甲状腺クリーゼ

出典: meddic

thyrotoxic crisis, thyrotoxic storm, thyroid crisis
甲状腺中毒クリーゼ
甲状腺中毒症甲状腺甲状腺ホルモン甲状腺発症バセドウ病性精神異常



概念

  • 甲状腺中毒症による全身症状が著しくなり、生命に危険が及ぶ状態

病因

  • 感染症、手術、ストレス

症状

  • 意識障害
  • 38℃以上の発熱
  • 120/分以上の頻脈
  • 異常な発汗 → 脱水
  • 頻回の下痢,嘔吐 → 脱水
  • 循環不全

診断

検査

治療

無機ヨード + 抗甲状腺薬(チアマゾールプロピルチオウラシル)
  • 補液
  • 体の冷却
  • 酸素吸入
  • 無機ヨード薬
  • 抗甲状腺薬
  • 副腎皮質ホルモン剤
  • ジギタリス
  • βブロッカー
  • 透析、血漿交換

予後

  • 適切な処置が行われなければ死亡率は極めて高い



UpToDate Contents

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和文文献

  • 臨床経験 当科における甲状腺クリーゼ8症例の臨床的検討
  • 新生 忠司,岡田 洋右,鳥本 桂一 [他]
  • 内科 109(3), 519-523, 2012-03
  • NAID 40019210287
  • 招請講演 甲状腺機能異常の診断と治療 (第109回日本内科学会講演会(2012年))
  • 森 昌朋
  • 日本内科学会雑誌 101(-) (臨増), 84-91, 2012-02-20
  • NAID 40019251170
  • 症例から学ぶ 甲状腺クリーゼの治療中に,甲状腺中毒性ミオパチーと思われる筋力低下が顕在化した1例
  • 武市 奈緒美,杉原 仁,若栗 稔子 [他]
  • 日本医科大学医学会雑誌 8(1), 38-43, 2012-02
  • NAID 40019210122

関連リンク

甲状腺クリーゼの診断基準(第2版)』. 定義. 甲状腺クリーゼ(Thyrotoxic storm or crisis)とは、甲状腺中毒症の原因となる未治. 療ないしコントロール不良の甲状腺基礎 疾患が存在し、これに何らかの強いストレス. が加わった時に、甲状腺ホルモン作用 過剰 ...
甲状腺クリーゼについてのページです。甲状腺の働きを知るでは、甲状腺の病気や症状 から副甲状腺の病気などまでをご説明しております。

関連画像

①甲状腺クリーゼ甲状腺 クリーゼ とは 基礎 救命できた甲状腺クリーゼ.JPG甲状腺中毒症の一般的治療法e0156318_9383665.jpg①甲状腺クリーゼ甲状腺クリーゼ.JPG


★リンクテーブル★
先読みバセドウ病性精神異常
国試過去問108G049
リンク元グレーブス病」「甲状腺機能亢進症」「嘔吐」「甲状腺ホルモン」「甲状腺中毒症
拡張検索副甲状腺クリーゼ
関連記事甲状腺」「

バセドウ病性精神異常」

  [★]

Basedow psychosis
グレーブス病


108G049」

  [★]

  • 28歳の女性。嘔吐腹痛とを主訴に来院した。「数日前から風邪でおなかをこわしていて食べられない。喉も渇く」と言う。半年前に受けた職場の健康診断で異常はなかった。意識は清明。身長 154 cm、体重 47 kg(1か月前は 50 kg)。体温 37.2℃。脈拍 100/分、整。血圧 102/80 mmHg。舌は乾燥している。甲状腺は軽度に腫大しているが結節や圧痛はない。心音と呼吸音とに異常を認めない。臍から下腹部に軽度の圧痛を認める。尿所見:蛋白 (-)、糖 3+、ケトン体 3+。
  • まず考えるべきなのはどれか。


[正答]


※国試ナビ4※ 108G048]←[国試_108]→[108G050

グレーブス病」

  [★]

Graves' disease, Graves disease
バセドー病 バセドウ病 (国試)Basedow病 Basedow disease Basedow's diseaseグレーヴス病 Graves病、exophthalmic goitre、中毒性びまん性甲状腺腫 toxic diffuse goiterパリー病 Parry disease
morbus Basedowii

