肝肺症候群

出典: meddic

hepatopulmonary syndrome HPS
  • 明らかな心肺疾患がないにもかかわらず、肝疾患・門脈亢進症の患者において、肺内血管拡張をきたし低酸素血症を呈する病態。治療は確立されておらず、重症例を除いて肝移植が唯一有効。(SSUR.594)

参考



UpToDate Contents

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和文文献

  • 呼気一酸化窒素の上昇を認めた肝肺症候群の1例
  • 濱本 淳二,鳥羽 聡,廣佐古 進,中村 和芳,藤井 一彦,興梠 博次
  • 日本呼吸器学会雑誌 = The journal of the Japanese Respiratory Society 48(5), 379-384, 2010-05-10
  • NAID 10026598938
  • Fontan術後9年目に脳膿瘍,肝硬変,肝肺症候群を合併した1例
  • 釜江 智佳子,金井 貴志,石渡 隆寛 [他]
  • 日本小児科学会雑誌 114(10), 1562-1566, 2010-10
  • NAID 40017370732

関連リンク

肝肺症候群は,門脈圧亢進症の患者において血管拡張薬により生じる低酸素血症である;呼吸困難および低酸素血症は立位のときに悪化する。 肝肺症候群は,慢性肝疾患の患者において肺内微細動静脈の拡張形成により引き起こされる。
肝肺症候群 Hepatopulmonary syndrome ~A Liver Induced Lung Vascular Disorder~ ... ... 東北で総合病院に勤務する感染症内科医です.DrMagicianEARLに対するメールはこちらまで cum_earl@yahoo.co.jp 講演依頼,執筆依頼等もこの ...
池脇 丸山先生、肝肺症候群の最初 の報告が1977年ですので、比較的新し い症候群というふうに考えていいので しょうか。 丸山 はい。肝臓病があるために、 心臓あるいは肺自体に病気がないにも かかわらず、血液中の酸素が足りなく

関連画像

図1 肺塞栓酸素は体をどのように流れるの 内容見本1肺塞栓症特に①AST、ALTが正常上限値の3 拼圖小孩貝瑟妮的身體器官位置


★リンクテーブル★
リンク元肝硬変」「HPS」「扁平呼吸
関連記事症候群」「」「症候

肝硬変」

  [★]

cirrhosis of liver (M), liver cirrhosis LC, cirrhosis
肝臓

定義

(アトラス肝臓病 金原出版 谷川久一、阿部弘彦 昭和62年1月30日 p.57)

  • 次の1. 2.を満たす
  • 1. 肝細胞死が原因で、びまん性の結合組織増生が肝臓全域に見られる
  • 2. 肝実質の結節性再生と小葉構造の改築が認められるもの

概念

  • 肝硬変はびまん性に線維化した肝病変の終末像であり、慢性肝炎とともにもっともしばしばみられる肝の病態である。臨床的には様々な程度の肝細胞機能不全状態と門脈圧亢進症による症状がみられる慢性疾患である。

疫学

  • 人口10万人あたりの死亡率12.5人
  • 45-59歳の男性では死亡順位第4位
  • 西日本に多い

病因

病理

  • 炎症による細胞の破壊と再生を繰り返す結果、再生した肝細胞と新たに形成された線維性の隔壁を有する結節が形成され(再生結節)、肝硬変となる。(BPT.647)
  • ウイルス性肝炎の慢性化による肝硬変では、3mm以上の結節がみられる(macronodular cirrhosis)。
  • アルコール性肝炎の慢性化による肝硬変では、平均3mmの結節がみられる(micronodular cirrhosis)。


