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出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2020/06/22 17:01:00」(JST)
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電子レンジで加熱することでトウモロコシの芯からでもタールを作り出すことができる。このプロセスは、熱分解として知られている。
乾留液(かんりゅうえき)、タール(英: tar, 独: Teer)は、有機物質の熱分解によって得られる、粘り気のある黒から褐色の油状の液体である。大部分のタールは石炭からコークスを生産する際の副産物として産出されるが、石油、泥炭又は木材その他の植物から作り出すこともできる。
種類
コールタール
英語とフランス語では、「タール」は主に石炭に由来する物質のことである。タールは、以前はガス製造所の製品のうちの1つであった。石炭又は石油から作られるタールは、そのベンゼン含有量の高さから有毒で発癌性があるとされているが、低濃縮のコールタールが外用薬として使われることがある。石炭と石油のタールは、刺激臭を持つ。
木タール
北ヨーロッパでは、「タール」は主に樹木に由来する物質のことであり、木炭を作るために木材を加熱すること(あるいは乾留)によって得られる抽出物のうち水蒸気が冷えて水状となった上澄み部分(いわゆる木酢液)を除いた油状の部分で、これを石炭由来のものと区別するために木タールという。松材の木タールを精製するとテレビン油が得られる。フィンランドでは、カバノキの樹皮を用いてトコッティ (tokotti) と呼ばれる水分を含まない純粋な木タールが作られる[1]。(落葉樹木の木酢液からはメタノール(木精)が得られる。)
木タールは独特の香りを持ち、殺菌作用がある。精製して木クレオソートを得られるほか、北欧ではキャンディやその他の食品の調味料の添加物としても使われる。
用途
コールタール
タールは、最初の舗装道路であった「タールマック」に不可欠な材料であった。また、屋根を葺く際に屋根板の隙間の目張りとして、船やボートの外装を密封するためにも使われた。数千年もの間、木タールは船の帆と船体の防水に使われたが、今日では帆は最初から防水性の合成材料で作られるため、タールは必要とされなくなった。しかしながら、木タールは古典的な木製ボートと歴史的な板葺き屋根の教会の屋根板を目張りするのに今も用いられ、同様にログハウスの外壁の塗装にも用いられている。
タールと亜麻仁油ワニスを混ぜ合わせることでタール・ペンキを作ることができる。タール・ペンキは透き通った褐色がかった色をしており、木にしみ込ませて丈夫にし、木材を風雨から保護するのに用いる。タール・ペンキは様々な顔料で色をつけることもできるが、透き通るような色を生じて、木目を保つのが特徴である。ペンキのような特性があるため、乾いていないタールに直接皮膚が触れないように注意しなければならない。ペンキ用シンナーで汚れを落とすことは可能ではあるが、乾いてしまったタール・ペンキの汚れは厄介である。
タールは乾癬皮膚病の治療にも使われ、かつてはコールタールが最も効果的であるとされたが、現在は光線治療や内服など多くの治療法が開発されつつあることと、発がん性の問題もあり、成分をより安全なものへ調整して利用されており、また分野によってはさらに安全な木タールへの移行もおこなわれている。また、タールは、一般的な殺菌剤でもあり、石油タールが紀元前1000年頃の古代エジプトのミイラ製作でも使われた[2]。
なお、コールタールは、国連危険物リストの1999番に登録されている。
木タール
フィンランドではかつて、木タールは「体の真ん中を真っ二つに切られた傷でさえ癒やす」と言われる万能薬と考えられていた。フィンランドのことわざでは、サウナでもウォッカでもタールでも治らないならば、その病気は手の施しようのない致命的な病気だとしている。フィンランドの伝統的な薬として木タールが使用されているのは、その殺菌作用を持つ特性のためである。
木タールを水で薄めてタール・ウォーターとしても利用でき、多くの用途がある。次にその例を示す。
- キャンディやアルコール飲料の風味付けとして
- 肉料理のような食べ物のスパイスとして
- サウナ用の香りとして(蒸気になって室内に放出される水に用いる)
- シャンプーのフケ防止剤として
- 化粧品の材料として
脚注
- ^ トコッティの作り方(フィンランド語)
- ^ “Mummy tar in ancient Egypt”. Geotimes (2005年2月). 2007年12月2日閲覧。
外部リンク
- LETTER ON TAR-WATER - タール・ウォーターの解熱剤としての用法を紹介した1744年のアイルランドのダブリン・ジャーナルの記事 (英語)
UpToDate Contents
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…(NSAIDs). Tree nuts and lupine in patients with peanut allergy – Approximately one-third of patients with peanut allergy react to tree nuts. Therefore, unless they are ingesting certain tree nuts, it is …
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- 3. ピーナッツ 、木の実、および種子アレルギー:診断peanut tree nut and seed allergy diagnosis [show details]
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Japanese Journal
- 水原 修斗,難波 邦彦
- 日本高専学会誌 = Journal of the Japan Association for College of Technology 18(3), 75-80, 2013-07
- 新しいエネルギー資源への期待が化石燃料の減少によって大きくなっている.環境保全と資源保護の観点から廃棄物の再利用が推進されている.バイオマスは,地球温暖化を防止する新エネルギーの一つとして注目されている.木質系バイオマスの炭化処理から発生する木タールをサーマルリサイクルすることを目的として,化石燃料の代替としての可能性を検討した.木タールの燃料としての基礎データを得るために着火および燃料特性を熱重 …
- NAID 110009635044
- 城戸 杉生,井戸 聖富,阪本 勝則 [他],村上 明彦,小南 全良,児玉 和久,中森 由美子,森川 陽平,山裾 伸浩
- 和歌山県農林水産試験研究機関研究報告 = Bulletin of the Wakayama Prefectural Experiment Stations of Agriculture, Forestry and Fisheries (1), 143-160, 2013
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- NAID 40019626946
- 杉本 義一,堀江 裕吉,竿留 良明
- 石炭科学会議発表論文集 50(0), 68-69, 2013
- Pyrolysis oil of wood (woody tar, WT) and a mixture of WT and vanillin (10%) was partially hydrodeoxygenated using a continuous-flow slurry-bed reactor, and the oxygen content of them was reduced to a …
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Related Links
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