心室細動

出典: meddic

ventricular fibrillation, VF
不整脈

治療

予防

参考

  • 1. 不整脈薬物治療に関するガイドライン(2009年改訂版)
[display][display]http://www.j-circ.or.jp/guideline/pdf/JCS2009_kodama_h.pdf



概念

  • 心室筋の無秩序な興奮をきたした心室性不整脈
  • 心室収縮がないため血液駆出が停止する。

症状

治療

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和文文献

  • カテコラミン誘発多形性心室頻拍(CPVT),特発性心室細動 (特集 わかる心電図 : 病態に迫る判読のコツ) -- (不整脈)
  • 住友 直方
  • 小児科診療 76(110), 1795-1803,1828-1829, 2013-11
  • NAID 40019831334
  • 初期研修医・小児科医の心室細動・ショックに対する初期診療能力
  • 賀来 典之,六車 崇,井手 健太郎 [他]
  • 日本小児科学会雑誌 = The journal of the Japan Pediatric Society 117(8), 1279-1283, 2013-08
  • NAID 40019789050
  • 押さえておきたい心電図の読み方 (特集 不整脈の薬物療法管理)
  • 鈴木 敦,志賀 剛
  • 月刊薬事 = The pharmaceuticals monthly 55(8), 1361-1368, 2013-08
  • NAID 40019775101
  • QT短縮症候群の遺伝的背景と臨床的特徴 (特集 致死性不整脈診療の最前線) -- (致死性不整脈診療 各論)

関連リンク

心室細動(しんしつさいどう、英: Ventricular fibrillation, Vf)は、心臓の心室が小刻みに 震えて全身に血液を送ることができない状態。 目次. 1 概要; 2 原因; 3 症状; 4 治療; 5 関連項目. [編集] 概要. 心停止の一病態である。 心臓は電気刺激が順番に伝わること ...
心室性頻拍、連続性又は多源性心室性期外収縮、R on T型心室期外収縮などから 心室細動に移行することがある。 普段から、このような危険な不整脈に遭遇した場合の 緊急連絡体制や、救急用の器材、薬品などの管理について徹底しておくことが大切で ある ...
心房細動と心房粗動は、心房の興奮回数の違いで区別され、元の原因は両者ともに、 高血圧や糖尿病、虚血性心疾患がある。 ... また、先行するR-R間隔が長いときには、変 行伝導を生じて右脚ブロック様の変化がみられることがあり、心室性期外収縮と見誤る ...
心室細動. 心肺蘇生法国際ガイドライン(G2005)の紹介. 1.“AED First”から“AED Fast” G2000では心停止後5分以内であれば“AED Fisrt”(まずAED)で、心肺蘇生法を 行わずにAEDによる除細動が最優先でした。 G2005では、まず心肺蘇生法を行い、 ...

関連画像

心室細動心室細動とは?心室細動に対する除細動 心室細動とはどんな不整脈です心室細動の心電図波形心室細動心室細動とは?


★リンクテーブル★
先読み不整脈
リンク元急性心筋梗塞」「心電図」「心房細動」「低カルシウム血症」「ブルガダ症候群
関連記事心室

不整脈」

  [★]

arrhythmia
抗不整脈薬不整脈の背景因子

分類

病因の分類

  • 調律の異常(リズム)
  • 心房・心室の心拍の異常(レート)

心拍での分類

  • 徐脈性(50回/分以下)
洞房結節の自動能低下
房室結節のブロック
心拍出量↓
  • 頻脈性(100回/分以上)
異所性自動能の亢進 + リエントリー
一回拍出量↓、肝血流量↓

発生機序

刺激生成異常
洞結節自動能の亢進・低下
洞結節以外の異常自動能
トリガード・アクティビティ
興奮伝導異常
伝導遅延ブロック
リエントリー

刺激生成異常

  • 洞結節自動能の亢進・低下
  • 洞結節以外の異常自動能
  • トリガード・アクティビティ

興奮伝導異常

  • 伝導遅延ブロック
  • リエントリー

原因による分類

  • 生理的 → Wenckebach型2度房室ブロック(交感神経の緊張による房室結節内ブロック)
  • 病的

ガイドライン

  • 不整脈薬物治療に関するガイドライン(2009年改訂版)
[display]http://www.j-circ.or.jp/guideline/pdf/JCS2009_kodama_h.pdf