概念

病因

  • 自己抗体の出現
  • 甲状腺刺激免疫グロブリン thyroid stimulating immunoglobulin
  • 甲状腺増殖刺激免疫グロブリン thyroid re-growth-stimulating immunoglobulin (TGI)
  • TSH結合阻害免疫グロブリン TSH-binding inhibitor immunoglobulin (TBIIs)
自己抗体であるTSH受容体抗体の産生 → 甲状腺濾胞上皮細胞のTSH受容体に結合して活性化 → 甲状腺ホルモン分泌↑
  • 抗TSH受容体抗体は95-98%の症例で出現する。

疫学

病変形成&病理

  • 自己抗体により、濾胞のホルモン産生が刺激され、甲状腺は瀰漫性に腫大(正常の数倍から200gまで)。

症状

メルゼブルク三徴 Merseburg triad(Merseburgの三主徴)

  • 1. 甲状腺中毒症状
頻脈、体重減少、手指振戦、発汗増加等
心臓肥大、リンパ組織過形成、真皮の肥厚
  • 2. びまん性甲状腺腫大(やわらか、血管雑音)
  • 3. 眼球突出または特有の眼症状

ハシトキシコーシス Hashitoxicosis

  • 橋本病性の変化が著しいもの。将来的に機能低下となる可能性
  • 甲状腺クリーゼ thyroid crisis
  • 未治療or適切な治療が行なわれていなかった状態、感染、外傷などの誘因が加わった時に機能亢進症が急速に増悪する状態。頻脈、ショック。

合併症

検査

  • 1. FT4、FT3のいずれか一方または両方高値
  • 2. TSH低値
  • 3. TSH受容体抗体陽性、または甲状腺刺激抗体陽性
  • 4. 放射線ヨード甲状腺摂取率高値 ← 甲状腺ホルモンの生合成が亢進

エコー

  • カラードプラ:全体的に著明な血流増加

診断

治療

抗甲状腺薬

の二種類である。薬効の高さや作用持続時間の長さの利点からMMIを第一選択とするが、胎盤移行や乳汁移行、副作用の出現頻度を考慮しPTUを用いることもある。治療中止の時期は甲状腺機能の正常化はもちろんのこと、抗TSH受容体抗体が陰性であることも必要である。

  • 治療期間:長い。1-2年維持量でコントロールし、TSH受容体抗体が陰性化したら減量し、さらに6ヶ月したら休薬(YN.D-31)

治療の中止

4点がそろえば中止。中止後、10-25%が再発する。
  • 1. メルカゾール1錠/日-1錠/隔日で甲状腺機能が正常 (TSH, FT4の両方が正常)
  • 2. 投薬継続期間が2年以上
  • 3. 甲状腺腫が小さくなった
  • 4. TSH受容体抗体が陰性

βブロッカー

  • 脈拍、動悸、振戦を軽減 ← 甲状腺ホルモンの「心筋細胞のカテコールアミン受容体を増加させる作用」に対して

放射性ヨード療法

  • 131Iのβ線により甲状腺組織を破壊
  • 効果は2-3週後に出現し、最大効果は6-12週後。

外科的治療法

  • 甲状腺亜全摘術

比較

  放射性ヨード療法
131療法
外科的治療法 抗甲状腺薬
長所 治療法が簡単   どの年代の患者でも可能(妊娠・妊娠中も可能)
成人合併例でも治療可能   通院での治療可能
比較的短期間で寛解 短期間に治癒  
永続寛解率が高い 高い寛解率  
侵襲が少ない   不可逆的な甲状腺機能低下は稀
短所 特別な施設が必要 手術侵襲 副作用(無顆粒球症・肝障害)
永続的甲状腺機能低下症が年ごとに増加 永続的甲状腺機能低下症  
妊娠、授乳期では禁忌 瘢痕 治療期間が長い
  術後合併症(反回神経麻痺、テタニー) 永続寛解率が低い
  術後再発  
回避・禁忌 30歳以下は避ける    
妊娠予定、妊娠中、授乳中は禁忌    
適応 欧米の第一選択   日本の第一選択
老人で早期治療を望む場合 早期治癒を望む場合(社会的・妊娠希望) 小児、妊婦
抗甲状腺薬で副作用の例 抗甲状腺薬で副作用の例 外科的療法、放射性ヨード療法の明らかな適応外
抗甲状腺薬で永続治癒の可能性低 抗甲状腺薬で永続治癒の可能性低 FT4軽度上昇例
服薬・治療コンプライアンス低 服薬・治療コンプライアンス低  
手術適応だが合併症、患者の意志により回避される場合 通院が困難  
手術後再発例 甲状腺腫が大 甲状腺腫が小

