Wikipedia preview
出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2013/02/10 06:23:39」(JST)
[Wiki ja表示]
|
この記事は特に記述がない限り、日本国内の法令について解説しています。また最新の法令改正を反映していない場合があります。ご自身が現実に遭遇した事件については法律関連の専門家にご相談ください。免責事項もお読みください。 |
傷病手当金(しょうびょうてあてきん)とは健康保険、各種共済組合などの加入者が疾病または負傷により業務に就くことが出来ない場合、休業中の生活保障として賃金(標準報酬日額)の一部金額を支給する制度である。
似た名称のものとしての雇用保険の傷病手当があるが、全く異なる制度である。
目次
- 1 概要
- 2 平成18年の法改正
- 3 給付要件
- 4 歴史
- 5 関連文献
- 6 外部リンク
|
概要
疾病または負傷により業務に就くことが出来ない場合、休業中の生活保障として賃金(標準報酬日額)の3分の2が支給される。3分の2とはいっても、会社の休日を含まない場合は支給率は低率になり、会社の休日をはさんで休む場合は支給率は高率になり、傷病手当金>欠勤控除額になることもある。また、有給消化の場合でも会社の休日に対してのみ傷病手当金を受給することができる[要出典]
ただし、同一の傷病事由についての支給期間は最長1年半とされている(健康保険法99条)。
なお、疾病や負傷が業務や通勤を原因とするために労働者災害補償保険(労災保険)または公務災害の補償が適用される場合、および介護保険の適用により傷病手当に相当する支給がなされる場合には、傷病手当金はその全額が支給されない(健康保険法第55条)。
退職などにより被保険者の資格を喪失した場合でも、その前日(退職の当日)まで1年以上継続して被保険者の資格を有しており、傷病手当金の給付要件を満たしていれば、引き続き傷病手当金の給付を受けることが出来る(健康保険法104条)。ただし、退職日当日に出勤の事実がある場合は、退職後の傷病手当金給付は受けられない。
その他、健保組合独自の制度として「付加給付」を上乗せして行う健保組合もある。
平成18年の法改正
平成18年(2006年)の健康保険法一部改正により法45条で「標準報酬日額の6割」とされていた傷病手当金が「標準報酬日額の3分の2」とされた。また、法55条の2では被保険者の資格喪失後も継続して給付を受けられるとされていたが、改正法104条で1年以上の継続加入が必要とされるようになった。任意継続被保険者については継続して給付を受けている場合を除いては、任意継続被保険者と言う要件のみでの傷病手当金の給付は行われなくなった。但し、前述の退職後給付資格がある場合は別段となる。
給付要件
- 被保険者が疾病や負傷により業務に従事できないこと。(業務または通勤等を原因とする疾病、負傷については労災保険が適用となり、健康保険は傷病手当金を含め一切適用できない。)
- 休業期間が3日間を超えるとき。ただし、連続する最初の3日間は待期として傷病手当金は支給されない。また、休業期間中に傷病手当金の金額以上の報酬を得た場合は支給されず、傷病手当金の金額未満の報酬を得た場合は支給調整が行われる。(ここで言う「報酬」は「給与」(諸手当、通勤費含む)であり、「賞与」や「見舞金」は支給調整されない)
- 同一の傷病により障害厚生年金もしくは障害基礎年金を受けている場合、または、老齢厚生年金や老齢基礎年金もしくは退職共済年金を受給している場合、傷病手当金は給付されないか、または支給調整により差額支給が行われる。
- 業務に従事することが出来ない旨の医師の証明書が必要。一般的な医師の診断書と異なり、保険者指定の支給申請書に証明を要する。その関係から、傷病手当金支給申請書への医師証明料は健康保険が適用される。
- 退職後給付の要件(健康保険法104条)
- 前記の給付要件に準じるほか、次の要件がある。
- 1. 退職の当日まで1年以上継続して被保険者の資格を有していること(任意継続中の期間は含まれない)
- 2. 傷病手当金の給付要件を満たしていること(退職日を含まない前日までに、休職した日が通算4日以上あること)、または在職中から給付を受けているか、受けられる状態にあること。
- 在職中に給与等の支払いがあったため支給停止になっていた場合、給付を受けていないが「受けられる状態」にある。
- 3. 在職中、退職日、退職後のいずれも疾病や負傷により業務に従事できないこと。
