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延命治療(えんめいちりょう、英語表記はLife-Prolonging Treatment、life-Support Treatment、life-Sustaining Treatment)とは、生命を延長させる医療を総称する概念である。公的に明確な定義は存在しないので、さまざまな意味、あいまいな意味で使われている。
延命治療という概念や言葉については、日本の法律[1]、国際連合で採択された条約[2]、厚生労働省[3][4]、世界保健機関[5]、医学学会[6][7]などのいずれも、公的に明確な定義はしていない。
延命という言葉自体は生命を延長するという意味[8][9]しかない。
公的で明確な定義がないので、延命治療という言葉・表現は下記の5種類のいずれかの意味で使用されている。[要出典]
日本の新聞・テレビ放送・雑誌・書籍の報道で延命治療の意味として、病気・障害の完全な治癒・回復の可能性も、限定的な回復の可能性も、進行の遅延も心身の機能の維持も可能性がなく、余命が何日・何月の単位の終末期の死亡時期を遅延させる治療という意味で使用されることがあるが、そのような定義は、「死期が近い」と「延命させる」は自己矛盾であり論理的に成り立たず、医学的・生物学的にもありえない誤解した解釈である。完全な治癒・回復の可能性も、限定的な回復の可能性も、進行の遅延も心身の機能の維持も可能性がなく、余命が何日・何月の単位の終末期は、生命の維持に必要不可欠な人体の少なくとも一つの機能または多臓器不全の進行により死期が近く、医学的・生物学的にいかなる方法でも何年・何十年の単位での寿命延長は不可能である。[独自研究?]
延命治療は複雑で多様な概念の集合体であり、複数の異なる観点から、複数の異なる定義や解釈が成り立ち、統一された唯一の定義・解釈は困難である。
何が延命治療で、何が延命治療でないかは、論理的に整合性を成り立たせて、唯一の完全無欠な定義をしることは困難である。
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20世紀前半までは下記の病気や障害の予防方法も治療方法も存在していなかった、または、社会に普及していなかった。
20世紀前半までは上記の病気・障害の予防法・治療法は、医学的・医療技術的に存在しなかったか、または、医学的・医療技術的に存在していても、その医療を普及させる経済・産業・財政力の不足、社会保障政策・医療政策の不足などの原因により社会に普及していなくて、それらの病気・障害は死に至る病気・障害であり、そのような社会状況では平均寿命は50歳前後が限界であり、70歳代~80歳代まで生きる人は少数であり、延命治療をすることは不可能であった。[独自研究?]
20世紀後半以後は上記の病気・障害の予防方法・治療方法は、医学的・医療技術的に確立され、先進国においては経済・産業・財政の規模の増大と社会保障政策・医療政策の整備・充実により、全ての市民に医療保険制度が整備され、医療事業者は前記の病気・障害の予防・治療をする医療の社会全体への供給が可能になり、先進国・高所得国の人々はだれでも前記の病気・障害の予防・治療を受けられる状況になった。その結果として、上記の病気・障害の完全な治癒・回復、限定的な回復、進行の遅延や心身の機能維持のより、何年・何十年の単位で延命が可能にになった。その結果として、2010年前後では先進国の平均寿命は80歳代に到達し、過半数以上の人が70歳代~80歳代まで生きるようになった[10]。
20世紀後半以後から21世紀初期の2013年時点でも、下記の病気・障害の予防方法も治癒・回復させる治療方法も存在していない。
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治癒・回復させる治療も、限定的に回復させる治療も、心身の機能を維持させる治療も、進行を遅延させる治療も、延命効果・生命予後は年齢が若いほど大きく、年齢が高くなるほど小さくなる。[要出典]
乳児期・幼児期・児童期・少年時・青年時・中年時・壮年時・前記老年時・後期老年時のどの時期のどの種類の延命なら良い延命・適切な延命で、どの時期のどの種類の延命なら悪い延命・不適切な延命であるか、その定義は困難である。
終末期という状態・時期は全ての人が必ず到達・経験するわけではなく、老衰・認知症・ガン・筋萎縮性側索硬化症・パーキンソン病などの何年・何十年という単位の進行性の病気・障害や、糖尿病・膠原病・アミロイドーシス・後天性免疫不全症候群などの何年・何十年という単位の慢性の病気・障害で死亡する人が、病気・障害の進行の最終段階において到達・経験するものであり、心筋梗塞・心不全・脳卒中などの急性期の病気・障害で何十分・何時間という単位で突然死した場合や、急性の感染症で何日という単位で死に至った場合は終末期という状態・時期は存在しない。
治療しなければ死に至る病気・障害であり、完全に治癒・回復させる治療、限定的に回復させる治療、進行を遅延させ心身の機能を維持させるる治療により、何年・何十年という単位で延命させる治療が可能になり、延命治療は社会に広く普及し、イスラエルのアリエル・シャロン元首相や、南アフリカ共和国のネルソン・マンデラ元大統領のように、植物状態で延命されている人もいる。終末期の人は延命が不可能であるか、死亡時期を遅延させても何日・何月が限界なので、一般的には延命治療は行われず緩和ケア治療が行われるが、昭和天皇のように現職・元職の国家元首やその他の特別な社会的地位の人の場合は終末期の死亡時期を遅延させるための延命治療が行われることがある。
終末期は生命の維持に必要不可欠な人体の機能の少なくともどれか一つの機能不全、または、多臓器の機能不全になり、延命できないか、または、延命できる限界が何日・何月の単位であり、終末期の人に対して延命治療をしたら、何年・何十年という単位で延命することは絶対にありえない。延命治療を受けて何年・何十年という単位で延命している人は、延命治療を開始した時点では終末期ではなかった人である。[独自研究?]
