無症候性キャリア
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UpToDate Contents
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- 1. B型肝炎ウイルス感染の臨床症状および自然経過 clinical manifestations and natural history of hepatitis b virus infection
- 2. 成人におけるクロストリジウム・ディフィシル:臨床症状および診断 clostridium difficile in adults clinical manifestations and diagnosis
- 3. 便培養で非チフス性サルモネラが検出された患者へのアプローチ approach to the patient with nontyphoidal salmonella in a stool culture
- 4. クロストリジウム・ディフィシル感染症:予防および管理 clostridium difficile infection prevention and control
- 5. 成人における扁桃摘出:適応 tonsillectomy in adults indications
和文文献
- HBV無症候性キャリアの自然経過と診療 : 定期診療の必要性 (第1土曜特集 B型肝炎 : 最新治療コンセンサス2012) -- (対策をめぐる最新情報)
- 中西 満,坂本 直哉
- 医学のあゆみ 242(5), 401-406, 2012-08-04
- NAID 40019355838
- Trichophyton tonsurans感染症の現状と対策
- 小川 祐美
- Medical mycology journal 53(3), 179-183, 2012
- NAID 40019402730
関連リンク
- 無症候性キャリア(むしょうこうせい-、無症候キャリア)とは、病原体による感染が起こっ ていながら、明瞭な症状が顕れないまま、他の宿主(ヒトや動物など)にその感染症を 伝染させる可能性のある宿主のこと。特に細菌による感染の場合は、無症候性保菌者、 ...
- 2012年5月20日 ... こんにちは. コメントでB型肝炎ウイルスのキャリアに関して説明をということでしたので、 簡単に書いてみます。 今回はたまたま別の病気で受診した方にしましょう。僕の経験 では・・・、やはり少し高齢の方ですね。検査したことがなくて、大きな ...
関連画像
添付文書
■★リンクテーブル★
先読み | 「AC」 |
リンク元 | 「B型肝炎ウイルス」「B型肝炎」「asymptomatic carrier」 |
関連記事 | 「無症候性」「キャリア」「無症候」「症候性」「症候」 |
「AC」
「B型肝炎ウイルス」
ウイルス学
抗原&および抗体
HBs抗原 | HBsAg | 表面抗原である。HBs抗原(+)はウイルスが体内に存在することを示す。 |
抗HBs抗体 | anti-HBs | 中和抗体である。抗HBs抗体(+)は過去にHBVに感染して治癒しているか、HBVワクチンを接種されているかをしめす。 |
HBc抗原 | HBcAg | HBVを構成するタンパク質であるが、キャプシド内のタンパク質である。 |
抗HBc抗体-IgM | IgM anti-HBc | 感染初期に現れ、数ヶ月後に消える。急性肝炎の診断に使用される。 |
抗HBc抗体-IgG | IgG anti-HBc | 抗HBc抗体-IgMに少し遅れて現れ、ほぼ生涯にわたって血中に存在する。過去にHBVにかかったことを示す。 |
HBe抗原 | HBe | HBe抗原は発症に遅れて一ヶ月後から増加し始め、治癒した後2,3ヶ月かけて減少する。HBe抗原(+):HBVが増殖する際に過剰に作られるタンパク質。HBVの活発な増殖を示しており、感染力が強いことを示す。 |
抗HBe抗体 | anti HBe | 抗HBe抗体(+):HBVウイルス量と増殖が落ち着いていることを示しており、感染力が弱いことを示す。 |
HBcAg
- HIM.1935
- ヌクレオキャプシドはC geneがコードしている。ヌクレオキャプシド:に発現している抗原をHBcAgという。
HBeAg
- HIM.1935
- C geneがコード。スタートコドンが箇所有り、precore regionから開始するものは小胞体シグナルを含み、細胞外に分泌される。core regionから翻訳されたものがnucleocapsid particleの組み立てに用いられる。この蛋白はRNAと結合する。ウイルスの増殖性・感染性と関係がある。HBs-Ag陽性キャリアの母親が妊娠・出産して子供にHBVが伝播する確率は、HBeAg陽性で90%、HBe陰性で10-15%。3ヶ月を越えてHBeAg陽性だったら、慢性化した事の証。(HIM.1933)
- HBeAgは、HBsAgと同時かあるいはそのちょっと後に出現する。急性のB型肝炎の場合は、ALTがピークをつけたあたりで検出できなくなる。
初感染時に、末梢血でみられる血清学的変化の順番
- IgM anti-HBc (対応抗原が末梢血に出てこないから検出が容易という訳じゃよ、たぶん) -> anti-HBe ->anti-HBs
HBV抗原の局在
- QB.278
- HBsAg:肝細胞質内
- HBeAg:肝細胞質内
- HBcAg:肝細胞核内? ← ホントかな。末梢血に出ないというだけじゃね?