急性心筋梗塞」

  [★]

acute myocardial infarction, AMI
心筋梗塞

症状

  • 胸痛:デルマトームC7-T1への放散痛(PHD.179)。デルマトームT1-T4への放散痛(IMD.418)→胸骨裏側、左上肢の尺側側、頚部、下顎部
痛みは虚血により生じた代謝産物(アデノシン乳酸)が局所の神経終末を刺激することで生じる

PDH.179

  • 心筋梗塞の症候
特徴的な疼痛 持続性で、ひどい痛み、典型的には胸骨下痛
交感神経による作用 発汗
皮膚が湿って冷たく感じられる
副交感神経による作用 悪心・嘔吐
倦怠感
炎症反応 中程度の発熱
心臓の所見 IV音ギャロップ(うっ血性心不全があればIII音も)
その他 運動異常を伴う膨隆(前壁梗塞なら)
心膜摩擦音(心膜炎があれば)
収縮期雑音(僧帽弁閉鎖不全症や心室中隔欠損があれば)
肺のラ音(うっ血性心不全があれば)
頚動脈の拡大(右室梗塞)

身体所見(ST-segment elecation MI HIM.1533)

  • 不安、不穏、ベットの上で場所を変えたり身体を曲げたりして痛みを和らげようとしている。
  • 蒼白
  • 四肢の冷感
  • 30分以上持続する後胸骨痛 + 発汗 → ST上昇心筋梗塞を示唆
  • 多くの患者は最初の1時間は脈拍、血圧、正常
  • 前壁梗塞の患者の1/4は交感神経が興奮 → 頻脈、高血圧
about one-fourth of patients with anterior infarction have manifestations of sympathetic nervous system hyperactivity (tachycardia and/or hypertension)
  • 下壁梗塞の1/2は副交感神経興奮 → 徐脈±低血圧
up to one-half with inferior infarction show evidence of parasympathetic hyperactivity (bradycardia and/or hypotension)

検査

血液生化学検査: マーカー

  上昇 正常化
ミオグロビン 1-2時間 2-3日
H-FABP 1-2時間 24時間
WBC 2-3時間 7日
CK-MB 3-4時間 3-7日
トロポニンT 3-4時間 14-21日
心筋ミオシン軽鎖I 4-6時間 7-14日
AST 6-12時間 3-7日
LDH1,2 12-24時間 8-14日
CRP 1-3日 21日

時系列

→→→→→→→→→→→→→→→→→→
myo W TnT myo AST LDH CRP
H CK
2-3時間 ~~~~~~半日~ 1日  

心電図

PECG.168
  • (超急性期:発症直後~数時間)T波先鋭化、非特異的ST上昇
  • (急性期 :数時間~12時間)特異的ST上昇(上に凸)、R波減高、異常Q波出現
  • (亜急性期:24時間~1週間)ST上昇は減高、T波が陰転化(冠性T波:左右対称な陰性T波)。しばしばQT延長を伴う。
  • 全層虚血でのST上昇は対側誘導でST低下が見られる。
  • 異常Q波 + ST上昇 が数週間持続 → 高度の壁運動の異常 → 心室瘤の形成を示唆

診断

  • 心筋梗塞を疑ったら診察は、病歴、心電図変化、心筋マーカーの上昇で行う。心エコーで心筋壁の障害が認められ、CAGで冠動脈の閉塞または狭窄所見が見られたら確実(YN.C81)

治療

初期治療

PHD.187 ガイドライン1
  • アスピリン:治療開始から退院後も継続的に服用。
  • 未分画ヘパリン:冠動脈の開存性を保つ。
  • βブロッカー:酸素需要減少。拡張期の延長による障害心筋への灌流を改善。静脈投与→経口投与。
禁忌:喘息、低血圧、著しい徐脈
  • 硝酸薬:前負荷・後負荷軽減による心筋酸素需要量低減、冠攣縮の解除・予防、側副路の血流増加。 
使用不可:収縮期血圧<90mmHg or 通常血圧より30mmHg以上血圧低下、高度徐脈(<50bpm)、頻脈(>100bpm)、下壁梗塞・右室梗塞合併疑い例
禁忌:勃起不全治療薬服用後24時間以内
  • 未分画ヘパリン:PCIが施行される場合にはヘパリンをactivated clotting timeが250を越えるように使用。tPAを使用した血栓溶解を行った後にはヘパリン48時間投与し、APTTを50-70秒に保つ。
  • 鎮痛薬:塩酸モルヒネ:硝酸薬使用後も疼痛が持続する場合。

