術が推奨される。(推奨度B)(ガイドライン)

症状

胆嚢癌

  • 胆石による症状(疝痛)に似ており、悪性疾患を疑う特異所見に乏しい。浸潤、転移巣による症状が初発症状となりうる。
  • 胆石を合併していることがあり、胆石による症状の精査で見いだされることもある。

胆管癌

乳頭部癌

  • 早期に閉塞性黄疸

起きうる症状(ガイドラインより)

胆嚢癌 胆管癌 乳頭部癌
右上腹部痛 79~89% 黄疸 初発症状の90%以上 (変動する)黄疸 多い
悪心嘔吐 52~53% 掻痒感 半数以上 発熱 多い(44~56%)
体重減少   上腹部痛(軽度) 半数以上 腹痛 多い(35~45)
黄疸 体重減少 半数以上 全身倦怠感  
食思不振 [黄疸-の症例に対して]   体重減少
腹部膨満感 腹痛 44% 食思不振
掻痒感 発熱 17% 背部痛
黒色便 食思不振 11%  
無症状 32~38% 全身倦怠感 11%
  無症状 27%

検査

  • 直接胆道造影法 ← ERCP

治療

  • 手術療法
  • 化学療法

予後

  • 胆道癌の根治率・予後は不良。
→ 胆嚢癌は症状に乏しく、発見時には進行癌となっている。
→ 胆道系は粘膜筋板を欠く、壁が薄い、リンパ管や血管に富む、周囲の臓器(肝臓、十二指腸、)・血管(肝動脈、門脈)に近接 → 早期の浸潤、転移

資料

  • 胆道癌の診断
  • [display]http://www.cancertherapy.jp/biliary/2009_winter/pdf/2009winter_02_01.pdf

ガイドライン

  • 胆道癌診療ガイドライン作成出版委員会/編(07年)/ガイドライン
[display]http://minds.jcqhc.or.jp/stc/0058/1/0058_G0000159_GL.html



原発性硬化性胆管炎」

  [★]

primary sclerosing cholangitis, PSC
硬化性胆管炎胆管炎


概念

  • 稀で原因不明の疾患。
  • 肝内・肝外胆管に原因不明の線維性狭窄を来し、持続性あるいは再発性(反復性)の閉塞性黄疸を来す疾患。 (YN.B-73)
  • 炎症により胆管壁の周囲に結合織が増生・硬化・狭窄し、胆管の狭窄により胆汁うっ滞による症状を呈し、慢性経過で胆管炎による胆汁うっ滞性肝硬変に進展。

病因

  • 原因不明
  • 自己免疫が関連?HLA-B8

疫学

  • 20歳代、50-60歳代にピーク
  • 男女比=2:1

遺伝形式

病理

  • 胆管を取り巻く線維化(線維性閉塞性胆管炎)(YN.B-73)

病態

胆管壁の全長~一部に線維性の肥厚が生じて内腔が狭窄する。肝外胆管と肝内胆管の比較的太い部位に限局する(⇔原発性胆汁性肝硬変: 肝内胆管の細胆管の障害)
  • 進行性であり、胆汁性肝硬変に至り、肝硬変や食道静脈瘤破裂により死亡。

症状

  • 本症の7-50%は全く無症状。症状があるものでは、体重減少(35-80%)、黄疸(25-75%)、掻痒感(10-70%)、右季肋部痛・心窩部痛(75%)、全身倦怠感、発熱。(NSU.643)
  • 閉塞性黄疸:消長を繰り返す(SSUR.615)
  • 胆管炎:胆管の閉塞・狭窄による

検査

  • MRCPERCP、(PTC: 今ではあんまりやらない?。肝内胆管周囲の線維化のために不成功に終わる事が多い(NSU.643))
  • 肝内・肝外胆管の限局性の狭窄と正常部が交互に現れる:びまん性の数珠状の狭窄 → beaded appearance (NSU.643 SSUR.615)
  • 肝内胆管の細枝が狭窄: pruned tree appearance
  • 血液:胆道系酵素
  • 血清学的検査:P-ANCA:陽性、AMA:90%以上の症例で陰性

診断

  • 閉塞性黄疸の検査所見(胆道系酵素上昇、直接ビリルビン上昇)、胆道造影、血清学的検査(AMA陰性)