心肺停止した場合、手術中・救急外来・急性期病床・回復期病床・精神科病床では患者の状況により蘇生の可能性があれば蘇生措置をするが、蘇生の可能性がない場合は蘇生措置はしない。慢性期病床、終末期の緩和ケア病床、介護施設の看取り介護、在宅看取り医療は、看取ることが目的なので蘇生措置はしない。[要出典]
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日本の新聞・テレビ放送・雑誌・書籍の報道で延命治療に関して下記のような宣伝しているが、それらの記事は全て、国家機関や国際機関や医学界が公開している、経済・財政・社会保障・医療・介護・福祉などに関する、一般市民がアクセスと確認が可能な公的な資料を出典として示した記事ではなく、記者の自称の個人的験談・特定の個別事例・伝聞・出所不明・真偽不明・主観に基づく記事・表現であり、事実ではない虚偽記事である[要出典](事実と出典に関する詳細は後節で記述)。
2013年時点の日本における延命治療に対する批判報道において、延命治療という言葉・表現は、生命の維持に必要不可欠な人体の機能が回復不可能な障害になったら、臓器移植、人工臓器の設置、薬物の投与によって生命を継続させる医療全般を意味している。前記に加えて、高齢者に対する医療、終末期医療なども、生命の維持に必要不可欠な人体の機能を代替する医療と区別されずにあいまいなまま、生命の維持に必要不可欠な人体の機能を代替する医療と混同されて、延命治療という表現が使われている。生命の維持に必要不可欠な人体の機能を代替する医療と、高齢者に対する医療と、終末期に対する医療は、結果として重複する部分もあるが、根本的には別の種類の医療であり、同質・等価とみなすことは誤認・誤解である。
2013年時点の日本における延命治療を批判する報道・主張は、延命治療は本人の利益にはならない、本人にとって苦痛しか与えない、本人の尊厳を侵害する、延命効果は少ない、医療財政・社会保障財政に莫大な負荷を与える、医療資源を無駄・無意味・無価値に浪費する、延命以外の医療を受けたい人が医療を受ける可能性を侵害する、本人にとっても国家や社会にとって有害無益である[要出典]。前記のような理由で延命治療はすべきではない、法律で禁止すべき、公的な医療保険の対象外にして100%自己負担で延命治療を受けるべき、公的な医療保険の対象外にして100%自己負担にすれば延命治療は激減するはずだ、前記のように報道・主張されている。延命治療に対する批判の中でも特に、胃瘻による延命に対する批判が顕著であり、一般市民における認知度が高まった。延命治療に対する批判報道の主張の具体的事例とは下記のような報道・主張である。
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日本以外の世界の諸国にも植物状態・寝たきりの人も存在する。
世界保健機関が定義しコード化して公開している疾病及び関連保健問題の国際統計分類において遷延性意識障害[27]も、寝たきり[28]も定義されている。
日本以外の世界の諸国では植物状態の人の親・子・配偶者の間で、水分・栄養の投与(患者によっては生命維持装置の設置も含まれる)による延命措置を継続するか、延命措置を中止して消極的な安楽死をさせるか、意見が対立して合意を形成できず、裁判により判断する判例が多数存在する。裁判に至る事例は親・子・配偶者の間で意見が対立して合意を形成できない場合であり、延命措置を継続する場合も中止する場合も、親・子・配偶者の間で合意を形成できた場合は裁判にはならないので、裁判という形で人々に認知されている事例以上に植物状態の人は多数存在する。[要出典]
20世紀前半までは、感染症・ガン・心臓病・脳卒中・生命の維持に必要不可欠な人体の機能の回復不可能な障害などの病気・障害の予防法・治療法は、医学的・医療技術的に確立されていないか、医療を普及させる経済・産業・財政力の不足、社会保障・医療政策の整備不足などの原因により社会に普及していなくて、それらの病気・障害は死に至る病気・障害であり、そのような社会状況では平均寿命は50歳前後が限界であり、70歳代~80歳代まで生きる人は少数だった。20世紀の後半以後、感染症・ガン・心臓病・脳卒中・生命の維持に必要不可欠な人体の機能の回復不可能な障害予防法・治療法は、医学的・医療技術的に確立され、先進国においては、経済・産業・財政の規模の増大と社会保障・医療政策の整備・充実により、全ての市民に医療保険制度が整備され、医療事業者は前記の病気・障害の予防・治療する医療の社会全体への供給が可能になり、先進国・高所得国の人々はだれでも前記の病気・障害の予防・治療を受けられる状況になった。その結果として、[要出典]2010年前後では先進国の平均寿命は80歳代に到達し、過半数以上の人が70歳代~80歳代まで生きるようになった[29]。
生命の維持に必要不可欠な人体の機能の回復不可能な障害になった場合には、心臓・肺・肝臓・腎臓・膵臓・脾臓・骨髄・皮膚などの臓器移植、人工心臓・人工血管・人工腎臓+人工透析・人工膀胱・人工肺・人工心肺・人工呼吸器・胃瘻・人工肛門などの人工臓器、免疫活性剤・免疫抑制剤・血圧上昇剤・血圧加工剤などの医薬品の投与により、何月・何年・何十年という単位で延命する治療が普及した。