再灌流療法

  • 適応:発症後12時間以内 (救急医療パーフェクトマニュアル p.43)
  • PCI
  • 血栓溶解薬
  • CABG

二次予防

  • 一般療法
  • 患者教育
  • 禁煙指導
  • 食事療法:血圧管理、脂質管理、体重管理、糖尿病管理
  • 運動療法
  • 薬物療法
  • 抗血小板薬
  • 脂質異常症治療薬
  • RAA系阻害薬
  • βブロッカー
  • カルシウム拮抗薬:血圧管理や狭心症が他の薬剤でコントロールできない場合に限る(心筋梗塞発症早期での短時間作用型カルシウム拮抗薬投与による総死亡低下に対する有効性が確認されなかったため)。,STEMI患者への短時間作用型ジヒドロピリジン系カルシウム拮抗薬投与は通常禁忌。(ガイドライン1)
  • ニコランジル
  • ワルファリン

合併症

  • 心室細動:発症一時間以内に起こりやすい。

機械的合併症

NSU.424 SSUR.397
心筋梗塞の破裂は全心筋梗塞例の2-4%でみられ、3/4の例で左室自由壁破裂、1/4の例で心室中隔穿孔、僧帽弁乳頭筋断裂はごく稀(SSUR.397)。
  • 2週間以内に生じうる
  • 心室中隔を栄養する血流の途絶により中隔の壊死を来たす。左右シャントを生じ、原疾患である心筋梗塞による心不全を増悪させ、前方不全、すなわち低心拍出量症候群をきたす。増悪すれば、心原性ショックに陥る。右室は容量負荷をうけ右心不全をきたすことがある。症状は苦悶、血液低下、尿量減少を来たし、半数例においては心原性ショックが見られる。治療は循環が悪化している場合にはドパミン、ドブタミン、ニトログリセリンが用いられるが一時的であり、大動脈内バルーンパンピングによって循環動態を安定させる。その後、速やかに手術を施行する。循環動態が安定している例では2-3週間後に手術を行う(NSU.424)。手術は心停止下に左室梗塞部を切開して中隔穿孔部をダクロンパッチで閉鎖する。
  • 2. 虚血性僧帽弁不全症(急性:乳頭筋断裂、慢性:乳頭筋機能不全)
  • 乳頭筋断裂の75%は下壁梗塞に合併して後乳頭筋に発生し、残りは前乳頭筋に生ずる。僧帽弁尖の逸脱が起こり急性僧帽弁閉鎖不全症の病態を呈する。原疾患の心筋梗塞による心不全に加え、急性僧帽弁閉鎖不全症により心原性ショックに陥る。治療はIABPを挿入して循環動態を安定化後、僧帽弁置換術を行う。
  • 自由壁破裂は左室に多く、健常部と梗塞部位の境界に多い。病型は急激に大出血するblow-out型とじわじわ出血するoozing型がある。いずれの場合でも出血による心タンポナーデを来たし、低心拍出量の低下、さらに心原性ショックに陥る。症状は血圧低下、意識消失、呼吸停止、徐脈、心停止に至る。治療は直ちにPCPSにより循環の維持を図り(oozing型の場合は心嚢穿刺によるタンポナーデの解除を行う)、開胸手術により出血部のフェルトを用いた縫合閉鎖を行う。
  • 2週間以降に生じうる

ガイドライン

  • 1. 急性心筋梗塞(ST上昇型)の診療に関するガイドライン
[display]http://www.j-circ.or.jp/guideline/pdf/JCS2008_takano_h.pdf

国試



心電図」

  [★]

electrocardiogram ECG, electrocardiography
elektrokardiogramm EKG
  • 図:PT.268,279(心臓の構造と興奮伝導系)
  • 心電図の読み方:PHD.108

概念

  • 心臓全体の電気的活動を体表面から経時的に記録したもの。
  • 特殊心筋の活動電位は記録されない。固有心筋の活動電位のみ

医学大事典より

  • 心臓は拍動のたびに電気を発生し、これを心起電力(cardiac electromotive force)と呼ぶ。
  • 心起電力により体表面に電流が流れると四肢や胸壁など、体表面の異なった部位間に電位差が生じる。
  • この電位差を導出するための装置を心電計と呼び、心電計により時間軸に沿って記録された電位の変化を心電図という。

