肥大型心筋症

出典: meddic

hypertrophic cardiomyopathy HCM, HCMJ
心筋症

病因

  • 半数が常染色体優性遺伝による。sarcomere complexを構成する蛋白をコードする遺伝子の異常による。この遺伝子にはβミオシン重鎖、トロポニンT、ミオシン結合蛋白Cをコードするものがある。(PHD.259) → 蛋白の構造異常によるからAD

病型

病理

  • pattern of extensive disarray. Short, wide, hypertrophied fibers are oriented in chaotic directions and surrounded by numerous cardiac fibroblasts and extracellular matrix.(PHD.259) → これが拡張障害や不整脈の原因となる

症候

  • dyspnea, palpirations, bifid apical impulse, coarse systolic murmur at the left sternal border, and ventricular hypertrophy with asymmertric septal thickening on echo cardiogram.(Q book p.304)
  • bifid apical impulse: the forceful atrial contraction may also result in a palpable presystolic impulse over the cardiac apex (=double apical impulse)
  • coarse systolic murmur: LA contraction into the stiffened LV

身体所見

PHD.262

心音

  • S4:肥大した左心室壁に対して左心房が無理に血液を送り込むため
  • double apical impulse:心尖部で触れる。左心房の懸命な収縮+左心室の収縮
  • (左室流出路が狭窄している場合)systolic murmur at the left lower sternal border → AS like でダイアモンド型の駆出期雑音を生じる
  • (左室流出路が狭窄している場合)holosystolic blowing murmur at apex by MR → 僧帽弁前尖を左室流出路に引き寄せるからMRが生じる。汎収縮期雑音を生じる。(also see PHD.44)
  • 各種手技による雑音の変化。ASと反対の挙動を示す
  • 静脈還流量減少によりmurmurが増強
  • 静脈還流量増加によりmurmurが減弱
  • elevating one's leg
  • increasing sympathetic tone
  • squatting → HOCMにおいて、姿勢性めまいは一般的。The LV thus decreases in size and outflow tract obstruction intensifies.(PHD.262)

検査

頚動脈圧

  • 二峰性頚動脈波
  • 左室流出路が狭窄している場合は、頚動脈圧波の収縮期早期における急峻な立ち上がりと急激な低下がみられる(PHD.262)。HOCMでは収縮中期に駆出される血液量が低下し収縮期の脈波が二つの峰を形成する(参考2)。
その他、二峰性の頚動脈が認められる病態:大動脈閉鎖不全症閉塞性肥大型心筋症、開存の大きい動脈管開存症Valsalva洞破裂

心エコー

Mモードで観察
  • 左心室壁の肥厚
  • 非対称性中隔肥大(ASH)
  • 僧帽弁前尖の収縮期前方運動(SAM):循環血液量の減少と左室の過収縮による(YN.C-135)
  • 大動脈弁の収縮中期半閉鎖:HOCMでは収縮中期に駆出される血液量低下のために大動脈弁が閉鎖しそうになる(参考2)
  • 僧帽弁後退速度 DDRの低下:左心室のコンプライアンスが低下することにより、左室への血液流入速度が低下するため(YN.C-135)

心電図

  • ST下降、T波の陰転化、左室高電位、QRS時間の院長、Q波異常 (ECGP.118)
  • V3-V5における巨大陰性T波 → 心尖部肥大型心筋症
[show details]
V3-V6のST低下と陰性T波

治療

PHD.264
  • 生活療法:激しい運動や競争をするような運動は避ける → 突然死のリスクが高まる。
  • 薬物療法:
  • βブロッカー:(1)心筋酸素需要減少→狭心痛・呼吸困難↓、(2)左室流出路の圧勾配減少←心収縮力の低下により左室流出路の狭窄が解除される、(3)心室充満量増加←HR低下による、(4)心室期外収縮抑制。ただし、βブロッカーは不整脈による死亡は抑制できないらしい。
  • カルシウムチャネル拮抗薬:(1)心室のコンプライアンス上昇(reduce ventricular stiffness)、(2)βブロッカーが不応の患者での運動耐性を上げる。
  • 抗不整脈薬:心室細動や心室性頻拍から死に至ることがあるため。
  • 抗菌薬:閉塞性肥大型心筋症では感染性心内膜炎が起こりやすいため。
  • 埋め込み型除細動器 ICD:高リスクの患者に適応
  • カテーテルインターベンション:percutaneous septal albation
  • 手術療法:myomectomy


注意

  • 利尿薬

禁忌

  • 硝酸薬 (禁忌と言い切って良いのか知らないが、お手軽教科書には大抵禁忌と書いてある)

参考

  • 1. 分かりやすい
[display]http://www.nurs.or.jp/~academy/igaku/s1/s14222.htm
  • 2.
[display]http://kokushinado.ame-zaiku.com/circu/4_hm.html
  • 3. 肥大型心筋症の診療に関するガイドライン
2007年改訂版
[display]http://www.j-circ.or.jp/guideline/pdf/JCS2007_doi_h.pdf
2012年改訂版
[display]http://www.j-circ.or.jp/guideline/pdf/JCS2012_doi_h.pdf


国試




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出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2014/04/08 15:00:51」(JST)

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和文文献

  • 症例報告 経皮的中隔心筋焼灼術が奏功した閉塞性肥大型心筋症による血液透析困難症例
  • 大森 隼人,小口 智雅,白鳥 勝子 [他]
  • 相澤病院医学雑誌 9, 57-61, 2011
  • NAID 40018938598
  • Respiration & Circulation 閉塞性肥大型心筋症に対する経皮的経中隔心筋焼却術(percutaneous trans-septal myocardial ablation;PTSMA)治療
  • 遺伝性心血管疾患--現状と展望
  • 山岸 正和,林 研至,今野 哲雄 [他]
  • 日本心臓病学会誌 6(2), 105-114, 2011-06
  • NAID 40018890591
  • 特発性心筋症 (第38回内科学の展望(平成22年度) 難治性内科疾患の克服に向けて)
  • 渡邉 哲,久保田 功
  • 日本内科学会雑誌 100(3), 646-650, 2011-03-10
  • NAID 40018759399