抗原/抗体の状態
HBs抗原 | 抗HBs抗体 | 抗HBc抗体 | HBe抗原 | 抗HBe抗体 | RT-PCR | |
未感染者 | - | - | - | - | - | - |
ワクチン接種者 | - | + | - | - | - | - |
既感染者 | - | + | + | - | + | - |
キャリア | + | - | +++ | + | - | + |
- | + |
慢性化
- HBsAgが6ヶ月以上陽性で、IgG anti-HBcが優性となり、anti-HBsは検出できないか検出限界以下となる。このころにHBV DNAは末梢血・肝細胞の核内に存在し、free or episomal form(エピソーム)として存在する。
- 1. replacative stage: HBVの増殖や肝障害が激しい。このstageにおいてHBV DNAは量的, HBeAgは質的なマーカーとなる。
- 2. nonreplacative stage: 年に~10%の割合で起こる。HBeAg陽性からanti-HBeへの血清変換(seroconversion)が起こる。この時期にたいていALTが上昇するが、身体の細胞性免疫がウイルスを排除したと考えられている。このころにはHBV DNAは核内に存在して、宿主のゲノム内にintegrateされている。末梢血にはウイルス粒子ではなく、球状・管状のウイルス粒子がみられる。肝臓の障害もやんでいる傾向にある。時に、HBeAgへの血清変換とHBV DNAの上昇、IgM anti-HBcの出現を伴ってウイルスの再活性化が起こる。IgM anti-HBcはウイルスの再活性化でも起こるから、初感染の指標としては使えないね。患者の病歴が重要。(HIM.1935)
- 血清変換は細胞性免疫が減弱した老人で起こりにくく、若者に多い。
- 3. inactive HBV carrier: nonreplicative stageに入った患者のうち、活動性の肝障害がないヒトを指している。
ウイルスの生活環
- when packaging within viral peoteins is complete, synthesis of the incomplete plus strand stops
侵入&増殖
- ウイルスDNAは核内に移行
- ニックの入った鎖がDNAポリメラーゼに修復され2本鎖環状DNAとなる
遺伝子型
遺伝子型 | A | C |
地域 | 海外? | 日本 |
慢性化 | する | しにくい |
重症度 | 軽い | 重い |
IFN効果 | 奏効しやすい | 奏効しにくい |
腫瘍 | 肝細胞癌発症しやすい |
潜伏期
- 60-160日
- 約35日でHBV DNAが検出可能
- 約59日でHBs抗原が検出可能
感染経路
- 水平感染:医原性(汚染した血液製剤の投与や輸血)
- 血液、体液、分泌液(唾液)が粘膜と接触することで引き起こされる
- 垂直感染:母子感染(経産道感染。経胎盤感染しない。母乳感染なし。) ⇔ ときに経胎盤感染するらしい(G10M.168)
G10M.168
胎内感染 | 分娩時感染 | 母乳時感染 | ||||
経胎盤感染 | 上行性感染 | 経胎盤感染 | 産道感染 | 母乳感染 | ||
ウイルス | B型肝炎ウイルス | △ | × | △ | ○ | × |
疫学
- 世界中に存在する
- 流行地:中国、東南アジア、サハラ砂漠地域、アマゾン川流域、太平洋湾岸地域
症状
急性肝炎
- 発熱
- 黄疸
慢性肝炎
- 慢性化:約10% ←疫学的な値と思う
合併症
経過
- 感染後、10%がキャリアーとなり慢性化する
急性B型肝炎 (SMB.547)
慢性B型肝炎 (SMB.547)
- HBVキャリア:血中のHBs抗原が6ヶ月以上にわたり陽性である
- 無症候性キャリア:自発症状がない
- キャリアとなるとウイルス量は多いが肝障害がない無症候性キャリアとなる ← 免疫系が誘導されていない。免疫寛容の状態
- 10-30歳で肝炎を発症し、多くの場合、B型肝炎ウイルスを排除する方向に向かっていく(HBe抗体が立ち上がる)が、10%の症例で肝炎が持続する。HBe抗体が立ち上がっても5-10%の症例で変異型HBVにより肝炎が持続する。肝炎が持続すると肝硬変、原発性肝癌を生じる (SMB.547)