意義

  • 心電図は心臓の電気的興奮の伝達を記録したものである。P波は心房の脱分極を、QRS波は心室の心筋細胞の脱分極を表す。T波は心室の再分極を表す。つまり心筋の異常がある場合何かしらの変化が心電図上に表れるということである。心電図は身体に侵襲的な影響を及ぼさない検査である。このことはこの検査を心臓の疾患を疑ったら即行ってよいということである。
  • 心電図は、不整脈、心筋梗塞、心筋虚血、心膜炎、心房負荷、心室肥大・心室拡大、電解質異常などの判断に有用である。

施行する目的

  • 心臓疾患疑い(狭心症・心筋梗塞・不整脈など)
  • スクリーニング(学校検診、職場検診など)

心電図の種類

  • 臨床では一般に標準12誘導心電図が良く用いられる

電極の部位による分類

  • 体表の誘導
  • 体内の誘導
  • 食道内心電図
  • 心腔内心電図
  • ヒス束心電図

表現形式による分類

  • ベクトル心電図:心起電力をベクトル環として三次元的に描く
  • スカラー心電図:時間軸に沿った電位の記録

心電図の記録サイズ

  • 縦軸:10mm = 1mV
  • 横軸: 5mm = 0.2s

標準12誘導心電図

  • 標準肢誘導(I,II,III) + 単極肢誘導(aVR, aVF, aVL) + 胸部誘導(V1, V2, V3, V4, V5, V6) = 12誘導

電極の取り付け位置・電極の色

単極肢誘導

右手首 左手首
右足首 左足首

単極胸部誘導

EAB.5改変
V1 右第4肋間
V2 左第4肋間
V3 V2とV4の中点
V4 左第5肋間かつ鎖骨中線
V5 V4と同じ高さで前腋窩線との交点
V6 V4と同じ高さで中腋窩線との交点

心電図の波

6つの棘波よりなる
  • P波:心房の電気的興奮。:0.12-0.20s (3-5mm)
  • QRS複合:心室の電気的興奮:0.06-0.15s :正常; 0.06-0.08s (1.5-2mm), 不完全脚ブロック; 0.08-0.12s (2-3mm), 完全脚ブロック ≧0.12s (≧3mm)
  • T波:心室の再分極(心室筋興奮の回復過程):
  • U波

心電図の波の間隔

  • PQ時間:房室間伝導遅延:0.12-0.20s
  • QT時間:電気的心室収縮時間:心拍数と相関関係がある
QTc=QT/sqrt(RR)
心拍数によらずほぼ一定の値を示す
  • RR:心臓の一周期
  • TP:心臓の弛緩期

正常心電図における波

  • I,IIにおいてP, QRS, Tが全て正 → 100G096


心電図による得られる情報 (SP.536)

  • 心臓における興奮の発生と伝達の過程を可視化
1. 心臓内の興奮伝導の障害
ex. 房室ブロック
2. 不整脈:脈拍のリズムと心拍数の異常
ex. 心房粗動心室細動
3. 冠循環の異常
ex. 心筋梗塞
4. 心室肥大
5. 血漿中の電解質濃度の異常

各誘導で取りやすい所見

  • 第II誘導:P波の描出
  • V5誘導:虚血性変化

特徴的な所見

新生児・幼小児の心電図

SPE.428-
  • 電気軸:右軸偏位 → 左軸偏位  胎児循環では右心系が主に体循環に関わっていたが、成人で見られる循環では左心系が関わる。生後一ヶ月らいまでは+120~130°程度の右軸偏位
  • 呼吸性不整脈:小児では顕著。吸気時に心拍数増加、呼気時に心拍数減少
  • 右室肥大:新生児~乳児では肺血管抵抗がまだ高いために右室肥大が持続。

心電図と心疾患

  • 心臓を栄養している血管が急激に閉塞するため、全く血液が供給されない状態。
  • 急性期と慢性期では異なった心電図をとる。
  • 異常Q、ST上昇、冠性T
  • 心臓に器質的疾患を持たないにもかかわらず、心電図上でQT時間の延長(QT時間が0.46秒以上)を認める病態。