関連リンク

肥大型心筋症(HCM: Hypertrophic cardiomyopathy)は、明らかな原因がないにも かかわらず、局在性の心筋肥大を起こす病態である。 目次. 1 概念; 2 分類; 3 症状と 所見. 3.1 臨床症状; 3.2 各種検査所見. 4 遺伝との関連; 5 治療. [編集] 概念. 本症は 心筋 ...
2011年9月2日 ... 心筋症は、「心筋そのものの異常により、心臓の機能異常をきたす病気」ですが、 そのうち、肥大型心筋症は、心肥大をおこす原因となる高血圧や弁膜症などの病気が ないにもかかわらず、心筋の肥大(通常左室、ときに右室の肥大)がおこる ...
肥大型心筋症とはどんな病気か. 肥大型心筋症は、心筋の細胞が大きくなって、とくに 心室の心筋があちらこちらで部分的に厚くなる心筋症です。 心筋が厚くなると、心臓 内部の空間が狭くなって、心臓は十分な量の血液を送り出せなくなります。厚くなる部分 が ...

関連画像

hqdefault.jpg閉塞性肥大型心筋症とは肥大型心筋症肥大型心筋症(hypertrophic 肥大型心筋症.jpg肥大型心筋症肥大型心筋症心筋症(肥大型)ミクロ像(HE強


★リンクテーブル★
国試過去問107A042」「102D027」「096A021」「106A031」「105B041」「099D080」「105I021」「106C008」「101B073」「096G113」「102D006」「100B028
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関連記事心筋」「心筋症」「肥大」「」「肥大型

107A042」

  [★]

  • 50歳の女性。腹部膨満感を主訴に来院した。3年前に高血圧を指摘されたが降圧薬は内服していない。母親が慢性腎不全で60歳から血液透析を受け、65歳時にくも膜下出血で死亡している。腹部触診で両側の腹部に凹凸のある腫瘤を触れるが圧痛はない。腸蠕動音は弱い。体温36.5℃。血圧162/90mmHg。尿所見:蛋白(-)、糖(-)、潜血(±)。血液所見:赤血球382万、Hb 10.2g/dl、Ht 32%、白血球5,600、血小板28万。血液生化学所見:アルブミン3.8g/dl、尿素窒素22mg/dl、クレアチニン1.2mg/dl。CRP 0.2mg/dl。腹部単純CT(別冊No.16)を別に示す。
  • この患者で検索すべきなのはどれか。



[正答]


※国試ナビ4※ 107A041]←[国試_107]→[107A043

102D027」

  [★]

  • 50歳の男性。胸痛を主訴に来院した。数日前から風邪気味であったが、昨日から左前胸部痛が出現した。痛みは数時間続くことがあり、深吸気時と仰臥位とで増強する。意識は清明。身長170cm、体重67kg。体温36.9℃。脈拍84/分、整。血圧140/84mmHg。収縮期と拡張期とに高調な雑音を聴取する。呼吸音に異常を認めない。血液所見:赤血球456万、Hb14.5g/dl、白血球8,900。CRP4.5mg/dl。心電図を以下に示す。
  • 最も考えられるのはどれか。


[正答]
※国試ナビ4※ 102D026]←[国試_102]→[102D028

096A021」

  [★]

  • 68歳の男性。3日前からの胸痛を主訴に来院した。胸痛は呼吸で変動し、臥位で増強した。
  • 体温37.4℃。呼吸数18/分。脈拍78/分、整。血圧100/70mmHg。心音は減弱し、心膜摩擦音を聴取する。肺野にラ音を聴取しない。肝を触知せず、下腿に浮腫を認めない。
  • 血液所見:赤血球400万、Hb12.3g/dl、白血球7,800。胸部エックス線写真と心電図とを以下に示す。
  • 最も考えられるのはどれか。


[正答]
※国試ナビ4※ 096A020]←[国試_096]→[096A022

106A031」

  [★]

  • 78歳の男性。 3時間前から持続する胸痛冷汗とを主訴に来院した。 1か月前に受けた健康診断では心電図の異常を指摘されなかった。 10年前から脂質異常症を指摘されている。喫煙は20本/日を50年間。脈拍88/分、整。血圧162/98mmHg。来院時の心電図(別冊No. 9)を別に示す。
  • 診断として最も考えられるのはどれか。



[正答]


※国試ナビ4※ 106A030]←[国試_106]→[106A032

105B041」

  [★]

  • 44歳の男性。胸部圧迫感を主訴に来院した。父親が54歳で突然死している。脈拍60/分、整。血圧148/92mmHg。胸骨左縁第3肋間を最強点とする3/6度の収縮期駆出性雑音を聴取する。心電図(別冊No.3)を別に示す。
  • 診断に最も有用なのはどれか。



[正答]


※国試ナビ4※ 105B040]←[国試_105]→[105B042

099D080」

  [★]

  • 組合せで正しいのはどれか。
  • a. (1)(2)
  • b. (1)(5)
  • c. (2)(3)
  • d. (3)(4)
  • e. (4)(5)
[正答]


※国試ナビ4※ 099D079]←[国試_099]→[099D081

105I021」

  [★]

  • 肥大型心筋症で誤っているのはどれか。
[正答]


※国試ナビ4※ 105I020]←[国試_105]→[105I022

106C008」

  [★]

  • 胸部エックス線写真で左第3弓の突出がみられやすいのはどれか。


[正答]


※国試ナビ4※ 106C007]←[国試_106]→[106C009

101B073」

  [★]

[正答]


※国試ナビ4※ 101B072]←[国試_101]→[101B074

096G113」

  [★]