病理

  • 組織像
  • 濾胞上皮の著明な過形成、上皮細胞の丈が増して円柱上となる、濾胞上皮が乳頭状に濾胞腔に突出する、間質の軽度の線維化、リンパ球集簇、リンパ濾胞、腫大した上皮細胞は濾胞中央部のコロイドを活発に吸収するため、コロイドの辺縁部に空泡が見える。


グレーブス病、亜急性甲状腺炎、無痛性甲状腺炎の比較

YN.D-40改変
  破壊性甲状腺炎 グレーブス病 備考
無痛性甲状腺炎 亜急性甲状腺炎
病態 橋本病
(慢性甲状腺炎)の
経過中に濾胞の
崩壊を示す
甲状腺の炎症による
濾胞破壊
TSHRの過剰刺激
炎症 mild severe [-]  
末梢fT3 甲状腺機能亢進もしくは濾胞の破壊で上昇
123I uptake 健全な甲状腺濾胞が存在し、甲状腺ホルモン合成能が高い
血清TSH fT3上昇のため
血清サイログロブリン 甲状腺機能亢進もしくは濾胞の破壊で上昇
TSH受容体抗体 [-] [-] [+]  
抗TPO抗体 [+] [-]/トキニ[+] [+]  
抗サイログロブリン抗体 [+] [-]/トキニ[+] [+]  

参考

  • 1. D.産科疾患の診断・治療・管理 8.合併症妊娠の管理と治療 - 日産婦誌60巻3 号
http://www.jsog.or.jp/PDF/60/6003-041.pdf




甲状腺機能亢進症」

  [★]

hyperthyroidism
同?
甲状腺中毒症 thyrotoxicosis
甲状腺甲状腺ホルモン甲状腺腫甲状腺機能低下症

定義

  • 甲状腺においてホルモンの合成と分泌が増加し、そのために甲状腺ホルモン過剰の症状が出現している病態

分類

  • グレーブス病 :びまん性 :fT3↑、fT4↑、TSH↓
  • 甲状腺機能性結節 toxic multinodular goitar
  • 甲状腺ホルモン産生癌
  • 甲状腺外
  • TSH産生下垂体腫瘍 :fT3↑、fT4↑、TSH↑
  • 下垂体型甲状腺ホルモン不応症 :fT3↑、fT4↑、TSH↑
  • 胞状奇胎、絨毛腫瘍
  • ヒト絨毛性ゴナドトロピンhCGがTSH様甲状腺刺激物質として作用するため、甲状腺でのホルモン分泌、合成が亢進する。血中甲状腺ホルモンは高値となるが、TSHは低値を示す。hCGは妊娠初期にも分泌され、一過性の甲状腺機能亢進状態になることもある。
  • 卵巣甲状腺腫
  • 卵巣の奇形腫(teratoma)で、腫瘍内に過機能性甲状腺腫が存在し、甲状腺中毒症状を呈す。
  • 外因性甲状腺ホルモン中毒症
  • 甲状腺ホルモンの過剰投与、痩せ薬としての服用などにより、甲状腺中毒症状が出現する。血中TSH値は抑制され、サイログロブリンは低値を示すことが特徴的。