疾患と心電図

  • 心膜炎 心外膜炎:90%の患者に異常が見られる。aVR, V1を除いたST上昇。いくつかの電極でPR部の低下(PR segment depression)
  • 肺性心(肺気腫):肺性P、不完全右脚ブロック、右軸偏位、V1-V3のT波陰転・平坦化、II,III,aVFでST低下。肺高血圧、最初の3つは右室負荷を反映
  • 肥大型心筋症:ST-T変化(ストレイン型の陰性T波は、上に凸のST低下を伴い、非対称性陰性T波)。Sv1, Rv5の増大。QRS時間の延長。
  • 心房中隔欠損症:PR延長、不完全右脚ブロック、右軸偏位。右心系の容量負荷による遠心性心肥大。
  • 心室中隔欠損症
  • ブルガダ症候群:右側胸部誘導(V1-V2(V3))のST上昇(coved型あるいはsaddle back型) 。完全あるいは不完全右脚ブロック様QRS波形(つまり、V1-V3でJ波が見られる)。
  • 脚ブロック
  • WPW症候群:Δ波。PQ短縮、QRS延長。V1に特徴的変化「A型: 高いR波。左室自由壁」「B型: rS型。右側」「C型: Qr/QS。中隔」
  • 肺血栓塞栓症:右側胸部誘導の陰性T波、洞性頻脈、SⅠQⅢTⅢ、右脚ブロック、ST低下、肺性P、時計方向回転
  • 肺気腫:V1,V2でrS/QSパターン

注意点

  • 胸をさらすことになるので、女性の患者では特に配慮する。誘導の電極が正しい位置に貼られていないと記録される結果が異なってくるので、正確な位置に貼る。また、心電図は筋肉の活動も拾ってしまうので、筋緊張を和らげるため患者にはリラックスしてもらい、リラックスできる状況を作ることを心がける。

参考

[display]http://www.cardiac.jp




心房細動」

  [★]

atrial fibrillation, AF, AFIB
心房粗動心室細動

定義

  • 心房細動は心房が高頻度に、しかも同期せずに興奮する状態である。その結果、心房は心室に血液を送るための律動的な収縮を行えなくなり、また心室の興奮も不規則となる。 (参考2)

分類

参考2
  • 発作性心房細動
  • 自然停止する心房細動
  • 持続性心房細動
  • 停止に薬物などを必要とするものを持続性心房細動
  • 孤立性心房細動
  • 基礎心疾患を認めず,高血圧もない症例に出現した心房細動
  • 永続性心房細動

完全房室ブロックを伴う心房細動(EAB 135)

原因

  • 原発性
  • 加齢によるもの
  • 他の疾患に続発
  • 若年性の心房細動は要注意

心房細動を合併しやすい病態

医学大事典
  • 虚血性心疾患、高血圧症、リウマチ性心疾患、心筋症、呼吸器疾患、甲状腺機能亢進症、高齢者心房中隔欠損症、WPW症候群など
心房負荷で僧帽弁狭窄症を来しやすい

甲状腺機能亢進症

危険因子 QB.C-410

  • 高齢者(65歳以上)
  • 脳卒中の既往
  • 高血圧
  • 心不全
  • 心房・心室拡大

症状

  • 頻拍に因る:動悸、胸部圧迫感
  • 拍出量低下による:(器質的心疾患のある場合)心不全
  • 心房収縮低下による:心房内血栓形成 → 血栓塞栓症
  • 血栓塞栓症は心房細動の時と心房細動から洞調律に復帰させるときに起こりやすい。

心電図

  • 着目する誘導:P波 = II誘導、f波 = V1誘導
  • 1. f波の出現(400-700/分(EAB.160), 350-600/分(PHD.295))←多数興奮旋回 multiple reentry
  • 2. P波の欠如
  • 3. RR間隔が不整 ← f波が時々心室に伝わるため
絶対性不整脈
[show details]

治療

QB.C-410

  • 血行動態が不安定:電気的除細動
  • 血行動態が安定 :2-3週間抗凝固療法を行ってから薬物的な除細動Class Ia(APD↑), Class Ic(APD±)
  • 48-72時間以内に新規発症した心房細動では抗凝固療法不要
  • 経食道心エコーにより左房内血栓を認めなければ、除細動施行。
  • 慢性経過(6ヶ月程度)した慢性心房細動では除細動を行っても再発する率が高いので、除細動の適応にはならない????

