筋強直性ジストロフィー

出典: meddic

myotonic dystrophy MD
dystrophia myotonica DM
筋緊張性ジストロフィー筋強直型ジストロフィーシュタイネルト病 スタイナート病 Steinert's disease Steinert disease、萎縮性筋強直症 myotonia atrophica
筋ジストロフィー先天性筋強直性ジストロフィー congenital myotonic dystrophy(HIM.2685)
[show details]

概念


病型


病因

myotonic dystrophy type 1, DM1

  • 第19番染色体長腕(19q13)
  • プロテインキナーゼ(myotonin-protein kinase)をコードする遺伝子の上流域に延長した三塩基(CTG)繰り返し配列の挿入
  • CTGリピート数:(正常人)5-35回、(患者)50-2,000回
  • 非コード領域にスリップ複製が起こることによりリピート数が増加する
  • 一般にリピート数が多いほど発症は早く、症状も重い。

myotonic dystrophy type 2, DM2

  • 3q13.3-q24に座乗するZNF9遺伝子の第一イントロンにおけるCCTG反復配列の増加

疫学

  • 有病率:5/10万人 (YN.J-153)
  • 15-40歳に多い。 (YN.J-153)
  • (DM1)発症は幼児、あるいは成人。(DM2)40歳頃に発生。

遺伝形式

症候

HIM.2685 参考5 IMD
  • 骨格筋
  • 顔貌:眼瞼下垂、尖った顔貌(hatchet-faced appearance) ← 側頭筋、咬筋、表情筋の萎縮。前頭部の禿
  • 筋力低下:頚部の筋、胸鎖乳突筋、四肢遠位の筋が初期に障害される。手首、指、手掌の筋も障害される。前脛骨筋の障害により下垂足となる。近位筋は保たれるが大腿四頭筋は多くの患者で萎縮している。口蓋、喉頭、舌の筋の障害により、構音障害による構音、鼻声、また嚥下困難が生じる。横隔膜筋や内肋間筋の筋力低下により呼吸不全をきたす症例もある。
  • 筋硬直:(myotonia):5歳までに出現。母指球、舌、手掌伸展筋を叩くと出現する。随意的に物をつかんだ後にそれを離すまでの時間が長くなる。
  • 骨格筋以外
  • 心血管(DM1で一般的):心ブロック、(たまに)うっ血性心不全(肺性心から呼吸不全をきたしうる)、僧帽弁逸脱症  ← 心筋障害、弁膜障害
  • 神経:知能低下、過剰傾眠傾向(hypersomnia)
  • 眼:後嚢下白内障
  • 消化器:食道・大腸運動能低下
  • 生殖器:性腺萎縮。(DM2では稀)
  • 内分泌:インスリン抵抗性


検査


  • 針電極を刺入した後に、高振幅放電が見られ、その後に放電が持続しており、percussion myotoniaの所見に一致する(QB.J-159)


  • 血液生化学検査
  • CK:軽度上昇
  • 免疫血清学検査
  • IgG, IgM:IgG and IgM hypogammaglobulinemia (参考5) → 易感染性

診断

治療

参考

  • 1.
[display]http://www.hosp.go.jp/~esaitama/shinkei/myotonic.htm
  • 2. Myotonic dystrophy - wikipedia en
http://en.wikipedia.org/wiki/Myotonic_dystrophy
  • 3. 顔面の写真
http://www.duke.edu/~ema5/Golian/Slides/8/musculoskeletal5.html
  • 4. シェーマ
http://www.netterimages.com/image/1197.htm
  • 5. [charged]Myotonic dystrophy: Etiology, clinical features, and diagnosis - uptodate [1]

国試



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出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2014/08/06 09:33:25」(JST)