  • 心臓移植が最も多く行われているのはどれか。
[正答]


※国試ナビ4※ 096G112]←[国試_096]→[096G114

102D006」

  [★]

[正答]


※国試ナビ4※ 102D005]←[国試_102]→[102D007

100B028」

  [★]

  • 高拍出性心不全をきたすのはどれか。
[正答]


※国試ナビ4※ 100B027]←[国試_100]→[100B029

難病リスト」

  [★]

血液系疾患
  再生不良性貧血 http://www.nanbyou.or.jp/sikkan/042_i.htm
  溶血性貧血  
   (1)自己免疫性溶血性貧血 http://www.nanbyou.or.jp/sikkan/116_1_i.htm
   (2)発作性夜間ヘモグロビン尿症 http://www.nanbyou.or.jp/sikkan/116_2_i.htm
  不応性貧血骨髄異形成症候群http://www.nanbyou.or.jp/sikkan/102_i.htm
  骨髄線維症 http://www.nanbyou.or.jp/sikkan/039_i.htm
  特発性血栓症 http://www.nanbyou.or.jp/sikkan/078_i.htm
  特発性血小板減少性紫斑病 http://www.nanbyou.or.jp/sikkan/077_i.htm
  血栓性血小板減少性紫斑病 http://www.nanbyou.or.jp/sikkan/026_i.htm
  原発性免疫不全症候群 http://www.nanbyou.or.jp/sikkan/031_i.htm
免疫系疾患
  大動脈炎症候群高安動脈炎http://www.nanbyou.or.jp/sikkan/065_i.htm
  バージャー病ビュルガー病http://www.nanbyou.or.jp/sikkan/099_i.htm
  結節性動脈周囲炎  
   (1)結節性多発動脈炎 http://www.nanbyou.or.jp/sikkan/025_1_i.htm
   (2)顕微鏡的多発血管炎 http://www.nanbyou.or.jp/sikkan/025_2_i.htm
  ウェゲナー肉芽腫症 http://www.nanbyou.or.jp/sikkan/006_i.htm
  アレルギー性肉芽腫性血管炎 http://www.nanbyou.or.jp/sikkan/005_i.htm
  チャーグ・ストラウス症候群http://www.nanbyou.or.jp/sikkan/005_i.htm
  悪性関節リウマチ http://www.nanbyou.or.jp/sikkan/003_i.htm
  側頭動脈炎 http://www.nanbyou.or.jp/sikkan/064_i.htm
  全身性エリテマトーデス http://www.nanbyou.or.jp/sikkan/063_i.htm
  多発性筋炎・皮膚筋炎 http://www.nanbyou.or.jp/sikkan/067_i.htm
  シェーグレン症候群 http://www.nanbyou.or.jp/sikkan/044_i.htm
  成人スティル病 http://www.nanbyou.or.jp/sikkan/057_i.htm
  ベーチェット病 http://www.nanbyou.or.jp/sikkan/108_i.htm
  抗リン脂質抗体症候群 http://www.nanbyou.or.jp/sikkan/038_i.htm
内分泌系疾患
  ビタミンD受容機構異常症 http://www.nanbyou.or.jp/sikkan/096_i.htm
  甲状腺ホルモン不応症 http://www.nanbyou.or.jp/sikkan/035_i.htm
  TSH受容体異常症 http://www.nanbyou.or.jp/sikkan/073_i.htm
  偽性副甲状腺機能低下症 http://www.nanbyou.or.jp/sikkan/016_i.htm
  PRL分泌異常症 http://www.nanbyou.or.jp/sikkan/093_i.htm
  ゴナドトロピン分泌異常症 http://www.nanbyou.or.jp/sikkan/040_i.htm
  ADH分泌異常症 http://www.nanbyou.or.jp/sikkan/007_i.htm
  原発性アルドステロン症 http://www.nanbyou.or.jp/sikkan/027_i.htm
  副腎低形成(アジソン病) http://www.nanbyou.or.jp/sikkan/104_i.htm
  グルココルチコイド抵抗症 http://www.nanbyou.or.jp/sikkan/022_i.htm
  副腎酵素欠損症 http://www.nanbyou.or.jp/sikkan/103_i.htm
  偽性低アルドステロン症 http://www.nanbyou.or.jp/sikkan/015_i.htm
  中枢性摂食異常症 http://www.nanbyou.or.jp/sikkan/072_i.htm
代謝系疾患
  原発性高脂血症 http://www.nanbyou.or.jp/sikkan/028_i.htm
  アミロイドーシス http://www.nanbyou.or.jp/sikkan/004_i.htm
神経・筋疾患
  プリオン病  
   (1)クロイツフェルト・ヤコブ病CJDhttp://www.nanbyou.or.jp/sikkan/105_i.htm
   (2)ゲルストマン・ストロイスラー・シャインカー病GSShttp://www.nanbyou.or.jp/sikkan/106_i.htm
   (3)致死性家族性不眠症FFIhttp://www.nanbyou.or.jp/sikkan/107_i.htm
  亜急性硬化性全脳炎SSPEhttp://www.nanbyou.or.jp/sikkan/002_i.htm
  進行性多巣性白質脳症PMLhttp://www.nanbyou.or.jp/sikkan/053_i.htm
  脊髄小脳変性症 http://www.nanbyou.or.jp/sikkan/059_i.htm
  パーキンソン病関連疾患  
   (1)進行性核上性麻痺 http://www.nanbyou.or.jp/sikkan/052_i.htm
   (2)大脳皮質基底核変性症 http://www.nanbyou.or.jp/sikkan/052_2_i.htm
   (3)パーキンソン病 http://www.nanbyou.or.jp/sikkan/089_i.htm
  筋萎縮性側索硬化症(ALS) http://www.nanbyou.or.jp/sikkan/021_i.htm
  脊髄性進行性筋萎縮症 http://www.nanbyou.or.jp/sikkan/060_i.htm
  球脊髄性筋萎縮症 http://www.nanbyou.or.jp/sikkan/017_i.htm
  多系統萎縮症  
   (1)線条体黒質変性症 http://www.nanbyou.or.jp/sikkan/062_i.htm
   (2)オリーブ橋小脳萎縮症 http://www.nanbyou.or.jp/sikkan/062_2_i.htm
   (3)シャイ・ドレーガー症候群 http://www.nanbyou.or.jp/sikkan/046_i.htm
  副腎白質ジストロフィー http://www.nanbyou.or.jp/sikkan/109_2_i.htm
  多発性硬化症 http://www.nanbyou.or.jp/sikkan/068_i.htm
  ギラン・バレー症候群 http://www.nanbyou.or.jp/sikkan/020_i.htm
  重症筋無力症 http://www.nanbyou.or.jp/sikkan/049_i.htm
  フィッシャー症候群 http://www.nanbyou.or.jp/sikkan/101_i.htm
  慢性炎症性脱髄性多発神経炎 http://www.nanbyou.or.jp/sikkan/110_i.htm
  多発限局性運動性末梢神経炎(ルイス・サムナー症候群http://www.nanbyou.or.jp/sikkan/066_i.htm