概要

  • 薬物療法と抗凝固療法を施行する
  • electrical direct-current cardioversionによる洞調律の回復は、頻脈の時にすべき(心房の興奮が心室に伝導しているとき)
  • カテーテルアブレーションは症状があって、かつ他の内科的治療法が奏効しない特に行う
  • 外科治療はMaze手術がある


薬物治療

  • 心室への興奮の伝達を抑制:Class II, class IV, or digitalis
  • 除細動         :Class Ia(APD↑), Class Ic(APD±), Class III

薬物治療 (不整脈薬物治療に関するガイドライン Guidelines for Drug Treatment of Arrhythmias (JCS 2004))

心機能の低下 第一選択 第二選択
正常* Naチャネル阻害薬 Na チャネル遮断薬
slow drug intermediate
ジソピラミド プロカインアミド
シベンゾリン キニジン
ピルジカイニド プロパフェノン
  アプリンジン
軽度* Na チャネル遮断薬
intermediate
プロカインアミド
キニジン
プロパフェノン
アプリンジン
中度以上 Na チャネル遮断薬
intermediate
プロカインアミド
キニジン
アプリンジン

抗凝固療法

  • ワーファリンはINR 1.6-2.5に調節。欧米では2.0-3.0。 (QB.C347)日本人ではPT-INRを1.5-2.0に設定。 治療域が狭く個人差が大きいのでPT-INRをモニターする。
  • CHADS2
  • C cardiac failure
  • H hypertension
  • A age >75yr
  • D disbites mellitus
  • S2 prior stroke or TIA
  • score
0 LOW: aspirin 81-325 mg PO dialy
1 MODERATE: aspirin or warfarin
2 MODERATE: previous CVA/TIA/embolism? YES: warfarin/NO: aspirin or warfarin
3-6 HIGH: warfarin

外科的療法 (NSU.440)

  • 適応
  • 再発性の発作性心房細動で患者の社会生活に障害が生じているもの
  • 塞栓症の既往のある心房細動
  • 冠状動脈疾患、僧帽弁膜症、心房中隔欠損症などのため手術を受ける症例で、発作性あるいは慢性心房細動を有する症例
  • 右心房、心房中隔、左心房に切り込みを入れ一方向性の伝導しか起こらなくする。
  • Coxが創案し、手術法はMazeIII法と呼ばれる。

心房細動の存在により面倒くさくなること


参考

  • 1. 不整脈薬物治療に関するガイドライン(2009年改訂版)
[display][display]http://www.j-circ.or.jp/guideline/pdf/JCS2009_kodama_h.pdf
  • 2. 不整脈薬物治療に関するガイドライン Guidelines for Drug Treatment of Arrhythmias (JCS 2004)

国試




低カルシウム血症」

  [★]

hypocalcemia
低Ca血症
カルシウム
  • 血清カルシウム:8.0 mg/dl以下

病態生理

  • 低カルシウム血症 → 2価陽イオンによる膜安定効果が消失(遮蔽効果↓、結合効果↓) → 細胞膜の脱分極傾向 (SP.99)

病因

  • 原発性副甲状腺機能低下症(PTHの分泌低下)DiGeorge症候群、自己免疫性
  • 副甲状腺ホルモン受容体異常
  • 高リン血症
  • 腎不全→高リン血症→相対的低Ca血症
  • ビタミンDの欠乏:腎不全→活性型にする酵素は腎臓にあるので活性化されない。

新生児

QB.O-84

心電図パーフェクトマニュアル.221

症候

急性症状

参考1
  • 眼:乳頭浮腫

神経・筋の易刺激性(テタニー)

  • 感覚異常(口・四肢)、筋痙攣、手・足の攣縮(carpopedal spasm)、トルソー徴候(手の症状)、クヴォステク徴候(顔面神経の)、てんかん発作、喉頭痙攣、気管支痙攣
  • 心臓:QT延長、低血圧、心不全、不整脈  ← 心収縮力低下

慢性症状

参考1
  • 異所性石灰化(大脳基底核)  ←  P優位なCa・P積の上昇
  • 錐体外路症状
  • パーキンソン症候群
  • 認知症
  • 嚢下白内障(subcapsular cataract)
  • 歯牙異常
  • 皮膚乾燥