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和文文献

  • P2-8-10 重症の横紋筋融解症をきたした筋強直性ジストロフィー合併妊娠の1例(Group80 妊娠・分娩・産褥の病理(症例)2,一般演題,第63回日本産科婦人科学会学術講演会)
  • 黒川 裕介,上妻 友隆,田崎 和人,三嶋 すみれ,品川 貴章,下村 卓也,河田 高伸,林 龍之介,堀 大蔵,嘉村 敏治
  • 日本産科婦人科學會雜誌 63(2), 732, 2011-02-01
  • NAID 110008509619
  • RNA結合蛋白質が引き起こす筋強直性ジストロフィー (第5土曜特集 RNA医学・医療--あらたな診断・治療を拓く) -- (RNA異常による疾患)
  • 古戎 道典,石浦 章一
  • 医学のあゆみ 238(5), 481-484, 2011-07-30
  • NAID 40018906005
  • 筋強直性ジストロフィーの成因 (特集 筋ジストロフィーの分子病態から治療へ)
  • 筋ジストロフィーの治療とケア 筋強直性ジストロフィー患者の睡眠・呼吸障害

関連リンク

... 性ジストロフィー(DM2)=近位型筋強直性ミオパチー(PROMM)とされる。 1型筋強直 性ジストロフィー (DM1) =Steinert病 ... 分布については個人差が著しい。 筋強直性 ジストロフィーの筋障害の分布. 筋強直性ジストロフィーの筋障害分布は個人差が著しい ...
疾患の特徴 筋強直性ジストロフィー (DM)は、骨格筋、平滑筋とともに眼、心臓、内分泌 臓器、中枢神経系など多臓器を侵す疾患である。臨床所見は軽症から重症まで連続的 に移行するが、便宜的に3つの病型―軽症型、古典型、先天型―に分類されている。 ...

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筋 強直 性 ジストロフィー の 筋 強直 性 ジストロフィー の 筋 強直 性 ジストロフィー  筋緊張性ジストロフィー最近 神経 変性 疾患 の 初診 が 診断と鑑別診断


★リンクテーブル★
国試過去問110I071」「110A021」「109I063」「109I060」「086D014」「096H050」「110I015」「101F056
リンク元重症筋無力症」「複視」「ぐにゃぐにゃ乳児」「筋ジストロフィー」「筋萎縮
拡張検索先天性筋強直性ジストロフィー」「若年性筋強直性ジストロフィー
関連記事強直性」「ジストロフィー」「筋強直性」「

110I071」

  [★]

  • 57歳の女性。全身倦怠感、脱力および食欲不振を主訴に来院した。1か月前から全身倦怠感と食欲不振とを自覚するようになった。数日前から脱力も認めるようになり受診した。50歳時に眼や口腔内の乾燥症状を自覚し、自宅近くの診療所でSjogren症候群と診断され治療を受けている。55歳時に腎結石を指摘されている。身長 158cm、体重 45kg。体温 36.1℃。脈拍 64/分、整。血圧 124/76mmHg。眼瞼結膜と眼球結膜とに異常を認めない。表在リンパ節を触知しない。心音と呼吸音とに異常を認めない。腹部は平坦、軟で、肝・脾を触知しない。下腿に浮腫を認めない。上下肢に徒手筋力テスト4程度の筋力低下を認める。尿所見:pH 7.0、蛋白(-)、糖(-)、潜血(-)。血液所見:赤血球 380万、Hb 12.8g/dL、Ht 36%、白血球 3,200、血小板 16万。血液生化学所見:CK 386IU/L(基準 30~140)、尿素窒素 20mg/dL、クレアチニン 0.6mg/dL、Na 138mEq/L、K 2.3mEq/L、Cl 109mEq/L。CRP 0.2mg/dL。
  • 最も考えられるのはどれか。


[正答]


※国試ナビ4※ 110I070]←[国試_110]→[110I072

110A021」

  [★]

  • 65歳の女性。健忘を主訴に家族に連れられて来院した。3か月前から家に引きこもりがちになり、倦怠感と不安とを訴えて外出しようとしなくなった。2週前からぼんやりして物忘れが目立つようになり、動作も緩慢になった。昨夜、誰もいないのに誰かを激しく叱っているところを家族が目撃した。意識レベルはJCSⅠ-1。活動性の低下を認める。身長 154cm、体重 67kg。体温 35.4℃。脈拍 52/分、整。血圧 94/48mmHg。呼吸数 12/分。顔面と両側の下腿とに浮腫を認める。心音と呼吸音とに異常を認めない。改訂長谷川式簡易知能評価スケールは18点(30点満点)、Mini-Mental State Examination(MMSE)は20点(30点満点)である。四肢の近位部に徒手筋力テストで4の筋力低下を認め、大腿四頭筋を叩打すると筋腹の膨隆が生じる。腱反射は打腱後の筋弛緩遅延を認め、Babinski徴候は陰性である。
  • 原因として最も考えられるのはどれか。


