慢性甲状腺炎

出典: meddic

chronic thyroiditis
同?
橋本病 Hashimoto's disease橋本甲状腺腫 Hashimoto's thyroiditisリンパ腫性甲状腺腫 struma lymphomatosa
自己免疫性甲状腺炎


分類



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和文文献

  • 甲状腺腫瘍の病態生理と臨床像 甲状腺悪性腫瘍 甲状腺リンパ腫 (内分泌腺腫瘍--基礎・臨床研究のアップデート) -- (甲状腺腫瘍)
  • 松本 洋典,谷脇 雅史
  • 日本臨床 69(-) (995), 258-265, 2011-03
  • NAID 40018749378
  • 基礎と臨床 アロマターゼ阻害薬の内服が誘因と思われる顕性甲状腺機能低下症として発症した慢性甲状腺炎の1例
  • 水野 豊,香川 力,伊藤 朝子 [他]
  • ホルモンと臨床 58(1), 81-83, 2010-01
  • NAID 40017433204

関連リンク

慢性甲状腺炎(橋本病)の概要。慢性甲状腺炎は1912年、橋本策博士により報告された病気で、橋本病とも呼ばれています。 本来は外部から入り込んだ異物に対して起きる免疫反応が、自分の体の細胞に対して起きて甲状腺の細胞が ...
慢性甲状腺炎とは? 慢性甲状腺炎とは名前のとおり甲状腺に慢性の炎症があり、そのために甲状腺が腫れたり甲状腺機能に異常がおこることがある疾患です。橋本策博士によって発見されたので橋本病ともいわれます。

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★リンクテーブル★
先読みstruma lymphomatosa
国試過去問104C027」「104C026」「102I057」「096A049」「100H006」「104B017」「096D007」「104E010」「100G072」「072A055」「086B051
リンク元原発性胆汁性肝硬変」「自己免疫性肝炎」「甲状腺機能低下症」「リンパ球性下垂体前葉炎」「橋本病
関連記事甲状腺」「」「慢性」「甲状腺炎」「腺炎

struma lymphomatosa」

  [★] リンパ腫性甲状腺腫


104C027」

  [★]

  • 次の文を読み、26、27の問いに答えよ。
  • 45歳の女性。右膝関節の腫れを主訴に来院した。
  • 現病歴   6か月前から両側の手首や手指の関節が痛みだしたが放置していた。朝起きてから30分間は手足を動かしにくい。2過はど前から両膝が痛み、特に右膝が腫れてきた。
  • 既往歴   特記すべきことはない。
  • 生活歴   喫煙は10本/日を20年間。飲酒は機会飲酒。
  • 家族歴  母が慢性甲状腺炎(橋本病) 。従姉がSjogren症候群
  • 現 症  身長155cm、体重45kg。体温36.5℃。脈拍72/分、整。血圧132/74mmHg。左手関節に腫脹と圧痛とがあり、右膝関節に関節液貯留を認める。
  • 検査所見: 尿所見: 蛋白(-)、糖(-)。血液所見: 赤血球 317万、Hb 9.5g/dl、Ht 26%、白血球 11,000、血小板 45万。血液生化学所見: 総蛋白 7.2g/dl、アルブミン 3.7g/dl、クレアチニン 1.0mg/dl、尿酸 6.5mg/dl、総コレステロール 210mg/dl、トリグリセリド 105mg/dl、AST 27IU/l、ALT 30IU/l、アミラーゼ 85IU/l(基準37-160)、Na 137mEq/l、K 3.8mEq/l、Cl 105mEq/l、TSH 3.5μU/ml(基準0.2-4.0), FT3 2.6pg/ml(基準2.5-4.5)、FT4 0.9ng/dl(基準0.8-2.2)。免疫学所見: CRP 5.8mg/dl、リウマトイド因子(RF) 80IU/ml(基準20未満)、CH50 55U/ml(基準30-50)、免疫複合体陰性。
  • 診断に有用なのはどれか。


[正答]


※国試ナビ4※ 104C026]←[国試_104]→[104C028

104C026」

  [★]