日本以外の国にも生命の維持に必要不可欠な人体の機能の回復不可能な障害になった人に対して、生命の維持に必要な人体の機能を臓器移植・人工臓器・薬物投与により代替する延命治療は普及している。
世界保健機関が定義しコード化して公開している疾病及び関連保健問題の国際統計分類において、生命の維持に必要不可欠な人体の機能の回復不可能な障害になった人に対して、臓器移植、人工臓器、医薬品の投与により、何月・何年・何十年という単位で延命する治療方法は、定義され公開されている[30][31][32]。
国際連合総会・国際連合経済社会理事会・国際連合人権理事会が日本に対して、医療費の過剰な支出を減らすべき、延命治療を止めるべき、無駄な延命治療を止めるべきだという見解を表明したことも勧告したこともなく[41][出典無効][42][出典無効][43][出典無効][44][出典無効]、世界保健機関が日本に対して、医療費の過剰な支出を減らすべき、延命治療を止めるべき、無駄な延命治療を止めるべきだという見解を表明したことも勧告したこともない[45][出典無効]。
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日本以外の国でも水分や栄養を経口摂取できなくなった人(高齢者も含む)に対して、経口摂取機能を代替する胃瘻による延命治療を行っている。
アメリカ合衆国経口経腸栄養学会(American Society for Parenteral and Enteral Nutrition=A.S.P.E.N.)[46]は、胃瘻造設術の適用条件・非適用条件・禁忌条件を定義して公開している[47]。
ヨーロッパ臨床栄養代謝学会(The European Society for Clinical Nutrition and Metabolism)[48]は、胃瘻造設術の適用条件・非適用条件・禁忌条件を定義して公開している[49]。
国際連合総会・国際連合経済社会理事会・国際連合人権理事会が日本に対して、何人に対しても胃瘻をすべきではない、高齢者に対して胃瘻をすべきではない、胃瘻で延命すべきではないという見解を表明したことも勧告したこともなく[41][出典無効][42][出典無効][43][出典無効][44][出典無効]、世界保健機関が日本に対して、何人に対しても胃瘻をすべきではない、高齢者に対して胃瘻をすべきではない、胃瘻で延命すべきではないという見解を表明したことも勧告したこともない[45][出典無効]。
日本のPEGドクターズネットワーク[50]は、胃瘻造設術の適応条件・非適応条件・禁忌条件を定義して公開している[51]。
アメリカ合衆国経口経腸栄養学会とヨーロッパ臨床栄養代謝学会は、老衰・認知症が進行して終末期になり、多臓器不全、消化器不全、食欲の喪失・低下、経口摂取能力の喪失・低下という状態になった人には効果がない、適応条件ではないと定めている。
日本のPEGドクターズネットワークが相対的禁忌・不可能・困難条件として定義している、全身状態不良、生命予後不良の状態は、アメリカ合衆国経口経腸栄養学会やヨーロッパ臨床栄養代謝学会が胃瘻造設術の非適応条件と定義している、老衰・認知症が進行して終末期になり、多臓器不全、消化器不全、食欲の喪失・低下、経口摂取能力の喪失・低下という状態を含む状態である。
日本でも日本以外の世界の諸国でも胃瘻は嚥下障害による経口摂取困難・不可能に対する代替手段として、生命の維持に必要不可欠な水分・栄養を必要十分に摂取するための治療であり、嚥下機能の回復可能性がある人に対して嚥下機能が回復するまでの一時的に使用する場合も、嚥下機能が限定的にしか回復しなかった人が水分・栄養を経口摂取と胃瘻からの摂取を終身にわたって併用する場合も、嚥下機能の全面的または大部分の障害が回復しなかった人が終身にわたって水分・栄養を胃瘻から摂取する場合も、いずれの場合も胃瘻の適用条件であり、嚥下機能の回復可能性がある人が回復までの期間に限定して使うのが胃瘻本来の目的という認識・報道[17]は事実に反する誤解である。
日本の消化器学会の調査によると、胃瘻造設術を行なう原因になる嚥下障害になる原因別シェア(サンプル数27,659人)は、脳梗塞が39.1%、脳出血が12.2%、くも膜下出血が5.1%、パーキンソン病が4.9%、アルツハイマー病が2.6%、頭部外傷が2.5%、脳性麻痺が2.5%、脊髄小脳変性症が2.0%、筋萎縮性側索硬化症が1.1%、慢性硬膜下血腫が1.0%、廃用症候群が1.0%、その他が26.0%であり[52]、日本の新聞・テレビ放送・雑誌・書籍の報道で宣伝されている、胃瘻の大部分は認知症の老人や老衰の人に対して造設されているという認識は事実ではなく、事実であるとの証明はされていない。