[正答]


※国試ナビ4※ 110A020]←[国試_110]→[110A022

109I063」

  [★]

  • 9歳の男児。遺伝子診断を希望した両親に連れられて来院した。3歳ころに歩容異常と床からの立ち上り困難とに気付かれ筋ジストロフィーと診断された。歩行障害は次第に進行し、かろうじて支え立ちができる程度となった。両親は新聞報道で筋ジストロフィーの遺伝子治療の臨床試験が始まることを知り、事前に必要な検査を希望している。頭部の筋は正常で舌は大きい。四肢体幹筋は萎縮しており、徒手筋力テストで下肢近位筋が2、遠位筋が4である。腱反射は消失している。白血球からDNAを抽出し、ジストロフィン遺伝子の複数のエクソンを同時にPCR法で増幅してアガロースゲル電気泳動した。結果の一部(別冊No. 22)を別に示す。矢印で所見を示す。
  • 診断はどれか。



[正答]


※国試ナビ4※ 109I062]←[国試_109]→[109I064

109I060」

  [★]

  • 30歳の女性。眼瞼下垂を主訴に来院した。20歳ころから両まぶたが下がってきたことと両側の難聴とを自覚していたが、最近、さらに物が見にくくなったため受診した。意識は清明。身長 144cm、体重 36kg。脈拍 80/分、整。血圧 112/68mmHg。両側の眼瞼下垂を認める。眼球は正中に固定し、眼球頭反射を認めない。両側の高度感音難聴を認める。徒手筋力テストで四肢の近位筋は4に低下している。CK 190IU/L(基準 30~140)。右大腿四頭筋で施行した筋生検のGomori-trichrome染色標本(別冊No. 20)を別に示す。
  • 最も考えられるのはどれか。



[正答]


※国試ナビ4※ 109I059]←[国試_109]→[109I061

086D014」

  [★]

  • 28歳の男性。20歳頃、バスから降りようとした際に、つり革を握りしめていた指がとっさに開かず、バスから折り損なったことがある。以降同様の症状を繰り返した。22歳頃から、両側の母指球、小指球および前腕にやせが目立つようになり、手指の力が弱くなった。25歳頃からは、前頭部がはげ上がってきた。
  • この患者に予想されるのはどれか。あてはまるものすべて
[正答]

096H050」

  [★]

  • a. (1)(2)
  • b. (1)(5)
  • c. (2)(3)
  • d. (3)(4)
  • e. (4)(5)
[正答]


※国試ナビ4※ 096H049]←[国試_096]→[096H051

110I015」

  [★]

  • アンドロゲン受容体蛋白質のポリグルタミン部分が異常に長くなることが原因で起こる疾患はどれか。


[正答]


※国試ナビ4※ 110I014]←[国試_110]→[110I016

101F056」

  [★]

  • 心筋が障害されないのはどれか。
[正答]


※国試ナビ4※ 101F055]←[国試_101]→[101F057

重症筋無力症」

  [★]

my asthenia gravi
myasthenia gravis, MG
神経筋接合部
  • first aid step1 2006 p.189,201,294,414

概念

  • 自己免疫疾患 
  • 抗アセチルコリン受容体抗体による神経筋接合部伝達障害
  • アセチルコリン受容体に対する自己抗体が、アセチルコリンの結合を阻害し、アセチルコリン受容体の数を減少させ、あるいは補体系を介した細胞膜破壊を引き起こす。

病因

疫学

  • MGの有病率:1-7/10,000。女性20-30歳代最大に多い。男性50-60歳代に多い。男女比:3:2。(HIM.2672-)

遺伝形式

病変形成&病理

病態

  • 筋脱力、易疲労性と症状の変動(夕方、反復動作で悪化。朝、休息後、睡眠後に軽快)