  • 次の文を読み、26、27の問いに答えよ。
  • 45歳の女性。右膝関節の腫れを主訴に来院した。
  • 現病歴   6か月前から両側の手首や手指の関節が痛みだしたが放置していた。朝起きてから30分間は手足を動かしにくい。2過はど前から両膝が痛み、特に右膝が腫れてきた。
  • 既往歴   特記すべきことはない。
  • 生活歴   喫煙は10本/日を20年間。飲酒は機会飲酒。
  • 家族歴  母が慢性甲状腺炎(橋本病) 。従姉がSjogren症候群
  • 現 症  身長155cm、体重45kg。体温36.5℃。脈拍72/分、整。血圧132/74mmHg。左手関節に腫脹と圧痛とがあり、右膝関節に関節液貯留を認める。
  • 検査所見: 尿所見: 蛋白(-)、糖(-)。血液所見: 赤血球 317万、Hb 9.5g/dl、Ht 26%、白血球 11,000、血小板 45万。血液生化学所見: 総蛋白 7.2g/dl、アルブミン 3.7g/dl、クレアチニン 1.0mg/dl、尿酸 6.5mg/dl、総コレステロール 210mg/dl、トリグリセリド 105mg/dl、AST 27IU/l、ALT 30IU/l、アミラーゼ 85IU/l(基準37-160)、Na 137mEq/l、K 3.8mEq/l、Cl 105mEq/l、TSH 3.5μU/ml(基準0.2-4.0), FT3 2.6pg/ml(基準2.5-4.5)、FT4 0.9ng/dl(基準0.8-2.2)。免疫学所見: CRP 5.8mg/dl、リウマトイド因子(RF) 80IU/ml(基準20未満)、CH50 55U/ml(基準30-50)、免疫複合体陰性。
  • この病態でみられる身体所見はどれか。
[正答]


※国試ナビ4※ 104C025]←[国試_104]→[104C027

102I057」

  [★]

  • 72歳の女性。前頸部腫瘤を主訴に来院した。40歳代から甲状腺腫を指摘されていたが特に治療は受けていなかった。2週前から前頚部腫瘤が急に増大してきた。身長158cm、体温36.2℃。脈拍80/分、整。血圧138/64mmHg。前頸部に横径約9cmのびまん性の甲状腺腫を触れる。甲状腺腫は硬く、表面に凹凸がある。甲状腺に圧痛は認めない。頚部皮膚に発赤を認めない。右側頚部に径1cmのリンパ節を2つ触知する。血液所見:赤血球380万、Hb11.8g/dl、Ht38%、白血球5,600、血小板18万。血液生化学所見:TSH18.5μU/ml(基準0.2~4.0)、FT3 2.5pg/ml(基準2.5~4.5)、FT4 0.7ng/dl(基準0.8~2.2)。免疫学所見:抗サイログロブリン(TG)抗体18.8U/ml(基準0.3以下)、抗甲状腺ペルオキシダーゼ(TPO)抗体45U/ml(基準0.3以下)。甲状腺超音波検査で右葉下部に著明な低エコー域を認める。
  • 考えられるのはどれか。2つ選べ。
[正答]


※国試ナビ4※ 102I056]←[国試_102]→[102I058

096A049」

  [★]

  • 38歳の女性。易疲労感、便秘および月経不順を主訴に来院した。体温35.5℃。脈拍56/分、整。血圧126/86mmHg。顔面は浮腫状で、皮膚は乾燥している。びまん性の硬い甲状腺腫を触れるが、圧痛はない。血清TSH80μU/ml(基準0.2~4.0)、freeT4 0.3ng/dl(基準0.8~2.2)、血清ブロラクチン28ng/ml(基準15以下)。最も考えられるのはどれか。
[正答]


※国試ナビ4※ 096A048]←[国試_096]→[096A050

100H006」

  [★]

  • 3歳6か月の女児。低身長を主訴に来院した。在胎40週、2,930g、自然分娩で出生した。精神運動発達は順調である。身長83.8cm、体重11.8kg。骨年齢2歳6か月。成長曲線を以下に示す。
  • 低身長の原因として考えられるのはどれか。2つ選べ。


[正答]


※国試ナビ4※ 100H005]←[国試_100]→[100H007

104B017」

  [★]

[正答]


※国試ナビ4※ 104B016]←[国試_104]→[104B018

096D007」

  [★]

  • 36歳の女性。両足の皮疹を主訴に来院した。病変部からの細菌・真菌培養は陰性である。
  • 右足の写真を以下に示す。
  • この疾患と関連の深いのはどれか。


[正答]
※国試ナビ4※ 096D006]←[国試_096]→[096D008

104E010」

  [★]