  ハンチントン病 http://www.nanbyou.or.jp/sikkan/092_i.htm
  単クローン抗体を伴う末梢神経炎(クロウ・フカセ症候群) http://www.nanbyou.or.jp/sikkan/070_i.htm
  正常圧水頭症 http://www.nanbyou.or.jp/sikkan/056_i.htm
  モヤモヤ病(ウィリス動脈輪閉塞症) http://www.nanbyou.or.jp/sikkan/115_i.htm
  ペルオキシソーム病 http://www.nanbyou.or.jp/sikkan/109_1_i.htm
  ライソゾーム病ファブリー病を除く)]] http://www.nanbyou.or.jp/sikkan/117_i.htm
  脊髄空洞症 http://www.nanbyou.or.jp/sikkan/058_i.htm
視覚系疾患
  網膜色素変性症 http://www.nanbyou.or.jp/sikkan/114_i.htm
  加齢黄斑変性 http://www.nanbyou.or.jp/sikkan/011_i.htm
  難治性視神経症 http://www.nanbyou.or.jp/sikkan/085_i.htm
聴覚・平衡機能系疾患
  メニエール病 http://www.nanbyou.or.jp/sikkan/113_i.htm
  遅発性内リンパ水腫 http://www.nanbyou.or.jp/sikkan/071_i.htm
  突発性難聴 http://www.nanbyou.or.jp/sikkan/084_i.htm
  特発性両側性感音難聴 http://www.nanbyou.or.jp/sikkan/083_i.htm
循環器系疾患
  肥大型心筋症 http://www.nanbyou.or.jp/sikkan/095_i.htm
  特発性拡張型心筋症(うっ血型心筋症) http://www.nanbyou.or.jp/sikkan/075_i.htm
  拘束型心筋症 http://www.nanbyou.or.jp/sikkan/036_i.htm
  ミトコンドリア病 http://www.nanbyou.or.jp/sikkan/112_i.htm
  ライソゾーム病ファブリー病http://www.nanbyou.or.jp/sikkan/118_i.htm
  家族性突然死症候群 http://www.nanbyou.or.jp/sikkan/010_i.htm
呼吸器系疾患
  特発性間質性肺炎 http://www.nanbyou.or.jp/sikkan/076_i.htm
  サルコイドーシス http://www.nanbyou.or.jp/sikkan/043_i.htm
  びまん性汎細気管支炎 http://www.nanbyou.or.jp/sikkan/097_i.htm
  若年性肺気腫 http://www.nanbyou.or.jp/sikkan/047_i.htm
  肺リンパ脈管筋腫症LAMhttp://www.nanbyou.or.jp/sikkan/120_i.htm
  ヒスチオサイトーシスX http://www.nanbyou.or.jp/sikkan/094_i.htm
  肥満低換気症候群 http://www.nanbyou.or.jp/sikkan/098_i.htm
  肺胞低換気症候群 http://www.nanbyou.or.jp/sikkan/090_i.htm
  原発性肺高血圧症 http://www.nanbyou.or.jp/sikkan/030_i.htm
  特発性慢性肺血栓塞栓症 http://www.nanbyou.or.jp/sikkan/081_i.htm
消化器系疾患
  潰瘍性大腸炎 http://www.nanbyou.or.jp/sikkan/009_i.htm
  クローン病 http://www.nanbyou.or.jp/sikkan/023_i.htm
  自己免疫性肝炎 http://www.nanbyou.or.jp/sikkan/045_i.htm
  原発性胆汁性肝硬変 http://www.nanbyou.or.jp/sikkan/029_i.htm
  難治性の肝炎のうち劇症肝炎 http://www.nanbyou.or.jp/sikkan/087_i.htm
  特発性門脈圧亢進症 http://www.nanbyou.or.jp/sikkan/082_i.htm
  肝外門脈閉塞症 http://www.nanbyou.or.jp/sikkan/012_i.htm
  バット・キアリ症候群 http://www.nanbyou.or.jp/sikkan/091_i.htm
  肝内結石症 http://www.nanbyou.or.jp/sikkan/013_i.htm
  肝内胆管障害(原発性硬化性胆管炎 等) http://www.nanbyou.or.jp/sikkan/014_i.htm
  慢性膵炎 http://www.nanbyou.or.jp/sikkan/111_i.htm
  重症急性膵炎 http://www.nanbyou.or.jp/sikkan/048_i.htm
  膵嚢胞線維症 http://www.nanbyou.or.jp/sikkan/054_i.htm
皮膚・結合組織疾患
  表皮水疱症(接合部型及び栄養障害型) http://www.nanbyou.or.jp/sikkan/100_i.htm
  膿疱性乾癬 http://www.nanbyou.or.jp/sikkan/088_i.htm
  天疱瘡 http://www.nanbyou.or.jp/sikkan/074_i.htm
  強皮症 http://www.nanbyou.or.jp/sikkan/019_i.htm
  好酸球性筋膜炎 http://www.nanbyou.or.jp/sikkan/033_i.htm
  重症多形滲出性紅斑(急性期) http://www.nanbyou.or.jp/sikkan/119_i.htm
  硬化性萎縮性苔癬 http://www.nanbyou.or.jp/sikkan/032_i.htm
  混合性結合組織病 http://www.nanbyou.or.jp/sikkan/041_i.htm
  神経線維腫症I型レックリングハウゼン病http://www.nanbyou.or.jp/sikkan/050_i.htm
  神経線維腫症II型 http://www.nanbyou.or.jp/sikkan/051_i.htm
  結節性硬化症(プリングル病) http://www.nanbyou.or.jp/sikkan/024_i.htm
  色素性乾皮症XP) http://www.nanbyou.or.jp/sikkan/122_i.htm
骨・関節系疾患
  後縦靭帯骨化症 http://www.nanbyou.or.jp/sikkan/034_i.htm
  黄色靭帯骨化症 http://www.nanbyou.or.jp/sikkan/008_i.htm
  前縦靭帯骨化症 http://www.nanbyou.or.jp/sikkan/061_i.htm
  特発性大腿骨頭壊死症 http://www.nanbyou.or.jp/sikkan/080_i.htm
  特発性ステロイド性骨壊死症 http://www.nanbyou.or.jp/sikkan/079_i.htm
  広範脊柱管狭窄症 http://www.nanbyou.or.jp/sikkan/037_i.htm
  進行性骨化性線維異形成症FOP) http://www.nanbyou.or.jp/sikkan/121_i.htm
腎・泌尿器系疾患
  IgA腎症 http://www.nanbyou.or.jp/sikkan/001_i.htm
  急速進行性糸球体腎炎 http://www.nanbyou.or.jp/sikkan/018_i.htm
  難治性ネフローゼ症候群 http://www.nanbyou.or.jp/sikkan/086_i.htm
  多発性嚢胞腎 http://www.nanbyou.or.jp/sikkan/069_i.htm
スモン
  スモン http://www.nanbyou.or.jp/sikkan/055_i.htm

