弛緩出血

出典: meddic

atonic bleeding, atonic postpartum hemorrhage
子宮弛緩症 uterine atony, Uterusatonie, atonia uteri


疫学

  • 全分娩の約10%(他の文献では5%)に起こる。
  • 経産婦に多い。
  • 妊産婦死亡の20.4%を占める

原因

徴候

身体所見

  • 外診:子宮底の上昇、柔軟な子宮

治療

  • 0. 子宮内容物の除去、子宮底の輪状マッサージ
  • 1. 全身の管理:輸液・輸血、抗ショック療法
  • 2. 子宮収縮薬の投与
  • 3. 双手圧迫法
  • 4. 子宮・膣強圧タンポン
  • 5. 内腸骨動脈結紮術、子宮摘出


UpToDate Contents

全文を閲覧するには購読必要です。 To read the full text you will need to subscribe.

和文文献

  • DIC型後産期出血は子宮型羊水塞栓症か? (特集 羊水の臨床)
  • P1-19-8 弛緩出血例に対する経カテーテル動脈塞栓術の有用性(Group39 妊娠・分娩・産褥の生理・病理7 産科出血,一般演題,第63回日本産婦人科学会学術講演会)
  • 島岡 享生,高木 綾子,山田 響子,天野 完,海野 信也
  • 日本産科婦人科學會雜誌 63(2), 586, 2011-02-01
  • NAID 110008509184
  • 産褥子宮の形態的変化について--弛緩出血・子宮復古異常の診断基準確立のために (特集 妊産婦死亡と病理学)
  • 弛緩出血 (特集 妊産婦死亡予防に向けて--まず行うべきこと)
  • 牧野 真太郎,依藤 崇志,田中 利隆 [他]
  • 産婦人科の実際 60(1), 95-103, 2011-01
  • NAID 40017657843

関連リンク

弛緩出血とはどんな病気か. 分娩終了後に子宮筋の収縮が不良で、胎盤剥離(はくり)面 に開いている血管が子宮筋層内で子宮筋の収縮によって絞扼(こうやく)されないために 大出血することを、弛緩出血といいます。正常な分娩でも胎盤剥離部の子宮壁面から ...
子宮弛緩出血とは? 胎児を栄養するために子宮の血流量はとても多くなっています。 通常の分娩後は、胎児が娩出されて、まもなくして胎盤が娩出されます。 空っぽになっ た子宮は急速に収縮し、胎盤の剥離面にむき出しとなっている小さな血管群を締め付け ...

関連画像

ばばじろう日記 2013.8.11弛緩出血 元に戻らない!?子宮弛緩出血ばばじろう日記 2013.8.11 の 貧血 弛緩 出血 の 後遺症ばばじろう日記 2013.8.11弛緩出血 弛緩出血の概念もこのレベルを


★リンクテーブル★
国試過去問101E012」「105G061」「095D001」「098A002」「102A022」「105D017」「095A078」「079A050」「107I001」「097G110」「100G109
リンク元シーハン症候群」「産科ショック」「双胎妊娠」「一絨毛膜二羊膜双胎」「性器出血
関連記事弛緩」「」「出血

101E012」

  [★]