[正答]


※国試ナビ4※ 104E009]←[国試_104]→[104E011

100G072」

  [★]

  • 自己免疫疾患でないのはどれか。
[正答]


※国試ナビ4※ 100G071]←[国試_100]→[100G073

072A055」

  [★]

  • 赤沈は亢進するが、CRP試験が通常陰性なのは
  • a. (1)(2)(3)
  • b. (1)(2)(5)
  • c. (1)(4)(5)
  • d. (2)(3)(4)
  • e. (3)(4)(5)

086B051」

  [★]

原発性胆汁性肝硬変」

  [★]

primary biliary cirrhosis, PBC
胆汁性肝硬変続発性胆汁性肝硬変慢性非化膿性破壊性胆管炎無症候性原発性胆汁性肝硬変
難病
  • first aid step1 2006 p.280
  • 2009/7/16 III 消化器

まとめ

  • 肝内の小葉間胆管が組織的に慢性非可能性破壊性胆管炎により障害され、肝内に胆汁うっ滞をきたしてうっ血性肝障害を起こす疾患である。発症は中年以降の女性に好発する。またHLA-DR8と関連があるらしい。初期症状は皮膚掻痒感であり、黄疸を示さない無症候性PBCがほとんどである。疾患の進行により、黄疸、全身倦怠感が出現、やがて肝硬変、さらに非代償性の肝硬変に陥り、腹水、門脈圧亢進症などを呈する。病理学的には慢性非化膿性破壊性胆管炎が特徴的であり、門脈域周囲にリンパ球の浸潤、非乾酪性壊死を認める。血清学的には抗ミトコンドリア抗体(M2抗体)が疾患特異的に出現し、抗平滑筋抗体も50%弱の症例で陽性となり、またIgMの上昇が認められる。その他血液検査は胆汁うっ滞による肝障害に特徴的な異常がみられる。合併症として、シェーグレン症候群が多く、関節リウマチ、橋本甲状腺炎、強皮症(あるいはCREST症候群)の合併もありうる。治療は対症療法的にウルソデオキシコール酸、ベサフィブラートを用い、肝障害が末期的になれば肝移植の適応となる。

概念

  • 特定疾患治療研究対象疾患
  • 肝内の中等大小葉間胆管ないし隔壁胆管が障害される原因不明の慢性肝内胆汁うっ滞症
  • 慢性非化膿性破壊性胆管炎(CNSDC)による慢性の肝内胆汁うっ滞を来す疾患(YN.)。
  • 初発症状は皮膚掻痒感。
  • 末期になると肝硬変像を示す。 → 門脈圧亢進症
  • 血清学的には抗ミトコンドリア抗体(IgM)が特徴的だが、胆管障害機序は不明。 → 自己免疫機序?
  • 胆汁うっ滞に基づく症状を呈さないPBCを無症候性PBC、症状を呈すものを症候性PBCという。

疫学

  • 発症年齢は40から60歳代に集中。約90%は女性。 → 中年以降の女性に好発

YN.

  • 有病率:3-4人/10万人。欧米より低いと推定されている。
  • 40-60歳の女性。女性が90%

病型と症状

初発症状:皮膚掻痒が最も多い。門脈圧亢進症に基く消化管出血が初発症状の場合がある。
  • 無症候性PBC:皮膚掻痒感、黄疸など症状を欠く。新規症例の2!3
  • 症候性PBC-S1:倦怠感、掻痒感
  • 症候性PBC-S2:非代償性。黄疸,腹水

病理

[show details]

病理所見

胆管上皮の増殖性変化,胆管上皮細胞の壊死, 胞体の腫大や好酸性変化
基底膜の破壊、核の非偏在化、核の重層化、門脈域にリンパ球、形質細胞が浸潤
門脈域主体の炎症細胞浸潤
小葉内胆管の障害像
非乾酪性類上皮肉芽腫
好酸球


病態

  • 自己免疫機序によると思われる胆管の傷害 → 胆汁うっ滞 → 肝細胞傷害および線維化 → 門脈圧亢進症 → 肝硬変
肝内の中等大小葉間胆管ないし隔壁胆管が障害されることによる肝内性胆汁うっ滞 ← これは「肝内胆管が拡張しない」ことの説明になるの?(QB.B-339)

症状(YN., HIM.chapter 302)

  • 初発症状:皮膚掻痒感(診断された症例の50%に見られる)、皮膚黄色腫
  • 疲労感:肝臓の状態や年齢にそぐわないようなひどい疲労感
  • 黄疸

身体所見

  • 門脈圧亢進症に基づく症状:肝腫大、脾腫大、腹水、浮腫
  • 原発性胆汁性肝硬変に特有:色素沈着(皮膚を掻爬するため)、黄色腫・眼瞼周囲の黄色腫(高脂血症による)

合併症

YN.

