絨毛癌

出典: meddic

chorio
choriocarcinoma
絨毛上皮腫 chorioepithelioma
悪性合胞体腫、絨毛疾患


疫学

  • 日本、東南アジア、中東、ラテンアメリカに多い
  • 人口10万人にたいして年間0.05人
  • 正常妊娠からは5-10万例に1例、全胞状奇胎の1-2%に発症、部分胞状奇胎では稀とされる(G9M.184)

病理

NGY.242
  • 組織構造:絨毛構造無し。破壊的増殖。出血、壊死。
  • 細胞形態:細胞性、合胞体、中間型栄養膜細胞に類似した細胞。破壊的な増殖像。細胞異型あり


転移

  • 血行性転移

治療

  • 化学療法:(参考1)
  • EMA/CO regimen
  • EMA regimen
  • MAC regimen
  • 手術療法:子宮、肺の病変に関しては適応となることがある。
  • 放射線療法:脳、肝臓に対して行われる。

参考

  • 1. [charged]Malignant gestational trophoblastic disease: Staging and treatment - uptodate

[1]

国試


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出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2013/04/18 13:56:41」(JST)

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和文文献

  • 大腸癌の特殊型(大腸癌取扱い規約に準じて) (特集 大腸癌の病理診断をみつめる)
  • 河内 洋,伊藤 栄作,赤澤 直樹 [他]
  • 大腸癌frontier 4(1), 63-68, 2011-03
  • NAID 40018789621
  • 絨毛癌 (今月の臨床 絨毛と胎盤をめぐる新知見) -- (絨毛性疾患の病態・病因論)
  • 井箟 一彦,馬淵 泰士,南 佐和子
  • 臨床婦人科産科 65(3), 220-223, 2011-03
  • NAID 40018750193

関連リンク

絨毛癌(じゅうもうがん、英: Choriocarcinoma)は、胎盤を構成する絨毛を発生母地と する悪性腫瘍。「絨毛上皮 ... 近年では、胞状奇胎後の処置や経過管理が厳重にされる ようになったため、正常妊娠から絨毛癌に至った患者の占める割合が増加している。 ...
2006年10月1日 ... 絨毛性疾患は妊娠の後に子宮内部におこり、これを胞状奇胎(ほうじょうきたい:ブドウ子 )と絨毛がんに分けます。胞状奇胎 ... 一方、絨毛がんは胞状奇胎からできたり、流産、 死産、または正常分娩の後に残った絨毛から生じます。絨毛がんは ...

関連画像

絨毛膜癌絨毛癌ミクロ像(ヒト絨毛性 絨毛癌ミクロ像(HE弱拡大)絨毛癌全然 違う ベ 絨毛 癌 診断 絨毛癌 は central hypovascularity と 进展期胃癌的组织学类型分为


★リンクテーブル★
国試過去問099I029」「097D041」「107D040」「085B071」「075A018」「077A013」「102I009」「081A041」「078B045」「080A048」「079A035」「077A016」「084A048
リンク元卵巣癌」「腫瘍マーカー」「胞状奇胎」「精巣腫瘍」「転移性肺癌
拡張検索胎盤内絨毛癌」「子宮外絨毛癌」「精巣絨毛癌」「子宮絨毛癌
関連記事」「絨毛

099I029」

  [★]

  • 次の文を読み、28~30の問いに答えよ。
  • 28歳の男性。左陰嚢の無痛性腫大を主訴に来院した。
  • 現病歴 :6か月前に左陰嚢の腫れに気付き、その後徐々に増大してきた。疼痛はなかった。
  • 既往歴・家族歴 : 特記すべきことはない。
  • 現症 : 意識は清明。身長176cm、体重68kg。体温36.1℃。脈拍68/分、整。血圧110/72mmHg。身体所見で胸腹部に異常を認めない。陰嚢皮膚と右陰嚢内容とに異常はない。左陰嚢内容は鶏卵大で一塊として硬く触知するが、圧痛と透光性とは認めない。
  • 検査所見:尿所見:異常を認めない。
  • 血液所見:赤血球456万、Hb15.1g/dl、白血球8,300、血小板26万。
  • 血清生化学所見:総蛋白6.8g/dl、アルブミン3.9g/dl、クレアチニン0.9mg/dl、AST40単位、ALT38単位、LDH 410単位(基準176~353)。胸腹部CTで両肺に多発性結節影と傍大動脈リンパ節の腫脹とを認める。
  • 入院後経過 : 精巣腫瘍と診断し、高位精巣摘除術を施行した。
  • この患者では血清腫瘍マーカーに異常を認めなかった。精巣摘除術時の病理組織H-E染色標本を以下に示す。
  • 診断はどれか。


