形質細胞腫

出典: meddic

plasmacytoma
多発性骨髄腫骨髄腫

概念

  • 形質細胞が単クローン性に増加し、骨格/軟組織に孤立性の腫瘤を形成したもの

病型

  • 髄内性形質細胞腫 intramedullary plasmacytoma
  • 髄外性形質細胞腫 extramedullary plasmacytoma
  • 上気道(副鼻腔、鼻咽頭、喉頭)に病変を形成することが多い


鑑別診断

solitary plasmacytoma of bone, diagnostic criteria HIM.704

  • no M protein in serum and/or urine. ← M蛋白がない(微量はあってもよい, modestly elevated M proteins are demonstrable in some of these patients.(PBT.454))
  • single area of bone destruction due to clonal plasma cells.
  • bone marrow not consistent with multiple myeloma.
  • normal skeletal survey (and MRI of spine and pelvis if done).
  • no related organ or tissue impairment (no end organ damage other than solitary bone lesion).

extramedullary plasmacytoma

治療 WCH.2621

  • local radiatin therapy
  • adjuvant chemotherapy is not recommended

予後 WCH.2621

  • local filure rate: 7%
  • mutifocal extramedullary replapse: 13%
  • classic myeloma develop: 15%
  • 10-year disease-free survival: 70-80%

予後

  • 骨格にできた孤立性の形質細胞腫はふつう他に潜伏性の病変があり、多くは5-10年で多発性骨髄腫に移行する
  • 髄外形質細胞腫は広がることは比較的少なく局所的な切除で治癒する。

UpToDate Contents

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和文文献

  • 症例報告 福田式刺絡で消失した鼻腔原発形質細胞腫の一例
  • 急速に増大した胸壁原発孤立性形質細胞腫の1切除例
  • 山科 明彦,奥村 典仁,高橋 守,大畑 恵資,松岡 智章,亀山 耕太郎
  • 日本呼吸器外科学会雑誌 = The journal of the Japanese Association for Chest Surgery 24(7), 1032-1036, 2010-11-15
  • … に至らず,短期間に明らかな増大傾向および脊柱管内への進展を認めたため,胸壁腫瘍切除および第9?11肋骨合併切除,第10,11胸椎合併切除,および左肺下葉部分合併切除術を行った.胸椎はインプラントで再建し,胸壁欠損部はMarlex®meshで再建した.術後免疫染色の結果,骨の孤立性形質細胞腫の診断となった.胸壁原発孤立性形質細胞腫はまれな疾患であり,文献的考察を加えて報告する. …
  • NAID 10026963635
  • 精巣に発生した形質細胞腫が多発性骨髄腫に移行した1例
  • 松田 洋平,加藤 隆一,宮尾 則臣,佐藤 修司,小西 康宏,今 信一郎
  • 泌尿器科紀要 56(10), 593-595, 2010-10
  • A 55-year-old male was referred to our hospital with the chief complaint of painless right scrotal swelling. Serum tumor marker levels were all within the normal range. A right radical orchiectomy was …
  • NAID 120002597877
  • 化膿性脊椎炎を合併した腰椎孤立性形質細胞腫の1例
  • 池田 幹則,青野 勝成,黒田 貴顕,小西 定彦,香月 憲一
  • 中部日本整形外科災害外科学会雑誌. 中部日本整形外科災害外科学会抄録 53(5), 1043-1044, 2010-09-01
  • NAID 10027456100

関連リンク

多発性骨髄腫/その他の形質細胞性腫瘍は体内で過度に多くの形質細胞がつくられる 病気です。 形質細胞性腫瘍は良性( ... 多発性骨髄腫と他の形質細胞腫瘍(がん)は アミロイドーシスと呼ばれる状態の原因となる可能性があります。 年齢は形質細胞性 腫瘍 ...
多発性骨髄腫は形質細胞のがんで、骨髄やときに他の部位で、異常な形質細胞が制御 を失った状態で増殖する病気です。 ... 正常な骨髄細胞では、形質細胞の占める割合は 1%未満ですが、多発性骨髄腫では、概して骨髄の大部分が悪性の形質細胞になり ...

