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出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2017/09/23 06:57:42」(JST)
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原爆症(げんばくしょう、英語: atomic-bomb sickness)とは、原子爆弾(原爆)の爆発による、主に放射線障害の略称。原子爆弾症・原子爆弾傷とも表記する。
発症は被爆直後の場合が多いが、10年、20年経った後に発症することも少なくない。広島・長崎への原爆投下から70年以上経った現在でも、新たに発症するケースが見られる。また、直接被爆をしていなくても、原爆投下直後に救援等のため被災地に入ったことによっていわゆる「入市被爆」したり、放射性降下物を含んだ「黒い雨」を浴びたり、さらに母胎内で被爆して生まれた子供にも発症した。広島市、長崎市では被爆直後は健康に見えた人の容態が突然悪化し、死亡したケースが数多く確認されている。多くの場合、体にだるさを感じた後、目が見えなくなったり、節々に痛みを感じたりしたのち死亡した。原子爆弾が投下された当時、一部を除いて医療関係者でも放射線障害に関する知識が皆無であったため、治療を施した後や外見上問題のない者が死んだり、被災地域に入っただけの者が発症して倒れる現象を『ピカの毒にあたった』と表現して恐れた。これは当時、原子爆弾の中に人体に有害な毒ガスが混入されており、それが原因で発症する疾病という俗説があったためである。
放射線被曝は、骨髄等の細胞周期の短い細胞に大きな影響を与える確率が高い(いわゆるベルゴニー・トリボンドーの法則)ため、白血病等の血液悪性腫瘍を引き起こすことはよく知られている。また、被曝の数十年後の発癌の確率が高まる。これらの科学的知見は放射線影響研究所によって大規模コホート調査によって証明された。
放射線被曝による障害の詳細は放射線障害参照
制度において原爆症とは原子爆弾被爆者に対する援護に関する法律により、専門家の意見を聞いた厚生労働大臣により認定される[1]。認定の基準には、要医療性、放射線起因性の2点を満たす必要がある。 つまり、制度における原爆症の定義と一般的な意味における原爆症の意味には乖離がある。
広島市には広島赤十字・原爆病院が、長崎市には日本赤十字社長崎原爆病院が設置されている。また、当時日本領であった韓国にも同様の施設が設置されている。
原爆症と認定される範囲
悪性腫瘍(固形がんなど)、白血病、副甲状腺機能亢進症の場合
- 被爆地点が爆心地より約3.5km内である者
- 原爆投下より約100時間以内に爆心地から約2km以内に入市した者
- 原爆投下より約100時間経過後から、原爆投下より約2週間以内の期間に、爆心地から約2km以内の地点に1週間程度以上滞在した者
心筋梗塞、甲状腺機能低下症、慢性肝炎・肝硬変の場合
- 被爆地点が爆心地より約2.0km以内である者
- 原爆投下より翌日までに爆心地から約1.0km以内に入市した者
放射線白内障(加齢性白内障を除く)の場合、
なおこれらの場合、認定の判断に当たっては、格段に反対すべき事由がない限り積極的に認定を行うため、申請者から可能な限り客観的な資料を求めることとするが、客観的な資料が無い場合にも、申請書の記載内容の整合性やこれまでの認定例を参考にしつつ判断される[2]。
脚注
- ^ 被爆者健康手帳が交付されるのは被爆者と定義される者。手帳取得者が申請をして認定されるのが原爆症である。
- ^ 厚生労働省-被爆者として認定する範囲
関連項目
- 原子爆弾
- 日本への原子爆弾投下
- 核兵器
- 原爆ぶらぶら病
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放射線(物理学と健康) |
| 単位 |
放射線量の単位 - 放射能の単位
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| 測定 |
放射線・放射能計測機器
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| 放射線の種類 |
電磁放射線(X線 - ガンマ線)- 粒子放射線(アルファ線 - ベータ線 - 中性子線 - 陽子線) - 非電離放射線
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| 物質との相互作用 |
各放射線と物質との相互作用
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| 放射線と健康 |
| 基本概念 |
放射線生物学 - 放射線医学 - 放射線被曝 - 保健物理学
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| 放射線の利用 |
放射線源 - 放射線療法(レントゲン(X線撮影)- ポジトロン断層法 (PET) - コンピュータ断層撮影(CTスキャン))- 後方散乱X線検査装置 - 食品照射 - 原子力電池
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| 法律・資格 |
放射線管理区域 - 放射線管理手帳 - 診療放射線技師 - 放射線取扱主任者 - 技術士原子力・放射線部門 - 原子炉主任技術者 - 核燃料取扱主任者 - エックス線作業主任者 - ガンマ線透過写真撮影作業主任者 - 日本の原子力関連法規
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| 放射線と健康影響 |
放射線障害 - 放射線の健康影響
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| 放射能被害 |
放射能汚染 - 核実験の一覧 - 原子力事故 - 原子力事故の一覧
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| 関連人物 |
放射線研究者
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| 関連団体 |
日本の原子力関連組織 - 原子力関連の国際組織
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| 関連用語、その他 |
放射線量 - 放射能 - 放射性物質 - 放射性降下物
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Category:放射線
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Japanese Journal
- 原爆症認定制度の厳格化 : 当院の現状とAさんの事例から
- 核兵器のない未来に向けて : 高校生1万人署名 : ビリョクだけど ムリョクじゃない! (被爆70年 医師たちの原爆症「被爆者医療に関わって」)
- 広島の被爆訴訟支援の取り組み : 医師としてなすべきこととは (被爆70年 医師たちの原爆症「被爆者医療に関わって」)
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- 原爆症認定訴訟とは??・・・言葉の意味については下記をご参照下さい 原爆症(げんばくしょう)とは、原子爆弾(原爆)による被災による健康障害の総称で、「原子爆弾症」の略称です。原爆には三つの区分があり、
- 原爆症認定について紹介しています。 ... 認定申請については、疾病・傷害ごとに申請することができ、疾病・傷害ごとに認定または却下されます。つまり「人」に対する認定ではなく、「病気」 に対する認定であるため、Aという病気 ...
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