医原性クッシング症候群

出典: meddic

iatrogenic Cushing syndrome
医原性副腎皮質機能低下症 iatrogenic adrenocortical insufficiency
クッシング症候群糖質コルチコイド
  • 治療目的での糖質コルチコイドの長期連用による副作用が出現した病態。
  • 本病態では下垂体-副腎系が抑制され内因性の副腎皮質ホルモン産生能が低下する。
  • 従って、ステロイド漸減、あるいはストレス負荷時には副腎皮質ホルモンが欠乏する病態が出現しうる。


UpToDate Contents

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和文文献

  • P2-127 関節リウマチに対する薬物治療による副作用 : 医原性クッシング症候群が疑われた症例(一般演題 ポスター発表,有害事象・副作用,医療薬学の創る未来 科学と臨床の融合)
  • 細田 美穂,岡崎 宏美,千堂 年昭,川崎 博己
  • 日本医療薬学会年会講演要旨集 19, 408, 2009-09-15
  • NAID 110007485331
  • 研究・症例 副腎皮質ホルモン配合剤の長期内服により成長障害と副腎皮質機能低下を来したアレルギー性疾患の2症例
  • 米倉 圭二,小野 麻由子,藤田 直人 [他]
  • 小児科臨床 58(1), 126-130, 2005-01
  • NAID 40006563853

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特に医原性クッシング症候群の場合はアレルギー疾患など長期にわたり副腎皮質ホルモン を飲ませている子に多い傾向があります。 ... 医原性クッシング症候群が考えられる 場合は、今まで飲んでいた薬の種類、その量、日数など処方歴を詳しく見直して動物 ...

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先読み糖質コルチコイド
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関連記事クッシング症候群」「症候群」「」「症候」「医原性

糖質コルチコイド」

  [★]

glucocorticoid (Z), glucocorticoids
グルココルチコイド
副腎皮質副腎皮質ホルモン
  • 以下、内的に合成される糖質コルチコイドについて述べる

種類

分類

性状

  • ステロイド

産生組織

標的組織

生理作用

1. エネルギー代謝

糖新生においてグルコースの前駆体となるアミノ酸を肝臓に供給すべく動員する作用 (SP.894)

a. 糖代謝作用

糖新生の亢進
血糖上昇
肝細胞以外のグルコースの取り込みを抑制 (SP.894) ← 末梢でインスリンの作用に拮抗
グルコース-6-ホスファターゼの活性亢進 (SP.894)
グリコーゲンの合成亢進
血糖値の上昇に伴い、肝臓などでグルコースからグリコーゲンが作られる (SP.894)

b. タンパク質代謝作用

肝臓での糖新生の基質を末梢から供給する作用
肝細胞以外でのアミノ酸取り込み阻害 (SP.894)
特定のアミノ酸合成を阻害 (SP.894)
生理的範囲:(肝臓)同化作用が起こる、(肝臓以外)異化作用が起こる
ステロイド大量投与時:ほとんど異化作用が起こる→副作用につながる

c. 脂質代謝作用

  • 脂肪細胞に対して、インスリンの拮抗作用を持つが、一方で糖質コルチコイドにより血糖値が上昇する
  • 脂肪分解↑→血糖値↑ …(1)
脂肪細胞に対してグルコースの取り込みを抑制し、中性脂肪の生合成を抑制し、さらに大量の遊離脂肪酸とグリセロールを放出させる。肝臓でグリセロールからグルコースが合成される。 (SP.894)
  • 血糖値↑→脂肪合成↑ …(2)
血糖値の上昇によりインスリンが分泌され、脂肪細胞で脂肪の合成が促進される (SP.894)
  • (1)、(2)のいずれの反応が起こるかは体の部位によって異なり、脂肪分布の変化が生じる。
中心性肥満、満月様顔貌、バッファローハンプ

2. 電解質代謝作用

糖質コルチコイドの電解質コルチコイド様作用。
Na+再吸収↑、K+排泄↑
コルチゾールの電解質作用はアルドステロンの約1/400
コルチゾールの量    はアルドステロンの約 200倍
ゆえに、電解質コルチコイドの1/2の作用力を持つ

3. 水代謝作用

GFR↑、ADHに拮抗、細胞内への水移動の抑制→水利尿作用を有する。  尿崩症 + 副腎不全 → 多尿がいくらか改善されると考えて良いと思われる。仮面尿崩症

4. 骨・軟骨に対する作用

  • a. ビタミンDと拮抗して腸管からのCa吸収阻害 (SP.894)
  • b. 腎尿細管におけるCa再吸収阻害 (SP.894)
  • c. 骨芽細胞の分化・増殖を抑制 (SP.894)
糖質コルチコイドの大量投与→軟骨↓骨成長↓(活性型ビタミンD3に拮抗・尿細管Ca再吸収↓→PTH↑、骨芽細胞の分化抑制、タンパク質の異化作用↑)→骨粗鬆症、骨壊死 or 骨端線閉鎖を促進(←?要調査)
b.の機序で尿に排泄されるカルシウムが増加  →  高カルシウム尿症 → 尿路結石