厚生労働省の2009年度の人口動態統計、年齢別の死亡総数に対する原因別の比率では、年齢別死亡総数に対する脳血管疾患による死亡の比率は、65~69歳は8.2%、70~74歳は9.2%、75~79歳は10.6%、80~84歳は11.6%、85~89歳は12.6%、90~94歳は12.8%、95~99歳は12.1%、100歳以上は9.9%[53]、年齢別死亡総数に対する老衰による死亡の比率は、80~84歳以下は上位5位のランク外、85~89歳は4.0%、90~94歳は8,7%、95~99歳は15.4%、100歳以上は26.3%であり[53]である。日本の新聞・テレビ放送・雑誌・書籍の報道で宣伝されている、胃瘻の大部分は老衰や認知症の終末期の人に対して造設されているという認識は事実ではなく、事実であるとの証明は全く示されていない。
病気・障害を治癒・回復させる治療は病気・障害を治癒・回復させるまでの期間だけ費用が発生するが、臓器移植を受けた場合は免疫抑制剤の終身服用が必要になる[54]。
病気・障害を限定的に回復させる治療、病気・障害の進行遅延させ心身の機能を維持させる治療、病気・障害・老衰の進行を遅延させる治療により、慢性病患者や重度障害者になると、終身の医療や介護が必要になり、慢性病患者や重度障害者として医療や介護を受けて生存を開始する時期が若いほど余命が長く、慢性病患者や重度障害者として医療や介護を受けて生存する期間が長くなり、生涯の医療費・介護費は高額になる。
終末期は生命の維持に必要不可欠な人体の機能の少なくともどれか一つの機能不全、または、多臓器の機能不全になり、延命できないか、または、延命できる限界が何日・何月の単位であり、通常は緩和ケアしか行わないので高額な費用は発生しない。終末期の患者に延命治療をしたら、何年・何十年の単位で延命することは、医学的・生物学的にありえない。終末期の患者に胃瘻・人工呼吸器・人工心肺・生命維持装置などを設置して延命治療をしたら、何年・何十年の単位で延命することは、医学的・生物学的にありえない。
日本の新聞・テレビ放送・雑誌・書籍の報道の延命治療に関する批判で、終末期の患者に胃瘻・人工呼吸器・人工心肺・生命維持装置などを設置して、何年・何十年の単位で延命させて、医療財政に莫大な負荷をかけている、などの報道は医学的・生物学的にありえないことを、真実のように報道する全くの虚偽である。[独自研究?]
日本の診療報酬制度では診療報酬の支払い方法として出来高制と定額制があり、外来・救急救命センターは出来高制、急性期病床・回復期病床・精神科病床は出来高制と定額制の併用、慢性期病床・終末期病床は定額制である[55]。病院の種類別に発生する費用の大小として、一般的には、救急救命センター > 急性期病床の集中治療室 > 急性期病床の一般病床 > 慢性期病床の医療療養病床 > 精神科病床 > 回復期病床 > 終末期病床であるが、患者個人単位では本人の状況により例外も発生する。
日本では医療保険が適用される医療と医薬品、介護保険が適用される介護は、厚生労働省が診療報酬[56][57]、診断群分類包括評価[58]、薬価[59]、材料費[60]、介護報酬[61][62]を公定価格で決定し公開しているので、医療保険が適用される全ての医療・医薬品・材料費の単価、介護保険が適用される全ての介護の単価は全て閲覧・確認可能である。
「医療費の大部分が高齢者医療費である、医療費の60%が高齢者医療費である」との報道は事実ではなく虚偽である。厚生労働省が発行している厚生労働白書平成25年版によると、2011(平成23)年医療費総額は38兆6千億円、そのうち後期高齢者の医療費は13兆3千億円で、医療費総額に対する比率は34.5%である[63]。終末期には延命効果は全くないか長くても3か月が限界なので、高齢者の医療費の大部分は終末期ではない医療に使われ、終末期医療には少数の一部しか使われない、その詳細な比率は厚生労働省で公開されていない、または、統計されていない。
延命治療・高齢者医療・ターミナルケア・胃瘻を批判し、延命治療や胃瘻を止めるべき・禁止すべき、医療費を削減すべきと主張する人々は、延命治療・高齢者医療・ターミナルケア・胃瘻などに対して、そのような治療を受けたければ、公的な医療保険を使わず、全額自己負担で医療を受けるべきだと主張しているが、その実現は不可能である。憲法25条は「すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する。国は、すべての生活部面について、社会福祉、社会保障及び公衆衛生の向上及び増進に努めなければならない。」[64]と定めている。
憲法25条に基づいて、公的な医療保険が適用される医療は、治療しなければ死に至る病気・障害を、完全に治癒・回復させる治療、限定的に回復させる治療、進行を遅延させ心身の機能を維持する治療、終末期の緩和ケア治療、心肺停止時の心肺蘇生治療、病気や障害を予防するための医療などの、生命・健康の維持、健康・心身の機能の回復、心身の機能の維持、病気・障害の予防などの医療は全て公的な医療保険の適用対象である。
公的な医療保険の対象外の医療とは、美容整形、人工授精、体外受精、代理出産、性別適合手術性転換などの、生命・健康の維持、健康・心身の機能の回復、心身の機能の維持、病気・障害の予防と関係がない医療である。[独自研究?]