検査(YN.)

血液一般

  • 赤血球、白血球、血小板:減少 → 門脈圧亢進症による脾腫が原因

生化学 - 脂質

生化学 - 銅

  • 体内Cu:増加
  • 血清Cu:上昇、尿中Cu:上昇、肝組織内銅含有量:上昇
  • 血清セルロプラスミン:上昇

肝障害

  • ALT、AST:中等度上昇

胆汁

  • T-bil:上昇。直接ビリルビン優位
  • 胆汁うっ滞の所見が特徴的。ただし総ビリルピンの上昇は末期

免疫血清学

  • 抗ミトコンドリア抗体(AMA):陽性。臓器特異性はない ← 90%の患者で陽性。PBCに特異的。
  • M2抗体:PBCに特異的。 AMA陰性患者でもほとんどの場合M2抗体が陽性。
  • M2の主要対応抗原はミトコンドリア内膜のpyruvate dehydrogenase (PDH) E2 component。
  • 抗PDH抗体:陽性。抗PDH-E2抗体と反応する分子がPBCの胆管上皮に高濃度に存在。
  • IgM:上昇:70%の症例  ←  PBCではIgM産生能が高まったB細胞が末梢血中に存在する。PBCの発症機序との関連が示唆されている。(参考3)
  • ANA、抗平滑筋抗体は50%の症例で陽性
  • AMA陽性 + ANA陽性 = オーバーパップ症候群

AMAのターゲット(HIM.chapter.302)

これらの抗原に対する自己抗体は病態形成には関与していないが、疾患のマーカーとなる。
  • pyruvate dehydrogenase complex
  • branched chain-2-oxoacid dehydrogenase complex
  • 2-oxogluterate dehydrogenase complex

超音波検査・CT・MRI

  • 胆道の閉塞がないか確認 → 続発性胆汁性肝硬変

診断

  • 組織像 + 抗ミトコンドリア抗体陽性
  • 臨床症状、血清学的検査、エコー、CTで疑い、肝生検による組織診で確定診断する。
ALP、γ-GTP → エコーで胆道閉塞性疾患を否定 → AMA、IgM検査 → 肝生検
AMA陰性の場合は肝生検が決め手

参考2より抜粋

  • 次のいずれか1つに該当するものをPBCと診断する。
  • 1. 組織学的にCNSDCを認め,検査所見がPBCとして矛盾しないもの。
  • 2. AMAが陽性で,組織学的にはCNSDCの所見を認めないが,PBCに矛盾しない組織像を示すもの。
  • 3. 組織学的検索の機会はないが,AMAが陽性で,しかも臨床像及び経過からPBCと考えられるもの。

鑑別診断

病期分類(Scheuer分類)

  • 1期: florid duct lesion - 無症候性
慢性非化膿性破壊性胆管炎(CNSDC)といわれる所見、すなわち、胆管上皮細胞の変性、壊死、脱落と、胆管周囲へのリンパ球、形質細胞の浸潤
  • 2期: ductular prliferation - 無症候性
細胆管の増生と門脈域より肝実質へのリンパ球浸潤。
  • 3期: scarring - 症候性-s1]
架橋壊死と線維性隔壁を伴った瘢痕。
  • 4期: cirrhosis - 症侯性-s2
肝硬変

予後

  • 黄疸が出現したら肝臓の予後は不良 → つまり進行性
  • 無症候性PBCの予後はおおむね良好、15-20年間経過観察された無症候性PBCの約10%が症候性PBC(黄疸あり)へ移行
  • 症候性PBCの5年生存率は約40%、総ビリルビン>2.0mg/mlで数年以内に腹水貯留などの肝不全の徴候があらわれてくることが多い

冶瞭

  • UDCA(ウルソデオキシコール酸)、ベサフィブラート、肝移植(scheuer stage IV)