  • 甲状腺破壊による甲状腺中毒症

疫学

参考1
  • 甲状腺機能亢進によるもの
  • 甲状腺機能亢進によらないもの

症状

YN.D-30

  • 全身症状:全身倦怠感、易疲労感、体重減少、体重増加もあり、微熱
  • 消化器症状:食欲亢進、排便回数の増加、軟便、下痢
  • 循環器症状:動悸、息切れ、頻脈、心房細動、高血圧(収縮期血圧上昇、拡張期血圧低下、脈圧増大)
  • 神経筋症状:手指振戦、下肢近位筋の筋力低下、筋萎縮
  • 皮膚症状:発汗過多、皮膚湿潤、色素沈着、脱毛、皮膚掻痒感、手掌紅斑、爪甲剥離(Plummer爪)
  • 精神症状:神経過敏、易刺激性、不眠、多動
  • 性腺症状:月経異常(月経過少、無月経)

甲状腺機能亢進症と褐色細胞腫

  • 血圧:収縮期血圧↑/収縮期血圧↓ ⇔ 収縮期血圧↑/収縮期血圧↑
  • 消化器症状:下痢 ⇔ 便秘

眼症状

  • 甲状腺眼症においては、球後軟部組織の炎症性病変すなわち眼窩症が眼症発症の背景にある。
  • したがって、球後脂肪織炎による眼球突出と、外眼筋炎を伴う眼球突出がある。
  • Basedow病発症のピークを示す20歳前後の世代では脂肪織炎のみによる眼球突出のみによる眼球突出が高頻度に見られるのに対して、もう一つの山である40歳代の中高年層では外眼筋肥大を伴う例が多い。
  • 薬物治療:副腎皮質ステロイドホルモンのパルス療法あるいは漸減法を行う。
  • 特徴的所見:眼瞼後退、Graefe徴候(下方視の際に上眼瞼の下方への動きが遅れる)、Kocher徴候(目が凝視または驚いたように見える状態)

合併症

検査

  • 血液生化学(IMD)
  • Cho:低値
  • ALP: 高値
  • ChE 高値

など

  • Ca:高値  → 甲状腺ホルモンによる骨吸収・骨形成亢進のため? 骨粗鬆症が出現する症例はない、あるいは少ないのか?
  • P: 高値
  • 食後:高血糖
  • AST:上昇
  • ALT:上昇

治療

ICU.762
  • β遮断薬
  • 抗甲状腺薬:メチマゾール(MMI)(PTUより早く血漿fT4濃度を低減させるし、顆粒球減少の頻度がより低い)、プロピルチオウラシル(PTU)
  • ヨウ素剤:重症の場合は抗甲状腺薬に加えて使用する。ヨウ素は甲状腺からのT4放出を抑制する。

参考

  • 1. 甲状腺疾患と 抗TSHレセプター抗体
http://www.thyroid.jp/pdf/dr_TRAb.pdf

uptodate

  • 1. [charged] 成人における甲状腺機能亢進症の臨床症状の概要 - uptodate [1]
  • 2. [charged] 潜在性甲状腺機能亢進症 - uptodate [2]
  • 3. [charged] 甲状腺機能亢進症の原因となる疾患 - uptodate [3]
  • 4. [charged] 小児期および思春期における甲状腺機能亢進症の臨床症状および診断 - uptodate [4]
  • 5. [charged] 甲状腺機能亢進症およびバセドウ病の神経学的症状 - uptodate [5]
  • 6. [charged] 甲状腺機能亢進症の心血管系への影響 - uptodate [6]
  • 7. [charged] 甲状腺機能亢進症の診断 - uptodate [7]
  • 8. [charged] バセドウ病(グレーブス甲状腺機能亢進症)の治療 - uptodate [8]




嘔吐」

  [★]

vomiting, emesis
vomitus
悪心嘔気 nausea悪心・嘔吐 nausea and vomiting

概念

  • 胃の内容物をはき出す現象。
  • 胃または腸内容が食道を経て口腔より吐出される現象。

嘔吐中枢

嘔吐中枢の近傍に存在するもの

  • 呼吸中枢、血管運動中枢、消化管運動中枢、唾液分泌中枢、前庭神経核

随伴症状

  • 発汗、唾液分泌、顔面蒼白、脈拍微弱、徐脈、頻脈、血圧の動揺、めまいなど

症状の出現形式と原因の所在

  • 突然の嘔吐:中枢性
  • 消化器症状を伴う:末梢性

嘔吐に関わる経路

IMD.351
  • 1. 嘔吐中枢(延髄網様体背側神経背側核近傍)への直接刺激(脳圧亢進、循環障害)
  • 2. 化学受容体誘発帯(CTZ; 第四脳室底)への刺激(代謝異常や中毒による化学物質の作用) → 1.
  • 3. 大脳皮質(中枢神経など高位中枢)からの入力 → 1.
  • 4. 求心性迷走神経や交感神経を介する入力 → 1.

