排尿筋

出典: meddic

urinary detrusor, detrusor (Z), detrusor muscle(Z)
膀胱



  • 図:N.397(膀胱と尿路下部の神経支配)


  • 膀胱壁は排尿筋から構成されている (M.210)
  • 排尿筋にはムスカリン受容体、α受容体、β受容体が存在している。ムスカリン受容体は排尿筋の収縮を促し、α受容体とβ受容体は排尿筋を弛緩させる (SP.818)


神経 種類 節後ニューロンの
神経伝達物質
受容体 ニューロンの活動による作用
骨盤神経(骨盤内臓神経) 副交感神経 ACh M2/M3 排尿筋収縮
ATP P2X1
求心性神経線維     膀胱の充満を検出
腰内臓神経下腹神経 交感神経 NA β2 膀胱弛緩
NA α1 内尿道括約筋収縮
陰部神経(オヌフ核支配) 体性神経 ACh N 外尿道括約筋収縮


UpToDate Contents

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和文文献

  • O1-1 膀胱排尿筋の心筋型トロポニンT(cTnT)の発見とその生理学的意義を探る(一般口演1(泌尿生殖器),第53回日本平滑筋学会総会)
  • 梶岡 俊一,Shahab Nouval,高橋 冨美,鬼丸 満穂,森田 浩光,関 成人,内藤 誠二
  • 日本平滑筋学会雑誌 15(1), "J-23", 2011-07-06
  • NAID 110008686535
  • PP-146 脊髄損傷ラットの排尿筋低活動に対するジスチグミンと排尿筋過反射に対するプロピベリンの併用効果(発表・討論,一般演題ポスター,第99回日本泌尿器科学会総会)
  • 安次富 勝博,菅谷 公男,西島 さおり,嘉手川 豪心,山本 秀幸
  • 日本泌尿器科學會雜誌 102(2), 427, 2011-03-20
  • NAID 110008612519
  • 神経疾患による過活動膀胱の治療 (特集 頻尿・切迫性尿失禁)
  • 仙石 淳,乃美 昌司
  • 臨床泌尿器科 65(10), 771-775, 2011-09
  • NAID 40018978039
  • S2-2 中枢疾患と過活動膀胱 : 排尿筋過活動によるものを中心に(過活動膀胱(OAB)の基礎と臨床,シンポジウム2,第52回日本平滑筋学会総会)
  • 内山 智之,山本 達也,榊原 隆次,桑原 聡
  • 日本平滑筋学会雑誌 14(1), "J-10", 2010-06-11
  • NAID 110007643174

関連リンク

膀胱排尿筋(ぼうこうはいにょうきん、detrusor muscles)とは、膀胱壁にある平滑筋で、 蓄尿と排尿に働いている。交感神経である下腹神経、副交感神経である骨盤内臓神経 に支配される。別名、排尿筋という。 弛緩(蓄尿)は下腹神経が、収縮(排尿)は骨盤 ...
膀胱は、排尿筋とよばれる筋肉でできていて、尿量に応じて徐々に膨張したり収縮したり します。 膀胱内にたまった尿は、尿道を通って体外に排出されます。尿道の形は男性と 女性で大きく異なります。男性の尿道の長さは約20センチメートル、女性の尿道の長さ ...

関連画像

膀胱・尿路・排尿筋の構造排尿反射図:排尿筋の働き排尿筋をリラックスさせる: 虚血・再灌流による排尿 結果 : 排尿障害による排尿筋


★リンクテーブル★
先読み膀胱
リンク元アドレナリン受容体」「過活動膀胱」「尿閉」「神経因性膀胱」「排尿機構
拡張検索排尿筋・尿流量同時測定法」「排尿筋不全
関連記事排尿

膀胱」

  [★]

urinary bladder (M,N), bladder (Z)
vesica urinaria
膀胱容量
  • 図:N.353

組織

  • 粘膜には多くのヒダが存在し、膀胱が伸展すると消える (HIS.388)
  • 被蓋細胞+移行上皮細胞 (HIS.388)
女性 上部 移行上皮
下部 非角化重層扁平上皮
男性 前立腺部 移行上皮
隔膜部 重層円柱上皮
多列円柱上皮
海綿体部 重層円柱上皮
多列円柱上皮
非角化重層扁平上皮

血管(M.210)