  • 次の文を読み、10~12の問いに答えよ。
  • 30歳の1経妊未産婦。陣痛発来のため来院した。
  • 現病歴: 妊娠初期から定期的に妊婦健康診査を受けており、妊娠経過は母児ともに順調であった。妊娠39週5日午前2時に自然陣痛が発来し、次第に増強したので午前4時に来院し、入院となった。]]
  • 既往歴: 特記すべきことはない。
  • 月経歴: 初経12歳。周期28日、整。
  • 妊娠分娩歴: 4年前に妊娠7週で自然流産。
  • 現 症: 意識は清明。身長162cm、体重63kg(妊娠前50kg)。体温36.4℃。脈拍88/分、整。血圧112/76mmHg。子宮底長35cm、腹囲98mm。下腿浮腫はない。Leopold触診法で児は頭位、第2胎向で、胎児心拍数144/分。胎児超音波検査では児頭大横径95mm、児の推定体重は3,500gである。内診所見では矢状縫合は骨盤横径に一致し、子宮口開大3cm、展退度60%、児頭下降度SP-2cm、子宮口の位置は中央、硬さは軟である。破水は認めない。
  • 陣痛は次第に増強し、午後2時に自然破水した。午後3時の陣痛の間隔は2分、持続時間は60秒。内診所見では子宮口開大6cm、展退度80%、児頭下降度SP+1cm、子宮口の位置は前方、硬さは軟であった。午後6時に陣痛間隔は5~7分、持続時間は20~30秒となった。小泉門を10時に触知、子宮口開大8cm、展退度90%、児頭下降度SP+2cmであった。その後、陣痛の間隔と持続時間とは変わらず、午後9時の内診所見は不変である。胎児心拍数パターンに異常は認めない。
  • 3,800gの男児を分娩した。10分後に胎盤が自然娩出したが、その直後から持続的な性器出血がみられ、子宮底は臍窩上に触知する。出血の原因として考えられるのはどれか。
[正答]


※国試ナビ4※ 101E011]←[国試_101]→[101E013

105G061」

  [★]

  • 次の文を読み、59-61の問いに答えよ。
  • 39歳の初産婦。妊娠41月2週 陣痛発来のため入院した。
  • 現病歴   妊娠初期から定期的に妊婦健康診査を受けている。これまでの超音波検査で子宮体部右側に直径5cm大の漿膜下筋腫を指摘されている。その他には妊娠経過に特記すべきことはない。本日午前1時から10分周期の規則的な陣痛が発来したが自宅で待機していた。午前9時に来院した。
  • 既往歴  15歳で虫垂炎手術。
  • 家族歴   母親が2型糖尿病。
  • 月経歴   初経12歳。周期28日、整。
  • 現症   意識は清明。身長162cm、体重71kg(非妊時63kg)。体温36.5℃。脈拍80/分、整。血圧124/76mmHg。子宮底長37cm、腹囲96cm。下腿に浮腫を認めない。Leopold触診法で児背を母体の左側に触れる。陣痛周期は3分。内診所見:先進部は小泉門で母体の左後方に触れる。子宮口5cm開大、展退度60%、児頭下降度SP+1cm。子宮口の位置は中央、硬さは軟である。未破水である。
  • 検査所見   尿所見:蛋白(-)、糖(-)。超音波検査では羊水ポケット1cm、胎児推定体重3,500 g。胎児心拍数陣痛図胎児心拍数パターンに異常を認めない。
  • 胎盤娩出直後から持続的な出血を認めている。原因として考えにくいのはどれか。


[正答]


※国試ナビ4※ 105G060]←[国試_105]→[105G062

095D001」

  [★]

  • 30歳の初産婦。妊娠中の異常は指摘されていない。分娩第2期は30分で経過し、3,050 g の女児を経膣分娩した。胎盤は自然剥離して5分後に娩出され欠損はない。膣内から新鮮な血液が20分で900g流出した。疼痛はなく顔色は蒼白である。脈拍90/分、整。血圧96/64mmHg。子宮底は臍下5cmで体部の収縮は良好である。考えられるのはどれか。
  • a. (1)(2)
  • b. (1)(5)
  • c. (2)(3)
  • d. (3)(4)
  • e. (4)(5)
[正答]


※国試ナビ4※ 095C050]←[国試_095]→[095D002

098A002」

  [★]

  • 28歳の3回経産婦。自然経膣分娩で3,540gの男児を出産した。胎盤を牽引して娩出させた。直後から性器出血が持続し、その後下腹部痛を訴え始めた。意識は清明であるが表情は苦悶様。脈拍96/分、整。血圧132/88mmHg。触診で子宮底を触れず、膣鏡診で膣内に腫瘤様のものを認める。
  • 考えられるのはどれか。
[正答]


※国試ナビ4※ 098A001]←[国試_098]→[098A003

102A022」

  [★]