症状

  • 筋脱力
  • 眼  :眼瞼下垂、複視
  • 舌  :舌筋の萎縮
  • 喉頭 :言語障害
  • 咽頭 :嚥下障害
  • 横隔膜:呼吸困難
  • 肋間筋:呼吸困難
  • 四肢 :歩行障害(近位筋優位・上肢優位の筋脱力)

HIM.2672-

  • 主要な症状は筋脱力と疲労性。筋肉の反復使用で悪化。急速や睡眠で改善。MGの経過は様々(個人差が大きいってことか)。発病から2,3年は緩解したり発症したりする。まれに完全に緩解する。全身疾患や未治療の感染症があると筋脱力が悪化したりmyasthenic crisisを起こしたりする。。
  • 筋脱力の分布は特徴的。頭部特に眼瞼や外眼筋にみられる。複視や眼瞼下垂が普通の最初の訴えである。
  • 表情筋の筋脱力で笑おうとしたときに"snarling"を生じる。咬筋の筋脱力は咀嚼を長い間したときに認められる。
  • Speech may have a nasal timbre caused by weakness of the palate or a dysarthric "mushy" quality due to tongue weakness. *Difficulty in swallowing may occur as a result of weakness of the palate, tongue, or pharynx, giving rise to nasal regurgitation or aspiration of liquids or food
  • Bulbar weaknessはMuSK antibody?positive MGのときにとくに著明となる。
  • 85%までの患者で筋脱力が全身性となる。3年以上、筋脱力が外眼筋に限局している場合、筋脱力が全身性になることはない。→ ocular MG
  • MGの筋脱力は近位部であり、非対称性である。深部腱反射は保たれる。筋脱力が呼吸筋におよび呼吸補助が必要になったら、その患者はin crisisと呼ばれる。

重症筋無力症と関連する疾患。(HIM.2672-)

  • MG患者の~75%が胸腺の異常を有している。
  • 40歳以上の患者で胸腺が肥大していたら胸腺腫が疑わしい。
  • 患者の3-8%が甲状腺機能亢進症を有しており、重症筋無力症の症状を悪化させる。
  • 甲状腺機能検査はMGを疑う患者すべてに行うべき。
  • どんな慢性感染症でもMGを悪化させる。
  • 呼吸機能検査はやる価値がある。MGでは頻繁にそして重度の呼吸機能低下をきたす。
  • 胸腺の疾患:胸腺腫、胸腺過形成
  • 他の自己免疫疾患:橋本病、グレーブス病、関節リウマチ、全身性エリテマトーデス、自己免疫性の皮膚疾患、他の家族性の自己免疫疾患
  • 重症筋無力症を悪化させる疾患:甲状腺機能亢進症、甲状腺機能低下症、潜在性の感染症、治療中の他の疾患
  • 治療に干渉する疾患:結核、糖尿病、消化性潰瘍、消化管出血、腎疾患、高血圧、ぜんそく、骨粗鬆症、肥満

診断

鑑別診断

(CASES)
上位and/or下位
運動ニューロン
motor neurone disease
運動ニューロン疾患
線維束性攣縮。進行例では筋力低下
muscular dystrophy
筋ジストロフィー
ある種の筋肉が選択的に筋力低下する。家族歴がある。
dystrophia myotonica
筋強直性ジストロフィー
咬筋、側頭筋、胸鎖乳突筋の筋萎縮、四肢遠位端の筋萎縮。顔貌が特徴的(前頭部脱毛、無表情、窪んだ頬)。家族歴ある。筋電図が診断に有用(急降下爆撃音)。
polymyositis
多発筋炎
普通は皮疹と関節痛が出現。CKが上昇。筋生検が診断に有用
myopathy
ミオパチー
甲状腺中毒性ミオパチー、甲状腺機能低下症によるミオパチー、クッシング症候群によるミオパチー、アルコール性のミオパチー
神経筋接合部 non-metastatic associations of malignancy
(paraneoplastic syndrome(傍腫瘍性症候群 = 腫瘍随伴症候群)のこと)
胸腺腫の症例の10%に重症筋無力症がみられる。ランバート・イートン筋無力症症候群は小細胞癌と関連がある。
     