- 退職日当日に出勤の事実がある場合、退職後の傷病手当金給付は受けられない。例え職場への挨拶目的、私物整理、会社関係者との面談だけであっても出勤とされる場合には、給付が受けられないことになる。
- 4. 支給の除斥期間(暦日で1年6ヶ月経過)を過ぎていないこと。健保組合への確認が必要。
なお、同一の健保の任意継続被保険者でないと給付しないとする健保組合も一部に存在する。退職後の給付には付加給付が付かないか、または任意継続被保険者であることを要件とする組合もある。
歴史
1883年、ドイツのビスマルク内閣のもとで疾病保険法が成立、最低賃金の半額を最高13週まで傷病手当金として給付するとされた。疾病や負傷による休業手当を主とするものを疾病保険、医療費保障を主とするものを健康保険というが、日本ではこの2つをまとめて健康保険として取り扱ってきた。その端緒は大正2年(1913年)に成立するも、関東大震災による混乱などで、ようやく昭和2年(1927年)になって施行された健康保険法である。当初、支給期間は最長180日とされ、労災保険制度が未整備であったため、労災による休業も対象範囲となった。支給額は健保法成立時から長らく6割とされてきたが、平成18年の改正により3分の2とされ、現在に至っている。
関連文献
外部リンク
- 傷病手当金 - 全国健康保険協会
- 詳細は管掌する保険者に確認いただきたい(保険者は被保険者証に記載されている)。健康保険組合管掌の被保険者には独自の付加給付が行われる場合がある。
就業 |
|
個別的労働関係
(雇用関係) |
基本概念 |
労働基準法 • 労働三法 • 労働法 • 労働基本権 • 労働組合法 • 労働関係調整法 • 雇用の分野における男女の均等な機会及び待遇の確保等に関する法律 • 雇用 • 労働安全衛生法 • 最低賃金法 • 雇用保険法 • 労働に関する法令の一覧 (日本) • 労働契約 • ホワイトカラーエグゼンプション • 就業規則 • 雇用契約書 • 労働条件通知書 • 勤労権 • 勤務 • 賃労働 • 雇用調整助成金
|
|
就業形態 |
非典型雇用 • 常勤 • パートタイマー • 個人事業主 • 正規雇用 • 非正規雇用 • 試用期間 • 内職 • 見習い
|
|
就職活動 |
求職 • 内定 • インターンシップ • ワークプレイスメント • 就職活動 • 合同企業説明会 • 就職試験 • 履歴書 • 職務記述書 • 職務経歴書 • 証明写真 • ジョブ・カード制度 • 入社試験 • 面接 • エントリーシート • 名刺 • 新卒一括採用 • リクルートスーツ
|
|
雇用関係 |
労働者 • 使用者 • 従業員 • 雇用主 • 終身雇用 • 管理職 • ボランティア • 男女共同参画
|
|
労働時間 |
週35時間労働制 • フレックスタイム制 • 休日 • 時間外労働 • シフト勤務 • 深夜業 • テレワーク • 労働時間 • 週末 • 休憩時間 • 休暇 • ギャップ・イヤー • 長期休暇 • サバティカル • 病気休暇 • フリーライダー • 社内ニート • 窓際族 • 社内失業 • 人事異動
|
|
賃金処遇 |
同一労働同一賃金 • 男女同一賃金 • 最低賃金 • 割増賃金 • 有給休暇 • 職務給 • 年功序列 • 給与 • サラリーキャップ • ワーキングプア • 就職氷河期 • 就職難 • 平均賃金 • 賞与 • 給料 • 固定給 • 歩合
|
|
福利厚生 |
年次有給休暇 • 全国健康保険協会 • 健康保険 • 国民健康保険 • 日雇健康保険 • 傷病手当金 • 社会保険 • 厚生年金 • 厚生年金基金 • 国民年金 • 国民年金基金 • 共済組合 • 企業年金 • 確定給付年金 • 確定拠出年金 • 船員保険 • 船員手帳 • 老齢基礎年金 • 生命保険 • 遺族年金 • 医療保険 • 後期高齢者医療制度 • 私的年金 • 公的年金 • 年金手帳 • 年金証書 • 育児休業 • 病気休暇
|
|
安全衛生 |
安全衛生教育 • 安全管理者 • 衛生管理者 • 人間工学 • 工場騒音 • 職業病 • 職業外傷 • シックビル症候群 • 労働災害 (殉職) • 過労死 • 労働者災害補償保険 • ワーク・ライフ・バランス • メンタルヘルス • 企業内カウンセラー • 従業員支援プログラム • デジタル土方 • ブラック企業 • デスマーチ
|
|
離職退職 |
