Wikipedia preview
出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2021/03/01 18:40:45」(JST)
[Wiki ja表示]
扁鵲(へんじゃく)は、古代中国、とくに漢以前の中国における、伝説的な名医である。
概要
その行動・人格・診察・治療のありさまは『韓非子』や『史記』その他にさまざまな逸話を残し、「漢方医で脈診を論ずる者はすべて扁鵲の流れを汲む」とも言われ、また彼の言動業績から「六不治」(ろくふち)など多くの漢方医学の用語や概念がうまれた。転じて、今では「扁鵲」もしくは「耆婆扁鵲」(ぎばへんじゃく)というと、それだけで名医の代名詞として用いられることも多い。
出身
司馬遷は『史記』「扁鵲倉公列伝」に「扁鵲は勃海郡鄚県の人。姓は秦、名は越人という」と書いているが、古代の歴史家の多くはこれに異論を唱えている。『揚子法言』『淮南子』(えなんじ)などでは「扁鵲は盧の人」となっている。清の時代の司馬貞や徐広は「河北省任丘県の人」という説を採っている。
年代
伝説の域を出ないということで架空の存在としてあつかわれることがある[1]。その根拠となるのは年代に関することで扁鵲が典籍に初見されるのは戦国時代末の『韓非子』(紀元前295年~紀元前233年)であるが、司馬遷の「扁鵲倉公列伝」によれば扁鵲の活動の始まりは、紀元前655年の郭(かく)という小国の滅亡で、活動の終わりは紀元前350年の秦の咸陽への遷都であり、まともに受け取れば300年近く生きていたことになる。その行動範囲の広大さと年数の長さから、江戸時代の浅井図南(あざい となん)のように「一個人ではなく、複数人からなる、ある特定の学派だったのではないか」とする説もある。
逸話
紀元前501年、晋の六卿の一人である趙鞅が病で昏睡状態に陥り、扁鵲が診察に当たった。その見立てによると、かつて秦の穆公も同じような症状に陥り、その最中に穆公が天帝と晋に関する話をかわしていたとあり、趙鞅も天帝と何かを話している最中で、3日以内に回復するとの診断を下した。扁鵲の言う通り、趙鞅は倒れてから3日後に回復し、更に天帝と趙氏の未来に関する話をしていた事も明らかになり、扁鵲は趙鞅から診察の見立てを称えられ、田地四万畝を賜った。
脚注
- ^ “伝説の名医 扁鵲は実在した!中国医学の起源が早まる可能性も”. AFPBB News (2018年10月8日). 2020年1月7日閲覧。
関連項目
- 鍼
- 灸
- 漢方医学
- 漢方薬
- 経絡治療
- 陰陽五行思想
- ジーヴァカ
- 華佗
典拠管理 |
- BNF: cb12633326b (データ)
- GND: 119100312
- ISNI: 0000 0000 6355 3631
- LCCN: n82127930
- VIAF: 72745577, 47564161
- WorldCat Identities: viaf-47564161
|
---|
UpToDate Contents
全文を閲覧するには購読必要です。 To read the full text you will need to subscribe.
Japanese Journal
- 正史における扁鵲と華佗の共通点に関する一考察:古典から導かれる臨床的意義について
- 淳于意(じゅんうい)の〈治療世界〉 : 漢文帝(かんのぶんてい)下問説話
- 角屋 明彦
- 尚美学園大学総合政策研究紀要 (26), 41-49, 2015-09
- … そのなかで紀元前の扁鵲(へんじゃく)の〈治療世界〉と後漢末から三国時代初期にかけての華佗(かだ)の〈治療世界〉をつなぐ位置に前漢の淳于意の〈治療世界〉が存在する。 … There are many healing systems present in the stream of Chinese Medical History.Among these systems, the healing system of Chunyu Yi (淳于意) falls between the healingsystem of Bianque (扁鵲) and that of Hua Tuo (華佗). …
- NAID 110010009779
- 〈治療世界〉の構築をめざして : ある講義における試み
Related Links
- 扁鵲(へんせき)は11種類の生薬(沢瀉、大黄、生姜、甘草、桂皮、芍薬、牡丹皮、猪苓、柴胡、半夏、升麻)を原料として製造した無添加の生薬製剤です。 この11種類の生薬が体内の老廃物を排出し、新陳代謝を活発にさせ、脂肪
- 扁鵲 肝生 塩釜さふらん湯 大鵬かぜ内服液銀翹散 ピュアクイックS軟膏 PITAS フェミラクト Efil 関連情報 脱メタボ大作戦 ウンチから、腸内環境がわかる お悩みスッキリ女子会 TOP ヘルスケア商品 商品情報 扁鵲 大鵬薬品について 企業 ...
- 扁鵲(へんせき)の全441件の口コミを分析したところ、体重の増減に関して、扁鵲(へんせき)は「痩せた口コミ数」の方が少し多いことが判明しました。特徴としては飲み方・飲むタイミングに関する口コミが多く、どのように飲めばいいか不安な方はぜひ参考になさってくださいね。
Related Pictures