  • 図:N.327,328
  男性 女性
膀胱の前上部 上膀胱動脈 上膀胱動脈
膀胱底、膀胱頚 下膀胱動脈 膣動脈






アドレナリン受容体」

  [★]

adrenergic receptor
アドレナリン作動性受容体 adrenoreceptor
アセチルコリン受容体交感神経作動薬一覧交感神経拮抗薬一覧
α受容体β受容体受容体



平滑筋臓器における傾向

受容体 反応 例外
α受容体 興奮 小腸運動:抑制
β受容体 抑制 心臓  :興奮
  • 注:心臓は平滑筋臓器じゃありません。

アドレナリン受容体

SP.412改変
受容体 作動薬 遮断薬 存在部位 作用
α α1 A≧NA>ISP [直接作用]
ノルアドレナリン
アドレナリン
ドーパミン
[間接作用]
チラミン
[直接・間接作用]
エフェドリン
アンフェタミン
メタンフェタミン
メトキサミン
フェニレフリン
  フェノキシベンザミン
フェントラミン
プラゾシン
タムスロシン
血管平滑筋 収縮
腸平滑筋 弛緩
膀胱括約筋 収縮
肝臓 グリコーゲン分解
α2 A≧NA>ISP クロニジン
グアンファシン
グアナベンズ
メチルドパ
  ヨヒンビン NA作動性神経終末 NAの放出抑制
血管平滑筋 収縮
膵臓β細胞 インスリン分泌抑制
β β1 ISP>A=NA イソプロテレノール ドブタミン [第一世代]:ISA
ピンドロール
[第二世代]:ISA
プロプラノロール
[第三世代]:β1特異的
アテノロール
ビソプロロール
[第四世代]:有用な特性
カルベジロール
心臓 心拍数↑
心収縮↑
心伝導速度↑
腎臓(傍糸球体細胞レニン分泌促進
β2 ISP>A>NA サルブタモール
テルブタリン
リトドリン
骨格筋血管
気管支
胃腸
尿路
子宮平滑筋
弛緩
肝臓、骨格筋 グリコーゲン分解
膵臓β細胞? インスリン分泌促進?
β3 ISP=NA>A   脂肪組織 脂肪分解促進
  • 皮膚や粘膜にはα受容体のみ存在
  • 体のどの部位にどんな受容体があるかはGOO.143-144を参照せよ
epinehrine relaxes the detrusor muscle of the bladder as a result of activation of β receptors and contracts the trigone and shincter muscles owing to its α agonist activity. This can result in hesitancy in trination and may contribute to retention of urine in the bladder. Activation of smooth muscle contractino in the prostate promotes urinary retention.(GOO.246)
排尿筋弛緩→β受容体。括約筋弛緩→α受容体
膀胱頚部から尿道にはα受容体が分布しており、尿道平滑筋の収縮に関与 (SP.818) (cf.プラゾシン)


シグナル伝達の経路 (GOO.238)

  • 全て7回膜貫通Gタンパク質共役型受容体


過活動膀胱」

  [★]

overactive bladder, OAB
過活動膀胱
神経因性膀胱尿失禁蓄尿症状

概念

  • 蓄尿障害の一種。蓄尿期における排尿筋の過活動により生じる諸症状を呈する病態を表現したもの。
  • 症状としては尿意切迫感、頻尿、切迫性尿失禁がある。
  • 病因としては神経因性膀胱、非神経因性膀胱に大別される。

定義

ただし、上記症状を示す明らかな疾患は除外する
  • 下部尿路の炎症・感染(例えば、細菌性膀胱炎、間質性膀胱炎、尿道炎、前立腺炎)、下部尿路の新生物(例えば、膀胱癌、前立腺癌)、尿路結石(例えば、膀胱結石、尿道結石)、腹圧性尿失禁、多尿など

病因

参考1
  • 過活動膀胱の病態は排尿筋の不随意な収縮、すなわち排尿筋過活動
  • 神経因性過活動膀胱:下部尿路の支配神経の障害による
  • 1. 脳幹部橋排尿中枢より上位の脳障害(脳血管障害、パーキンソン病など)
  • 2. 仙髄より上位の核上型脊髄障害(脊髄損傷、多発性硬化症など)、
  • 非神経因性過活動膀胱:臨床的に明らかな神経障害がないもの
  • 下部尿路閉塞疾患(前立腺肥大症)、加齢、骨盤底筋障害など。
  • 大部分は病因が特定できない(特発性過活動膀胱)

治療

SURO.168
  • 神経因性過活動膀胱:
  • 1. 脳幹部橋排尿中枢より上位の脳障害:抗コリン薬
  • 2. 仙髄より上位の核上型脊髄障害:抗コリン薬服用/カプサイシンの膀注+間欠導尿
  • 非神経因性過活動膀胱:
  • 前立腺肥大症:α1受容体遮断薬  ×抗コリン薬(尿閉)
  • 混合性尿失禁を伴うOAB:抗コリン薬
  • 特発性:抗コリン薬

ガイドライン?