心電図」

  [★]

electrocardiogram ECG, electrocardiography
elektrokardiogramm EKG
  • 図:PT.268,279(心臓の構造と興奮伝導系)
  • 心電図の読み方:PHD.108

概念

  • 心臓全体の電気的活動を体表面から経時的に記録したもの。
  • 特殊心筋の活動電位は記録されない。固有心筋の活動電位のみ

医学大事典より

  • 心臓は拍動のたびに電気を発生し、これを心起電力(cardiac electromotive force)と呼ぶ。
  • 心起電力により体表面に電流が流れると四肢や胸壁など、体表面の異なった部位間に電位差が生じる。
  • この電位差を導出するための装置を心電計と呼び、心電計により時間軸に沿って記録された電位の変化を心電図という。

意義

  • 心電図は心臓の電気的興奮の伝達を記録したものである。P波は心房の脱分極を、QRS波は心室の心筋細胞の脱分極を表す。T波は心室の再分極を表す。つまり心筋の異常がある場合何かしらの変化が心電図上に表れるということである。心電図は身体に侵襲的な影響を及ぼさない検査である。このことはこの検査を心臓の疾患を疑ったら即行ってよいということである。
  • 心電図は、不整脈、心筋梗塞、心筋虚血、心膜炎、心房負荷、心室肥大・心室拡大、電解質異常などの判断に有用である。

施行する目的

  • 心臓疾患疑い(狭心症・心筋梗塞・不整脈など)
  • スクリーニング(学校検診、職場検診など)

心電図の種類

  • 臨床では一般に標準12誘導心電図が良く用いられる

電極の部位による分類

  • 体表の誘導
  • 体内の誘導
  • 食道内心電図
  • 心腔内心電図
  • ヒス束心電図

表現形式による分類

  • ベクトル心電図:心起電力をベクトル環として三次元的に描く
  • スカラー心電図:時間軸に沿った電位の記録

心電図の記録サイズ

  • 縦軸:10mm = 1mV
  • 横軸: 5mm = 0.2s

標準12誘導心電図

  • 標準肢誘導(I,II,III) + 単極肢誘導(aVR, aVF, aVL) + 胸部誘導(V1, V2, V3, V4, V5, V6) = 12誘導

電極の取り付け位置・電極の色

単極肢誘導

右手首 左手首
右足首 左足首

単極胸部誘導

EAB.5改変
V1 右第4肋間
V2 左第4肋間
V3 V2とV4の中点
V4 左第5肋間かつ鎖骨中線
V5 V4と同じ高さで前腋窩線との交点
V6 V4と同じ高さで中腋窩線との交点

心電図の波

6つの棘波よりなる
  • P波:心房の電気的興奮。:0.12-0.20s (3-5mm)
  • QRS複合:心室の電気的興奮:0.06-0.15s :正常; 0.06-0.08s (1.5-2mm), 不完全脚ブロック; 0.08-0.12s (2-3mm), 完全脚ブロック ≧0.12s (≧3mm)
  • T波:心室の再分極(心室筋興奮の回復過程):
  • U波

心電図の波の間隔

  • PQ時間:房室間伝導遅延:0.12-0.20s
  • QT時間:電気的心室収縮時間:心拍数と相関関係がある
QTc=QT/sqrt(RR)
心拍数によらずほぼ一定の値を示す
  • RR:心臓の一周期
  • TP:心臓の弛緩期

正常心電図における波

  • I,IIにおいてP, QRS, Tが全て正 → 100G096


心電図による得られる情報 (SP.536)

