- 英
- nictitating membrane、nictitating
- 関
- 第三眼瞼
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出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2015/05/15 13:57:40」(JST)
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瞬膜(しゅんまく、英語: Nictitating membrane)とは、まぶたとは別に水平方向に動いて眼球を保護する透明又は半透明の膜。第三眼瞼(英語: third eyelid)ともいう。
鳥や爬虫類が瞬きをするとき、目の内側から瞬間的に出てくるため「瞬膜」と呼ばれる[1]。
目次
- 1 瞬膜をもつ種
- 2 機能
- 3 チェリーアイ
- 4 脚注
瞬膜をもつ種
両生類や魚類の一部(サメの仲間)、及び鳥類、爬虫類は発達した瞬膜をもつが、哺乳類では瞬膜が痕跡器官となっている種も多く、霊長類では一部の種に限られる[2][3]。ただし哺乳類でもラクダやホッキョクグマ、ツチブタ、鰭脚類(アシカやアザラシの仲間)には完全な瞬膜がある。鳥は自由に瞬膜を動かすことができる。
ヒトの場合、半月襞(はんげつひだ、plica semilunarisまたはsemilunar fold)とそれに繋がる筋肉がおそらく他の瞬膜に対応する器官ではないかと考えられている[4]。霊長類のほとんどの種はこの半月襞をもつが、キツネザルやロリス下目の種は十分に発達した瞬膜をもつ[5][6]。
機能
上下に開閉する上眼瞼・下眼瞼と異なり、瞬膜は水平方向に動いて眼球を覆い、保護する。また通常半透明の膜であるが、ビーバーやマナティなどは水中で眼球を保護するため瞬膜を閉じて活動し、瞬膜も透明である。一方、アシカのように砂埃やゴミから目を守るため陸上で瞬膜を閉じているものもある。猛禽類はヒナに餌を与える際、目をつつかれないよう瞬膜を閉じる。またハヤブサは獲物を狙って急降下するとき、繰り返し瞬膜をまばたきして眼球の潤いを保ちゴミがつかないようにする。ホッキョクグマの瞬膜は、雪に反射する太陽光で雪眼(雪眼炎)にならないよう目を保護するはたらきがある。サメは獲物を襲う際に目を守るため瞬膜を閉じる。キツツキは木の幹をクチバシで叩く瞬間に瞬膜を閉じ網膜を保護している[7]。
多くの動物は、眼球へ何らかの刺激(風など)を受けると眼を守るため反射的に瞬膜が閉じる。この反射を利用してウサギに古典的条件付けを行う実験も多い[8]。
チェリーアイ
イヌやネコの瞬膜(第三眼瞼)は筋線維部分があまり発達していないので普段は見えないが、逆に瞬膜がいつも見えるときは何らかの体調不良や病気が疑われる。ただし健康なイヌ・ネコでも、寝ている間に目をゆっくり開けたり目のまわりを押したりすると瞬膜を確認できる。瞬膜が逸脱して「チェリーアイ (cherry eye) 」と呼ばれる症状になり易い犬種もある。[9]。
脚注
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- ^ ただしイヌやネコはこのような瞬きをしないので、「瞬膜」ではなく「第三眼瞼」と呼ぶ方が正確である。 “目の病気について”. マスナガ動物病院. 2012年11月26日閲覧。
- ^ R.オーウェン 1866–1868. Comparative Anatomy and Physiology of Vertebrates. London.
- ^ Why do cats have an inner eyelid as well as outer ones? Scientific American. 20 Nov 2006. (Accessed 2 Nov 2011)
- ^ The Eye: Basic Sciences in Practice by John V. Forrester, p. 82
- ^ Osman Hill, W. C. (1953). Primates Comparative Anatomy and Taxonomy I—Strepsirhini. Edinburgh Univ Pubs Science & Maths, No 3. Edinburgh University Press. p. 13. OCLC 500576914.
- ^ Ankel-Simons, F. (2007). Primate Anatomy (3rd ed.). Academic Press. p. 471. ISBN 0-12-372576-3.
- ^ Wygnanski-Jaffe T, Murphy CJ, Smith C, Kubai M, Christopherson P, Ethier CR, Levin AV. (2007) Protective ocular mechanisms in woodpeckers Eye 21, 83–89.
- ^ Gormezano, I. N. Schneiderman, E. Deaux, and I. Fuentes (1962) Nictitating Membrane: Classical Conditioning and Extinction in the Albino Rabbit Science 138:33–34.
- ^ Frans C. Stades, Milton Wyman, Michael H. Boevé, Willy Neumann, Bernhard Spiess. Ophthalmology for the Veterinary Practitioner. 105–106
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Japanese Journal
- 苦手分野を克服する!基礎からのステップアップ連載! 眼科治療向上委員会 診断編(第3回)瞬膜の症状と疾患
- 滝山 直昭
- Clinic note : journal of clinical daily treatment for small animals 8(2), 64-69,折り込み2p, 2012-02
- NAID 40019197823
- ウサギの眼の微細血管系 : 血管樹脂鋳型標本の走査型電子顕微鏡による観察(実験動物学)
- 二宮 博義,猪股 智夫,印牧 信行
- The journal of veterinary medical science 70(9), 887-892, 2008-09-25
- … 眼房水静脈が豊富に認められた.瞬膜,眼球結膜,眼瞼結膜の毛細血管は上皮直下に一層の毛細血管網を形成し,その深層には良く発達した静脈叢を形成していた.網膜の血管は視神経乳頭を挟んで水平に広がり,網膜に部分的に分布しており,merangiotic typeを示していた.眼房水を排出する眼房水静脈は脈絡膜上腔に始まり,前渦静脈に合流した後,強膜静脈叢に合流していた.瞬膜や結膜に見られる上皮直下の密 …
- NAID 110006946002
- Chlamydophila felisの猫への感染実験(短報)(細菌学)
- 増渕 勝夫,野坂 英司,岩本 かよ [他],国分 輝秋,山中 盛正,清水 悠紀臣
- The journal of veterinary medical science 64(12), 1165-1168, 2002-12-25
- … 英国分離Chlamydophila felis B166株を猫に点眼経鼻感染させたところ,結膜炎,軽度の鼻炎及び発熱が認められた.クラミジアは最初結膜,瞬膜から,次いで肺,扁桃,肝臓,脾臓,腎臓,鼻粘膜スワブ,膣粘膜スワブ及び血液から分離された.これらの結果から,C. … felis B166株は猫に感染後結膜及び瞬膜で増殖して結膜炎を引き起こし,その後菌血症によって全身に拡がることが明らかとなった. …
- NAID 110003886089
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