乾癬

出典: meddic

psoriasis
角化症

概念

  • 慢性再発性難治性の炎症性角化症
  • 代表的炎症性疾患のひとつで原因は不明:遺伝因子+環境因子(生活習慣、気候、薬物) → HLA-B27と関連していることからautoimmune diseaseとも考えられている。
  • 青年から中年に好発。厚い銀白色の麟屑を伴った紅斑・丘疹が出没、表皮の炎症と表皮細胞のターンオーバーの亢進を認める。

乾癬の階層

  • 乾癬

病型

  • 四肢で著名で厚い麟屑を付着した紅斑
  • 背部に散在する軽度の麟屑を伴う紅斑、丘疹 Gibertばら色粃糠疹との区別が重要
  • 先行感染(溶連菌)や慢性経過の乾癬が存在していることが多い。
  • 広範囲の皮膚の潮紅 紅潮皮膚の上に環状に配列する無菌性膿疱
  • 通常尋常性乾癬を伴う  長期間のコントロールが必要
  • 難病指定
  • 膜様の麟屑を伴う 全身皮膚潮紅
  • 関節炎を伴う
  • 爪の租造化
  • 爪の租造化は水虫でも見られる
  • 手指の関節の著名な変形
  • 尋常性乾癬を伴うことがある

病因

  • 遺伝的+誘発因子, 悪化因子
  • 誘発因子、悪化因子(外傷、感染症、日光、薬剤、低Ca血症、肥満、妊娠、アルコール摂取、ストレス)

遺伝的背景

  • 家族内発症率→多因子遺伝が発症に関与
  • 両親が乾癬:50%、片親:16.4%、家族歴:4倍
  • HLA-Cw6と相関
HLA-A1, HLA-B13, HLA-BW16, HLA-B17, HLA-B37, HLA-CW6, HLA-DR7も関連
HLA-B27

疫学

  • 初発年齢:20歳前後に大きなピーク。60歳代に小さなピーク。
  • 白人1-2%(5%に達する国もある), 日本人0.1% ←人種者あり

病変形成&病理

  • keratinocyteとlymphocyteの相互作用
  • 乾癬患者と正常者の角化細胞を比べると、乾癬患者の方がT細胞の増殖への影響が大きい
  • 乾癬患者のT細胞は正常者の表皮に乾癬を生じさせた
  • 表皮細胞の遊走能などをTNF-α、IL-8などによって促進
  • 炎症部位に好中球や樹上細胞などを呼び寄せるようなケモカインが出される
  • 血管増殖因子を出す
  • transglutaminaseが感染患者では表皮全てで発現?
  • keratinocyteの分化に関わる
  • 通常は顆粒層のみで発現
  • 樹状細胞の関与?
  • 表皮細胞がケモカインを放出→樹状細胞がT細胞を刺激(IL-12/IL-23で抑制される)→T細胞がケラチノサイトの増殖させる。

病理組織像

  • 表皮肥厚 acanthosis:規則的に波打っている
  • 顆粒層消失 → ケラトヒアリン顆粒を作らないうちに角層に移行するため。
  • 錯核化 parakeratosis:角質層に核が残る
  • ムンロ微小膿瘍(好中球による無菌性膿瘍)
  • 真皮上層までリンパ球浸潤。好中球、樹状細胞の浸潤が認められる。
  • 病変部、非病変部移行部のkeratin16発現
  • keratinocyteの最終分化に関与
  • ケラチン16は炎症がひどいときに発現する


症状

  • 角化性丘疹が癒合した大小さまざまな紅色の局面を特徴とし、表面には典型的な鱗屑が付着

診断

検査

  • 蝋片現象陽性:皮疹の爪を爪などでこすった際に白色鱗屑が見られる
  • Auspitz現象陽性:鱗屑を剥がすと点状出血を認める(顆粒層減少と毛細血管拡張による)
  • Kobner現象陽性:しヒンのない部位に外傷などの刺激が加わるとそこに乾癬の皮疹ができる。

治療

  • 完全に治癒することはなく慢性に経過し、悪化・軽快の反復。日常生活に支障がなくなる程度まで直す。

軽症

  • 外用療法(つまり、局所療法)
  • 効果が不十分な場合はステロイド外用も考慮
  • ただし、very strong以上のステロイドを漫然と投与することは避けるべき
  • 少量のステロイドとビタミンD3の併用療法がトレンドらしい?
ビタミンD3による高カルシウム血症に注意
  • 全身療法
  • 紫外線照射、ビタミンA酸誘導体内服、免疫抑制薬内服

中等症

  • 紫外線治療(PUVA、narrow band UVB)
作用メカニズム;表皮角化細胞の増殖抑制、免疫抑制作用
副作用;火傷、発癌作用(ほかの免疫抑制剤との併用禁忌)、色素沈着(UVAの場合、まだら模様になりうる→narrow band UVBなら防ぐことができる)
  • PUVA:オキソラレン+UVA
  • narrow band UVB:311nm。発癌↓