原因

中枢性刺激 化学受容器引金帯刺激 薬物 アポモルヒネモルヒネジギタリス抗菌薬抗癌薬降圧薬アミノフイリンコルヒチンアルコール
毒物 重金属ガス
放射線 各種癌治療後
感染症 細菌毒素
内分泌疾患 肝性脳症糖尿病性ケトアシドーシス/ 高血糖高浸透圧症候群尿毒症妊娠悪阻妊娠高血圧症候群
代謝疾患 甲状腺クリーゼ副腎不全Addison病
直接刺激 脳圧亢進 頭部外傷脳腫瘍脳出血くも膜下出血髄膜炎、脳への放射線療法後
脳循環障害 ショック低酸素脳症脳梗塞片頭痛脳炎髄膜炎
上位中枢刺激 神経性食思不振症不快感てんかんヒステリー抑うつ状態うつ病、過度の嫌悪感、不快感拘禁反応による恐怖ストレス視覚嗅覚味覚的刺激
末梢性刺激 消化管疾患 舌咽頭疾患 アデノイド咽頭炎
食道疾患 胃食道逆流症食道裂孔ヘルニア食道癌
胃腸疾患 急性胃炎、急性胃十二指腸粘膜病変、急性腸炎急性虫垂炎消化性潰瘍食中毒、消化管腫瘍、寄生虫食中毒Mallory-Weiss症候群
消化管通過障害 腸閉塞、胃幽門部狭窄、輸入脚症候群
腹膜疾患 腹膜炎
胆膵疾患 急性胆嚢炎急性胆管炎急性膵炎膵癌胆管癌
肝疾患 急性肝炎
循環器疾患   うっ血性心不全狭心症急性心筋梗塞
泌尿器科疾患 尿路結石腎結石急性腎炎腎盂腎炎腎不全
耳鼻咽喉科疾患 中耳炎Meniere病乗り物酔い
眼科疾患 緑内障
呼吸器科疾患 肺結核胸膜炎肺癌、咳嗽発作
婦人科疾患 子宮付属器炎月経前症候群更年期障害
脊髄疾患 脊髄癆多発性硬化症
膠原病 結節性多発動脈炎強皮症側頭動脈炎

小児科で遭遇する嘔吐の原因

  新生児 乳児 幼児~学童
消化器疾患以外で見・落とさないよう注意する疾患 敗血症髄膜炎水頭症脳奇形尿路感染症 髄膜炎脳炎脳症虐待児尿路感染症呼吸器感染症心疾患薬物中毒誤嚥 脳炎脳症脳腫瘍肺炎中耳炎頭部外傷薬物中毒心筋炎不整脈
よくある消化器疾患 溢乳空気嚥下・哺乳過誤・初期嘔吐胃食道逆流現象・胃腸軸捻転・腸管感染症壊死性腸炎 食事過誤・空気嚥下便秘腸管感染症幽門狭窄症腸重積症胃食道逆流現象・胃長軸捻転・食事アレルギー 腸管感染症急性虫垂炎腹部外傷肝炎胆嚢炎膵炎腹部外傷・食事アレルギー・好酸球性胃腸症
主な代謝性疾患 先天性副腎過形成・ガラク卜ース血症 先天性副腎過形成Reye症候群 アセトン血性嘔吐症ケトン性低血糖症糖尿病性ケトアシドーシスReye症候群
その他     起立性調節障害神経性食思不振症
外科的疾患 食道閉鎖狭窄症胃軸捻転十二指腸閉鎖狭窄症腸回転異常捻転小腸閉鎖症Hirschsprung病胎便性イレウス・稀に腸重積肥厚性幽門狭窄・特発性腸管偽性閉鎖症 肥厚性幽門狭窄症腸重積腸回転異常捻転Hirschsprung病虫垂炎 虫垂炎腸重積腸回転異常捻転上腸間膜動脈症候群腫瘍嚢胞