検査
- B型肝炎ウイルス表面抗原(HBs Ag)
治療
治療薬
急性肝炎
- 補助的療法
慢性肝炎
インターフェロン
- 目的:ウイルス増殖抑制による肝炎の沈静化
- 対象
- seroconversion(HBe抗原→HBe抗体)しにくいHBe抗原陽性活動性肝炎
- HBV DNA陽性・HBe抗体陽性活動性肝炎
ラミブジン
- 目的:救命
- 絶対適応:重症化、重症化の予想される慢性肝炎、活動性肝硬変、F3/A3の慢性肝炎、発症早期の劇症肝炎
- 相対適応:35歳以上のF2/A2慢性肝炎
- 禁忌 :35歳以下でF1/A1慢性肝炎
- 炎症:A1<A2<A3、線維化の程度F1<F2<F3<F4
ラミブジン耐性株
- リバビリン(プリンヌクレオシド類似体)効果不明
検査
予防
- HBワクチン
- HBs抗原の遺伝子を酵母に遺伝子導入して作らせた成分ワクチン
- HBIG(抗HBsヒト免疫グロブリン)
母子感染の予防
- 1. 妊婦:HBs抗原検査を行う
- ↓陽性
- 2. 妊婦:HBe抗原検査を行う
- 2-a.(HBe陽性)ウイルス量が多い場合の予後 :感染率100%, キャリア化率80-90%
- 0ヶ月:HBIG
- 1ヶ月: →HBs抗原検査
- 2ヶ月:HBIG:B型肝炎ワクチン
- 3ヶ月:B型肝炎ワクチン
- 4ヶ月:
- 5ヶ月:B型肝炎ワクチン
- 6ヶ月: →HBs抗原/HBs抗体検査
- 2-b.(HBe陰性)ウイルス量が少ない場合の予後:感染率 10%, キャリア化率まれ
- 0ヶ月:HBIG
- 1ヶ月:
- 2ヶ月:B型肝炎ワクチン
- 3ヶ月:B型肝炎ワクチン
- 4ヶ月:
- 5ヶ月:B型肝炎ワクチン
- 6ヶ月: →HBs抗原/HBs抗体検査
消毒薬
- アルコールでは不十分
- 0.5%次亜塩素酸、2%グルタルアルデヒドを用いる
ステロイド使用
- http://www.kenei-pharm.com/medical/academic-info/icnews/2015/4072/
- http://www.ryumachi-jp.com/info/news110926_gl.pdf#search=%27%E3%82%B9%E3%83%86%E3%83%AD%E3%82%A4%E3%83%89+B%E5%9E%8B%E8%82%9D%E7%82%8E+%E9%99%A4%E5%A4%96%27
関連疾患
- Gianotti病(extrahepatic)
- 小児。皮膚感染を伴う。
参考
- [display]http://www.bkanen.net/info_03.html
- [display]http://idsc.nih.go.jp/idwr/kansen/k04/K04_15/k04_15.html
「B型肝炎」
- (→B型肝炎ウイルス)
まとめ
- DNAウイルスでありながら逆転写酵素をもつヘパドナウイルスでエンベロープをもつB型肝炎ウイルスの感染により起こる肝炎。感染経路は経皮的?、妊娠母子、性的接触があり、発症は若年者に多い。潜伏期は2-3ヶ月であり、急性・潜行性に発症する。慢性化することは1-10%程度(但し、新生児例がほとんど)あり、劇症化することは比較的多い(0.1-1.0%)。キャリアー化することは母子感染例ではみられるが、成人感染例では稀である。慢性化した場合、(ゲノムに組み込まれる性質も相まってか?)比較的若年で、また肝臓の状態が良好な段階でも肝細胞癌を発症しうる。日本人に多いC型は慢性化しにくいものの、重症感が強く、インターフェロンが奏功しにくく、また肝細胞癌を発症しやすい。治療はインターフェロン、ラミブジン、アデフォビル、エンテカビルがある。予防は免疫グロブリン注射と組換えHBsワクチン接種がある。
病原体
感染経路
- 母子感染、性的接触
潜伏期
- 2-3ヶ月
検査
血清学的検査
- 消化器疾患ビジュアルブック p176
- HBs抗原:現在HBVに感染している
- HBs抗体:HBV感染既往。既にHBVに免疫がある。
- IgM型HBc抗体:感染の急性期に作られる抗体。急性肝炎にかかっているか、慢性肝炎の急性増悪。
- IgG型HBc抗体:慢性期に作られる抗体で、高ければB型肝炎キャリア、低ければ過去にB型肝炎に感染既往がある状態