(HIM.2674)
神経筋接合部 congenital myasthenia syndrome
先天性筋無力症症候群
 
神経筋接合部 drug-induced myasthenia
薬剤性筋無力症
重症筋無力症の誘発:ex. ペニシラミン(強皮症や関節リウマチの治療薬。筋力低下は軽度で拭くよう中断で改善)
重症筋無力症の悪化:ex. アミドグリコシド系抗菌薬、プロカインアミド
神経筋接合部 Lambert-Eaton myasthenic syndrome
ランバート・イートン筋無力症症候群
全身の筋肉が冒されるが、特に下肢の近位筋が冒される。MGと同じように~70%の患者で脳神経所見(眼瞼下垂、複視など)が認められる。MGと違うのは(1)反射が消失・減弱すること、(2)自律神経系の変化(口渇、勃起不全)を生じる、(3)神経刺激検査で漸増(waxing)が見られることである。病因は神経筋接合部のP/Q type calcium channelsに対する抗体の出現であり、85%の患者で見いだされる。治療はMGのように血漿交換や免疫抑制薬が使われる。3,4-DAPやpyridostigmineは症状に対する治療のために用いる。前者は運動神経の終末部でカルシウムチャネルをブロックし活動電位を延長させる。後者はアセチルコリンエステラーゼを阻害してシナプスにおける神経伝達物質の濃度を上げる。
精神疾患 neurasthenia
神経衰弱症
歴史的な用語。器質的な障害を伴わない筋無力症のような脱力を伴う症候群。患者は筋脱力や疲労を訴えてやってくる。筋肉の検査では器質的変化は認めないが"jerky release"あるいは"give-away weakness"が認められる。患者の主訴は反復動作による筋力低下よりむしろ疲労や感情鈍麻である。
内分泌疾患 hyperthyroidism
甲状腺機能亢進症
MGが疑われる患者にはthyroid function testをルーチンにやる。甲状腺機能異常は筋無力症の筋力低下を大きくすることがある。
神経筋接合部 botulism
ボツリヌス症
ボツリヌス毒素はシナプス前膜からの神経伝達物質の開口分泌を妨げる。症状はbulbar weakness (複視、構音障害、嚥下困難)。感覚障害はない。深部腱反射は初期には保たれている。進行すれば反射は見られなくなる。筋脱力は全身性。呼吸困難に陥ることがある。精神状態は正常。自律神経症状(麻痺性イレウス、便秘、urinary retention、瞳孔の散大、瞳孔の反応性低下、口渇)。確定診断は血清中の毒素の検出だけど、見つかることはまれ。神経伝導検査(nerve conduction studies):compound muscle action potentials (CMAPs)の低下。高頻度の刺激で振幅が増加。治療:intubation for airway protection、呼吸補助、aggressive inpatient supportive care(e.g., nutrition, DVT prophylaxis)。馬の抗毒素を検査結果が帰ってくる前に投与する(?)。
上位運動ニューロン intracranial mass lesions
頭蓋内占拠病変
複視はintracranial mass lesionが外眼筋の神経を圧迫することにより生じる。
progressive external ophthalmoplegia
進行性外眼筋麻痺
外眼筋の筋脱力を伴う。四肢の近位筋の筋力低下やそのほかの全身症状を伴うことがある。ミトコンドリアの異常を有する。

検査

HIM.2672-

  • 画像検査:胸部のCT, MRI → 胸腺腫のスクリーニング
  • 血清学的検査:全身性エリテマトーデスのスクリーニング検査、抗核抗体、リウマトイド因子、抗甲状腺抗体
  • 甲状腺機能検査
  • PPD skin test:結核の検査
  • 胸部X線検査:結核の検査
  • 空腹時血糖検査:耐糖能異常(糖質コルチコイドの副作用)
  • 肺機能検査:重症筋無力症の病態把握
  • 骨密度検査(老人):糖質コルチコイドの副作用

治療 IMD.1075

  • 薬物療法
  • 抗アセチルコリンエステラーゼ薬
  • 適応:眼症状のみ、高齢者
  • 糖質コルチコイド ← (CASES p.36によると第一選択らしいが)
  • 適応:症状が強く全身性で、血清抗AChR抗体高値、かつ胸腺腫
  • 免疫抑制薬
  • 適応:難治例
  • 手術療法
  • 胸腺摘除
  • 適応:症状が強く全身性で、血清抗AChR抗体高値、かつ胸腺腫。良い適応は診断後5年以内かつ胸腺腫が無い場合(CASES.36)。
  • 適応:難治例
  • 放射線療法
  • 適応:悪性胸腺腫か胸腺異所迷入例であって胸腺摘除後