[正答]
※国試ナビ4※ 099I028]←[国試_099]→[099I030

097D041」

  [★]

  • 34歳の2回経産婦。不正出血を訴えて来院した。分娩2か月後から月経は回復していたが、5か月目から少量の不正出血を認めた。内診では子宮は正常よりやや大きく、付属器に異常はなかった。経膣超音波検査で子宮体部に子宮筋腫様の腫瘤がみられ、子宮体部細胞診では異常細胞を認めた。ヒステロスコピィ下の組織生検を行い、そのH-E染色標本を以下に示す。尿中hCGは120IU/l、血清hCG-βは5ng/mlであった。本人および家族と相談の結果、単純子宮全摘術を行った。摘出子宮標本の写真を以下に示す。
  • 正しいのはどれか。


[正答]
※国試ナビ4※ 097D040]←[国試_097]→[097D042

107D040」

  [★]

  • 33歳の2回経妊1回経産婦。無月経を主訴に来院した。経腟超音波検査で子宮内に胎嚢と心拍とが確認され、妊娠6週日の単胎妊娠と診断した。妊娠9週2日に施行した経腟超音波検査で子宮内胎児死亡と絨毛膜の異常とが確認されたため子宮内容除去術を行った。術前の血中hCG値は397,100mIU/ml。妊娠9週2日の経腟超音波像(別冊No.20A)と子宮内組織のH-E染色標本(別冊No.20B、C)とを別に示す。
  • 診断はどれか。




[正答]


※国試ナビ4※ 107D039]←[国試_107]→[107D041

085B071」

  [★]

  • (1) 発生率は40歳以上の女性において上昇する
  • (2) 原因は1精子ないし2精子受精による雄性発生である
  • (3) 全絨毛の水腫性嚢胞化と間質内血管の欠如とが認められる
  • (4) 単純子宮全摘出術により絨毛癌の発生を防止しうる。
  • (5) 奇胎娩出後8週の尿中hCGが100IU/l未満であれば二次管理は必要ない
  • a. (1)(2)(3)
  • b. (1)(2)(5)
  • c. (1)(4)(5)
  • d. (2)(3)(4)
  • e. (3)(4)(5)

075A018」

  [★]

  • (1) 卵巣ルテイン嚢胞があれば破壊性胞状奇胎である
  • (2) 先行妊娠から発症までの3年以上のものは絨毛癌が多い
  • (3) 先行妊娠が正常産のときは絨毛癌である。
  • (4) 肺転移があれば絨毛癌である
  • (5) 骨盤血管造影法 PAGで、絨毛間腔に造影剤の貯留を認めれば絨毛癌である。
  • a. (1)(2)
  • b. (1)(5)
  • c. (2)(3)
  • d. (3)(4)
  • e. (4)(5)

077A013」

  [★]

  • (1) 発生頻度に人種差がある
  • (2) 恒例の妊娠では胞状奇胎の発生頻度が高い
  • (3) 卵巣ルテイン嚢胞はhCGの作用によって発生する
  • (4) 絨毛癌ではvillous patternを認める
  • (5) 転移は主としてリンパ行性である
  • a. (1)(2)(3)
  • b. (1)(2)(5)
  • c. (1)(4)(5)
  • d. (2)(3)(4)
  • e. (3)(4)(5)

102I009」

  [★]

  • 精巣腫瘍で最も頻度が高いのはどれか。
[正答]


※国試ナビ4※ 102I008]←[国試_102]→[102I010

081A041」

  [★]

  • a. (1)(2)(3)
  • b. (1)(2)(5)
  • c. (1)(4)(5)
  • d. (2)(3)(4)
  • e. (3)(4)(5)

078B045」

  [★]

  • 治療薬として誤っている組み合わせはどれか?