重症

  • 全身療法
  • 作用メカニズム:T cellの活性化抑制
  • 副作用:腎機能障害(血清クレアチニンが30%以上上昇した場合、投与量を少なくするか、投与を中止することが必要)。紫外線療法との併用は禁忌(発癌リスク↑)
  • 作用メカニズム:分化誘導作用
  • 副作用;催奇形性(女性2年、男性6ヶ月の避妊が必要)、骨形成阻害(小児への長期投与は慎重に)、肝機能障害、高脂血症。(高頻度)口唇炎、手指の落屑。
  • 副作用が強いので最後の手段として使用する。
  • 作用メカニズム:表皮角化細胞の増殖抑制
  • 副作用:肝機能障害

日常生活治療、指導、補助

  • 痒みに対する処置~抗ヒスタミン剤、入浴、食べ物(刺激の強い食べ物)
  • 肥満、糖尿病、高脂血症の予防
  • アルコールの抑制、肝機能障害
  • スキンケア
  • 角化傾向が強い場合はサリチル酸

参考

  • 1. [charged] Epidemiology, pathophysiology, clinical manifestations, and diagnosis of psoriasis - uptodate [1]
  • 2.
http://sweetmemory.sakura.ne.jp/kansen/kansen03_1.html

USMLE

  • Q book p.289 9
  • A 30-year-old woman has chronic, silver-white, scaly patches with an erythematous border on the skin of her knees and elbows.


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出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2016/02/03 21:11:20」(JST)

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和文文献

  • 3.膿疱性乾癬に対する顆粒球吸着療法(技術講習会,日本アフェレシス学会第16回中部地方会抄録)
  • 島 ちか子
  • 日本アフェレシス学会雑誌 32(2), 147, 2013-05-31
  • NAID 110009611616
  • 紅皮症で発症した成人T細胞白血病・リンパ腫の1例
  • 西村 景子,岩田 洋平,有馬 豪,矢上 晶子,蟹江 匡浩,森 重彰,松永 佳世子
  • Skin Cancer 27(3), 387-392, 2013
  • … 初診の3ヵ月前より全身に紅斑が出現し,尋常性乾癬として近医で加療を続けるも難治であった。 … 初診時は乾癬性紅皮症様の臨床像を呈しており,皮膚生検を行ったが異型リンパ球の浸潤は認められなかった。 …
  • NAID 130003378157
  • 治療標的としてのIL-23/IL-17連関
  • 佐藤 浩二郎
  • 日本臨床免疫学会会誌 36(4), 203-208, 2013
  • … められた.Th17細胞の分化条件,重要な転写因子やマウスとヒトとの異同などが次々に明らかになり,IL-17およびTh17細胞の活性化に重要とされるIL-23は創薬の有力な候補となった.実際にIL-23/IL-17連関を阻害する生物学的製剤が,特に皮膚の炎症性疾患である乾癬の治療薬として高い効果を示すことが報告され,実用化された.本稿では紆余曲折があったTh17細胞の基礎研究と,生物学的製剤開発の現況について概説する. …
  • NAID 130003364180
  • 診療 アレルギー疾患における漢方薬の使い方
  • 三澤 恵,清水 忠道
  • 小児科 53(13), 1845-1852, 2012-12-00
  • NAID 40019533328

関連リンク

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★リンクテーブル★
国試過去問095D034」「100B011」「102G019」「095B010」「101B062」「096H011」「100G111」「096G105
リンク元インターフェロンα-2b」「血清反応陰性脊椎関節症」「扁平苔癬」「角化症」「紅皮症
拡張検索膿疱性乾癬」「滴状乾癬」「急性滴状乾癬」「乾癬性脊椎炎

095D034」

  [★]

  • 68歳の女性。20年前から躯幹と四肢とに大小の皮疹が散在性に多発し、次第に硬く触れるようになり、最近一部が隆起してきたため来院した。時々掻痒がある以外には自覚症状はない。背部の写真と生検組織H-E染色標本とを以下に示す。
  • 診断はどれか。


[正答]
※国試ナビ4※ 095D033]←[国試_095]→[095D035

100B011」

  [★]

  • 乾癬について正しいのはどれか。
[正答]


※国試ナビ4※ 100B010]←[国試_100]→[100B012

102G019」

  [★]

  • 組合せで正しいのはどれか。
[正答]


※国試ナビ4※ 102G018]←[国試_102]→[102G020

095B010」

  [★]

  • 乾癬でみられるのはどれか。
[正答]


※国試ナビ4※ 095B009]←[国試_095]→[095B011

101B062」

  [★]

  • 悪性腫瘍を合併しやすいのはどれか。2つ選べ。
[正答]


※国試ナビ4※ 101B061]←[国試_101]→[101B063

096H011」

  [★]

  • Darier徴候がみられるのはどれか。
[正答]