薬物療法

  • UDCA(ウルソデオキシコール酸)
  • ウルソデオキシコール酸:胆汁排泄を促進して胆道系酵素を低下させる。 → 病態の進行を遅らせるだけに過ぎない

臓器移植

  • 進行例に対して肝移植を施行
  • 肝移植: 1年生存率 75-90%、 5年生存率 75-85%
  • 再発は20-30%(確診), 28-90%(compartible)

禁忌

  • ステロイド:骨粗鬆症の増悪を招くため! → 自己免疫性肝炎ではステロイドを使用(よく反応するらしい)。  PBCに対するステロイド療法は症状緩和のみで根治できず、長期投与が必要になるということか???

合併症

鑑別診断

他疾患との比較

PBCとPSCの比較

  • see BPT.659
Table 16-7. Main Features of Primary Biliary Cirrhosis and Primary Sclerosing Cholangitis
Parameter primary biliary cirrhosis primary sclerosing cholangitis
Age Median age 50 years (30-70) Median age 30 years
Gender 90% female 70% male
Clinical course Progressive Unpredictable but progressive
Associated conditions Sjogren syndrome (70%) inflammatory bowel disease (70%)
scleroderma (5%) pancreatitis (≦25%)
thyroid disease (20%) idiopathic fibrosing disease (retroperitoneal fibrosis)
Serology 95% AMA positive 0% to 5% AMA positive (low titer)
20% ANA positive 6% ANA positive
60% ANCA positive 82% ANCA positive
Radiology normal strictures and beading of large bile ducts; pruning of smaller ducts
duct lesion florid duct lesion; loss of small ducts concentric periductal fibrosis; loss of small ducts

自己免疫性肝炎と原発性胆汁性肝硬変

  自己免疫性肝炎 原発性胆汁性肝硬変
AIH PBC
疫学 年齢 中年女性 中年女性
HLA HLA-DR4 HLA-DR8
自己抗体 抗核抗体 ANA 抗ミトコンドリア抗体 AMA
抗平滑筋抗体 ASMA
検査 ↑血清IgG ↑血清IgM
胆道系酵素上昇
合併症 各種自己免疫疾患 Sjogren症候群
関節リウマチ
慢性甲状腺炎
強皮症
治療 ステロイド ウルソデオキシコール酸
肝移植
禁忌   ステロイド

症例

  • 52歳女性。3ヶ月前から皮膚の掻痒感と軽度の黄疸が出現したため来院した。抗ミトコンドリア抗体が陽性である。

参考

  • 1. 原発性胆汁性肝硬変 - 難病情報センター
[display]http://www.nanbyou.or.jp/sikkan/029_i.htm
  • 2.
[display]http://www.nanbyou.or.jp/pdf/029_s.pdf
  • 3. [charged] Pathogenesis of primary biliary cirrhosis - uptodate [1]

国試


自己免疫性肝炎」

  [★]

autoimmune hepatitis AIHA, AIH
類狼瘡肝炎(ルポイド肝炎)、難病

まとめ

  • 中年の女性に好発する慢性経過の肝炎であり、自己免疫機序が関与していると考えられる。HLA-DR4陽性例に多いといわれている。診断は除外診断であり、ウイルス性肝炎や原発性胆汁性肝硬変などをを除外する。

概念

疫学

  • 男女比=1:7で女性に多く、発症は10-30歳での発症もみられるが、多くは40歳以降。

病型

AIH 自己抗体 HCV感染
抗核抗体 抗平滑筋抗体 抗LKM-1抗体 抗SLA抗体
ANA ASMA
I型
IIa型
IIb型
III型
IV型

病型と病態

LAB.894
  • II型は抗LKM-1抗体の存在で特徴づけられる
  • IIa型は女性に多く、高力価を示し、肝硬変への進展が早い
  • IIb型は中年男性に多く、力価はそれほど高くない

病態生理

  • 自己免疫機序により肝細胞が障害されるらしいが、詳細は不明である。

病理

症状

  • 自覚症状に乏しく、血液検査で偶然発見される
  • 肝障害:黄疸、全身倦怠感、食欲不振。重症例では腹水、肝性脳症、肝不全。

検査

  • 血液検査
  • AST, ALT:高値
  • γ-グロブリン:高値(2g/dl以上)
  • 免疫グロブリンG:高値(2g/dl以上)
  • ウイルスマーカー:陰性 (除外診断)
  • 免疫血清学的検査
  • 抗核抗体:I型で陽性
  • 抗平滑筋抗体:I,IV型で陽性
  • 抗LKM-1抗体:II型で陽性
  • 抗SLA抗体:III型で陽性
  • 肝生検:piecemeal necrosisの所見をもつ慢性肝炎の像