関連画像

形質細胞腫(体腔液)形質細胞腫形質細胞 骨髄 腫 pcm 形質細胞 形質細胞腫(体腔液)形質細胞腫瘍(多発性骨髄腫を 形質細胞 骨髄 腫 pcm 形質細胞


★リンクテーブル★
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関連記事形質細胞」「形質」「」「細胞

多発性骨髄腫」

  [★]

multiple myeloma, MM
形質細胞性骨髄腫plasma cell myelomaカーラー病 Kahler diseaseカーラー-ボゾーロ症候群 Kahler-Bozzolo syndrome
単クローン性免疫グロブリン血症
  • first aid step1 2006 p.219,296

概念

  • 免疫グロブリン産生細胞である形質細胞が腫瘍化し、骨髄を主体として増殖する疾患

病因

  • 腫瘍細胞の増殖と生存:形質細胞と骨髄間質細胞の産生するIL-6の作用による (APT.77)
  • 遺伝子、染色体:t(4;15), which jyxtaposes the IgH locus with fibroblast growth factor receptor 3(FGFR3) gene

疫学

  • 罹患率:10万人に対して約2人
  • 60歳以上の高齢者に多い。50-60歳でピーク

病変形成&病理

  • 骨融解:骨髄腫細胞がosteoclast-activating factor(OAF)を分泌することによる → punched out defect
  • 骨髄:異常形質細胞の増加

症候

  • 全身倦怠、貧血 ← 貧血による症状
  • 腰痛
  • (進行した例)
  • 病的骨折や骨融解(骨融解像)などの骨病変 →腰痛・背部痛、高カルシウム血症
  • 腎機能障害:蛋白尿
  • 易感染性

骨病変 (WCH.2561)

  • 骨病変は少なくとも70%の患者に見られ、精度の高い検査方法では殆どの患者で発病変が見いだされる。四肢が冒されるかもしれないが、もっとも頻度が高いのは脊柱である。動きや体重の加重により痛みが増悪するのが特徴である。
  • 椎体圧迫骨折や腫瘤により脊椎圧迫症状をきたしうる → 対麻痺、膀胱直腸症状

腰痛 (WCH.2561)

  • 5-10%の患者で背中痛を訴える。この痛みは動きと関連しており、咳、くしゃみ、体重の加重によって悪化する。患者は堅苦しく歩き、検査台やx線の台の乗り降りをするのが非常に困難である。

合併症

検査

血算

  • 赤血球:中程度の正球性赤血球貧血
  • ときに、白血球減少・血小板減少

血液生化学

  • 血清総蛋白量:増加
  • アルブミン:減少
  • γグロブリン(=免疫グロブリン)↑
  • 血清蛋白分画Mスパイク出現
  • 腫瘍化した形質細胞(骨髄腫細胞)がIgG、IgA、IgD、IgEを産生 (IgMを単クローン性に産生する場合は別の病名がつく。)
  • CRP:陰性

血液塗沫標本

  • 赤血球の連銭形成:M蛋白(γグロブリンは正に帯電。Mタンパクもおそらく正に帯電)
  • 骨髄腫細胞は稀 → 多数なら形質細胞性白血病

免疫グロブリン

骨髄検査

  • 細胞表面抗原
  • CD38(+), CD56(+), CD19(-)。(⇔正常な形質細胞:CD56(-), CD19(+)
  • 多発性骨髄腫においてCD56(+)は70%、CD56(-)は30%

骨髄穿刺

  • 異型性の形質細胞が有核細胞の10%以上認められ,細胞表面抗原検査にて単クローン性形質細胞と同定されることによりなされる。
  • 骨髄内で形質細胞が単クローン性に増加
→血清中に単クローン性免疫グロブリン↑(=M蛋白)
尿中に免疫グロブリンのL鎖(κ,λ鎖)出現
ベンス・ジョーンズタンパク質

血清蛋白電気泳動

  • ガンマグロブリン分画に急峻なピーク(M-peak)
[show details]

尿検査

単純X写真

  • 頭部:頭蓋骨の打ち抜き像 punched-out lesion
  • 腰部:脊椎の圧迫骨折
[show details]

骨シンチグラム

  • 陰性(骨形成反応がないため)

診断

診断基準(2003年)

  • Mタンパク + (高カルシウム血症 + 腎機能障害 + 貧血 + 骨病変) CRAB(calcium, renal insufficiency, anemia, bone lesion)

病期

参考3 YN.G-68
β2ミクログロブリン
(mg/L)
5.5 Stage III
  Stage II
3.5   Stage I
0
  0 3.5  
アルブミン(g/dL)
  • Stage I:アルブミン3.5g/dl以上、β2ミクログロブリン3.5mg/L未満
  • Stage II: Stage I ~ Stage III
  • Stage III: β2ミクログロブリン5.5以上
  • Stage別平均余命:I 62ヶ月、II 44ヶ月、III 29ヶ月

