急性胃潰瘍

出典: meddic

acute peptic ulcer, acute gastric ulcer
急性消化性潰瘍急性胃粘膜病変


UpToDate Contents

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和文文献

  • 重要判例解説 大腸ポリープ摘出手術を受けた患者が術後に急性胃潰瘍による出血性ショックにより死亡した場合につき、担当医師が追加輸血等を行わなかったことに注意義務違反があったとはいえないとした原審の判断に採証法則に反する違法があるとされた事例[最高裁平成18.11.14第三小法廷判決]
  • 医療事故をめぐる判例 実務解説(102)食道がん患者に放射線療法実施中、急性胃潰瘍による大量出血で死亡した場合、医師にあらかじめ抗潰瘍薬の投与や出血を予見した措置をとるまでの義務はないとされた例(東京地裁平成17.2.16判決)
  • サイトメガロウイルス感染による胃潰瘍を認めた献腎移植の一例
  • 石黒 伸,池田 哲大,島本 憲司,丹司 望,大岡 啓二,横山 雅好
  • 日本泌尿器科學會雜誌 95(6), 777-780, 2004-09-20
  • … 腎移植後に発症した,サイトメガロウイルス(CMV)感染が原因と考えられる急性胃潰瘍の1例を報告する.症例は48歳,男性.献腎移植術後30日目より心窩節の不快感および疼痛を訴えたため胃内視鏡検査を施行した.肉眼的には急性胃潰瘍の診断であり,胃粘膜生検の病理学的診断はCMV感染による胃潰瘍と診断された.術後57日目よりガンシクロビルを投与開始し,計2週間投与した.その間,CMV-antigenemiaが陽性となる …
  • NAID 110003060752

関連リンク

胃潰瘍の原因 ストレスが胃潰瘍の原因となることは多く、急性の強いストレスは急性 胃潰瘍の原因にもなっています。 2.ヘリコバクター・ ピロリ菌の感染 胃潰瘍の原因の7 割以上がピロリ菌とされており、十二指腸潰瘍においては9割を占めています。 ピロリ菌 ...

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★リンクテーブル★
リンク元急性胃粘膜病変」「急性消化性潰瘍」「acute peptic ulcer
関連記事胃潰瘍」「潰瘍」「急性

急性胃粘膜病変」

  [★]

acute gastric mucosal lesion AGML

まとめ

  • 突発する臨床症状に加え内視鏡所見で診断される疾患である。臨床症状としては急性に起こる腹痛があり、時に出血、下血を伴う。内視鏡所見としては多発性の浮腫・発赤・びらん・出血が混在して認められる。原因としては薬剤性(特にNSAID。ステロイド、抗菌薬)が多く、ストレス(手術、外傷、熱傷、出血)、アルコールがこれに次ぐ。発生機序としては粘膜の血流障害が考えられている。治療は酸分泌抑制(H2受容体拮抗薬)が用いられる。(QB.A-83 SSUR.503)

定義

  • 1968年、Katzらが疾病分類学的概念として提唱
  • 急性びらん性胃炎、急性胃潰瘍出血性胃炎をまとめた病態
  • 激しい症状で急激に発症し、胃および上部消化管(食道、十二指腸)にびらんなどの多彩な粘膜病変を生じ、誘因の除去によって早期に治癒する病態
  • 急性胃炎の劇症型であり、急速に起こる腹痛(時に、吐血、下血)をきたし、潰瘍・びらん・出血が混在した病態を呈する。(消化器 090615 III,IV)

参考1

  • 臨床検査にて胃粘膜に異常所見を認めるもの。 病理的には急性胃炎と急性胃潰瘍病変を伴うもの。 すなわち粘膜固有層のみの炎症病変と粘膜筋板を浸潤する潰瘍病変が同時に生じる。

病因

発症には胃粘膜の血流障害が関与するとされている。
  • アルコール
  • 薬物(アスピリン、ステロイド)、薬品
  • ストレス
  • 食物(激辛食品など)
  • アニサキス
  • 中枢神経系障害
  • 熱傷
  • 外科手術

QB.A-82

  • 60%:薬剤性(約60%がNSAIDs、10%がステロイド、10%が抗菌薬)
  • 15%:アルコール
  • 15%:ストレス

SSUR.503

  • 出血や心窩部痛などの急激な症状に対し、内視鏡検査が行われ急性びらん、急性潰瘍、あるいは出血潰瘍のいずれかが認められた場合。

治療

  • 薬物療法
  • (酸分泌抑制)H2受容体拮抗薬
  • (腹痛)抗コリン薬
  • 内視鏡的止血術:出血例

参考

  • 1.
[display]http://d.hatena.ne.jp/pebbleinsky/20091231
  • 写真
[display]http://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/p/pebbleinsky/20100116/20100116155625.jpg
[display]http://hkytt2004.wilbo.jp/files/2011/03/gpf2photo120041007124208.png