080A048」

  [★]

  • 絨毛癌の化学療法として有用な薬剤はどれ
  • a. (1)(2)(3)
  • b. (1)(2)(5)
  • c. (1)(4)(5)
  • d. (2)(3)(4)
  • e. (3)(4)(5)

079A035」

  [★]

077A016」

  [★]

  • (1) hCGの値
  • (2) 先行妊娠の種類
  • (3) 先行妊娠からの期間
  • (4) 肺転移巣の大きさ

084A048」

  [★]

  • 妊娠・分娩歴が診断上時に重要なのはどれ

卵巣癌」

  [★]

ovarian cancer, ovarian carcinoma, cancer of the ovary, ovary cancer
carcinoma ovarii
卵巣がん
産婦人科学卵巣腫瘍、卵巣腫瘍の腫瘍マーカー
  • G9M.164(進行期分類) NGY.237(進行期分類)

組織型

漿液性嚢胞腺癌

  • CA125
  • 症候:腹水あり(漿液性嚢胞腺癌のみ)
  • 手術+化学療法(タキサン製剤とプラチナム製剤)
  • 病理:卵管上皮を模倣するとされる。多房性~充実性。乳頭状増殖。砂粒小体
  • 予後:悪い。進行早く、腹腔内播種しやすい。

粘液性嚢胞腺癌

  • CEA, CA19-9
  • 治療:手術。化学療法無効
  • 病理:子宮頚管腺を模倣するとされる。単房性~多房性。胞体中に紫色の粘液貯留。
  • 予後:良い。進行遅く転移しにくい。

明細胞腺癌

  • リスク:卵巣チョコレート嚢胞
  • 治療:手術。化学療法無効
  • 病理:妊娠時の子宮内膜を模倣するとされる。充実部と伴う多房性、もしくは単純性嚢胞腫粒。グリコーゲンに富み、染色されず、胞体が透明になる。管状構造、充実構造、乳頭状増殖。ホブネイル細胞が存在。
[show details]

・予後:治療しなければ予後不良。増殖速度は中等度でリンパ節転移しやすい。

類内膜腺癌

  • リスク:卵巣チョコレート嚢胞
  • 治療:手術+化学療法(プラチナム併用化学療法)
  • 病理:非妊時の子宮内膜を模倣するとされる。充実性。back to back(間質が消失), cribriform(さらに間質が消失)

・予後:容易。進行遅く、転移も少ない。

転移

  • 腹膜播種、リンパ行性転移。(G9M.165)
  • 血行性転移は稀。(G9M.165)

転移性卵巣癌

  • リンパ行性が多い
  • 胃癌、結腸癌、乳癌、子宮体癌。(G9M.158)

治療

  • 手術療法:(基本術式)両側付属器摘出術、子宮摘出術、大網摘出術。staingのために腹腔細胞診、腹腔内組織の生検、後腹膜リンパ節郭清もしくは生検を施行。


卵巣癌の種類

NGY.232
名称 卵巣癌の中の頻度 疫学 病理 類似性 予後 卵巣チョコレート嚢胞
との関連
漿液性腺癌[漿液性嚢胞腺癌] 50% 平均55歳 小型で細胞質に乏しい。樹枝状に分枝。乳頭状腺癌 卵巣表皮上皮、卵管上皮細胞 比較的良好  
粘液性腺癌[粘液性嚢胞腺癌] 10-15% 平均44歳 豊富な粘液をもつ多房構造や15cmを超える巨大腫瘤 子宮頸部粘膜上皮
腸上皮に類似
抗癌剤感受性低く、進行癌は予後不良  
類内膜腺癌 10-15%     非妊時子宮内膜に類似  
明細胞腺癌 15-20% 子宮内膜症合併 胞体は明るくグリコーゲンに富む。 妊娠子宮内膜に類似
嚢胞乳頭状構造
プラチナ感受性悪く予後不良

卵巣癌などの腫瘍マーカー

名称 AFP CA125 CA72-4 BFP CEA
漿液性腺癌[漿液性嚢胞腺癌]      
粘液性腺癌[粘液性嚢胞腺癌]        
類内膜腺癌        
明細胞腺癌          
卵黄嚢腫瘍        
転移性卵巣癌      