HIM.2672-

  • 薬物療法:コリンエステラーゼ、グルココルチコイド、免疫抑制薬、免疫グロブリン製剤
  • 手術療法:胸腺摘出術
  • その他の治療:血漿交換

禁忌

医療禁忌マニュアル
  • ベンゾジアゼピン系薬などの筋弛緩作用を有する薬物の投与により呼吸不全の危険がある ex. ミダゾラム
  • アミドグリコシド系抗菌薬は神経接合部作用があり、重症化の恐れ
  • インターフェロンα:クリーゼを起こしたという報告があり、一旦起こると薬物を中止しても進行し重症化しうる。

予後

  • ほとんどの患者が適切な処置によりfull productive livesに復帰できる。(HIM.2672-)

国試

参考

  • 1. [charged] Treatment of myasthenia gravis - uptodate [2]



複視」

  [★]

dipl opia
diplopia, double vision
両眼視

概念

  • ある視標を見たときにものが二重に見える状態を複視という。(SOP.269)

分類

仮像の出現する方向

両眼・単眼の別

  • 両眼複視:両眼で物が二重に見える場合。動眼神経麻痺、滑車新家麻痺、重症筋無力症、眼窩吹き抜け骨折など
  • 単眼複視:単眼で物が二重に見える場合。正乱視不正乱視、あるいは白内障が原因となる。

鑑別疾患

単眼視したときに物体が二重に認識される状態 monocular diplopia

  • 水晶体脱臼(外傷、マルファン症候群)
  • 早期白内障
  • 角膜白濁(corneal opacities)
  • 二重虹彩(手術や外傷)
  • ヒステリー

両眼視したときに物体が二重に認識される状態 biocular diplopia

DIF
  • 外眼筋麻痺:MINT
  • malformation 筋強直性ジストロフィー、眼筋麻痺
  • inflammatory 皮膚筋炎、眼窩蜂窩織炎
  • neoplasm 眼窩/外眼性の甲状腺腫 orbit and exophthalmic goiter
  • trauma 眼窩骨折、外眼筋の裂傷/打撲
  • 脳神経末梢:VINCE
  • 脳神経核:VINDICATE
  • vascular 脳底動脈血栓症/出血/塞栓症/動静脈奇形。片頭痛?
  • inflammatory 梅毒性脳炎、結核性脳炎、ウイルス性脳炎
  • neoplasms 脳幹神経膠腫、転移性脳腫瘍、ホジキンリンパ腫
  • deficiency ウェルニッケ脳症
  • intoxication ボツリヌス症、臭素・ヨウ素中毒
  • congenital 水頭症、アーノルド・キアリ奇形
  • autoimmune 多発性硬化症、感染後脳症、ループス脳症
  • traumatic 硬膜下血腫、頭蓋底骨折、橋血腫
  • endocrine 糖尿病による脳底動脈血栓症
  • 核上性
  • 松果体腫瘍、脳血栓/脳出血のconjugate plasy、局在性皮質てんかんのconjugate gaze、テント切痕への早期ヘルニアにおける瞳孔の拡張

検査




ぐにゃぐにゃ乳児」

  [★]

floppy infant
フロッピーインファント筋緊張低下児
[show details]


分類

病因による

筋力低下の有無による

筋緊張低下
筋力低下
  脊髄性筋萎縮症1型
(ウェルドニッヒ・ホフマン病)
ダウン症候群
先天性ミオパチー 脳性麻痺
糖原病 プラダー・ウィリ症候群
進行性筋ジストロフィー エーラス・ダンロス症候群
筋強直性ジストロフィー マルファン症候群
重症筋無力症 クレチン症
(先天性甲状腺機能低下症)
周期性四肢麻痺  