診断基準

参考3
1. 血中自己抗体(特に抗核抗体、抗平滑筋抗体など)が陽性。
2. 血清γグロブリン値またはIgGの上昇 (2g/dl以上)。
3. 持続性または反復性の血清トランスアミナーゼ値の異常。
4. 肝炎ウィルスマーカーは原則として陰性。
5. 組織学的には肝細胞壊死所見およびpiecemeal necrosisに伴う慢性肝炎あるいは肝硬変であり、しばしば著明な形質細胞浸潤を認める。時に急性肝炎像を呈する。

* 本邦ではHLA-DR4陽性症例が多い
** 本邦ではC型肝炎ウィルス血症を伴う自己免疫性肝炎がある。
*** C型肝炎ウィルス感染が明らかな症例では、インターフェロン治療が奏功する例もある。

診断

  • 病歴により、アルコール性肝炎、薬物性肝障害、超音波検査にて脂肪肝を除外。
  • 免疫血清学検査を行いウイルス性肝炎を除外。自己抗体や免疫グロブリンの変動、サブタイプの変動をみて絞り込み、病理組織学検査で確定診断する。

鑑別疾患

治療

副腎皮質ステロイドが著効する
  • ステロイド:十分量の後、維持量を継続する
  • ウルソデオキシコール酸:ステロイドの減量に有効。また、軽症例での経過観察に用いられる(IMD)。
  • 免疫抑制薬:(ステロイド抵抗性例に対して)アザチオプリン
インターフェロンは自己免疫を賦活化させる方向に作用するので不適

合併症

  • 肝癌:ウイルス性肝炎よりも発癌リスクが少なく、肝細胞癌のリスクへの影響はあるとはいえない。
  • 自己免疫疾患:ウイルス肝炎でもありうるが、自己免疫性肝炎の方がより高頻度で起こる(ウイルス性肝炎(22%)vs自己免疫性肝炎(38%)(参考1))

参考

  • 1. [charged] Extrahepatic manifestations of autoimmune hepatitis - uptodate [2]
  • 2. 自己免疫性肝炎 - 難病情報センター
[display]http://www.nanbyou.or.jp/entry/268
  • 3. 難病ドットコム
[display]http://jpma-nanbyou.com/Category.aspx?view=c&oid=10&sid=3&kid=1
  • 4.
[display]http://www8.ocn.ne.jp/~halfboil/criteria/tab-b5.html


甲状腺機能低下症」

  [★]

hypothyroidism
甲状腺機能不全症
粘液水腫甲状腺ホルモン甲状腺
甲状腺機能亢進症

概念

病因

先天性甲状腺機能低下症

原発性甲状腺機能低下症

  • 特発性粘液水腫(特発性甲状腺萎縮) ← 

二次性甲状腺機能低下症

三次性甲状腺機能低下症

病態

参考1
  • 甲状腺ホルモンの低下
 → 代謝の低下
 → 多くの組織の組織間隙にグリコサミノグリカンが蓄積

症候

  • 全身:全身倦怠感、易疲労感、体重増加、低体温、嗄声、貧血(EPO↓)、滲出液貯留(心膜液貯留(約30%の症例で見られる)、胸水貯留 ←血管透過性の亢進による)
  • 消化器:絶肥大、便秘、食欲低下
  • 循環器:粘液水腫心、心拍出量の低下?
  • 骨格筋:こむらがえり、アキレス腱反射の子癇層の遅延(Lamberts徴候)、筋力低下(骨格筋ミオパチー)、筋肥大(Hoffmann症候群)、筋痛
  • 皮膚 :四肢・顔面の粘液水腫、発汗減少、皮膚乾燥、頭皮脱毛、眉毛外1/3の脱毛、皮膚の黄染
  • 神経 :末梢神経と中枢神経のいずれも影響が生じる。 (参考1)
  • 橋本脳症:疾患概念についてはcontroversial
  • 粘液水腫性昏睡(ICU.762)(低体温、浮腫性皮膚、意識レベル低下)
  • 手根管症候群:よく見られる合併症。ホルモン療法により軽快。 ← 組織間質にグリコサミノグリカンが蓄積して手根管を狭窄せしめるのか
  • 精神 :記銘力低下、計算力低下、言語緩慢、活動性低下
  • 生殖系:月経不順(月経過多、無月経)。不妊、流産。   ←  初期に月経過多、後期に無月経を起こす(出典不明)。
  • その他:乳汁分泌(三次性以外。TRH↑)、難聴、貧血。 ← 甲状腺ホルモンがエリスロポエチンの分泌を亢進させるので