退職 • 免職 • 解雇 • 懲戒解雇 • レイオフ • 辞表 • 引退 • 定年退職 • 早期優遇退職 • 退職手当 • 退職届 • 会社都合退職 • 失業 • 求職者給付 • 失業給付 • 失業率 • 整理解雇 • 不当解雇 • リストラ(退職強要 • 退職勧奨) • 転職 • 転勤族 • 懲戒処分 • 分限処分 • 休職 • 失業 • 重処分
|
|
違法行為 |
サービス残業 • 職場いじめ(セクシャルハラスメント • パワーハラスメント • モラルハラスメント) • 強制労働(タコ部屋労働)
|
|
労働意欲 |
怠惰 • 仕事中毒 • 企業戦士 • 社畜 • シュガー社員 • モンスター社員
|
|
|
団体的労働関係
(労使関係) |
労働組合 |
労働組合 • 企業別労働組合 • 職種別労働組合 • 産業別労働組合 • ナショナルセンター (労働組合) • 御用組合 • 紅色組合 • ユニオンショップ
|
|
労働組合の団体の一覧 |
日本労働組合総連合会 • 全国労働組合総連合 • 全国労働組合連絡協議会 (1989-)
|
|
労働組合の一覧 |
フリーター全般労働組合 • 日本航空の労働組合 • 日本プロ野球選手会 • 日本音楽家ユニオン • 日本俳優連合 • コミュニティ・ユニオン全国ネットワーク • 職員団体 • 教職員組合
|
|
団体交渉 |
団体交渉 • 労働協約 • 労使協定 • 春闘
|
|
争議行為 |
争議行為 • ストライキ • ゼネラル・ストライキ • ハンガー・ストライキ • リレーハンスト • 納金スト • 政治スト • 同情スト • ロックアウト • ピケッティング
|
|
|
雇用政策・
労働市場・
労働紛争 |
雇用政策 |
労働ビッグバン • ワークシェアリング • フレキシキュリティ • ホワイトカラーエグゼンプション • アファーマティブ・アクション
|
|
労働市場 |
労働市場 • 職業紹介事業 (公共職業安定所 • 都道府県雇用開発協会 • 管理職人材スカウト • 求人広告 • 求人情報誌) • キャリア・コンサルタント • IT業界離れ
|
|
労働紛争 |
労使紛争 • 不当労働行為 • 労働委員会 • 労働審判
|
|
|
職業 |
その他 |
業種 • 業態 • 産業 • 職業 • 職業一覧 • 部署 • 総務部 • 秘書 • 財務 • 営業 • 開発 • 企画 • 総合職 • 一般職 • 営業職 • 人事 • 総務 • 事務 • 法務 • 人事労務管理 • 経営管理論
|
|
役職 |
上下関係 • 上司 • 主任 • 係長 • 課長 • 次長 • 部長 • 室長 • 局長 • 本部長・監査役 • 役員 • 社長 • 会長 • 代表取締役 • 取締役会 • 審議官・統括官・参事官 ・ 理事官 ・ 管理官
|
|
|
税金 |
納税や給与 |
給与支払報告書 • 公的年金等支払報告書 • 住民税 • 市町村民税 • 地方税 • 市町村民税 • 道府県民税 • 地方税法 • 所得税 • 所得税法 • 所得 • 住民票 • 青色申告 • 白色申告 • 源泉徴収票 • 確定申告 • 源泉徴収 • 年末調整 • 納税者番号制度 • 申告納税制度 • 定額給付金 • 国民健康保険税 • 国税 • 国税通則法 • 国税徴収法 • 地方税
|
|
|
UpToDate Contents
全文を閲覧するには購読必要です。 To read the full text you will need to subscribe.
Japanese Journal
- スキルアップ年金相談(No.139)傷病手当金の併給調整
- 電話相談やセミナー開催で事業所の取組みを側面支援 : 傷病手当金からみた保険者のメンタルヘルス対策(下)
- 実態分析や予防の推進で精神疾患の増加に対応 : 傷病手当金からみた保険者のメンタルヘルス対策(上)
Related Links
- 09月03日 重要 健康保険の任意継続被保険者の9月分保険料の納付期限は9月10日です 09月03日 情報提供・電子申請システムを一時停止させていただきます 09月02日 全国健康保険協会の財政基盤の強化 ...
- 傷病手当金(しょうびょうてあてきん)とは健康保険、各種共済組合などの加入者が疾病または負傷により業務に就くことが出来ない場合に、療養中の生活保障として支給する制度である。 似た名称のものとしての雇用保険の傷病手当がある ...
- 病気やケガで会社を休まなければいけなくなった時、社会保険に入っていれば、傷病手当金が貰えます。縁起でもない!…ですが、いざという時自分がどれだけ貰えるのか?計算してみましょう。
Related Pictures
★リンクテーブル★
[★]
- 英
- gold、Au、golden