G9M.162

CA125 漿液性嚢胞腺癌 類内膜腺癌 移行上皮癌
CEA CA19-9 粘液性嚢胞腺癌  
エストロゲン 顆粒膜細胞腫 莢膜細胞腫  
アンドロゲン セルトリ・間質細胞腫 ライディッヒ細胞種  
CA19-9 SCC 奇形腫  
AFP 卵黄嚢腫瘍 胎芽性癌  
hCG 絨毛癌 胎芽性癌 未分化胚細胞腫
LDH 未分化胚細胞腫  
CEA クルケンベルグ腫瘍

参考

  • 1. 卵巣がん治療ガイドライン2007年版(改訂版)
[display]http://www.jsgo.gr.jp/guideline/ransou.html




腫瘍マーカー」

  [★]

tumor marker
生物学的腫瘍マーカー biological tumor marker癌マーカー cancer marker、悪性腫瘍特異物質 tumor-specific antigen




肺癌の腫瘍マーカー

  陽性率(疾患があるときに陽性となる確率, 感度)  
肺癌         備考
扁平上皮癌 腺癌 小細胞癌 その他の疾患  
CYFRA21-1 57.5%* 70-80%/73.1%* 30-40% 30-40% 良性疾患:10-15%  
SCC       子宮頸癌、食道癌、皮膚癌  
CEA 40-50%   50-60%      
SLX 70%*   0.4   肝硬変  
NSE 10-30%     70-90%    
proGRP       70-90%/65.1%*   NSEより上昇率が高く、特異性に優れる
KL-6       肺腺癌、膵癌、乳癌で40-50%。間質性肺炎の補助診断  
             
無印:標準呼吸器病学 第1版 p.327。* 臨床検査学第32版 p.634

臨床応用されている腫瘍マーカー (LAB.630)

肝癌関連 AFP, AFP-L3%, PIVKA-II
膵癌ならびにその他の消化器癌 CEA, CA19-9, Dupan-2, CA50, Span-1
肺癌 CEA, sialyl Lex-i (SLX), SCC, SYFRA21-1, NSE, ProGRP
婦人科悪性腫痩
 子宮癌:SCC, CA125
 卵巣癌:CA125, AFP, CEA, CA19-9, GAT
 乳癌 :CA15-3, BCA225, CEA, NCC-ST-439
尿器科悪性腫壕
 前立腺痛:PSA(γ-Sm), PAP
 膀胱癌 :BTA, NMP22
 神経内分泌腫療 NSE
 広範な腫瘍に反応するマーカー
  TPA, BFP, IAP

消化管悪性腫瘍マーカー

  • CEA:胎児癌性蛋白。陽性率:(50-70%)大腸癌、胆道癌、膵癌。(40-60%)肺癌。(30-40%)胃癌。良性疾患でも上昇する(胆嚢炎、胆管炎、膵炎)。
  • DU-PAN-2:2→3シアリルLec抗原を認識する抗体。陽性率:(70-80%)膵癌、(60-70%)胆道癌。Lea-b-の個体でも陽性になる。良性疾患でも上昇する(慢性肝炎、肝硬変、胆道炎症を伴う胆石症)。
  • CA19-9:Leaの基本骨格にシアル酸が結合したもの。陽性率:(80-90%)膵癌。(70-80%)胆道癌。良性疾患でも上昇する((10-40%)閉塞性黄疸、慢性肝炎、肝硬変)。日本人の約7-10%に存在するフコース転移酵素が欠如したLea-b-の個体ではCA19-9は産生されない。
  • SLX:Lexの基本骨格にシアル酸が結合したもの。陽性率:(高い)肺癌、卵巣癌。(50-60%)胆道癌、膵癌。

主な腫瘍マーカー CBT QB vol2 p.297

AFP 肝細胞癌肝芽腫、卵黄脳腫瘍
CEA 消化器系の癌、肺癌乳癌(腺癌の頻度が高く、臓器特異性は低い)
CA19-9 胆道系の癌、膵癌
CA125 卵巣癌
CA15-3 乳癌、卵巣癌
PIVKA-II 肝細胞癌
PSA 前立腺癌