国会において憲法25条の廃止、または、生存権を限定的・選別的に適用し、生きる価値がある人と生きる価値がない人を選別するように、憲法25条を修正すべきと主張する政党や議員団体は存在しない[要出典]ので[65][66][67][68][69]、延命治療・高齢者医療・ターミナルケア・胃瘻を公的な医療保険の対象外にする可能性は、予想可能な範囲内では存在しない。
胃瘻造設に1年間に支払われる医療費は一人当たり約500万円などという記事[24]は全くの虚偽である。胃瘻にかかわる費用は医療費と介護費を合算すると年間で500万円かかるという記事[25]も、胃瘻と無関係に発生する定額介護報酬を合算しているので全くの虚偽である。
厚生労働省が平成24年に改定した診療報酬では、度胃瘻の初期造設の診療報酬(1点=10円)は手術料と材料費がセットで100,700円[70]、胃瘻チューブの交換の手術費は2,000円[71]、胃瘻チューブ交換の材料費はバルーン型が8,200円、バンパー型のガイドワイヤーなしが19,600円、バンパー型のガイドワイヤーありが21,700円であり、手術料+材料費でバルーン型が10,200円、バンパー型のガイドワイヤーなしが21,600円、バンパー型のガイドワイヤーありが23,700円であり、胃瘻交換は6か月に1回・1年に2回なので、年間の継続費用はバルーン型が20,400円、バンパー型のガイドワイヤーなしが43,200円、バンパー型のガイドワイヤーありが47,400円であり[72]、胃瘻の造設・胃瘻の交換に前記以外の費用は発生しいない。胃瘻の造設・胃瘻の交換以外に発生する、医療費や介護費は胃瘻の造設・胃瘻の交換とは無関係に発生するので、胃瘻の造設・胃瘻の交換で発生する費用に含めることは事実に反する。
日本国内で販売されている人工栄養剤の大部分は食品扱いであり医療費には含まれない。食品扱いの人工栄養剤は医療保険が適用される回復期病床・医療療養病床・終末期病床・精神科病床の入院者、介護保険が適用される特別養護老人ホーム・通常型老人保健施設・介護療養型老人保健施設・介護療養病床の入所者に対して提供され、食費として入院者・入所者に請求される。食品扱いの人工栄養剤の1か月分(1mlで1キロカロリーで1200キロカロリーを1日分として×30日分で計算)の費用は製造業者や品種によって異なるが、一般的には25,000円~40,000の範囲内である[73]。
人工栄養剤の一部は医薬品扱いであり急性期病床の入院時に処方され、在宅療養者も希望すれば医師が処方することは可能である。医薬品扱いの人工栄養剤の1か月分(1mlで1キロカロリーで1200キロカロリーを1日分として×30日分で計算)の費用は20,000円~35,000の範囲内である[74][75][76][77][78]。
生命の維持に必要不可欠な人体の機能の回復不可能な障害になった人に対して、生命の維持に必要な人体の機能を臓器移植・人工臓器・薬物投与により代替する延命治療のうち、初期費用が最も高額なのは心臓移植であり、移植用心採取術627,200円[79]+同種心移植術1,929,200円[80]=2,556,400円である。前記の費用はドナーからの摘出とレシピエントへの移植の手術本体だけであり、術前の検査・治療と、術後・退院後の検査・治療・免疫抑制剤の投与などの関連・継続費用、および、移植する臓器を航空移送する費用は含まない。
生命の維持に必要不可欠な人体の機能の回復不可能な障害になった人に対して、生命の維持に必要な人体の機能を臓器移植・人工臓器・薬物投与により代替する延命治療のうち、年間の継続費用が最も高額なのは人工透析であり、厚生労働省の統計によると患者一人当たりの平均値で1年間の費用は4,800,000円である[81][82]。
生命の維持に必要不可欠な人体の機能の回復不可能な障害になった人に対して、生命の維持に必要な人体の機能を臓器移植・人工臓器・薬物投与により代替する延命治療のうち、胃瘻は初期費用も年間の継続費用も最も低価格であり、医療財政に対する負荷を理由に、胃瘻造設術をすべきではない、禁止すべきだ、公的な医療保険の対象外にすべきだとの主張は、生命の維持に必要な人体の機能を臓器移植・人工臓器・薬物投与により代替する延命治療のうち、胃瘻造設術と比較して初期費用や年間の継続費用が高価な全ての医療に対しても、治療するべきではない、禁止すべきだ、公的な医療保険の対象外にすべきだと主張しないと整合性がないが、胃瘻造設術をすべきではない、禁止すべきだ、公的な医療保険の対象外にすべきだと非難・糾弾する人々は、胃瘻造設術と比較して初期費用や年間の継続費用が高価な医療に対して、治療するべきではない、禁止すべきだ、公的な医療保険の対象外にすべきだとは主張していない、その理由も説明していない。[独自研究?]