  • 40歳の初産婦。児の娩出までの経過は正常であった。胎盤娩出直後から多量の出血を認めるとともに下腹部に激しい痛みを訴えた。
  • 最も考えられるのはどれか。
[正答]


※国試ナビ4※ 102A021]←[国試_102]→[102A023

105D017」

  [★]

  • 周産期異常と発症時期の組合せで正しいのはどれか。 2つ選べ。


[正答]


※国試ナビ4※ 105D016]←[国試_105]→[105D018

095A078」

  [★]

  • 陣痛発来前に行われた選択的帝王切開術後に持続する性器出血がある。考えられる原因はどれか。
[正答]


※国試ナビ4※ 095A077]←[国試_095]→[095A079

079A050」

  [★]

  • 治療法との組み合わせについて適切でないのはどれか
[正答]

107I001」

  [★]

  • 産科DICを起こしにくいのはどれか。


[正答]


※国試ナビ4※ 107H038]←[国試_107]→[107I002

097G110」

  [★]

  • 自己血輸血の対象となり得るのはどれか。
[正答]


※国試ナビ4※ 097G109]←[国試_097]→[097G111

100G109」

  [★]

[正答]


※国試ナビ4※ 100G108]←[国試_100]→[100G110

シーハン症候群」

  [★]

Sheehan syndrome, Sheehan's syndrome
分娩後下垂体機能低下症 postpartum hypopituitarism
下垂体梗塞 pituitary necrosis
下垂体機能低下症ホルモン


概念

  • 分娩時の大出血またはショックにより、下垂体血管に攣縮および二次的血栓が生じて下垂体の梗塞、壊死が起こり、これにより下垂体前葉機能低下症を呈した病態。

症状

  • (軽症)乳汁分泌不全、腋毛・恥毛の脱落、無月経 (NGY.157)
  • (重症例)甲状腺・副腎機能の障害による無気力・易疲労感 (NGY.157)
  • 低血糖(GH低値による)
G9M.34
  • 第2度無月経、性器・乳腺萎縮、やせ、乳汁分泌低下、恥毛・腋毛の脱落、無力感、低血糖症状
ACTH易疲労感、低血糖、低ナトリウム血症、低血圧、恥毛・腋毛の脱落
PRL乳汁分泌低下
TSH耐寒性の低下、不活発、便秘、皮膚の乾燥
GH筋力低下、体脂肪増加
FSHLHエストロゲン第2度無月経、性欲低下、乳房・内外性器の萎縮、骨粗鬆症
プロゲステロン基礎体温:低温1相

検査

MRI

G9M.34

治療

  • 副腎皮質ホルモン、甲状腺ホルモンの補充療法:ヒドロコルチゾン、サイロキシン(T4)
  • 無月経・更年期症状:Kaufmann療法
  • 挙児希望:ゴナドトロピン療法による排卵誘発

鑑別疾患

症例

  • 35歳女性。無月経を主訴に来院した。1回経産婦で、分娩時弛緩出血のためショックとなり緊急輸血を施行した。妊娠前の月経周期は28日型の整手有り、分娩後5年が経過したが月経の発来はなかった。軽度のるいそうを認める。
  • 48歳女性。易疲労感の増悪を訴え来院。30歳の時、第2子分娩後、大量出血し、その後月経が消失していた。数年前より、易疲労感、耐寒性の低下を自覚し、近医を受診。甲状腺機能低下症と診断され、甲状腺ホルモン薬が処方され、服用していたが改善せず、むしろ増悪傾向にあった。


産科ショック」

  [★]

obstetrical shock, obstetric shock
shock obstetricus
分娩時ショック
ショック

分類

G10M.274改変 QB.P316
分類 時期 疾患
出血性ショック
(90%)
妊娠初期 流産
子宮外妊娠
妊娠中期 前置胎盤
常位胎盤早期剥離
妊娠末期
分娩期
子宮破裂
子宮内反症
弛緩出血
頚管裂傷
癒着胎盤
羊水塞栓症
非出血性ショック
(10%)
敗血症性ショック   敗血症
閉塞性ショック   仰臥位低血圧症候群
  肺血栓塞栓症
  羊水塞栓症