組織型別に有用な腫瘍マーカー(NEWエッセンシャル産科学・婦人科学 第3版 p.236)

上皮性腫瘍
 漿液性腺癌: CA125 *1
 粘液性腺癌: CA19-9 *2, CA72-4, CEA
胚細胞腫瘍
 卵黄嚢腫瘍: AFP *3
 絨毛癌: hCG
 未分化胚細胞腫: LDH *4
 悪性転化を伴う成熟嚢胞性奇形腫(扁平上皮癌) : SCC
性索間質性腫瘍(ホルモン)
 顆粒膜細胞腫,莢膜細胞腫:工ストロゲン
 Sertoli-間質性腫瘍, Leydig細胞腫(門細胞腫) :テストステロン
*1 上皮性腫瘍中で最も有用.類内膜腺癌,明細胞腺癌でも陽性を示す.子宮内膜症,炎症,妊娠初期も軽度-中等度上昇
*2 成熟嚢胞性奇形腫で陽性を示すことがある
*3 胎芽性癌,混合性腔細胞腫療でも陽性を示す
*4 非特異的
also see →「生殖系チュートリアル症例2_プレゼン.ppt」

産婦人科において重要視される腫瘍マーカー

  • 子宮頚部扁平上皮癌から精製された蛋白質
  • 早期癌でも比較的高い陽性率を示し、経過観察にも有用である。
  • 一般に扁平上皮の存在する部位に広範な重症疾患存在すれば血中のSCCは上昇しうる
  • 皮膚表面、唾液中に大量に存在し、採血時に複数回穿刺する事などによるコンタミネーションの可能性があります。

腫瘍マーカー 臓器別

OLM.372改変

(略)


胞状奇胎」

  [★]

hydatid mole
hydatidiform mole, hydatid mole
mola hydatidosa

概念

  • 妊娠時に、妊卵由来の絨毛が水腫様変化を起こしたもの。
  • 肉眼的に絨毛の嚢胞化がみられる。嚢胞化とは腫大した絨毛の短径が2mmを超えるもの(参考1)。  ⇔  2mm未満で絨毛間質の水腫化が認められるものは顕微鏡的奇胎とし、胞状奇胎とはしないとする(参考1)。

疫学

  • 日本を含む東南アジア、メキシコに多い。
  • 頻度は350分娩に1胞状奇胎である。
  • 発生数は生殖年齢(20-30歳代)に多い。(G9M.182)
  • 発生年齢は40歳以上の高年妊娠に多く発生し(10-30倍)、妊娠可能年齢の終わりに近づくほど高くなる。

分類

発生機序による分類

進展性による分類

病因

  • 雄性接合子:胎盤の形成に関与 → 倍加して二倍体の精子が染色体を欠いた卵子と受精した場合に胎盤のみが増殖 → 全胞状奇胎(complete hydatidiform mole)
  • 雌性接合子:胎芽の形成に関与 → 高齢になるに従い、卵の加齢による染色体を欠いた異常な卵の出現頻度が高まり全胞状奇胎の原因となってくる。

症候

HBEsT (NGY.243)
  • 1. history(病歴): 妊娠の成立を示す所見(無月経、つわりなど)
  • 2. bleeding(子宮出血):切迫流産様の異常出血
  • 3. enlargement and softness(子宮の増大と軟化):妊娠週数に比して過度に腫大して軟化
  • 4. toxemia(妊娠高血圧症候群):浮腫、高血圧、タンパク尿
  • 不正性器出血(90%)、悪阻(30-40%) (G9M.182)
  • 部分胞状奇胎の場合には典型的な症状を示さないことが多い。
  • 黄体嚢胞による卵巣腫大が認められる(NGY.243)

検査

  • 経腟超音波検査:子宮腔内の大小の低輝度・高輝度混在
[show details]