公的な介護保険が適用される介護サービスの、施設介護サービスの特別養護老人ホームの介護報酬[83]、老人保健施設の介護報酬[84]、介護療養病床の介護報酬[85]、特別養護老人ホームと老人保健施設の場合、経管栄養から経口摂取に回復させる訓練をする場合に報酬の加算がある。在宅介護サービスの[86]訪問介護、訪問看護、訪問入浴、訪問リハビリ、通所介護、通所リハビリ、特別養護老人ホーム・老人保健施設・介護療養病床へのショートステイは定額制で胃瘻の有る無しで単価に差異はない。
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日本の新聞・テレビ放送・雑誌・書籍の報道の延命治療に関する批判は、「日本は過剰な医療費・無駄な医療費を浪費しているから、医療費を削減すべき、削減すべき対象は高齢者医療費や延命治療費だ」と主張している[11][12][13][14][15][16][17][18][19][20][21][22][23][24][25][26]が、WHOの統計が示しているように、日本は医療分野に投入される人的・物的・金銭的資源のGDPや人口に対する比率は先進国の平均値よりも小さいので[87][88]、医療費削減を主張する前提となる認識が、事実と正反対の虚偽である。WHOも日本が過剰な医療費を浪費しているとの認識も、医療費を削減すべきとの勧告もしていない[89][90]。
世界保健機関が公開しているWorld Health Statisticsの2013年度版によると、医療分野に投入される人的・物的・金銭的資源のGDPや人口に対する比率の先進国の平均値は、GDPに対する医療費の比率は12.4%(データは2010年度)[87]、医療費総額に対する公費負担率は61.9%[87]、人口1万人に対する医師数は27.1人(データは2012年度)[88]、看護師数は72.4人(データは2012年度)[88]である。日本はGDPに対する医療費の比率は9.2%[87]、医療費総額に対する公費負担率は80.3%[87]、人口1万人に対する医師数は21.4人[88]、看護師数は41.4人[88]である。
日本は医療分野に投入される人的・物的・金銭的資源のGDPや人口に対する比率の先進国の平均値と比較して、医療費は74.2%[87]、医師数は78.7%[88]、看護師数は57.2%[88]の投入率・割当率である。日本の場合、データ年度と比較して、医療費を35%増大させ[87]、医師数を27%増加させ[88]、看護師数を75%増加させると[88]、医療分野に投入される人的・物的・金銭的資源のGDPや人口に対する比率の先進国の平均値と同水準になる[88]。
ただし、日本の場合、GDPに対する医療費の比率9.2%は先進国の平均値12.4%と比較して、GDOに対する%比率で3.2ポイント低く[87]、GDPに対する%比率の比率で25.8%低いが、医療費総額に対する公費負担率は先進国の平均値である61.8%と比較して、80.3%と、医療費総額に対する%比率で18.5ポイント高く[87]、医療費総額に対する%比率の比率で20.3%高く、GDPに対する医療費の公費負担率は先進国の平均値7.7%と比較して、日本は7.4%で近似値であり[87]、GDPに対する医療費の公費負担率においても、日本は過剰な医療費を浪費している事実は存在しない。
日本の国会に議席を持つ政党や日本国民の中にも、日本の現状の社会保障・医療・介護・福祉の制度は、先進国の平均値と比較して、GDPや人口に対する人的・物的・金銭的資源の投入比率が低いので、現状よりも資源の投入を拡大し、社会保障・医療・介護・福祉を整備・充実させるべきという主張も存在する[65][66][67][68][69]。
公的な社会保障制度として提供される社会保障歳出・保健医療歳出は、科学・技術の向上、医学・医療技術の向上、経済・産業の増大・発展、政府財政の増大により、医療事業者が提供できる・市民が享受できる、医療の質の向上・医療の範囲や数量の増大により、平均寿命が上昇し高齢者人口が増大することにより、第二次世界大戦のような大規模な戦争や、1930年代の世界恐慌のような大規模な不況が発生した特定の時期・特定の国を例外として、通常は金額ベースでもGDP比・政府歳出比でも、単年度の増減はあっても5年・10年単位やそれ以上の時間単位の推移では時代の進行とともに増大する[91][92][93][94][95]。
日本の新聞・テレビ放送・雑誌・書籍の報道は延命治療に関して、「日本は平均寿命が世界最高であっても、高齢者に対して欧米諸国がやらない延命治療をしているから、見かけ上・統計上は平均寿命が高いだけであり、高齢者に対して欧米諸国がやらない延命治療の部分を除けば、寿命の質は欧米諸国よりも低い」と報道している[要出典]が、世界保健機関が公開しているWorld health Statisticsの平均寿命・平均健康寿命・平均寿命-平均健康寿命=非健康生存期間を、先進国・高所得国の平均値、有名な先進国・高所得国と比較すると事実ではない。
日本は平均寿命も平均健康寿命も世界最高であるが[96]、平均寿命・平均健康寿命・平均寿命-平均健康寿命=非健康生存期間を、西欧・北欧の有名な諸国と比較すると、同値か近似値であり、日本の平均寿命-平均健康寿命=非健康生存期間7年は、先進国・高所得国の平均値の10年と比較して3年短く[96]、先進国の中では最短であり、日本人が寿命全体に対して健康で自立して生存できる期間は先進国の平均値より6年長くる[96]、平均寿命に対する平均健康寿命の比率は91.6%で、先進国・高所得国の平均値87.5%と比較して4.1%高く、先進国の中で最高である[96]、「日本は高齢者に対して欧米諸国がやらない延命治療をしているから、見かけ上・統計上は平均寿命が高いだけ」という報道は事実ではなく虚偽である。