  • 心臓における興奮の発生と伝達の過程を可視化
1. 心臓内の興奮伝導の障害
ex. 房室ブロック
2. 不整脈:脈拍のリズムと心拍数の異常
ex. 心房粗動心室細動
3. 冠循環の異常
ex. 心筋梗塞
4. 心室肥大
5. 血漿中の電解質濃度の異常

各誘導で取りやすい所見

  • 第II誘導:P波の描出
  • V5誘導:虚血性変化

特徴的な所見

新生児・幼小児の心電図

SPE.428-
  • 電気軸:右軸偏位 → 左軸偏位  胎児循環では右心系が主に体循環に関わっていたが、成人で見られる循環では左心系が関わる。生後一ヶ月らいまでは+120~130°程度の右軸偏位
  • 呼吸性不整脈:小児では顕著。吸気時に心拍数増加、呼気時に心拍数減少
  • 右室肥大:新生児~乳児では肺血管抵抗がまだ高いために右室肥大が持続。

心電図と心疾患

  • 心臓を栄養している血管が急激に閉塞するため、全く血液が供給されない状態。
  • 急性期と慢性期では異なった心電図をとる。
  • 異常Q、ST上昇、冠性T
  • 心臓に器質的疾患を持たないにもかかわらず、心電図上でQT時間の延長(QT時間が0.46秒以上)を認める病態。

疾患と心電図

  • 心膜炎 心外膜炎:90%の患者に異常が見られる。aVR, V1を除いたST上昇。いくつかの電極でPR部の低下(PR segment depression)
  • 肺性心(肺気腫):肺性P、不完全右脚ブロック、右軸偏位、V1-V3のT波陰転・平坦化、II,III,aVFでST低下。肺高血圧、最初の3つは右室負荷を反映
  • 肥大型心筋症:ST-T変化(ストレイン型の陰性T波は、上に凸のST低下を伴い、非対称性陰性T波)。Sv1, Rv5の増大。QRS時間の延長。
  • 心房中隔欠損症:PR延長、不完全右脚ブロック、右軸偏位。右心系の容量負荷による遠心性心肥大。
  • 心室中隔欠損症
  • ブルガダ症候群:右側胸部誘導(V1-V2(V3))のST上昇(coved型あるいはsaddle back型) 。完全あるいは不完全右脚ブロック様QRS波形(つまり、V1-V3でJ波が見られる)。
  • 脚ブロック
  • WPW症候群:Δ波。PQ短縮、QRS延長。V1に特徴的変化「A型: 高いR波。左室自由壁」「B型: rS型。右側」「C型: Qr/QS。中隔」
  • 肺血栓塞栓症:右側胸部誘導の陰性T波、洞性頻脈、SⅠQⅢTⅢ、右脚ブロック、ST低下、肺性P、時計方向回転
  • 肺気腫:V1,V2でrS/QSパターン

注意点

  • 胸をさらすことになるので、女性の患者では特に配慮する。誘導の電極が正しい位置に貼られていないと記録される結果が異なってくるので、正確な位置に貼る。また、心電図は筋肉の活動も拾ってしまうので、筋緊張を和らげるため患者にはリラックスしてもらい、リラックスできる状況を作ることを心がける。

参考

[display]http://www.cardiac.jp




先天性心疾患」

  [★]

congenital heart disease, CHD
先天性心血管奇形 congenital cardiovascular anomaly
先天性心奇形
先天性心疾患.xls

先天性心疾患

右→左シャントが優位な疾患 チアノーゼ性心疾患

左→右シャントが優位な疾患 非チアノーゼ性心疾患

疫学

心室中隔欠損症 30.5
心房中隔欠損症 9.8
動脈管開存症 9.7
肺動脈狭窄症 6.9
大動脈縮窄症 6.8
大動脈狭窄症 6.1
ファロー四徴症 5.8
完全大血管転位 4.2
その他 20

症状

参考文献(2)より
心疾患による症状
  肺血流増加 肺血流減少 低心拍出
1.新生児期・乳児早期 多呼吸,陥没呼吸, 呼吸困難,喘鳴, 多汗, 哺乳障害 チアノーゼ 蒼白,末梢冷感, 冷汗,網状チアノーゼ, 体重増加不良, 弱い泣き声
2.乳幼児期 多呼吸, 易感染性,反復する肺炎 チアノーゼ, 低酸素発作, 蹲踞 体重増加不良, 運動発達遅延, 易疲労性, 顔色不良,やせ
3.小児期 運動能低下, 息切れ ばち状指 運動能低下, 動悸
4.思春期以後 合併症による症状  胸痛,失神発作,突然死,喀血,不整脈,出血傾向,痛風,けいれん 等    

酸素投与の悪影響(1)

  • 1)動脈管依存型 → 酸素投与により動脈管が閉鎖方向に向かう
  • ①肺循環が動脈管依存する疾患
肺動脈閉鎖右室低形成、重症肺動脈狭窄
  • ②体循環が動脈管依存する疾患(禁忌)
大動脈縮窄・大動脈離断、大動脈閉鎖
  • 2)肺循環負荷型 → 酸素投与により肺血管が拡張し、肺血管抵抗も減少して肺うっ血が増強
  • ①大きな心室・大血管の転位・欠損
心室中隔欠損、大動脈縮窄複合、完全心内膜床欠損、総動脈幹遺残、
完全大血管転位(II型)、三尖弁閉鎖(C型)、大動脈肺動脈窓など
  • ②肺静脈閉塞性疾患(蘇生術も含め絶対禁忌)
総肺静脈環流異常、三心房心僧帽弁狭窄肺静脈狭窄など