治療

  • 子宮内容除去術を施行し、1週間後に再施行する。hCGを5週(103mIU/ml)、8週(102mIU/ml)、20週(cut off値以下)となれば、経過順調型(I型)とされる。以降、4年以上はhCG測定、基礎体温測定、胸部X撮影を行い、フォローする。(NGY.243)
  • hCG値の低下が悪い場合、子宮内胞状奇胎遺残、進入胞状奇胎、転移性胞状奇胎が考えられ、それぞれ子宮内容除去術、化学療法もしくは子宮摘出術、化学療法を行う。
  • 40歳以上では絨毛癌の頻度が高くなるため、40歳以上で挙児希望の場合は子宮全摘術を考慮。(G9M.182)

続発症

参考

  • 1. D.産科疾患の診断・治療・管理 6.異常妊娠 - 日産婦誌59巻11号
http://www.jsog.or.jp/PDF/59/5911-682.pdf

国試


Table 19-3. Features of Complete and Partial Hydatidiform Mole
Feature complete mole partial mole
Karyotype 46,XX (46,XY) Triploid (69,XXY)
Villous edema All villi Some villi
Trophoblast proliferation Diffuse; circumferential Focal; slight
Atypia Often present Absent
Serum hCG Elevated Less elevated
hCG in tissue ++++
Behavior 2% choriocarcinoma Rare choriocarcinoma
AFP
fatus


精巣腫瘍」

  [★]

testicular neoplasm, testicular tumor, testicular cancer
睾丸腫瘍精巣新生物
精巣癌
  • 精巣の腫瘍

疫学

  • 男性の悪性腫瘍の1%

好発年齢

国別発生率 人口10万人あたり

  • 日本 0.7-1.8
  • 米国
  • 白人 4.8-8.7
  • アフリカ系 1.0-1.4
  • 英国 4.4-5.7
  • 10万人当りの年間発生率はわが国では0.7~1.8人、米国系白人では4.8~8.7人で欧米人に多く発生。

分類

  • 精細管内胚細胞腫瘍
  • 単一型
  • 絨毛癌
  • 胎盤部栄養膜細胞性腫瘍
  • 混合型
  • 性索・間質腫瘍
  • 単一型
莢膜細胞腫/線維腫群腫瘍
  • 不完全分化型政策/性腺間質腫瘍
  • 混合型
  • 分類不能型
  疫学 病理 腫瘍マーカー 予後 特徴的な症状
頻度 年齢 β-hCG AFP
セミノーマ 精巣腫瘍の50%
25-55歳に多い 柔らかい灰白色の腫瘍で、胚細胞に似た大型類円形でクロマチンの粗い核と淡明な細胞質を有する
7-18%
  良好
5年生存率90%以上
 
胎児性癌 精巣腫瘍の10%
奇形腫との混合型に多い
15-35歳に多い 柔らかい灰白色充実性腫瘍で、広範に出血及び壊死を認める。大型でクロマチンの少ない核小体の明瞭な核と未熟な明るい大きな細胞を持つ上皮細胞からなる。
60%
  早期もで血行性転移
卵黄嚢腫 小児: 単一組織型
成人: 胎児性癌や奇形腫との混合型
小児 腎糸球体に類似した血管を軸とし、内外二層の上皮細胞層からなる      
絨毛癌 混合腫瘍がほとんど 15-30歳 出血性の腫瘍。合法性、細胞性栄養細胞に類似する
100%
  リンパ行性、血行性転移、高浸潤傾向 早期もで血行性転移。女性化乳房
奇形腫     3つの胚葉成分からなる。     小児:良好
成人:転移。化学治療に無反応
 
奇形癌     胎児性癌+奇形腫        

治療

SURO.271 参考3
まず、手術により精巣を摘除(高位精巣摘除術)した後、病期に応じて治療を追加する
  • 臨床病期IIで進行例、もしくは臨床病期III
  • 集学的治療

予後

参考

  • 1. 精巣腫瘍診療ガイドライン - 香川県立中央病院 (2010年)
http://www.chp-kagawa.jp/docs/seisou.pdf
  • 2. がんプロ
  • 3. 精巣がんの標準治療:がんサポート情報センター
http://www.gsic.jp/cancer/cc_13/hc/01.html
http://www.gsic.jp/cancer/cc_13/hc/02.html
http://www.gsic.jp/cancer/cc_13/hc/03.html
http://www.gsic.jp/cancer/cc_13/hc/04.html



転移性肺癌」

  [★]

metastatic lung cancer
転移性肺腫瘍 metastatic lung tumor ← 転移する癌は悪性なのでは?