鑑別診断

  • 胆管癌

合併症

YN.B-73

治療

  • 対症療法:
  • 副腎皮質ホルモン、免疫抑制薬、(肝庇護)ウルソデオキシコール酸、
  • 胆道ドレナージ
  • 胆道内瘻化術
  • 肝外胆管切除術
  • 胆管空腸吻合術
  • 根治療法:(肝不全に陥った症例)肝移植

予後

  • 肝移植後の5年生存率:85-90%(YN.B-73)
  • 経過中に胆管癌(9-15)が発生しうる。(YN.B-73)
  • see BPT.659
Table 16-7. Main Features of Primary Biliary Cirrhosis and Primary Sclerosing Cholangitis
Parameter primary biliary cirrhosis primary sclerosing cholangitis
Age Median age 50 years (30-70) Median age 30 years
Gender 90% female 70% male
Clinical course Progressive Unpredictable but progressive
Associated conditions Sjogren syndrome (70%) inflammatory bowel disease (70%)
scleroderma (5%) pancreatitis (?25%)
thyroid disease (20%) idiopathic fibrosing disease (retroperitoneal fibrosis)
Serology 95% AMA positive 0% to 5% AMA positive (low titer)
20% ANA positive 6% ANA positive
60% ANCA positive 82% ANCA positive
Radiology normal strictures and beading of large bile ducts; pruning of smaller ducts
duct lesion florid duct lesion; loss of small ducts concentric periductal fibrosis; loss of small ducts

参考

  • 原発性硬化性胆管炎
  • primary sclerosing cholangitis(PSC)
[display]http://www.nurs.or.jp/~academy/igaku/s5/s555.htm
[display]http://www.geekymedics.com/body-systems/hepatology/primary-sclerosing-cholangitis
[display]http://emedicine.medscape.com/article/365202-imaging
[display]http://radiographics.rsna.org/content/20/4/959/F4.expansion.html



-primary sclerosing cholangitis
PSC


内視鏡的逆行性胆管膵管造影」

  [★]

endoscopic retrograde cholangiopancreatography, ERCP
内視鏡的逆行性膵胆管造影内視鏡的逆行性膵胆管造影法内視鏡的逆行性胆管膵管造影内視鏡的逆行性胆管膵管造影法
内視鏡的胆道ドレナージ
[show details]

概念

  • 胆道疾患の診断目的に施行する画像検査
  • 内視鏡を用いて、十二指腸乳頭部から膵管および胆管内に細径チューブを挿入し、造影剤を注入して撮像すること。

禁忌

  • 全身状態が著しく不良
  • 造影剤過敏症(アナフィラキシーショック)
  • 急性膵炎急性期
  • 慢性膵炎の急性増悪期

参考

  適応 禁忌 要注意
膵臓疾患 膵臓癌
・嚢胞性疾患
慢性膵炎
・膵管癒合不全
輪状膵
・全身状態が著しく不良
・造影剤過敏症
(アナフィラキシーショック)
・急性膵炎急性期
・慢性膵炎の急性増悪期
・上部消化管狭窄
・胃全摘出後
  Roux-en-Y吻合
Billroth II法 残胃例
胆道疾患 胆管癌
胆嚢癌
・胆道結石症
胆管狭窄
・膵・胆管合流異常
乳頭部疾患 乳頭部癌
・乳頭機能不全症



-ERCP


胆嚢癌」

  [★]

gallbladder cancer, carcinoma of the gallbladder
胆道癌胆管癌

疫学

  • 高齢者女性。
  • 60歳代。男女比=1:2

リスクファクター(ガイドラインより)

  • 1. 膵・胆管合流異常
  • 胆管拡張をともなわない膵・胆管合流異常は胆嚢癌のハイリスクファクターである。
  • 膵・胆管合流異常の胆嚢において粘膜過形成,K-ras遺伝子変異,p53蛋白過剰発現が高頻度に認められる
  • 胆嚢癌の発生母地病変として腺腫や異型上皮,腸上皮化生が関与する可能性が報告されている
  • 胆嚢ポリープが10mm以上で,かつ増大傾向を認める場合,または大きさにかかわらず広基性病変では胆嚢癌の頻度が高いと考えられる。