双胎妊娠」

  [★]

twin pregnancy
双胎膜性診断

分類

診断

  • 妊娠10週までに1絨毛膜双胎と2絨毛膜双胎の診断を行うことが望ましい。1絨毛膜双胎と診断された場合、妊娠14週までに1絨毛膜2羊膜双胎か1絨毛膜1羊膜双胎の診断を行う。(参考1)

合併症

G10M.121 NGY.413
貧血:循環血漿量の増加が優位になるため
妊娠高血圧症候群:循環血液量の増加による。双胎妊娠により頻度は2-3倍上昇。

分娩

G10M.123
  • 頭位-頭位 :45%:経腟分娩
  • 頭位-骨盤位:25%:経腟分娩 or 帝王切開
  • 骨盤位-頭位:10%:帝王切開(懸鉤のリスクあり)

参考

  • 1. 卒後研修プログラム4 産婦人科診療ガイドライン(産科編)の注意点 4)双胎管理について - 日産婦誌60巻9号
http://www.jsog.or.jp/PDF/60/6009-412.pdf

国試


一絨毛膜二羊膜双胎」

  [★]

monochorionic diamniotic twin, MD twin, monochorionic diamniotic twins, MD twins
MD双胎
双胎双胎妊娠

概念

  • 子宮内に1つの絨毛膜(胎盤)と2つの羊膜が存在する妊娠状態
  • 周産期死亡率や神経学的後遺症は二絨毛膜二羊膜双胎より悪く、一絨毛膜一羊膜双胎よりは良好である。

原因

  • 一つの卵子が受精後4-7日後ごろに二つの内細胞塊に分かれる事による。これより遅ければ一絨毛膜一羊膜双胎、早ければ二絨毛膜二羊膜双胎となる。

診断

  • 妊娠初期に行う経腹/経腟超音波検査による膜性診断を行う。妊娠11週までにおこなう。

合併症

G10M.121

治療

参考

  • 1. クリニカル・カンファレンス 2.多胎妊娠の管理―最近の知見 3)疾病双胎の管理~双胎間輸血症候群の病態と治療~ - 日産婦誌55巻9号
http://www.jsog.or.jp/PDF/55/5509-216.pdf
  • 2. 〔多胎妊娠の管理シリーズ〕 多胎妊娠はいつ分娩を終了させたらよいか? - 日産婦誌52巻1号
http://www.jsog.or.jp/PDF/52/5201-011.pdf

性器出血」

  [★]

genital bleeding
不正性器出血新生女児性器出血


妊娠初期に見られる性器出血

妊娠後期に見られる性器出血

  • 前置胎盤:下腹部痛なし
  • 頚管無力症  ←  妊娠の中期以降に性器出血や腹痛を伴わずに頚管が短縮・開大し、胎児が娩出される(NGY.402)。なので性器出血の鑑別に入らないのでは?
  • 切迫早産:下腹部痛(+)(←陣痛)、子宮口やや開大
  • 常位胎盤早期剥離:下腹部痛(++)。板状硬

分娩後に見られる性器出血

  • 弛緩出血
  • 子宮破裂:病的収縮輪を認め、激痛を訴える。胎児ジストレス~胎児心拍の消失。母体の突然のショック。
  • 子宮内反症:臍帯の用手的牽引による。激痛と出血によるショックに陥ることがある。
  • 癒着胎盤
  • 産道裂傷(頚管裂傷):

弛緩」

  [★]

relaxationrelax
緩和、ほどけるリラクゼーション


血」

  [★]

blood, (漢方)blood and body fluid energy
血液血中


出血」

  [★]

hemorrhage, bleeding
出血量





★コメント★

[メモ入力エリア]
※コメント5000文字まで
ニックネーム:
コメント:




表示
個人用ツール


  meddic.jp

リンク
連絡