敗血症性胆汁うっ滞

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ヘム分解で生成されたビリルビンそのものである水溶性の低い非抱合型ビリルビンは、 血漿中のアルブミンであるタンパク質と結合して血漿へ ... 肝外胆汁鬱滞性黄疸(閉塞性 黄疸) .... なお胆汁うっ滞の終末は感染症による敗血症や肝傷害による肝不全である。 ...

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胆汁うっ滞Clinical Pearls】胆道上部肝外胆管閉塞による 平田4


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敗血症」

  [★]

sepsis, (昔の概念→)septicemia

定義

  • 感染症による全身性炎症反応症候群(SIRS)をセプシス(sepsis, 広義の敗血症?)とする
  • 感染症の病原体は、一般細菌(グラム陽性菌・陰性菌)、真菌、寄生虫、ウイルスなど
  • 皮膚や粘膜の傷とか、種々の臓器にある感染巣から、細菌がリンパ流から血中に入り、全身に播種されて、新たに転移性の感染巣をつくり、重篤な全身症状を引き起こす。

全身性炎症反応症候群の診断基準

  • 下記項目のうち2項目以上が当てはまる
  • 1. 体温>38℃ or 体温<36℃
  • 2. 心拍数>90bpm
  • 3. 呼吸数>20回/min or PaCO2<32mmHg
  • 4. (白血球数>12,000/ul or 白血球数<4,000/ul) or ( 幼若好中球>10% ) ← ここでいう幼若好中球とは桿状好中球のことである。

敗血症の周辺疾患概念

  • 発熱や白血球増加などの全身の炎症の徴候によって特徴づけられる病態(SIRSの診断基準に合致する病態)
  • SIRSが感染の結果である場合
  • 主要臓器障害を伴う敗血症
  • 輸液投与に不応性の低血圧を伴う重症敗血症
  • 2つ以上の主要臓器の機能異常
  • 2つ以上の主要臓器の不全状態

病態生理

  • LPS
  • LPSが血液凝固を促進→血小板、フィブリノゲン、凝固因子消費 → 血栓形成 → プラスミノゲンを消費して血栓溶解 (FDP産生) →
→出血傾向 → 皮下出血、歯肉出血、顕微鏡的血尿(出血性敗血症)

原因となる病原体

  • 細菌:グラム陽性球菌(ブドウ球菌、レンサ球菌)、グラム陰性桿菌(大腸菌、緑膿菌、肺炎桿菌、プロテウス)
  • 真菌:Candida albicans

症状

  • 悪寒、戦慄を伴う発熱、頻脈、頻呼吸、全身倦怠感、呼吸困難、意識障害、ショック、乏尿
  • 敗血症による多臓器不全で障害を受けやすい臓器:肺、腎臓、心血管系、中枢神経系

検査

血液検査

  • 白血球:12,000/ul以上のことが多い(SIRSの定義)
左方移動、重症例では白血球減少
  • 血小板数:血管内凝固に伴い低下
  • CRP:基準値以上
  • 凝固系・線溶系:凝固能低下、線溶系亢進

培養

  • 血液培養
  • カテーテルの先端(留置カテーテルがある場合)

治療 (ICU.644)

酸素投与

敗血症における組織の酸素化

  • 敗血症では細胞の酸素摂取能が損なわれている → 重症敗血症患者の組織酸素濃度がなぜ健常者よりも高くなる (ICU.645)
  • 重症敗血症や敗血症性ショックにおいては

敗血症における酸素摂取量(ICU.645)

初期蘇生

  • 重症敗血症や敗血症性ショックの患者に対する最初の6時間の管理目標
  • 1.中心静脈庄8-12mmHg
  • 2.平均動脈庄≧65mmHg
  • 3.尿量≧0.5 mL/kg/h
  • 4.SVO2≧70% or SCVO2≧70%
SVO2:混合静脈血酸素飽和度、肺動脈血酸素飽和度
SCVO2:中心静脈血酸素飽和度、上大静脈血酸素飽和度

輸液負荷

  • 循環血液量減少が明らかであるか疑われる場合:
  • 1. 500-1,000mLの晶質液 or 300-500mLの膠質液を30分かけて投与
  • 2. 初期蘇生の目標値に達するまで、または輸液過多寸前になるまで1)を行う。

昇圧薬(ICU.646)

  • 1. 輸液負荷を行っても低血圧が持続する場合、ドパミン or ノルアドレナリンを投与
ドパミン:5-20 ug/kg/min:心拍出量増加:腹腔内蔵機の血流減少
ノルアドレナリン:0.2-1.3 ug/kg/min:心拍出量不変、血管収縮
  • 2. 1. に不応の場合、パソプレシン
パソプレシン:0.01-0.04 U/min:血管収縮薬:心拍出量減少→心不全の既往で慎重

経験的抗菌薬治療(ICU.646)

  • 重症敗血症や敗血症性ショックと診断したら1時間以内に抗菌薬を静脈内投与する
  • 抗菌薬投与前に少なくとも2セットの血液検体を採取 → 血液培養&感受性検査のため
  • イミペネム/メロペネムの単剤
  • MRSAのリスクリスク有り:イミペネム/メロペネム + バンコマイシン/リネゾリド