  • 1.
[display]http://search.e-gov.go.jp/servlet/Public?CLASSNAME=Pcm1030&btnDownload=yes&hdnSeqno=0000005859

国試


尿閉」

  [★]

urinary retention, ischuria, urodialysis
retentio urinae
尿貯留


定義

  • 膀胱まで移送された尿が尿道より排泄できない状態 ⇔無尿

原因

  • 器質性
  • 非器質性
SURO.39
  • 前立腺肥大を有する患者が飲酒した場合や抗コリン薬の服用による事が多い
  • 飲酒:前立腺尿道の急性浮腫、排尿筋の活動性を低下
  • 抗コリン薬:排尿筋弛緩  ← 骨盤神経(骨盤内臓神経)に含まれる副交感神経線維が膀胱壁の排尿筋に分布している。

症状

SURO.39
  • 急性尿閉:苦痛有。強い尿意、恥骨上部の疼痛、強度の不安感、冷や汗
  • 慢性尿閉:苦痛は少ない。溢流性失禁、両側水腎症

検査

  • 下腹部エコー (無尿との鑑別)
SURO.111
頻度 疾患 好発年齢
前立腺肥大症 60~
  膀胱頸部硬化症 60~
  尿道狭窄 50~60
  尿道結石 40~
  後部尿道弁 先天性~
  膀胱腫瘍 50~
  尿道腫瘍 50~
  陰茎癌 50~
  真性包茎 小児, 70~
神経因性膀胱 60~

臨床関連

  • 中枢神経(上位ニューロン)障害の急性期には脊髄ショックにより排尿中枢が機能しなくなり尿閉に陥るらしい。


神経因性膀胱」

  [★]

neurogenic bladder
vesica neurogena
神経原性膀胱、神経障害膀胱 neuropathic bladder
排尿筋neurogenic urinary bladder

概念

神経系に生じた障害により生じる蓄尿・排尿障害

分類

神経因性膀胱

IMD SURO.164
橋排尿中枢より上位の障害 脳血管障害(脳出血、脳梗塞)、パーキンソン病、認知症、脳外傷、脳腫瘍 [橋排尿中枢への抑制が失わる]蓄尿による求心性知覚線維(Aδ)の興奮→(中枢より抑制を受けず)PMCによる排尿指令→仙髄副交感神経中枢による排尿指令→排尿筋収縮 蓄尿障害(排尿筋不随意収縮、切迫尿失禁、頻尿)
核上脊髄障害 脊髄損傷、多発性硬化症、損傷部位に依存して後縦靭帯骨化症、二分脊椎、HAMでも起こる [異常な排尿回路の形成]蓄尿による求心性知覚線維(C)の興奮→(C線維による2つの異常な回路が形成され、求心性知覚情報はここに入力)(1)仙髄副交感神経中枢による排尿指令、(2)オヌフ核による外尿道筋収縮→排尿筋収縮+外尿道筋収縮 蓄尿障害(反射性尿失禁)、排尿障害(排尿筋括約筋協調不全)
仙髄より下位の神経障害 下位脊髄損傷、仙髄以下馬尾神経の障害をきたす二分脊椎、脊髄稽留症候群、腰部脊柱管狭窄症、下位の損傷を起こすような後縦人口骨化症、シャイ・ドレガー症候群、脊髄小脳変性症、多発性硬化症、脊髄癆、HAM   排尿障害、残尿、尿閉



排尿機構」

  [★]

voiding mechanism, mechanism of micturition
排尿 mictionmicturitionurinationvoiding
排尿、排尿回数、排尿筋


排尿筋・尿流量同時測定法」

  [★]

pressureflow study
PFS


排尿筋不全」

  [★]

排尿筋排尿不全


排尿」

  [★]

micturition, urination, miction
排尿機構排尿筋





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