国名 | 平均寿命[96] | 平均健康寿命[96] | 平均寿命-平均健康寿命 =非健康生存期間 |
GDPに対する 医療費の比率 |
医療費総額 に対する |
GDPに対する 医療費の |
人口1万人中の 医師数(人)[88] |
人口1万人中の 看護師数(人)[88] |
||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
男性 | 女性 | 両性 | 男性 | 女性 | 両性 | 男性 | 女性 | 両性 | ||||||
オーストラリア | 79 | 84 | 82 | 72 | 75 | 74 | 7 | 9 | 8 | 9.0 | 68.5 | 6.2 | 38.5 | 95.9 |
オーストリア | 77 | 83 | 80 | 70 | 74 | 72 | 7 | 9 | 8 | 11.0 | 76.2 | 8.4 | 48.6 | 79.7 |
ベルギー | 77 | 82 | 80 | 70 | 74 | 72 | 7 | 8 | 8 | 10.5 | 75.6 | 7.9 | 37.8 | 222.1 |
カナダ | 78 | 83 | 81 | 71 | 75 | 73 | 7 | 8 | 8 | 11.4 | 71.1 | 8.1 | 20.7 | 104.2 |
デンマーク | 76 | 81 | 78 | 70 | 73 | 72 | 6 | 8 | 6 | 11.1 | 85.1 | 9.4 | 34.2 | 160.9 |
フィンランド | 76 | 83 | 79 | 70 | 75 | 72 | 6 | 8 | 7 | 9.0 | 74.5 | 6.7 | 29.1 | 239.6 |
フランス | 77 | 84 | 81 | 71 | 76 | 73 | 6 | 8 | 8 | 11.7 | 76.9 | 9.0 | 33.8 | 93.0 |
ドイツ | 77 | 82 | 80 | 71 | 75 | 73 | 6 | 7 | 7 | 11.5 | 76.8 | 8.8 | 36.9 | 113.8 |
イスラエル | 79 | 82 | 81 | 72 | 74 | 73 | 7 | 8 | 8 | 7.7 | 61.7 | 4.8 | 31.1 | 49.7 |
イタリア | 79 | 84 | 82 | 73 | 76 | 74 | 6 | 8 | 8 | 9.5 | 77.6 | 7.4 | 38.0 | 不明 |
日本 | 79 | 86 | 83 | 73 | 78 | 76 | 6 | 8 | 7 | 9.2 | 80.3 | 7.4 | 21.4 | 41.4 |
オランダ | 78 | 82 | 80 | 72 | 74 | 73 | 6 | 8 | 7 | 12.1 | 84.8 | 10.3 | 不明 | 不明 |
ニュージーランド | 78 | 83 | 81 | 72 | 74 | 73 | 6 | 9 | 8 | 10.1 | 83.2 | 8.4 | 27.4 | 108.7 |
ノルウェー | 78 | 83 | 81 | 72 | 74 | 73 | 6 | 9 | 8 | 9.3 | 85.5 | 8.0 | 41.6 | 319.3 |
大韓民国 | 76 | 82 | 79 | 68 | 74 | 71 | 8 | 8 | 8 | 7.1 | 58.2 | 4.1 | 20.2 | 52.9 |
スペイン | 78 | 84 | 81 | 71 | 76 | 74 | 7 | 8 | 7 | 9.6 | 74.2 | 7.1 | 39.6 | 不明 |
スウェーデン | 79 | 83 | 81 | 72 | 75 | 74 | 7 | 8 | 7 | 9.6 | 81.0 | 7.8 | 38.7 | 不明 |
スイス | 79 | 84 | 82 | 73 | 76 | 75 | 6 | 8 | 7 | 10.9 | 65.2 | 7.1 | 40.8 | 174.9 |
イギリス | 77 | 82 | 80 | 71 | 73 | 72 | 6 | 9 | 8 | 9.6 | 83.2 | 8.0 | 27.7 | 94.2 |
アメリカ合衆国 | 76 | 81 | 78 | 68 | 72 | 70 | 8 | 9 | 8 | 17.6 | 48.2 | 8.5 | 24.2 | 98.7 |
高所得国[97]の平均 | 77 | 82 | 80 | 68 | 72 | 70 | 9 | 10 | 10 | 12.4 | 61.8 | 7.7 | 27.1 | 72.4 |
世界の平均 | 65 | 70 | 68 | 58 | 61 | 59 | 7 | 9 | 9 | 9.2 | 58.9 | 5.4 | 13.9 | 29.0 |
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日本の新聞・テレビ放送・雑誌・書籍の報道は延命治療に関して、「日本の法律では、医師や患者の家族が、病気・障害を治癒・回復させる治療、病気・障害を限定的に回復させる治療、病気・障害から心身の機能を維持する治療、病気・障害・老衰の進行を遅延させる治療、終末期の人の死亡時期を遅延させる治療、心肺停止した人の心肺機能を蘇生させる治療などの延命治療をしない、または、前記の治療を開始しても中止すると、殺人罪で有罪になり、医師免許も剥奪されるので、延命治療をやらざるを得ない。」と報道しているが、前記の認識は事実ではなく誤認・誤解である。[独自研究?]