コルチコステロイド(ICU.646)

  • 昇庄薬を必要とするすべての敗血症性ショック患者に推奨
  • ヒドロコルチゾン:200-300mg用を2-3回に分割して静脈内投与もしくは経口投与、7日間継続
  • 副腎不全の改善




胆汁」

  [★]

bile
肝臓胆嚢胆管


  • 0.5-1.0 L/day, pH 8.0-8.6
  • 消化酵素を含まないアルカリ性の分泌液である

分泌部位

部位	胆汁		割合
肝細胞	毛細管胆汁	2/3
胆細管	胆細管胆汁	1/3

分泌経路

  • 肝臓胆汁が総肝管を経由して胆嚢にいたり、ここで濃縮を受けて胆嚢胆汁となる。

機能

  • 1. 脂肪乳化作用
  • 胆汁酸により、直径1μm以下の脂肪滴が形成され、表面積拡大によりリパーゼと反応しやすくなる。
  • 2. ミセルの形成
  • ミセルの直径5nm。胆汁酸は両親媒性であり親水基と疎水基を持つ。
  • 親水性: OH基,ペプチド結合,カルポキシル基
  • 疎水性: 上記部分以外
  • 胆汁に含まれる胆汁酸とリン脂質により、モノグリセリド・脂肪酸とミセルを形成することができる。
  • 3. コレステロールとビリルビンの排出
  • 4. 胃酸の中和

組成

1. 胆汁酸

see HBC.236
  1次胆汁:コレステロールより合成
    コール酸
    キノデオキシコール酸
  2次胆汁:1次胆汁の腸内細菌による代謝(7位の部位のOH基が除去される)
    デオキシコール酸
    リトコール酸
  3次胆汁:肝臓から分泌される状態(可溶性)
    タウロコール酸(タウリンと抱合)
    グリココール酸(グリシンと抱合)

2. 胆汁色素

  ビリルビン:Hbの代謝産物
  間接型(不溶性)
  ↓←グルクロン酸抱合
  直接型(水溶性)(抱合型ビリルビン)
  ↓
  ウロビリノーゲン(腸管)
  ↓
  ステルコピリン(腸管)
  ↓
  排泄

3. 脂質

  リン脂質(主にレシチン)
    不溶性であるが胆汁酸存在下でミセル形成(可溶性)
  コレステロール
    不溶性であるが胆汁酸存在下でミセル形成(可溶性)

4.電解質成分

  陽イオン:Na+(主)、その他K+,Ca2+
  陰イオン:Cl-,HCO3-(アルカリ性)

胆汁の分泌と排出

1. 毛細管胆汁  1-1. 胆汁酸依存性胆汁    胆汁酸と水分の分泌:胆汁酸の腸肝循環に依存。    腸肝循環:肝臓から分泌された胆汁が小腸で吸収され、門脈を経て肝臓に戻り、再び排泄されること。    タウロコール酸・グルココール酸      陰イオンに解離しやすく吸収されやすい。    リトコール酸      非解離型なので糞便中に排泄される。    分泌された胆汁酸の95%は腸肝循環により再利用される。

 1-2. 胆汁酸非依存性胆汁    胆汁酸以外の分泌:Na+,K+,Ca2+,Cl-,HCO3-,ビリルビン(有機陰イオン)    等張性     :Na+,Cl-,HCO3-は血漿濃度に類似

2. 胆細管胆汁  2-1. Na+,HCO3-(高濃度),水の分泌---セクレチンによる  2-2. Na+,Cl-の吸収

3. 胆汁の濃縮(胆嚢)   電解質吸収(Na+,Cl-の能動的吸収)とそれに伴う水の吸収→5-50倍に濃縮

4. 胆汁排出   食後30分で胆嚢収縮開始。液性の調節機構による排出が主である。  4-1. 液性   十二指腸内食物→CCK分泌→オッディ括約筋弛緩・胆嚢収縮   十二指腸内食物→セクレチン分泌→CCKの作用に拮抗   胃内食物→ガストリン分泌→胆嚢収縮  4-2. 神経性   迷走神経性反射→オッディ括約筋弛緩,胆嚢収縮(関与の程度不明)

臨床関連

  • 胆道系に形成された結石。半数以上は無症状SilentStoneである
  • 食後3時間程度で痛痛発作、黄痘などを呈する事がある。
  • コレステロール系結石(全体の70%):コレステロールの過飽和による。
  • ビリルビン系結石(全体の30%):黒色石+ビリルビンCa石
  • その他:炭酸カルシウム石など
  • 皮膚、強膜、粘膜が黄色くなる。
1. ビリルビンの生成過多
2. 肝細胞によるビリルビンの取り込み減少
3. グルクロン抱合障害
4. 胆汁へのビリルビン分泌障害
5. 胆管閉塞
  • 胆汁により皮膚に痒みが出る


うっ滞」

  [★]

congestionstasiscongestive
うっ血うっ血性充血充血性静止通過障害滞留鬱血鬱滞
停留 stagnation



敗血」

  [★]

septicusseptic
敗血症敗血性




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