治療

(参考1)
  • 治療方針:初期治療、維持療法、再発・難反応期治療がある。
  • 初期治療:
  • 化学療法:MP療法と多剤併用療法があるが、後者は奏効率は高いが生存期間延長効果がないため、一般的にはMP療法を行う。化学療法のみで治癒は困難であり、プラトー(臓器障害を認めない状態が3ヶ月以上持続)に達した後に維持療法を行う。
  • 骨髄移植適応無し
  • 骨髄移植適応有り
  • 自己末梢血幹細胞移植
  • 維持療法:
  • インターフェロン:無事象生存期間、全生存期間の中央値はそれぞれ6ヶ月、7ヶ月の延長効果があったが、副作用を考慮し必ずしも推奨されない。
  • プレドニゾロン:50mg投与隔日投与でで有効性が認められたが、副作用の発現リスクが高くなるため日本ではあまり行われていない。
  • 再発・難反応例:
  • サリドマイド(認可??):単剤で30%、デキサメタゾンとの併用で40-50%、化学療法との併用では50-60%の奏効率が報告されている。
  • ボルテゾミブ(認可??):デキサメタゾンとの併用が推奨されている。副作用は末梢神経障害、血小板減少。
  • レナリドマイド(認可??):サリドマイド誘導体。サリドマイドに比べて効果は高く、末梢神経障害、消化器症状、神経症状、DVT等の副作用が軽い。
  • 支持療法
  • 骨病変:
  • 高カルシウム血症:
  • 口渇・意識障害など明らかな臨床症状:生理食塩水+ビスホスホネート点滴静注。ステロイドやカルシトニンを併用すると有効な場合もある。
  • 腎障害:M蛋白による尿細管の障害、高カルシウム血症、高尿酸血症、アミロイドーシス、尿路感染症、骨髄腫細胞浸潤などで腎障害をきたす。輸液、アシドーシス補正、電解質補正、血液透析。腎障害がある場合の化学療法には腎障害の少ないVAD療法()かデキサメタゾン大量療法が推奨される。
  • 過粘稠度症候群:
  • 血漿交換療法、ダブル濾過法、段階濾過法
  • アミロイドーシス:
  • 心臓、腎臓、消化管、舌等の臓器に沈着し、臓器障害をきたす。約30%の症例にみられるが、有償状は10%未満。予後を規定する心機能をモニターするため、心エコーでフォローする。アミロイドーシス自体に対する有効な治療はなく、原疾患の治療を早くすることが必要である。

参考

  • 1. 多発性骨髄腫の治療 - がん情報サービス
http://ganjoho.jp/public/cancer/data/myeloma_therapy.html
  • 2. [charged] 多発性骨髄腫の臨床的特徴、検査所見、および診断 - uptodate [1]
  • 3. [charged] 多発性骨髄腫における病期分類および予後研究 - uptodate [2]

国試



骨髄腫」

  [★]

myeloma
ミエローマ
multiple myeloma


概念

  • 1. 骨髄中に形質細胞が腫瘍性に増加する造血器腫瘍

疫学

  • 60歳以上の高齢者に多く、40歳以下では稀。
  • 男性に多く、好発年齢は50-70歳代。

症状

  • 全身倦怠感、腰痛など

ISS病期分類

  • これまで骨髄腫の病期分類にはDurie&Salmonの病期分類が使用されてきたが、Ⅰ期とⅡ期に統計学的有意差を認めなかったため、ISSの病期分類が提唱された。病期と生存期間は相関が認められ、余後の予測に有効である。分類はβ2MG量とAlb量によって決まる。

stage1 血清β2MG<3.5mg/lかつ
血清Alb≧3.5g/dl
stage2 1,3以外(血清β2MG :3.5<,<5.5もしくは血清β2MG<3.5かつAlb<3.5)
stage3 血清β2MG≧5.5mg/l


plasmacytoma」

  [★] 形質細胞腫

WordNet   license wordnet

「neoplasm of plasma cells (usually in bone marrow)」


plasma cell tumor」

  [★]

形質細胞腫形質細胞腫瘍

plasma cell neoplasmplasmacytomaplasmocytoma


plasmocytoma」

  [★]

  • 形質細胞腫
plasma cell tumorplasmacytoma


形質細胞腫瘍」

  [★]

plasma cell tumorplasma cell neoplasm
形質細胞腫


形質細胞」

  [★]

plasma cell (Z)
plasmocytus
プラスマ細胞
B細胞


  • リンパ節、脾臓、骨髄などに存在 ← 末梢血には普通存在しない



形質」

  [★]

trait, character, character
人格性格性質性状体質、特色、特性特徴文字



腫」

  [★]

がん腫瘍腫瘤良性新生物


細胞」

  [★]

cell
cellula







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