5. 抗炎症作用

  • 胸腺やリンパ組織を萎縮させる → 炎症反応や免疫反応を抑制
リンパ球数の減少、白血球の遊走抑制、抗体産生低下、ヒスタミン放出抑制(局所の毛細血管拡張抑制) (SP.894)
末梢好中球数は増加する(YN.F-78) → 白血球増多症

SPC.330

  • a) 核内受容体を介してlipocortinを発現させ、これがphospholipase A2を阻害する。これにより、アラキドン酸の産生が抑制され、炎症を促進するロイコトリエンの産生も抑制される。
  • b) 末梢血Tリンパ球、単球、好酸球、好塩基球:骨髄からの放出減少と再分配(?)のため末梢血中では減少する。
  • c) 末梢血好中球:炎症部位への集合が抑制され(血管外への遊走が抑制される(GOO.1600))、末梢血中では増加する。
  • d) Bリンパ球はヘルパーT細胞が抑制されるために抗体産生能が減少する。
  • e) リンパ球などの細胞表面の立体構造を換えて抗体や補体の結合を抑制する。
  • f) 毛細血管(毛細管)の収縮により、血管の透過性は低下する。

6. 循環器

  • カテコールアミン・アンジオテンシンIIによる血管収縮作用の許容作用 → 糖質コルチコイドなしではその作用を十分に及ぼし得ない
欠乏症では血管のカテコールアミン・アンジオテンシンIIに対する感受性低下

7. 中枢神経系

  • 認知機能や情動を修飾 (SP.895)

8. 成長発達

  • 胎児期の消化酵素・リン脂質(肺胞表面の張力に関与)の合成に関与 (SP.895)
  • 小児期で骨や熱強訴域に直接作用して身長の伸びを抑制する (SP.895)

作用機序

免疫抑制(GOO. 657,674,1600)

糖質コルチコイドはリポコルチンを産生→リポコルチンはホスホリパーゼA2の活性を修飾→アラキドン酸産生↓

分泌調節

  • 1. 概日リズム
  • 2. フィードバック制御
    • 糖質コルチコイドがACTHCRHを抑制
  • 3. ストレス反応

臨床関連


  • 合成ステロイドホルモン

副作用

副腎皮質ホルモン剤
Table 59–2 Relative Potencies and Equivalent Doses of Representative Corticosteroids
COMPOUND ANTIINFLAMMATORY POTENCY Na+-RETAINING POTENCY DURATION OF ACTION* EQUIVALENT DOSE, MG
cortisol 1 1 S 20
cortisone 0.8 0.8 S 25
fludrocortisone 10 125 I
prednisone 4 0.8 I 5
prednisolone 4 0.8 I 5
6α-methylprednisolone 5 0.5 I 4
triamcinolone 5 0 I 4
betamethasone 25 0 L 0.75
dexamethasone 25 0 L 0.75


-グルココルチコイド
-グルココルチコイド
-glucocorticoid


iatrogenic adrenocortical insufficiency」

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iatrogenic Cushing syndrome」

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医原性副腎皮質機能低下症」

  [★] 医原性クッシング症候群


クッシング症候群」

  [★]

Cushing syndrome, Cushing's syndrome
(国試)Cushing症候群
アジソン病糖質コルチコイド、発症前クッシング症候群
  • first aid step1 2006 p.253,259,296
糖質ステロイドの分泌過剰 ⇔ アジソン病

概念

  • 糖質コルチコイドの分泌が過剰であるために引き起こされる症候群
  • 副腎皮質の腺腫・癌、原発性副腎皮質結節性過形成、異所性ACTH産生腫瘍、下垂体過形成、下垂体腺腫(クッシング病)に分類される。

疫学

  • 成人女性に多い(男:女=1:3-4。30-50歳代)
  • 平成9年度の全国調査では年間発生数は 100-160例程度
  • Cushing病:35.8%
  • 副腎皮質腺腫: 47.1%
  • 異所性ACTH産生腫瘍:3.6%

病因

鑑別診断

LAB.713改変

ACTH依存性 疾患 血漿ACTH 尿中17-OHCS 尿中17-KS デキサメタゾン抑制試験 メチラポン負荷試験
少量 8mg
依存 クッシング病
(下垂体型)
↑/- や↑ 抑制無し 抑制 ++
依存 異所性ACTH産生腫瘍 ↑↑↑ ↑↑ 抑制無し 抑制無し
非依存 副腎腫瘍 副腎腺腫 ↑/- 抑制無し 抑制無し
副腎癌 ↑↑
非依存 原発性副腎過形成 抑制無し 抑制無し