甲状腺ホルモン」

  [★]

thyroid hormone, thyroid hormones
甲状腺サイログロブリンカルシトニン甲状腺ホルモン製剤
胎児の発育・新生児の生理と適応


  • SP.915-

種類

分類

性状

  • 疎水性アミノ酸

産生組織

標的組織

受容体

  • 核内甲状腺受容体(甲状腺ホルモン受容体ファミリー)
ステロイドレセプタースーパーファミリーに属する → 核内受容体スーパーファミリー

作用

代謝系別

  • 1. 熱産生
  • 脳、脾臓、睾丸をのぞくすべての組織で酸素消費を高める ← 甲状腺クリーゼによる発熱の原因
  • 2. 自律神経系
  • カテコラミンの作用を増強する
  • 心筋細胞のカテコールアミン受容体を増加 ←証明されていない?
  • 3. 内分泌
→甲状腺ホルモンの投与によりコルチゾールが減少し副腎クリーゼを誘発
  • 4. 呼吸器系
  • 5. 造血器系
  • エリスロポエチン産生促進 → 赤血球増加
  • ヘモグロビンからの酸素解離を促進 → 末梢組織での酸素利用↑
  • 6. 骨格筋系作用
  • 骨代謝回転を高め、骨形成・骨吸収を促進 (閉経後女性で甲状腺ホルモン多 → 骨塩量減少 → 骨粗鬆症
  • グレーブス病では筋肉蛋白の代謝亢進、筋肉量の減少、筋力低下、筋脱力、四肢麻痺
  • 7. 糖代謝
  • 糖代謝の亢進
  • 8. 脂質代謝
  • 肝臓におけるコレステロール産生を促進
  • 肝臓のトリグリセリドリパーゼ活性を亢進し、コレステロールの代謝を促進
コレステロールが減少 ← 総じて分解系の法が作用が強い
  • 9. その他

薬理学的作用 (SPC.321)

  • 成長と発育
全ての生体の活動に関わる-(不足)→成長停止、身体的・精神的発育停止
  • 熱産生と体温調整
組織の酸素消費を高め、基礎代謝を亢進させる。Na+,K+-ATApaseの活性刺激や、核内クロマチンに作用してDNA転写を促進する作用による
  • 代謝亢進作用
上記の通り
  • TSH分泌抑制
ネガティブフィードバック

分泌の調節

  • 分泌の制御系
視床下部--(甲状腺刺激ホルモン放出ホルモン)-→下垂体前葉--(甲状腺刺激ホルモン)-→甲状腺濾胞細胞-→T3, T4-→T3, T4下垂体前葉・視床下部に作用し甲状腺刺激ホルモンの分泌を抑制

分子機構

臨床関連

過多

欠乏

  • 甲状腺機能検査値の異常を来す病態。ほとんどの場合TSHは正常
  • free T3↓、rT3↑(重症ではT4↓、TSH
  • 低栄養、外傷、感染症、手術、腎不全、肝不全、心不全、悪性腫瘍
  • エネルギー消費を減らすための適応かもしれない
以上2007後期生理学授業プリント内分泌(3)

生合成 (SP.916)

甲状腺中毒症」

  [★]

thyrotoxicosis
甲状腺機能亢進症甲状腺甲状腺ホルモン

定義

  • 血中に甲状腺ホルモンが増加し、それに臨床症状が伴っている状態
  • 過剰の甲状腺ホルモンが存在するという生理的な症状を指す。この病態を表すにはhyperthyroidismよりthyrotoxicosisが用いられるべき。thyrotoxicosisは甲状腺の機能亢進とは関連しない。hyperthyroidismは甲状腺機能の亢進による障害のためにとっておく。(WIL.333)
でも、以下の分類だと、ごちゃまぜに使っています・・・要するに文献によって用語の使い方が統一されていない。