不明

  • 現時点では胆嚢結石と胆嚢癌との直接的因果関係は証明されておらず,無症候性胆嚢結石の場合,長期間経過観察しても胆嚢癌が発生する危険は少ないといえる。
  • 胆嚢壁の石灰化や陶器様胆嚢と胆嚢癌との因果関係は現段階では統一見解がない。
  • 現時点で胆嚢腺筋腫症が胆嚢癌のリスクファクターであるか否かの結論は得られていない。


早期癌

  • 早期胆嚢癌:組織学的深達度が粘膜(m)・固有筋層(mp)にとどまるもの。リンパ節転移の有無は問わない。癌の先端部がRokitansky-Aschoff sinusに限局していれば、深達度に寄らず粘膜内癌 (YN.B-74)

症状

  • 初期には無症状
  • 腹痛(72%)、黄疸(58%)、体重減少(47%)
  • 黄疸が出現した頃にはかなり進行している

検査

  • CT
[show details]

予後

  • 早期癌:op後の累積5年生存率は80%。
  • 進行癌:漿膜下層限局で5年生存率は50%。漿膜波及で10%。

ガイドライン

国試



癌」

  [★]

cancer
悪性腫瘍


種類

  • 癌腫(carcinoma):上皮性
  • 肉腫(sarcoma):間葉系
  • carcinoma:腺癌(adenocarcinma)、扁平上皮癌(squamous cell carcinoma)、移行上皮癌(transitional cell carcinoma)
  • sarcoma:骨肉腫、横紋筋肉腫、平滑筋肉腫、脂肪肉腫、線維肉腫

Neoplasm Causes Effect
Small cell lung carcinoma ACTH or ACTH-like peptide Cushing’s syndrome
Small cell lung carcinoma and intracranial neoplasms ADH SIADH
Squamous cell lung carcinoma, renal cell carcinoma, breast carcinoma, multiple myeloma, and bone metastasis (lysed bone) PTH-related peptide, TGF-β, TNF-α, IL-1 Hypercalcemia
Renal cell carcinoma, hemangioblastoma Erythropoietin Polycythemia
Thymoma, small cell lung carcinoma Antibodies against presynaptic Ca2+ channels at neuromuscular junction Lambert-Eaton syndrome (muscle weakness)
Leukemias and lymphomas Hyperuricemia due to excess nucleic acid turnover (i.e., cytotoxic therapy) Gout, urate nephropathy
  • 最新癌統計
http://ganjoho.ncc.go.jp/public/statistics/pub/statistics01.html
●2005年の死亡数が多い部位は順に
  1位 2位 3位 4位 5位  
男性 肝臓 結腸 膵臓 結腸と直腸を合わせた大腸は4位
女性 結腸 肝臓 乳房 結腸と直腸を合わせた大腸は1位
男女計 肝臓 結腸 膵臓 結腸と直腸を合わせた大腸は3位
 
●2001年の罹患数が多い部位は順に
  1位 2位 3位 4位 5位  
男性 結腸 肝臓 前立腺 結腸と直腸を合わせた大腸は2位
女性 乳房*1 結腸 子宮*1 結腸と直腸を合わせた大腸は1位
男女計 結腸 乳房*1 肝臓 結腸と直腸を合わせた大腸は2位
*1上皮内がんを含む。