IMD.956

ACTH依存性 疾患 血漿ACTH 尿中17-OHCS 尿中17-KS デキサメタゾン抑制試験 メチラポン負荷試験 CRH試験
少量 8mg
依存 クッシング病
(下垂体型)
↑/- や↑ 抑制無し 抑制 ++ ++
非依存 副腎腺腫 ↓/- 抑制無し 抑制無し
副腎癌 ↑↑ 抑制無し 抑制無し
依存 異所性ACTH産生腫瘍 ↑↑ ↑↑ 抑制無し 抑制無し

病態生理

  • 1. 満月様顔貌、中心性肥満、buffalo hump、体重増加
  • コルチゾールの過剰による特徴的な脂肪沈着
  • 2. 皮膚線条、皮下出血、
  • 線維芽細胞が抑制され、間質組織が脆弱になり、皮膚が菲薄化。また、急激な肥満により皮膚の成長が追いつかず皮膚が引き延ばされるため?
  • 3. 浮腫
  • 4. 皮膚の菲薄化 、創傷治癒の遅延、皮膚の易感染性
  • 線維芽細胞が抑制され、間質組織が脆弱になり、皮膚が菲薄化
  • 5. ざ瘡、多毛、
  • 副腎からのアンドロゲンの過剰分泌
  • 6. 高血圧
  • グルココルチコイドのミネラルコルチコイド作用や血管への直接作用
  • 7. 耐糖能低下、糖尿病
  • 肝臓における蛋白の異化亢進→アミノ酸からの糖新生亢進→血糖上昇。末梢組織でのインスリン抵抗性が上昇。
  • 8. (近位筋の)筋力低下
  • 蛋白異化作用亢進の結果、筋肉の異化が亢進する
  • 9. 月経異常(無月経)
  • 副腎からのアンドロゲンの過剰分泌
  • 10. 骨折や骨粗鬆症。
  • コルチゾールの過剰による骨形成の抑制・骨吸収の促進・腸管からのCa吸収抑制、尿中Ca排泄促進(尿路結石の原因になることがあるらしい)
  • 11. 精神症状
  • 12. 成長障害(成長遅延)
  • 13. 免疫抑制

症状

  • 1. 満月様顔貌、中心性肥満、buffalo hump、体重増加
  • 2. 皮膚線条、皮下出血、ざ瘡、多毛、浮腫、皮膚の菲薄化
  • 3. 高血圧
  • 4. 耐糖能低下、糖尿病
  • 5. (近位筋の)筋力低下
  • 6. 月経異常(無月経)
  • 7. 骨折や骨粗鬆症
  • 8. 精神症状:うつ、lethargy
  • 9. 成長障害
  • 10. 免疫抑制
  • 11. 成長遅延
  • 12. 多毛、挫創

鑑別に有用な小児におけるクッシング症候群の症状

診断

検査

血液検査

白血球 白血球増多症
好中球  
好酸球  
リンパ球  
Na  
K 3.5mEq/L以下 ← 低カリウム血症
血糖 高値 ← 耐糖能異常
血漿ACTH 高値 (Cushing病、異所性ACTH産生腫瘍)、それ以外は低値
血清コルチゾール 増加 日中の変動無し
総コレステロール 高コレステロール血症
  • 電解質異常:低カリウム血症 → アルカローシス (低カリウム血症により尿細管からのH+が増加(QB.D-357)???)

尿検査

治療

  • 下垂体腺腫:腺腫:摘除
  • 副腎腺腫・癌:
  • 異所性ACTH産生腫瘍:腫瘍摘除
  • 手術不能例・俯瞰全摘出例・再発例では放射線療法,薬物療法

択する.

予後

予防

症候群」

  [★]

syndrome, symptom-complex
症状群
[[]]
  • 成因や病理学的所見からではなく、複数の症候の組み合わせによって診断される診断名あるいは疾患


内分泌

先天的代謝異常

高プロラクチン血症

分娩後の視床下部障害によるプロラクチン分泌抑制因子の分泌抑制のため、高プロラクチン血症を呈する。
分娩に関係なくプロラクチン分泌抑制因子の分泌抑制をきたし、高プロラクチン血症を呈する。

性腺機能低下

嗅覚の低下・脱出、低ゴナドトロピン性性腺機能低下症
肥満、網膜色素変性症、知能低下、低ゴナドトロピン性性器発育不全、多指症、低身長

性早熟

思春期早発症、多発性線維性骨異形成症、皮膚色素沈着
女性型の肥満、性器の発育障害の2主徴を示し、視床下部に器質的障害をもつ疾患群。

脳神経外科・神経内科

  • Wallenberg症候群 ワレンベルグ症候群:椎骨動脈、後下小脳動脈の血栓塞栓症などで生じる。頚部より下位で温度覚の障害が健側に出現するのに対し、頚部より上位では障害側に温度覚の障害が出現する。



群」

  [★]

group
グループ集団分類群れグループ化


症候」

  [★]

symptom and sign
症状, 徴候 兆候


医原性」

  [★]

iatrogenesisiatrogeniciatrogenically




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