急性消化性潰瘍」

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acute peptic ulcer
急性胃潰瘍


acute peptic ulcer」

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胃潰瘍」

  [★]

gastric ulcer GU, stomach ulcer
ulcus ventriculi UV
十二指腸潰瘍胃十二指腸潰瘍消化性潰瘍

疫学

  • 十二指腸潰瘍に比べで高齢のヒトに多い。

病態

  • 潰瘍好発部位:幽門腺と胃底腺の境界
  • 高位潰瘍:高齢者。低酸。 ← 幽門腺(ガストリン分泌)と胃底腺(胃酸・ペプシノゲン分泌)の境界が上昇する。このため潰瘍形成部位が上昇する
  • 幽門部潰瘍:若年者。高酸
  • 急性潰瘍:多発性。体部
  • 穿孔・穿通:潰瘍が筋層以下に進展すれば生じうるが、十二指腸潰瘍に比べで頻度は多くない。→穿通性潰瘍 →穿孔性潰瘍

症状

  • 食後1時間以内の早期痛と数時間後の晩期痛がある。(QB.A-308)
  • 腹痛の十二指腸潰瘍/胃潰瘍に対する陽性予測率は高くない。NSAIDによる粘膜病変をもつ患者の10%までが先行症状なくcomplication(出血、穿孔、閉塞)を来す。(HIM.1860)
  • 十二指腸潰瘍/胃潰瘍では、焼けるようなあるいは差し込むような痛みと表現される。the discomfort is also described as an ill-defined, aching sensation or as hunger pain.(HIM.1861)
  • 痛みのパターン:(十二指腸潰瘍)食事後30分~3時間で痛みが治まる。深夜からA.M.3時までの間に痛みで目をさます。これがとっとも鑑別する症状であり、2/3の患者にみられる。しかし、non ulcerative dyspapsia患者の1/3でもこのような症状はみられる。(胃潰瘍)痛みは食事により強まり、悪心と体重減少が起こるのが一般的である。(HIM.1861)

合併症

  • 好発部位:小弯部上の巨大潰瘍
  • 症状:突然現れる上腹部痛。前屈位・側臥位となる。上腹部腹壁緊張亢進、筋性防御、板状硬をみとめ、Blumberg徴候陽性となる。
  • 出血
  • 狭窄

検査

上部消化管内視鏡

  • 白苔を伴う辺縁平滑な円形・楕円形の粘膜欠損

崎田分類(ステージ分類)

参考1
  • 胃潰瘍急性期
  • A1:潰瘍辺縁は浮腫状であり潰瘍底は黒苔で覆われている
  • A2:辺縁の浮腫は改善し潰瘍底は白苔により被覆されている
  • 胃潰瘍治癒期:白苔の残存している場合は治癒期
  • H1:潰瘍辺縁に再生上皮の出現を認める
  • H2:白苔は薄く縮小し再生上皮の部分が拡大している
  • 胃潰瘍瘢痕期:潰瘍の治癒期には再生上皮による被覆が完成し白苔は消失
  • S1:赤色瘢痕
  • S2:白色瘢痕

消化管造影

  • ニッシェ、粘膜ヒダの集中像、B型砂時計胃、嚢状胃
胃癌との対比(RNT.191)
  良性潰瘍 悪性潰瘍
ニッシェ 円形、輪郭明瞭、深い 不整型、輪郭不明瞭、浅い
軟膜ヒダ 不整なく均一 不整、不均一(先細り、肥大、融合)

診断

治療

  • 胃十二指腸潰瘍治療の第一選択は内科的療法

生活療法

  • 精神的・肉体的安静
  • 食事療法(刺激物摂取禁止)
  • 生活習慣改善(禁煙・禁酒)

薬物療法

  • 胃酸分泌抑制薬(プロトンポンプインヒビター、H2受容体拮抗薬、ムスカリン受容体拮抗薬)
  • Helicobacter pyloriの除菌(プロトンポンプインヒビター、アモキシシリン、クラリスロマイシン)。クラリスロマイシン無効ならメトロニダゾールに変更。

interventional radiology

  • 内視鏡的に止血できない場合

手術療法

SSUR.501
手術適応:内科的手法で止血が得られず、また止血されても繰り返す場合。
  • 広範囲胃切除術
  • 迷走神経切離術
  • 幹迷走神経切離術 truncal vagotomy:腹部食道の高さで迷走神経を切離:肝枝や腹腔枝が切離され、下痢や胆石症を生じる。胃内容物停滞が起こる
  • 選択的迷走神経切離術 selective gastric vagotomy:胃枝のみ切離し、肝枝、幽門枝、腹腔枝を温存:胃内容物停滞が起こる
  • 選択的近位迷走神経切離術:selective proximal vagotomy, proximal gastric vagotomy, highly selective vagotomy, parietal cell vagotomy:胃の壁細胞領域に分布する胃体部枝のみを切離する。幽門洞枝が温存され、幽門洞の運動機能が保存される。

予後

  • 再発は十二指腸潰瘍ほど多くない。

参考

  • 1. H19(2007)胃潰瘍GLの適用と評価に関する研究班編/医療・GL(07年)胃潰瘍GLの適用と評価に関する研究班編/医療・GL(07年)
http://minds.jcqhc.or.jp/lo/ps/Fpastlist.aspx

国試



潰瘍」

  [★]

ulcer
ulcus
びらん
  • 粘膜の損傷が粘膜筋板に達し、その筋層を貫通した場合。



急性」

  [★]

acute
急性的鋭い鋭形急性型




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