生殖系の異常

  • 月経の異常の割合(参考1)
月経前の婦人集団 集団サイズ(人) 患者全体に占める割合(%)
月経周期正常 無月経・希発月経 過多月経
甲状腺機能低下症 171 77 16 7
健常者 214 92 7 1

検査

胸部単純X線写真

  • 粘液水腫心による心陰影拡大がありうる。

心電図

  • 低電圧、徐脈、陰性T波

血液検査

AST,LDH,CKなど筋酵素が増加
  • (1)心拍出量の低下 → 頚動脈圧受容器 → ADH分泌 (時に尿Na濃度が低下せず、SIADHの基準を満たす例がある)
  • (2)GFR低下((1)の影響?) → ヘンレループの上行脚(diluting segment)に至る尿量減少 → 排泄できる自由水減少

診断基準

原発性甲状腺機能低下症

a)かつb)を満たすもの
  • a)臨床所見
  • 無気力、易疲労感、眼瞼浮腫、寒がり、体重増加、動作緩慢、嗜眠、記憶力低下、便秘、嗄声等いずれかの症状
  • b)検査所見
  • 遊離T4低値およびTSH高値

治療

  • 治療のトリガー:TSH>10.0となる症例。

参考

  • 1. [charged] 甲状腺機能低下症の臨床症状 - uptodate [3]
  • 2. [charged] 甲状腺機能低下症における低ナトリウム血症 - uptodate [4]
  • 3. [charged] 甲状腺機能低下症の治療 - uptodate [5]
  • 4. [charged] 甲状腺機能低下性ミオパチー - uptodate [6]
  • 5. 甲状腺機能低下症 - 甲状腺疾患診断ガイドライン
[display]http://www.japanthyroid.jp/doctor/guideline/japanese.html%23teika





リンパ球性下垂体前葉炎」

  [★]

lymphocytic adenohypophysitis
リンパ球性下垂体炎

検査

  • 画像検査:下垂体腫大。造影剤による強い造影増強効果あり。  ⇔  下垂体腫瘍では正常下垂体よりも造影効果が弱い。

診断

参考1より引用

I. 主症候

  • 1. 頭痛視野障害乳汁分泌などの下垂体腫瘍に類似の症候
  • 2. 疲労感、無月経などの下垂体機能低下症に類似の症候

II. 検査・病理所見

  • 1. 血中下垂体前葉ホルモンの1ないし複数の基礎値または分泌刺激試験における反応性が低い。
  • 2. 画像検査で下垂体の腫大を認める。造影剤により強い造影増強効果を認める。
  • 3. 下垂体の生検で、前葉に下垂体細胞の破壊像、線維化およびリンパ球を中心とした細胞浸潤を認める(注1)。

III. 参考所見

  • 1. 女性でしかも妊娠末期、産褥期の発症が多い
  • 2. プロラクチンの上昇が1/3の症例に認められる。
  • 3. 他の自己免疫疾患(慢性甲状腺炎など)の合併例が比較的多い。
  • 4. 抗下垂体抗体を認める例がある。
  • 5. 長期経過例ではトルコ鞍空洞症(empty sella)を示すことがある。

診断基準

  • 確実例 IとIIを満たすもの。
  • 疑い例 IとIIの1、2を満たすもの(注2)。


参考

  • 1. 自己免疫性視床下部下垂体炎の診断と治療の手引き (平成21年度改訂)
[display]http://square.umin.ac.jp/kasuitai/doctor/guidance/jiko_meneki.pdf

橋本病」

  [★]