合併症

QB.C-478

先天性疾患と先天心疾患

疾患 先天性心奇形 その他
22q11.2欠失症候群 ファロー四徴症総動脈幹症(truncus arteriosus)、心室中隔欠損を伴う肺動脈弁閉鎖症
大動脈弓離断右側大動脈弓、右側肺動脈の大動脈起始
胸腺低形成低カルシウム血症、特有の顔貌、口蓋裂
ダウン症候群 (50%の例に合併)。心房中隔欠損症(ASD), 心室中隔欠損症(VSD)  
先天性風疹症候群 心房中隔欠損症動脈管開存症、末梢肺動脈狭窄  
ターナー症候群 大動脈縮窄症 低身長・翼状頚、外反肘
ヌーナン症候群 肺動脈弁狭窄肥大型心筋症 ターナー症候群に似る
マルファン症候群 僧帽弁逸脱症大動脈弁閉鎖不全症  
糖代謝異常合併妊娠母体からの出生児 大血管転位症  
ウイリアムズ症候群 大動脈弁上狭窄、末梢肺動脈狭窄  
無脾症多脾症 単心房単心室総肺静脈還流異常  

参考文献

  • (1) 1.新生児のチアノーゼ
http://nmcg.shiga-med.ac.jp/rc_lecture/lecture21.htm
  • (2) 先天性心疾患の診断、病態把握、治療選択のための検査法の選択ガイドライン
[display]http://www.j-circ.or.jp/guideline/pdf/JCS2010_hamaoka_h.pdf




拘束型心筋症」

  [★]

restrictive cardiomyopathy, RCM
拘束性心筋症
心筋症難病

定義

  • (1)硬い左心室、(2)左室拡大や肥大の欠如、(3)正常または正常に近い左室収縮機能、(4)原因不明を満たす疾患
  • 難病
  • 特定疾患治療研究事業対象(公費対象)の疾患

病因

  • 原因が心筋にあるもの
  • 原因が心筋以外のもの
  • 家族性蓄積疾患
  • 浸潤と肉腫

疫学

  • 有病率:(2002年の疫学調査)(参考2)
  • 拡張型心筋症:14.0/10万人対
  • 肥大型心筋症:17.3/10万人対
  • 拘束型心筋症:0.2人/10万人対

病態

左心室拡張障害によるうっ血性心不全
  • 左室内腔の拡大(×DCM)や壁肥厚はない(×HCM)。
  • 収縮能は正常。
  • 左房径は増大 ← 左心房は拡張(LAもrigitになる気がするけど、それでもやっぱり心房の方がコンプライアンスが高いから?そもそも、心室に血液を送り込めないから拡張せざるを得ないのだろう?)

身体所見

  • 心音:IV音

症状

  • 肺うっ血 → 呼吸困難

検査

  • 心カテーテル検査
  • 左室圧におけるa波が増大し、LVEDPが上昇。
  • 左室圧波形:dip and plateau (square root sign)

診断

治療

  • 対症療法

鑑別疾患

収縮性心膜炎との鑑別

  収縮性心膜炎 拘束型心筋症
contrictive endocarditis restricted cardiomyopathy
心カテーテル検査 両親室の拡張末期圧同じ 左室拡張末期圧 - 右室拡張末期圧 > 5mmHg
右室拡張末期圧 > 右室収縮末期圧/3 右室収縮期圧 > 50mmHg
右室経静脈的心内膜心筋生検   線維化や浸潤(アミロイド、鉄、転移性腫瘍などの浸潤)がみられる。
CT 肥厚した心内膜が観察される。石灰化があれば白く見える  
MRI 肥厚した心内膜が観察される  
LVとRVの壁厚を考慮すると、ある病因によるコンプライアンスの低下がLVでより顕著になると考えればよい?なんでだろう?

参考

  • 拘束型心筋症 - 認定基準
http://www.nanbyou.or.jp/upload_files/036_s.pdf
  • 難病情報センター - 拘束型心筋症(公費対象)
http://www.nanbyou.or.jp/entry/259



脈拍」

  [★]

pulse
脈拍数
  • see. IMD.42,44-45

大きさ

  • 脈拍の大きさ:収縮期と拡張期の間の動脈壁の動きの幅 → 脈圧を反映
1. 大脈(large pulse)
2. 小脈(small pulse)

速さ

  • 動脈壁が上下に動く速さ → 血圧の上昇、下降の急峻さを反映
  • 速脈---大脈で、遅脈---小脈
1. 速脈(rapid pulse)
2. 遅脈(slow pulse)

その他

1. 二峰性脈(double apical pulse)

  • 最初に急峻な峰があり、続いて緩徐な峰を生じる。
  • 左室流出路狭窄を伴う肥大型心筋症(HCM) → HOCM
  • IHSSAR(QB.C-351)

2. 交互脈(alternating pulse)

  • 脈拍の大きさが交互に変化する
  • 心筋梗塞心筋炎など心筋障害があるときにみられる。
  • 心拍出量が一定しない重症心不全の徴候

3. 奇脈(paradoxical pulse)

呼吸による変化

  • (吸気時)拍出量が減る → 駆出時間短縮 → 脈拍の間隔短縮 → 脈拍
(II音のページより)吸気時には、肺静脈が拡張 → 左房・左室への血液還流量が減少 → 左室を充満する血液量減少 → 一回拍出量減少 → 駆出時間の短縮 → A弁の開放時間が短縮
  • 糖尿病により呼吸性変化がなくなるらしい。

成長と脈拍(SPE.50)

  脈拍数
新生児 120
乳児 120
幼児 90
学童 80
中高生 70




閉塞性肥大型心筋症」

  [★]

hypertrophic obstructive cardiomyopathy, HOCM
特発性肥厚性大動脈弁下狭窄症 idiopathic hypertrophic subaortic stenosis IHSS
肥大型心筋症
非対称性心室中隔肥大肥大型閉塞性心筋症肥大性閉塞性心筋症特発性肥大性大動脈弁下狭窄症