安楽死・尊厳死・延命治療の中止・延命治療の不開始に関して、日本の法律が容認していない行為は薬物の投与などの手段による「積極的な安楽死」だけである。患者本人の意思、または、患者の意思確認が不可能な場合は患者の親・子・配偶者の意思、または、患者本人も家族の意思も確認できない場合は医師の判断で、病気・障害を治癒・回復させる治療、病気・障害を限定的に回復させる治療、病気・障害をから心身の機能を維持する治療、病気・障害の進行を遅延させる治療、終末期の人の死亡時期を遅延させる治療、心肺停止した人の心肺機能を蘇生させる治療を開始しない、治療を中止して患者を死に至らせる消極的安楽死は殺人罪にはならない。
1991年4月に発生した東海大学安楽死事件[98][99]、1998年11月に発生した川崎協同病院事件で、患者を安楽死させた医師が殺人罪で有罪判決を受けた理由は、終末期の患者に対して塩化カリウムや筋弛緩剤などを投与して患者を死に至らせる、積極的な安楽死をさせたからである。
東海大学安楽死事件に対する1995年3月の横浜地方裁判所の判決(検察官も被告人・弁護人も控訴せず地裁判決が確定判決)では、積極的安楽死が容認される条件として下記の4条件を示した。
裁判所の判決では積極的安楽死が容認される上記の4条件を示したが、立法機関である国会 (日本)で合法化されたことはなく、法務省や厚生労働省において合法化のための法律改正案は検討されず、国会に法案提出もされていない。
積極的安楽死以外の場合、患者本人の意思により、または、患者の意思確認が不可能な場合は患者の親・子・配偶者の意思により、病気・障害を治癒・回復させる治療、限定的に回復させる治療、進行を遅延させ心身の機能を維持する治療、終末期の人の死亡時期を遅延させる治療、心肺停止した人の心肺機能を蘇生させる治療を開始せずに、または、治療を開始してもある時点で中止して、結果として患者を消極的に安楽死させることは殺人罪その他の罪にはならない。前記のように消極的安楽死させたことに対して、殺人罪その他の罪で有罪判決を受けた判例は確認されていない。
患者本人の意思も、患者の親・子・配偶者の意思も確認できない場合、患者の病気・障害を治癒・回復させる治療、限定的に回復させる治療、進行を遅延させ心身の機能を維持する治療、前記の治療方法がない場合は、医師の判断により、前記の治療を開始しなくても、終末期の人の死亡時期を遅延させる治療、心肺停止した人の心肺機能を蘇生させる治療を開始しなくても、医師は殺人罪その他の罪にはならず、前記のような状況で殺人罪その他の有罪判決を受けた判例は確認されていない。
日本のように憲法において、国家の統治モデルおよび国家と国民・市民の関係モデルとして、国民主権・人権保護を根本的な価値観として定めている国は、国民・市民の自己決定権を最大限に尊重する法体系になっている。
日本の法律では、医療を受ける場合に、治療に対する患者本人または患者の代理権者である家族の意思を最大限に尊重する法体系になっている[100][101][102]。
日本の新聞・テレビ放送・雑誌・書籍の報道は延命治療に関して、「延命至上主義の考えは日本人に多数意見である、日本人は欧米人と比較して延命至上主義の人が多い」と報道しているが、前記の仮説に社会科学的に証明された証拠はなく、それを推測させる間接証拠・状況証拠も確認されていない。日本人の多数意見は延命至上主義ではなく、欧米人と比較して、生命を軽視する、死をためらわない、死を賛美する傾向は、歴史上の事実としても、社会統計的にも存在する。[独自研究?]
現在の社会に普及している医学上の仮説・研究・発見・証明、医療技術の考案・発明・設計・実用化の大部分は欧米諸国でなされ[103]、第二次世界大戦以後はアメリカ合衆国の業績が顕著であり[103]、その結果、妊産婦死亡率、周産期死亡率、胎児死亡率、新生児死亡率(1月未満)、乳児死亡率(1歳未満)、乳幼児死亡率(5歳未満)、成人死亡率(15~60歳)は著しく減少し、平均寿命・平均健康寿命は著しく向上した。
キリスト教文化圏では、宗派の教義や戒律で自殺は神の教えに反するという理由で禁忌・禁止されているので、自殺が名誉、自殺で解決、自殺で謝罪という考えは一般的ではない。
キリスト教文化圏の諸国では戦争時に、自国や自軍の戦況が不利になると撤退して戦力を立て直して反撃に備えるのか、撤退が不可能な場合は降伏して捕虜になるのが普通であり、自国や自軍が全滅するまで戦うという考えはなく、自国や自軍の人員の死傷率が高くなることをできるだけ避けようとする考えが一般的である。
日本人の武士は平安時代の末期から明治時代の初期まで、戦で敵に捕らえられて斬首されることを恥とみなし、捕らえられる前に自害することを名誉とみなし、戦の勝敗が挽回不能になると負けた側は自害していた。明治時代から第二次世界大戦終結までの期間の日本の軍人は、戦争で敵に捕らえられて捕虜になることを恥とみなし、戦闘の勝敗が挽回不可能になったら、全滅するまで戦う玉砕戦法をするかまたは自害し、戦闘による死者の増加を考慮しない人海戦術や補給の軽視により、戦時の軍人の死亡率は他の先進国と比較して高かった。
日本人は江戸時代中期の赤穂事件、江戸時代末期の新選組、第二次世界大戦末期の神風特別攻撃隊・回天特別攻撃隊のように、政治的・軍事的な目的を達成できる見込みがないのに、命を失うことと交換の殺傷を現在でも賛美し続けている。[独自研究?]
日本は自殺率の統計を取り始めた1900年当時から2000年代に至るまで先進諸国の中でも自殺率が著しく高い[104][105][106]状態が継続している。
日本にも他の先進諸国と同様に、最終的には患者を看取ることを目的とする、医療施設としての終末期病床・慢性期病床、介護施設としての特別養護老人ホーム・介護療養型老人保健施設、在宅医療、在宅介護サービスが普及し、前記の医療や介護においては終末期の死亡時期を遅延させるための治療や、心肺停止時の蘇生措置は行わない。[要出典]
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