出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2013/10/17 15:14:26」(JST)
単眼症(Cyclopia) | |
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分類及び外部参照情報 | |
ICD-10 | Q87.0 |
ICD-9 | 759.89 |
プロジェクト:病気/Portal:医学と医療 | |
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単眼症(たんがんしょう、cyclopia サイクロピア)は先天奇形の一種。本来2個ある眼(目、眼球)が顔面の中央に1個しか形成されず、鼻の位置や形も異常を呈するか無形成となる。脳の形成異常に伴う重症の奇形で、症例はごく稀であり、ほとんどが死産もしくは出生直後に死亡する。ヒトのみならず動物にもみられる。
全前脳胞症と呼ばれる中枢神経の形成異常のうち、最も重症例に起こる。胚の初期(受胎後5-10週目)には前脳胞という部分が2つに分離して大脳の左右両半球が形作られるが、この過程が阻害されると大脳が左右に分割せず、ひとかたまりのまま低形成に至る。軽度であれば大脳の機能低下に伴う知的障害、運動障害がみられる程度であるが、重度になると顔面部の二分化も行なわれず、単眼症になる。
胎児の発生初期には眼胚の上方に鼻胚があり、眼が左右に分離した後に鼻がその間を通って眼の下方に位置するようになるが、単眼症では鼻の移動ができず、単眼の上方(額の部分)に位置するか、あるいは全く形成されずに終わることもある。鼻が形成された場合でも、鼻孔は一つしかなく、親指大の管状になって額に位置し、象鼻と呼ばれる特異な形状を呈する。口や耳は正常に近い形で形成されることが多い。視覚は正常に発達せず、また重い知的障害を伴うと考えられるが、単眼症児は生誕してもほとんどが1年以内に死亡するため、詳細はわかっていない。
遺伝的なものと化学的なものがある。前者は染色体異常と遺伝子変異によるものであり、後者はビタミンAの摂取不足が上げられ、動物の場合、草食獣においてはある種の植物の摂食が原因となる場合もある。ヒトについては、ドメスティックバイオレンス (DV) などの強い精神的ストレスが原因となるとの意見、また近年単眼症児の出生が増えているとの意見もあるが、正確な統計は得られておらず、医学的な裏付けはない。
単眼症の胎児ができても、多くは早期に自然流産するので出生は稀であり、ビタミンA不足や精神的ストレスがあってもかならず起こるものでもなく、他にもさまざまな条件が複雑に影響しあった結果であるから、神経質になる必要はない。また、超音波などによる出生前診断によって事前に知ることができる。
動物でも見られる。例えばヤギは単眼症でもしばらく生存できる個体が多く[1]、度々話題になる。
かつて、米国アイダホで短期間に単眼症のヒツジが複数頭確認されるという出来事があり、調査の結果、そのヒツジらが口にしていたユリ科のバイケイソウの仲間western false hellebore (Veratrum calfornicum) が動物の細胞の増殖活動を阻害する物質を持っていたのが原因と判明した。なお、その発見された物質はこの出来事にちなんでシクロパミンと命名され、一部の抗がん剤などに用いられている
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リンク元 | 「全前脳胞症」「単眼奇形」 |
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