病態

  • 心筋の肥大に伴い左室流出路狭窄を来しており、心拍出量が低下する。
  • 心房細動などにより心房からの駆出量が減少すれば、心拍出量低下に繋がる。

類似疾患との鑑別

QB.C-495改変
  大動脈弁狭窄症 閉塞性肥大型心筋症
聴診 駆出性収縮期雑音 駆出性収縮期雑音
最強点 2RSB 3LSB-4LSB
頚部への放散
駆出音
頚動脈圧 遅脈 二峰性
Brockenbrough現象

病理

  • 錯綜配列

病態

  • 左室流出路狭窄 → 心拍出量低下

症状

合併症

検査

心エコー

  • 形態:左心室壁の肥厚、非対称性中隔肥大(ASH)
[show details]

僧帽弁

  • 僧帽弁前尖の収縮期前方運動(SAM):循環血液量の減少と左室の過収縮による(YN.C-135)
  • 僧帽弁後退速度 DDRの低下:左心室のコンプライアンスが低下することにより、左室への血液流入速度が低下するため(YN.C-135)

大動脈弁

  • 大動脈弁の収縮中期半閉鎖:HOCMでは収縮中期に駆出される血液量低下のために大動脈弁が閉鎖しそうになる(参考2)

心臓カテーテル検査

  • 左室~大動脈圧:左室流入路圧 > 左室流出路圧
  • ブロッケンブロウ現象:期外収縮が起きた場合、心室性期外収縮の休止期後の期外収縮後増強により収縮力が増強し、左室流出路閉塞が増強するためにかえって大動脈圧が低下する
  • 造影:左室流出路狭窄

治療

治療目標:自覚症状の軽減、突然死、不正脈の予防
  • βブロッカー、カルシウム拮抗薬   →  左室流出路狭窄の軽減   ⇔  ×硝酸薬、ジギタリス:左室流出路狭窄を増強
  • Ia群抗不整脈薬

予後

  • 比較的良好

国試



非閉塞性肥大型心筋症」

  [★]

non-obstructive hypertrophic cardiomyopathy, hypertrophic nonobstructive cardiomyopathy HNCM, hypertrophic non-obstructive cardiomyopathy, HnOCM
肥大型心筋症閉塞性肥大型心筋症


拡張相肥大型心筋症」

  [★]

dilated phase of hypertrophic cardiomyopathy D-HCM, end-stage phase of cardiomyopathy burned-out phase of cardiomyopathy
肥大型心筋症



家族性肥大型心筋症」

  [★]

familial hypertrophic cardiomyopathyFHC
家族性肥大心筋症


心筋」

  [★]

cardiac muscle (K), heart muscle, myocard cardiac muscle, myocardium
心筋の活動電位横紋筋筋肉
筋小胞体が発達していない

心筋の酸素消費量 (SPC.226)

(tension-time index)=左心室内圧曲線収縮期相の面積(mmHg/s)×心拍数
(doble product)∝(tension-time index)

心筋の筋収縮

  • 1. 骨格筋細胞と違い心筋細胞は介在板を有しており、介在板近傍に存在するギャップ結合によって活動電位が伝播する。
  • 2. ギャップジャンクションを通じて活動電位が伝播すると、心筋細胞膜上の電位依存性Na+チャネルが開き、脱分極が筋細胞全体に広がる。
  • 3. 脱分極はT細管(横行管)に伝わり、T細管に存在する電位依存性のタンパク質の構造を変化させ、筋小胞体上のCa2+放出チャネルを開く。
  • 4. さらに少し遅れてCa2+/Na+チャネルが長時間開口し、細胞内に多量のCa2+/Na+を取り込む。
  • 5. 心筋細胞のT細管は細胞外部に開口しており、Ca2+の取り込みが容易になっている。
  • 6. このようにして、細胞外と筋小胞体中のCa2+が細胞質に拡散する。
  • 7. ここで、筋収縮に関わるアクチンフィラメントにトロポミオシンとトロポニンが結合し、収縮開始を妨げているが、Ca2+がトロポニンに結合すると、トロポミオシンがアクチンフィラメント上で場所を変える。
  • 8. この結果、トロポミオシンが覆い隠していたアクチンフィラメントのミオシン結合部位が露出する。
  • 9. ミオシンはATPの加水分解のエネルギーを使って、アクチンフィラメントに結合できる構造をとり、アクチンに結合する。
  • 10. ミオシンがアクチンフィラメントで首振り運動をすることで筋収縮が起こる。


Henry Gray (1825-1861). Anatomy of the Human Body. 1918.



心筋症」

  [★]

cardiomyopathy CM

心筋症比較

HIM.1482
YN C-132 C-134 C-136
HIM 1481 1484 1485
  拡張型心筋症 肥大型心筋症 拘束型心筋症
DCM HCM RCM
胸部単純X線写真 中等度~重度心陰影拡大 中等度~重度心陰影拡大 軽度心陰影拡大
肺静脈拡張    
心電図 ST領域、T波の異常 ST領域、T波の異常 低電位
  左室肥大 伝導障害
  異常Q波  
心エコー 左心室拡張・機能不全 非対称性中隔肥大 左心室壁肥厚
  収縮期僧帽弁前方運動 収縮能:正常~軽度減少
核医学検査 左心室拡張・機能不全 収縮能亢進 収縮能:正常~軽度減少
  血液還流異常(201Tl/Tc-MIBI)  
心カテーテル検査 左心室拡張・機能不全 収縮能亢進 収縮能:正常~軽度減少
左室・(右室)充満圧上昇 左室・右室充満圧上昇 左室・右室充満圧上昇
心拍出量減少 左室流出路狭窄  




肥大」

  [★]

hypertrophy
hypertrophia
過形成増殖
  • 組織や臓器が反応性に一定以上に容積を増すこと。


症」

  [★]

sis, pathy
  • 検査や徴候に加えて症状が出ている状態

肥大型」

  [★]

hypertrophic
肥厚性肥大症肥大性



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