分類

  • 甲状腺中毒症 thyrotoxicosis
  • グレーブス病 :びまん性 :fT3↑、fT4↑、TSH↓
  • 甲状腺機能性結節 toxic multinodular goitar
  • 甲状腺ホルモン産生癌
  • 甲状腺外
  • TSH産生下垂体腫瘍 :fT3↑、fT4↑、TSH↑
  • 下垂体型甲状腺ホルモン不応症 :fT3↑、fT4↑、TSH↑
  • 胞状奇胎、絨毛腫瘍
  • ヒト絨毛性ゴナドトロピンhCGがTSH様甲状腺刺激物質として作用するため、甲状腺でのホルモン分泌、合成が亢進する。血中甲状腺ホルモンは高値となるが、TSHは低値を示す。hCGは妊娠初期にも分泌され、一過性の甲状腺機能亢進状態になることもある。
  • 卵巣甲状腺腫
  • 卵巣の奇形腫(teratoma)で、腫瘍内に過機能性甲状腺腫が存在し、甲状腺中毒症状を呈す。
  • 外因性甲状腺ホルモン中毒症
  • 甲状腺ホルモンの過剰投与、痩せ薬としての服用などにより、甲状腺中毒症状が出現する。血中TSH値は抑制され、サイログロブリンは低値を示すことが特徴的。

  • 甲状腺破壊による甲状腺中毒症

合併症



副甲状腺クリーゼ」

  [★]

parathyroid crisis
上皮小体クリーゼ


甲状腺」

  [★]

thyroid gland
glandula thyroidea
甲状腺ホルモン副甲状腺(上皮小体)
喉頭
  • 図:N.24(全面の筋),25(全面の筋),70(血管),71(血管)

解剖学

部位

性状

  • 成人の正常重量15-25g、女性の方が少し重い。妊娠中や性周期で重量が変化する。分泌期初期(early secretary phase排卵後2-5日目)には50%も重量が増加する。

大きさ

よくわかる甲状腺疾患のすべて 永井書店 (2004/01) ISBN 481591673X
単位はmm?
  n 峡部 横断厚 横径 縦経(右) 縦経(左)
男性 34 1.8±0.6 18±3.0 48±4.8 49±3.7 49±3.8
女性 16 1.3±0.8 16±2.2 46±3.6 45±6.0 46±3.0

血管

動脈

静脈

神経

声帯を支配する神経が甲状腺の裏側を通過 N.71

画像

  • 超音波検査
  • (高エコー)筋肉>甲状腺>気道(低エコー)  ← 要確認

組織学

濾胞上皮細胞 follicular cell

  • 甲状腺ホルモンを産生、分泌。

C細胞 C cell

  • 成人甲状腺全体の0.1%を占める
  • カルシトニン産生細胞、HEでは判別困難。
  • 銀染色(Glimerius)、免疫組織化学(chromogranin A、synaprophysin, carcitoninなど)により明らかとなる。
  • 電顕では、electron dense な顆粒を有する(神経内分泌顆粒)。

機能

発生

神経支配

  • 上頚部交感神経節、中頚部交感神経節。交感神経神経線維は濾胞近傍に終末し、分泌に影響を及ぼす。

臨床関連

非腫瘍性疾患

  • 1. 遺伝疾患、発達傷害
  • mynocyclineによるblack thyroid:消耗性色素リポフスチンと他の物質(lipid-drug complexによりlysosomeに色素が沈着する)。
  • 4. 感染
  • 5. 自己免疫性甲状腺疾患

腫瘍性疾患 (甲状腺腫瘍)

  • 1. 良性腫瘍
  • a) 濾胞腺腫 follicular adenoma
  • 2. 悪性腫瘍 悪性腫瘍中の頻度)
  • a) 乳頭癌 papillary carcinoma 88%
  • b) 濾胞癌 follicular carcinoma 4.2% 甲状腺濾胞癌 thyroid follicular carcinoma
  • c) 低分化癌 poorly differentiated carcinoma
  • d) 未分化癌 undifferentiated carcinoma 1.5%
  • e) 髄様癌(C細胞癌) medullary carcinoma, C-cell carcinoma 1.4%
  • f) 悪性リンパ腫 malignant lymphoma 3.5%


Henry Gray (1825-1861). Anatomy of the Human Body. 1918.
Henry Gray (1825-1861). Anatomy of the Human Body. 1918.
Henry Gray (1825-1861). Anatomy of the Human Body. 1918.

分類






腺」

  [★]

gland
glandula
腺細胞分泌





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