転移性肺腫瘍の頻度(剖検例 SPU.334)

  • 全悪性腫瘍の30-50%
  • 乳癌:40-50%
  • 肺癌:30-50%
  • 肝癌:20-40%
  • 大腸癌:30-40%
  • 胃癌:20-40%

肺転移の頻度(内科診断学第2版 p.755)

肺転移する場所(内科診断学第2版 p.755)

孤立結節型     大腸癌 腎癌                  
多発結節型 多くの悪性腫瘍 頭頚部腫瘍
(扁平上皮癌)
                     
塊状型     大腸癌 腎癌 絨毛上皮癌 肉腫              
粟状型             甲状腺癌 前立腺癌 肺癌        
リンパ管状型                 肺癌 胃癌 乳癌 膵癌  
肺門・縦隔リンパ節腫大型   頭頚部癌         甲状腺癌     胃癌 乳癌   食道癌
胸水貯留型                 肺癌 胃癌 乳癌 膵癌  


胎盤内絨毛癌」

  [★]

intraplacental choriocarcinoma
絨毛癌


子宮外絨毛癌」

  [★]

extrauterine choriocarcinoma


精巣絨毛癌」

  [★]

testicular choriocarcinoma


子宮絨毛癌」

  [★]

uterine choriocarcinoma


癌」

  [★]

cancer
悪性腫瘍


種類

  • 癌腫(carcinoma):上皮性
  • 肉腫(sarcoma):間葉系
  • carcinoma:腺癌(adenocarcinma)、扁平上皮癌(squamous cell carcinoma)、移行上皮癌(transitional cell carcinoma)
  • sarcoma:骨肉腫、横紋筋肉腫、平滑筋肉腫、脂肪肉腫、線維肉腫

Neoplasm Causes Effect
Small cell lung carcinoma ACTH or ACTH-like peptide Cushing’s syndrome
Small cell lung carcinoma and intracranial neoplasms ADH SIADH
Squamous cell lung carcinoma, renal cell carcinoma, breast carcinoma, multiple myeloma, and bone metastasis (lysed bone) PTH-related peptide, TGF-β, TNF-α, IL-1 Hypercalcemia
Renal cell carcinoma, hemangioblastoma Erythropoietin Polycythemia
Thymoma, small cell lung carcinoma Antibodies against presynaptic Ca2+ channels at neuromuscular junction Lambert-Eaton syndrome (muscle weakness)
Leukemias and lymphomas Hyperuricemia due to excess nucleic acid turnover (i.e., cytotoxic therapy) Gout, urate nephropathy
  • 最新癌統計
http://ganjoho.ncc.go.jp/public/statistics/pub/statistics01.html
●2005年の死亡数が多い部位は順に
  1位 2位 3位 4位 5位  
男性 肝臓 結腸 膵臓 結腸と直腸を合わせた大腸は4位
女性 結腸 肝臓 乳房 結腸と直腸を合わせた大腸は1位
男女計 肝臓 結腸 膵臓 結腸と直腸を合わせた大腸は3位
 
●2001年の罹患数が多い部位は順に
  1位 2位 3位 4位 5位  
男性 結腸 肝臓 前立腺 結腸と直腸を合わせた大腸は2位
女性 乳房*1 結腸 子宮*1 結腸と直腸を合わせた大腸は1位
男女計 結腸 乳房*1 肝臓 結腸と直腸を合わせた大腸は2位
*1上皮内がんを含む。