癌の素因となる遺伝子

HIM.494
Table 79-1 Cancer Predisposition Syndromes and Associated Genes
Syndrome Gene Chromosome Inheritance Tumors
ataxia telangiectasia ATM  11q22-q23 AR breast cancer
autoimmune lymphoproliferative syndrome FAS 10q24 AD lymphomas
FASL 1q23  
Bloom syndrome BLM  15q26.1 AR cancer of all types
Cowden syndrome PTEN  10q23 AD breast, thyroid
familial adenomatous polyposis APC  5q21 AD intestinal adenoma, colorectal cancer
familial melanoma p16INK4  9p21 AD melanoma, pancreatic cancer
familial Wilms tumor WT1  11p13 AD pediatric kidney cancer
hereditary breast/ovarian cancer BRCA1 17q21 AD breast, ovarian, colon, prostate
BRCA2 13q12.3  
hereditary diffuse gastric cancer CDH1  16q22 AD stomach cancers
hereditary multiple exostoses EXT1 8q24 AD exostoses, chondrosarcoma
EXT2 11p11-12  
hereditary prostate cancer HPC1  1q24-25 AD prostate carcinoma
hereditary retinoblastoma RB1  13q14.2 AD retinoblastoma, osteosarcoma
hereditary nonpolyposis colon cancer (HNPCC) MSH2 2p16 AD colon, endometrial, ovarian, stomach, small bowel, ureter carcinoma
MLH1 3p21.3  
MSH6 2p16  
PMS2 7p22  
hereditary papillary renal carcinoma MET  7q31 AD papillary renal tumor
juvenile polyposis SMAD4  18q21 AD gastrointestinal, pancreatic cancers
Li-Fraumeni TP53  17p13.1 AD sarcoma, breast cancer
multiple endocrine neoplasia type 1 MEN1  11q13 AD parathyroid, endocrine, pancreas, and pituitary
multiple endocrine neoplasia type 2a RET  10q11.2 AD medullary thyroid carcinoma, pheochromocytoma
neurofibromatosis type 1 NF1  17q11.2 AD neurofibroma, neurofibrosarcoma, brain tumor
neurofibromatosis type 2 NF2  22q12.2 AD vestibular schwannoma, meningioma, spine
nevoid basal cell carcinoma syndrome (Gorlin's syndrome) PTCH  9q22.3 AD basal cell carcinoma, medulloblastoma, jaw cysts
tuberous sclerosis TSC1 9q34 AD angiofibroma, renal angiomyolipoma
TSC2 16p13.3  
von Hippel–Lindau VHL  3p25-26 AD kidney, cerebellum, pheochromocytoma
癌遺伝子癌抑制遺伝子

癌の危険因子

生活習慣病#生活習慣病などのリスクファクターを改変
疾患 危険因子 防御因子
悪性腫瘍 胃癌 塩辛い食品、喫煙、くん製製品、ニトロソアミン土壌、腸上皮化生Helicobacter pyroli ビタミンC、野菜、果実
食道癌 喫煙飲酒、熱い飲食物 野菜、果実
結腸癌 高脂肪食、肉食、低い身体活動、腸内細菌叢の変化、遺伝(家族性大腸腺腫症)  
肝癌 HBVキャリア・HCVキャリア、アフラトキシン住血吸虫飲酒  
肺癌 喫煙(特に扁平上皮癌)、大気汚染、職業的暴露(石綿(扁平上皮癌悪性中皮腫)、クロム) 野菜、果実
膵癌 高脂肪食喫煙  
口腔癌 喫煙(口唇・舌-パイプ)、ビンロウ樹の実(口腔)、飲酒  
咽頭癌 EBウイルス(上咽頭癌)、飲酒  
喉頭癌 喫煙男性アルコール  
乳癌 高年初産、乳癌の家族歴、肥満、未婚で妊娠回数少ない、無授乳、脂肪の過剰摂取、低年齢初経、高年齢閉経 母乳授乳
子宮頚癌 初交年齢若い、早婚、多産、性交回数が多い(売春)、貧困、不潔]、HSV-2HPV流産、人工妊娠中絶回数が多い  
子宮体癌 肥満糖尿病ピルエストロゲン常用、未婚、妊娠回数少ない、乳癌後のタモキシフエン内服  
膀胱癌 喫煙鎮痛剤乱用、ビルハルツ住血吸虫サッカリン防腐剤  
皮膚癌 日光(紫外線)、ヒ素(Bowen病)  
白血病 放射線ベンゼン、地域集積性(ATL)、ダウン症(小児白血病)  
骨腫瘍 電離放射線  
甲状腺癌 ヨード欠乏または過剰  


胆管」

  [★]

bile duct (Z), biliary tract
胆汁路
肝内胆管肝外胆管

胆管径

腹部超音波テキスト 第1版 p.169
  • 正常胆管径:
  • 胆摘後では肝外胆管が10mm以上になりうる
  • 加齢によって太くなる
  • とある文献によれば、総胆管径は
胆嚢炎:8.7±1.7
胆石:11±3.3
胆嚢切除後:9.5±2.6
膵炎:9.8±2.2
膵癌:14.0±2.8
リンパ腫:9.5±2.6
十二指腸疾患(十二指腸炎、十二指腸潰瘍、十二指腸瘢痕):8.4±1.0





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