- HBe抗原:HBVが多量に存在し、他人に感染しやすい状態
- HBe抗体:HBVは減少し、感染力が弱まっている状態
- HBV-DNA:HBVに感染していて、ウイルスが増殖している状態
HBVキャリアの病期とその病態
病期 | 肝炎 | 血中 | 肝臓 | ||||
DNA量 | HBe抗原 | HBs抗原 | cccDNA | ||||
免疫寛容期 | 無症候性キャリア | ー | 8~11 | ++ | +++ | +++ | |
免疫排除期 | 慢性肝炎 | HBe抗原陽性 | 持続 | 6~10 | + | ++ | ++ |
HBe抗原陰性 | 変動 | 3~8 | ー | +~++ | +~++ | ||
免疫監視期 | 非活動性キャリア | ー | <4 | ー | + | + | |
回復期 | ー | ー | ー | ー | + |
経過
B型ウイルス抗原・抗体
- HBs抗原:早期(4週)に上昇。28週までに低下
- HBs抗体:28週から上昇
- HBc抗原:測定が非常に困難。
- HBc抗体:HBs抗原に遅れて上昇
- HBe抗原:HBs抗原、HBc抗体に遅れて検出される
- HBe抗体:16-20週ごろにHBe抗原より優位となる
B型肝炎ウイルスの母子感染と予防
- G10M.176
B型肝炎ウイルスの母子感染
- B型肝炎母子感染防止事業(1985年)に基づいて講じられている予防策である。妊娠初期の全妊婦に対してHBs抗原検査を行い、感染が確認されればHBe抗原検査を行いリスクに応じた感染予防対策を実施する。HBe抗原陰性のローリスク群では産道感染の起こる確率は10%であり、新生児が無症候性キャリアとなるのは稀なのに対し、ハイリスク群では産道感染する確率は90%であり、無症候性キャリアとなるのは80%である。従って、ローリスク群には児に対する感染予防対策を、ハイリスク群には強力な感染予防対策を行う。
母子感染の予防
- G10M.176 B型肝炎ウイルス#母子感染の予防
ローリスク群 | ハイリスク群 | 意義 | |
HBIG筋注 | 0ヶ月 | 0ヶ月 | ウイルス粒子に対する防御 |
2ヶ月 | |||
HBワクチン | 2ヶ月 3ヶ月 5ヶ月 | 2ヶ月 3ヶ月 5ヶ月 | 防御抗体の付与 |
HBs抗原検査 | 1ヶ月 | HBV感染の確認 | |
6ヶ月 | 6ヶ月 | ||
HBs抗体検査 | 6ヶ月 | 6ヶ月 | 防御抗体獲得の確認 |
- どうにかして覚えたい
- 予防は0,2 & 2,3,5
- 検査は1,6
B型肝炎とC型肝炎の比較
B型肝炎 | C型肝炎 | ソース | |
感染の特徴 | 慢性の肝細胞障害、 integrationによる変異誘発? | 慢性の肝細胞障害 | 根拠なし |
劇症化 | 0.1-1% | 0.1% | HIM |
慢性化率 | 1-10% | 85% | HIM |
キャリア化 | 稀。通常、母子感染でおこる | 医学辞書 | |
肝細胞癌患者中 | 約20% | 約70% | QB.B-281 |
肝細胞癌患者年齢 | 若年発症 | QB.B-281 | |
肝細胞癌発症形式 | 突発あり | 緩徐進展 | QB.B-281 |
遺伝子型 | B型肝炎ウイルス#遺伝子型 | ||
A型、C型 | 1b型、2a型,、2b型 | ||
日本ではC型多く、重症化しやすいが、慢性化しにくい。しかし、インターフェロン奏効しにくく、肝細胞癌発症しやすい。 | 日本では1b型多い。インターフェロン奏効しづらい(15%)。平均は2型は奏効しやすい(80%以上でウイルス排除) | ||
治療 | インターフェロン ラミブジン アデフォビル エンテカビル テルビブジン | ペグインターフェロン+リバビリン |
参考
- 1.
- 2. IDWR:感染症の話 B型肝炎
「asymptomatic carrier」
[★] 無症候性キャリア
「無症候性」
「キャリア」
概念
- 病原体が体内にとどまる状態。
分類
症状の有無
- 症候性キャリア
- 無症候性キャリア
「無症候」
「症候性」
「症候」
- 英
- symptom and sign
- 関
- 症状, 徴候 兆候
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