筋ジストロフィー」

  [★]

muscular dystrophy MD
筋異栄養症
筋ジストロフィー症筋ジストロフィ筋ジス進行性筋ジストロフィー
  遺伝
デュシェンヌ型筋ジストロフィー Duchenne muscular dystrophy DMD XR
ベッカー型筋ジストロフィー Becker's muscular dystrophy BMD XR
顔面肩甲上腕型筋ジストロフィー facioscapulohumeral muscular dystrophy FSHD AD
肢帯型筋ジストロフィー limb-girdle muscular dystrophy LGMD AR
筋強直性ジストロフィー myotonic muscular dystrophy MD AD, triplet repeat disease
先天性筋ジストロフィー congenital muscular dystrophy CMD  
福山型先天性筋ジストロフィー Fukuyama congenital muscular dystrophy FCMD AR



筋萎縮」

  [★]

muscle atrophy, muscular atrophy
  神経原性 筋原性
下位運動ニューロン障害 ミオパチー
筋萎縮 遠位筋中心 近位筋中心
線維束性収縮
原因疾患例 筋萎縮性側索硬化症 筋ジストロフィー
Charcot-Marie-Tooth病 多発筋炎
多発神経炎 内分泌ミオパチー
 
例外 近位筋が主に冒される 遠位筋が主に冒される
Kugelberg-Welander病 筋強直性ジストロフィー
Kennedy-Alter-Sung症候群 遠位型筋ジストロフィー
Werdnig-Hoffmann病  



先天性筋強直性ジストロフィー」

  [★]

congenital myotonic dystrophy
先天性筋緊張性ジストロフィー、先天性強直性筋ジストロフィー、先天性緊張性筋ジストロフィー
筋強直性ジストロフィー
uptodate.1
  • 筋強直性ジストロフィーにおいては、CTGリピートが500-2700になると、生下時から、乳児筋緊張低下症、呼吸不全、精神遅滞、いわゆる先天性筋緊張性ジストロフィーが出現する。一般的にリピートが750の時に先天的に発症するリスクが高まる。ほとんどの先天性筋緊張性ジストロフィー(1型)の患児では1000を超えるCTGリピートを有する。
  • 先天性筋強直性ジストロフィーは筋強直性ジストロフィー1型(DM1)の一型としてのみ見られる。重度の筋緊張低下、顔面両麻痺、哺乳不良、関節拘縮(特に下肢)、呼吸不全が特徴である。患児では、顔面両麻痺により上唇がVの字をしているのが特徴的である。
  • 症例の中には、筋強直性ジストロフィー1型(DM1)が羊水過多(polyhydramnios talipes)と胎動低下として出生前から出現している例がある。重症の乳児では、妊娠中は羊水過多であり、これは嚥下運動の障害と関連している。
  • 生後一年間は通常、筋緊張は現れず、筋電図においても見られることは稀である。呼吸不全は一般的であり、患児において新生児期の死因の主要な原因である。80%以上の患児において人工呼吸器管理が必要となる。高度の管理により多くの乳児は新生児時を生存できるが、(overall mortality)新生児期の死亡率は15-20%であり、重症患児の死亡率は40%に及ぶ。

(略)

国試

参考

  • 1.
ごく短い説明と、患児の特徴的な顔写真
[display]http://www.niigata-nh.go.jp/nanbyo/pmd/pmdoth.htm
  • 2.
ごく短い説明。鯉の口
[display]http://medical.itp.ne.jp/sickness/dic/encyclopedia/14-no/0382-35.html
  • 3. 筋強直性ジストロフィー
総論的
[display]http://www.hosp.go.jp/~esaitama/shinkei/myotonic.htm

uptodate

  • 1. [charged] 筋強直性ジストロフィー:病因、臨床的特徴、および診断 - uptodate [3]
  • 2. [charged] 筋強直性ジストロフィー:予後および管理 - uptodate [4]


若年性筋強直性ジストロフィー」

  [★]

若年性筋緊張性ジストロフィー


強直性」

  [★]

tonictetanicankylosingankylotic
強縮強縮性強精強直強直症緊張性持続性テタヌス破傷風


ジストロフィー」

  [★]

dystrophy
異栄養異栄養症異栄養性


筋強直性」

  [★]

myotonic
筋緊張性


性」

  [★]

sex, gender





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