病態生理

  • 肝機能低下により(1)エストロゲンの肝臓における異化が低下、(2)アルブミン合成能が低下、(3)門脈圧亢進が起こる。(1)によるエストロゲンなどの血管拡張因子により血管が拡張し循環血漿量が減少する。(2)による膠質浸透圧の低下はサードスペースへの体液移動を引き起こしさらに循環血漿量を低下させる。これには(3)も相加的に作用すると思われる。循環血漿量の低下はRAA系の亢進をきたし、アルドステロンによるNa、水の貯留引き起こす。
  • 非代償性肝硬変では、肝網内系(クッパー細胞など)の機能低下、白血球減少による易感染性を呈する。

症状

  • 門脈圧亢進症 →肝脾腫、食道静脈瘤、痔核
  • 代償性
  • 非代償性

合併症

参考2

身体所見

[show details]
  • 腹部:脾腫 ← 門脈圧と脾腫の程度は相関しない (QB.B-315)

検査

血算

  • 汎血球減少 pancytopenia
  • 血小板減少が門脈圧亢進の最初の徴候(HIM.1978)
  • 白血球減少 ← 門脈圧亢進によるうっ血性の脾腫に伴う脾機能亢進。 骨髄での産生低下も原因らしい(出典不明)

血液生化学

  • 肝細胞機能不全と肝細胞障害を反映
  • 蛋白合成能低下:
  • 解毒能低下
  • 総ビリルビン T-Bil:上昇
  • アンモニア NH3:上昇
  • Fischer比:低下
  • 肝臓の線維化
  • 線維化マーカー (ヒアルロン酸、IV型コラ-ゲン):上昇
  • 膠質反応(TTT,ZTT):上昇
  • γグロブリン:上昇  ← ?
  • 肝細胞障害
  • 排泄能低下
  • 糖代謝異常
  • 糖の処理障害により食後高血糖を来しやすく、糖尿病を発症しやすい。
  • 低アルブミン血症に続発
  • 低ナトリウム血症、血漿浸透圧低下 ← 血液中の水が間質に移動する結果、電解質も共に移動する。血液中には水が過剰となり、低ナトリウム血症、血症浸透圧低下となる。volume depletionに対してADHが主に作用するからか、あるいはH2Oが移動しやすいからなのかは不明。

免疫血清検査

多クローン性γグロブリン血症
  • IgG:増加する傾向あり。 ← 門脈血が肝臓を通過せずにリンパ組織に流れ込む結果。著しく高値であったら自己免疫性肝炎。(参考1)
  • IgM:高値であったら90-95%はPBCである。(参考1)
  • 壊死、炎症が持続的に起きているから上がると解釈することもできる、みたい。

画像

  • (US,CT, MRI,Angio,肝シンチ、上部消化管内視鏡)

腹腔鏡、肝生検

  • 診断のgolden standard

Fisher比

  • 分枝鎖アミノ酸(branched chain amino acids, BCAA)と芳香族アミノ酸(aromatic amino acids; AAA)の分子比(モル比)
肝臓、末梢(筋肉など)でよく代謝される
ほぼ肝臓で代謝される
  • BCAA/AAA
  • 健常者     :3.0以上
  • 非代償性の肝硬変:低下

診断

治療

IMD 参考2 YN.B-47
  • 治療のゴールは、(1)肝疾患の進展を遅らせたり治癒させること、(2)他の原因による肝臓障害を予防すること、(3)合併症の予防、(4)肝移植の時期を決定することである。
  • 方針:原疾患の治療を行い、肝硬変の進展を抑えるように食事、生活療法を行う、非代償期には合併症の治療を行う。
  • (1)肝疾患の進展を遅らせたり治癒させる:原疾患の治療を行う(自己免疫性肝炎であればステロイドや免疫抑制薬、アルコール性肝障害であれば禁酒、ウイルス性肝炎であれば病原体に応じた治療)。
  • (2)他の原因による肝臓障害を予防する:肝臓に障害を与えないようにする(アルコール摂取、アセトアミノフェンの過剰服用)。予防接種を受ける(肝予備能がほとんど無ければA型肝炎、B型肝炎。肺炎球菌、インフルエンザウイルスに対する予防接種も考慮される。
  • (3)合併症の予防:肝細胞癌、静脈瘤出血、特発性細菌性腹膜炎、肝腎症候群、肝性脳症、肝肺症候群
  • (4)肝移植の時期を決定:

代償期

  • 食後の安静、適切な熱量で適切な蛋白質(1.2-1.5g/kg)の食事を摂取、ビタミンB、ビタミンK補充
  • 肝庇護薬(グリチルリチンなど)

非代償期

  • 腹水に対する治療
  • 食事療法:
  • 食塩制限(3-5g以下)、飲水制限(1L/day) ← 腹水貯留予防
  • 蛋白質の補充:分枝鎖アミノ酸の多い食事、分枝鎖アミノ酸製剤の点滴。NH3が上昇するなど肝性脳症の危険があれば低蛋白食とする。
  • 膠質浸透圧の維持:アルブミン製剤 ← たしか、蛋白質の補充としてではないよね
  • 早朝低血糖に対し、夜食を勧める(肝機能低下により糖新生↓のはず)。(出典不明)
  • 利尿薬:抗アルドステロン薬(スピロノラクトン)、フロセミド、サイアザイド  →  後2者はhypokalemiaからmetabolic alkalosisを惹起、アンモニアのNH4+ ⇔ NH3 + H+の平衡を左に移行させてアンモニアの排泄を阻害、高アンモニア血症を増悪しうる(非イオン化状態では尿細管で再吸収されやすいはず)(出典不明)。
  • 腹水濃縮再注入法
  • 肝内門脈大循環シャント、腹膜静脈短絡術
  • 食道静脈瘤の治療:内視鏡的食道静脈瘤硬化術・結紮術、外科的治療
  • 肝性脳症の治療:腹水の食事療法に準じるが、NH3再吸収につながる便秘の予防に気をつける。
  • 肝移植

予後

  • 死因:(1)肝性脳症、(2)静脈瘤破綻、(3)肝癌合併
  • (1),(2)の治療が発達したことにより、(3)での死亡が増加している。

参考

  • 1. [charged] Diagnostic approach to the patient with cirrhosis - uptodate [1]
  • 2. [charged] Overview of the complications, prognosis, and management of cirrhosis - uptodate [2]

国試



HPS」

  [★]


扁平呼吸」

  [★]

platypnea
起坐呼吸
  • 横臥時に改善が見られる呼吸困難
  • 心臓や肺内での右-左シャント(肺塞栓症卵円孔開存肝肺症候群)

症候群」

  [★]

syndrome, symptom-complex
症状群
[[]]
  • 成因や病理学的所見からではなく、複数の症候の組み合わせによって診断される診断名あるいは疾患


内分泌

先天的代謝異常

高プロラクチン血症

分娩後の視床下部障害によるプロラクチン分泌抑制因子の分泌抑制のため、高プロラクチン血症を呈する。
分娩に関係なくプロラクチン分泌抑制因子の分泌抑制をきたし、高プロラクチン血症を呈する。

性腺機能低下

嗅覚の低下・脱出、低ゴナドトロピン性性腺機能低下症
肥満、網膜色素変性症、知能低下、低ゴナドトロピン性性器発育不全、多指症、低身長

性早熟

思春期早発症、多発性線維性骨異形成症、皮膚色素沈着
女性型の肥満、性器の発育障害の2主徴を示し、視床下部に器質的障害をもつ疾患群。

脳神経外科・神経内科

  • Wallenberg症候群 ワレンベルグ症候群:椎骨動脈、後下小脳動脈の血栓塞栓症などで生じる。頚部より下位で温度覚の障害が健側に出現するのに対し、頚部より上位では障害側に温度覚の障害が出現する。



群」

  [★]

group
グループ集団分類群れグループ化


症候」

  [★]

symptom and sign
症状, 徴候 兆候




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