癌の素因となる遺伝子

HIM.494
Table 79-1 Cancer Predisposition Syndromes and Associated Genes
Syndrome Gene Chromosome Inheritance Tumors
ataxia telangiectasia ATM  11q22-q23 AR breast cancer
autoimmune lymphoproliferative syndrome FAS 10q24 AD lymphomas
FASL 1q23  
Bloom syndrome BLM  15q26.1 AR cancer of all types
Cowden syndrome PTEN  10q23 AD breast, thyroid
familial adenomatous polyposis APC  5q21 AD intestinal adenoma, colorectal cancer
familial melanoma p16INK4  9p21 AD melanoma, pancreatic cancer
familial Wilms tumor WT1  11p13 AD pediatric kidney cancer
hereditary breast/ovarian cancer BRCA1 17q21 AD breast, ovarian, colon, prostate
BRCA2 13q12.3  
hereditary diffuse gastric cancer CDH1  16q22 AD stomach cancers
hereditary multiple exostoses EXT1 8q24 AD exostoses, chondrosarcoma
EXT2 11p11-12  
hereditary prostate cancer HPC1  1q24-25 AD prostate carcinoma
hereditary retinoblastoma RB1  13q14.2 AD retinoblastoma, osteosarcoma
hereditary nonpolyposis colon cancer (HNPCC) MSH2 2p16 AD colon, endometrial, ovarian, stomach, small bowel, ureter carcinoma
MLH1 3p21.3  
MSH6 2p16  
PMS2 7p22  
hereditary papillary renal carcinoma MET  7q31 AD papillary renal tumor
juvenile polyposis SMAD4  18q21 AD gastrointestinal, pancreatic cancers
Li-Fraumeni TP53  17p13.1 AD sarcoma, breast cancer
multiple endocrine neoplasia type 1 MEN1  11q13 AD parathyroid, endocrine, pancreas, and pituitary
multiple endocrine neoplasia type 2a RET  10q11.2 AD medullary thyroid carcinoma, pheochromocytoma
neurofibromatosis type 1 NF1  17q11.2 AD neurofibroma, neurofibrosarcoma, brain tumor
neurofibromatosis type 2 NF2  22q12.2 AD vestibular schwannoma, meningioma, spine
nevoid basal cell carcinoma syndrome (Gorlin's syndrome) PTCH  9q22.3 AD basal cell carcinoma, medulloblastoma, jaw cysts
tuberous sclerosis TSC1 9q34 AD angiofibroma, renal angiomyolipoma
TSC2 16p13.3  
von Hippel–Lindau VHL  3p25-26 AD kidney, cerebellum, pheochromocytoma
癌遺伝子癌抑制遺伝子

癌の危険因子

生活習慣病#生活習慣病などのリスクファクターを改変
疾患 危険因子 防御因子
悪性腫瘍 胃癌 塩辛い食品、喫煙、くん製製品、ニトロソアミン土壌、腸上皮化生Helicobacter pyroli ビタミンC、野菜、果実
食道癌 喫煙飲酒、熱い飲食物 野菜、果実
結腸癌 高脂肪食、肉食、低い身体活動、腸内細菌叢の変化、遺伝(家族性大腸腺腫症)  
肝癌 HBVキャリア・HCVキャリア、アフラトキシン住血吸虫飲酒  
肺癌 喫煙(特に扁平上皮癌)、大気汚染、職業的暴露(石綿(扁平上皮癌悪性中皮腫)、クロム) 野菜、果実
膵癌 高脂肪食喫煙  
口腔癌 喫煙(口唇・舌-パイプ)、ビンロウ樹の実(口腔)、飲酒  
咽頭癌 EBウイルス(上咽頭癌)、飲酒  
喉頭癌 喫煙男性アルコール  
乳癌 高年初産、乳癌の家族歴、肥満、未婚で妊娠回数少ない、無授乳、脂肪の過剰摂取、低年齢初経、高年齢閉経 母乳授乳
子宮頚癌 初交年齢若い、早婚、多産、性交回数が多い(売春)、貧困、不潔]、HSV-2HPV流産、人工妊娠中絶回数が多い  
子宮体癌 肥満糖尿病ピルエストロゲン常用、未婚、妊娠回数少ない、乳癌後のタモキシフエン内服  
膀胱癌 喫煙鎮痛剤乱用、ビルハルツ住血吸虫サッカリン防腐剤  
皮膚癌 日光(紫外線)、ヒ素(Bowen病)  
白血病 放射線ベンゼン、地域集積性(ATL)、ダウン症(小児白血病)  
骨腫瘍 電離放射線  
甲状腺癌 ヨード欠乏または過剰  



絨毛」

  [★]

villi






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