Hashimoto disease
橋本病甲状腺炎 Hashimoto thyroiditis, (ほぼ同義)慢性甲状腺炎

病理

  • 肉眼像
  • 硬く瀰漫性に腫大、割面ではコロイド光沢を欠く、20-30gのものから100g以上のものまである。ゴム様硬
  • 組織像
  • ①甲状腺濾胞の変性、委縮、崩壊が瀰漫性に起きていることが必要②リンパ球や形質細胞の浸潤、リンパ濾胞の形成(必発)。胚中心形成。③線維化
  • 腫大した濾胞上皮:好酸性細胞oxyphililic cell (H ürthle cell、機能低下型細胞、胞体が好酸性顆粒状となる、電顕では多数のミトコンドリア、橋本病で観察されるが特異的なものではない)。C細胞は保たれる。

亜型

  • a)線維亜型 fibrous variant:腫大しつつ線維化を伴う。riedel thyroiditisと鑑別必要
  • b)萎縮性甲状腺炎 atrophic thyroiditis:濾胞が消失し、線維に置換される。数グラム程度に委縮

検査

70-80%の症例で甲状腺機能は正常 (YN.D-39)

合併症

参考

  • 1. [charged] 橋本病(慢性自己免疫性甲状腺炎)の病因 - uptodate [7]

国試



甲状腺」

  [★]

thyroid gland
glandula thyroidea
甲状腺ホルモン副甲状腺(上皮小体)
喉頭
  • 図:N.24(全面の筋),25(全面の筋),70(血管),71(血管)

解剖学

部位

性状

  • 成人の正常重量15-25g、女性の方が少し重い。妊娠中や性周期で重量が変化する。分泌期初期(early secretary phase排卵後2-5日目)には50%も重量が増加する。

大きさ

よくわかる甲状腺疾患のすべて 永井書店 (2004/01) ISBN 481591673X
単位はmm?
  n 峡部 横断厚 横径 縦経(右) 縦経(左)
男性 34 1.8±0.6 18±3.0 48±4.8 49±3.7 49±3.8
女性 16 1.3±0.8 16±2.2 46±3.6 45±6.0 46±3.0

血管

動脈

静脈

神経

声帯を支配する神経が甲状腺の裏側を通過 N.71

画像

  • 超音波検査
  • (高エコー)筋肉>甲状腺>気道(低エコー)  ← 要確認

組織学

濾胞上皮細胞 follicular cell

  • 甲状腺ホルモンを産生、分泌。

C細胞 C cell

  • 成人甲状腺全体の0.1%を占める
  • カルシトニン産生細胞、HEでは判別困難。
  • 銀染色(Glimerius)、免疫組織化学(chromogranin A、synaprophysin, carcitoninなど)により明らかとなる。
  • 電顕では、electron dense な顆粒を有する(神経内分泌顆粒)。

機能

発生

神経支配

  • 上頚部交感神経節、中頚部交感神経節。交感神経神経線維は濾胞近傍に終末し、分泌に影響を及ぼす。

臨床関連

非腫瘍性疾患

  • 1. 遺伝疾患、発達傷害
  • mynocyclineによるblack thyroid:消耗性色素リポフスチンと他の物質(lipid-drug complexによりlysosomeに色素が沈着する)。
  • 4. 感染
  • 5. 自己免疫性甲状腺疾患

腫瘍性疾患 (甲状腺腫瘍)

  • 1. 良性腫瘍
  • a) 濾胞腺腫 follicular adenoma
  • 2. 悪性腫瘍 悪性腫瘍中の頻度)
  • a) 乳頭癌 papillary carcinoma 88%
  • b) 濾胞癌 follicular carcinoma 4.2% 甲状腺濾胞癌 thyroid follicular carcinoma
  • c) 低分化癌 poorly differentiated carcinoma
  • d) 未分化癌 undifferentiated carcinoma 1.5%
  • e) 髄様癌(C細胞癌) medullary carcinoma, C-cell carcinoma 1.4%
  • f) 悪性リンパ腫 malignant lymphoma 3.5%


Henry Gray (1825-1861). Anatomy of the Human Body. 1918.
Henry Gray (1825-1861). Anatomy of the Human Body. 1918.
Henry Gray (1825-1861). Anatomy of the Human Body. 1918.

分類






炎」

  [★]

  • n.
  • comb form.
  • (炎症の接尾辞)itis
炎光炎症


慢性」

  [★]

chronicity
慢性的慢性型


甲状腺炎」

  [★]

thyroiditis
亜急性甲状腺炎


腺炎」

  [★]

adenitis
リンパ節炎




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