テタニー

参考1
  • 低カルシウム血症により末梢神経・筋肉の易刺激性亢進。EMG上、1つの刺激で高頻度の放電が見られる。テタニーはイオン化Ca 4.3mg/dL、カルシウム7.0-7.5 mg/dL未満で起こるのが一般的。テタニーは慢性腎不全(低カルシウム血症+代謝性アシドーシス)では稀
  • 最初は口の周りあるいは末梢の錯感覚(paresthesia)ではじまる。ぎこちなさとこわばり、筋痛、および筋攣縮・筋痙攣を呈する。呼吸筋と舌の攣縮はチアノーゼを起こしうる。自律神経の症状は発汗、期間攣縮、胆道疝痛 biliary colicを含む。 ← オッディ括約筋が収縮して腹痛を生じるらしい(080A040)

検査

  • Chvostek徴候;耳介の前方、顎関節の上の部分をハンマーで軽くたたくと顔面筋と眼輪筋の痙攣が起こる。
  • Trousseau徴候;上肢の血圧計マンシェットを巻き、収縮期と拡張期の中間血圧で1~2分圧迫すると上肢の筋の攣縮により、手首と親指が屈曲し他の手指は伸展して手掌が凹む。

心電図

  • QT延長 → 心室細動リスク
QTの延長はSTの延長による。T波の幅は変えないので、心房全体の再分極相の不均一化は起こりにくい。だからQT延長で多形性心室頻拍が起こることは少ないらしい(心電図の読み方 p.221-223)。
STの延長 = 2相(プラトー相) 絶対不応期と考えられる。
T波 = 3相 受攻期 相対不応期にあたる。ここが延長しなければ不整脈のリスクは高くないということか・・・ほんと?
  • QRS幅の拡大は伴わない

治療

  • グルコン酸カルシウム、活性型ビタミンD

参考

  • 1. [charged]Clinical manifestations of hypocalcemia - uptodate [1]



ブルガダ症候群」

  [★]

Brugada syndrome
Brugada症候群

概念

  • 特発性心室細動をもたらす症候群の一つ。
  • 基礎疾患を有さない若年者~中年の失神発作が特徴的
  • 非発作時には無症状であるが、発作時には突然死を来す可能性がある。
  • 反復する多型性心室頻拍心室細動を来たし、放置すれば突然死に至。

歴史

  • 1992年、Brugadaらは洞調律時に右脚ブロック様QRS波形、V1-V3においてST上昇を示し、心室細動を来した、器質疾患を有さない8例を報告。

病因

  • SCN5A geneの突然変異 → Naの流入が緩徐@RV流出路心外膜領域 → 活動電位の短縮(action potential shortening → 正常な心外膜とrapidly depolarized RV outflow epicardiumの間の電位差によりV1-V3でのST上昇を起こす → 局所的リエントリ誘発 → 致死性心室不整脈 (HIM.1442)

疫学

  • 30-50歳代の男性に多い

症状

  • 前駆症状を伴わない失神発作が初発症状。
  • 反復する多型性心室頻拍、心室細動。
  • 放置により突然死する可能性が大きい

検査

心電図

  • 特徴は以下の2つである。
  • 1)完全あるいは不完全右脚ブロック様QRS波形(つまり、V1-V3でJ波が見られる)
V1,V2のrSの後ろにJ波が出現している。右脚ブロックのV1誘導の心電図ではrSr'が認められるが、さきのJ波があたかもr'の様に見え、右脚ブロック様QRS波形と称している
  • 2)右側胸部誘導(V1-V2(V3))のST上昇(coved型あるいはsaddle back型)
ST上昇はcoved型(右下がり。陰性T波)、saddle back型(J波とT波が高く、その間が低くなって鞍状のSTを呈する)のパターンを示す。J波の高さが2mm以上でcoved型ST上昇と陰性T波を示す所見が最も診断価値が高い。
[show details]

薬物誘発検査?(HIM.1442)

診断

  • 心電図
  • 失神 + 右脚ブロック様QRS波形

治療

予後

ガイドライン

  • QT延長症候群(先天性・二次性)とBrugada症候群の診療に関するガイドライン
[display]http://www.j-circ.or.jp/guideline/pdf/JCS2007_ohe_h.pdf

国試


心室」

  [★]

ventricle (KH)
ventriculus
心房

生理学

  • 循環血液量↑、心室拡張性↑ → 拡張期心室容量↑
  • 循環血液量↓、心室拡張性↓ → 拡張期心室容量↓
  • 末梢血管抵抗↑、心室収縮性↓ → 収縮期心室容量↑
  • 末梢血管抵抗↓、心室収縮性↑ → 収縮期心室容量↓







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