※国試ナビ4※ 096H010]←[国試_096]→[096H012

100G111」

  [★]

[正答]


※国試ナビ4※ 100G110]←[国試_100]→[100G112

096G105」

  [★]

  • 活性型ビタミンD外用薬が有効なのはどれか。
[正答]


※国試ナビ4※ 096G104]←[国試_096]→[096G106

インターフェロンα-2b」

  [★]

interferon-α-2b IFN-α-2b
インターフェロンアルファ-2b
イントロンAペグイントロン

効能又は効果

イントロンA
  • 次のいずれかのC型慢性肝炎におけるウイルス血症の改善
(1) 本剤単独の場合
1) 血中HCV RNA量が高値ではない患者
(2) リバビリンとの併用の場合
1) 血中HCV RNA量が高値の患者
2) インターフェロン製剤単独療法で無効の患者又はインターフェロン製剤単独療法後再燃した患者

禁忌

イントロンA
  • 1. 本剤又は他のインターフェロン製剤に対し過敏症の既往歴のある患者
  • 2. ワクチン等生物学的製剤に対して過敏症の既往歴のある患者
  • 3. 小柴胡湯を投与中の患者(「相互作用」の項参照)
  • 4. 自己免疫性肝炎の患者[自己免疫性肝炎が悪化することがある。]

重大な副作用

イントロンA
  • 本剤単独

国試


血清反応陰性脊椎関節症」

  [★]

seronegative spondyloarthropathy SNSA
血清反応陰性関節炎 seronegative arthritis ← こちらの方がよく使われている印象がある
脊椎炎仙腸関節疾患
[show details]
  • 強直性脊椎炎:リウマトイド因子陰性で脊椎と仙腸関節が侵される疾患。HLA-B27は95%前後陽性。若年男性に好発。骨性強直をきたす。ぶどう膜炎や大動脈弁閉鎖不全症を合併しうる。
  • 乾癬性関節炎:リウマトイド因子陰性で乾癬と様々な多関節炎を呈する疾患。HLA-B27陽性が多く、性差はなく若~中年に好発。手指ではDIP関節を冒し、脊椎炎、仙腸関節炎もきたしうる。
  • Reiter症候群 反応性関節炎:泌尿生殖器(尿道炎)ではクラミジア、消化管(細菌性下痢)ではサルモネラ、赤痢菌、エルシニア、カンピロバクターによる感染後、1-3週間で関節炎を生じる。HLA-B27陽性が多い。1-3の関節(大関節に多い)が非対称性に侵され、仙腸関節炎、脊椎炎、腱付着部炎を伴う。関節炎、結膜炎、尿道炎はライター三徴と呼ばれる。


  • Crohn病:消化管のあらゆる部位に非連続性に起こる原因不明・全層性の慢性肉芽腫性炎症疾患である。10歳後半から20歳代の若年者に多く、また男性に多い。消化管外症状として関節炎、強直脊椎炎をきたしうる。
  強直性脊椎炎 反応性関節炎 乾癬性関節炎 クローン病
性差 男>女 男>女 男≧女 男=女
発症年齢 20歳以上 20歳以上 無関係 無関係
関節症状発症部位 大関節(脊椎、仙腸関節、股・肩) 大関節(膝、足) DIP関節 下肢関節
特徴 大動脈閉鎖不全
虹彩毛様体炎
房室ブロック
尿道炎
結膜炎
乾癬 腸管全層炎
HLA-27陽性率(%) 90 90 20 5?


扁平苔癬」

  [★]

lichen planus
扁平紅色苔癬 lichen ruber planus、紅色苔癬 lichen ruber
角化症

概念

  • 頂上に白色の角質(鱗屑)をつけた多角形の、境界明瞭な灰青色から紫紅色調の扁平隆起性紅斑または丘疹を特徴とする、角化異常を示す皮膚疾患
  • 四肢屈側や口腔に扁平で隆起した灰青色~紫紅色の局面を形成

病因

  • 特発性
  • 薬剤性:
  • 潜在性に進行する(insidiously)。体部のどこ病変がでもみられる。口腔粘膜の病変は30-70%の症例でみられる。粘膜病変は有痛性であり、潰瘍化する。ベーターブロッカー、メチルドパ、ペニシラミン、キニジン、NSAID、ACE阻害薬、SU薬、カルバマゼピン、金製剤、リチウム、キニンが本疾患と関連している。(参考1)
  • 薬剤、化学物質、金属アレルギーでも起こりうる(NDE.251)。
  • C型肝炎ウイルス (参考1)
  • 骨髄移植:
  • 慢性GVHD:ドナーのT細胞による宿主表皮基底層に対する障害による。

病理

  • 錯角化を伴わない過角化。真皮上層に帯状のリンパ球浸潤(CD4+ T細胞)。基底層に液状変性。 ⇔ 乾癬acanthosis+parakeratosis
  • 基底細胞の障害に伴う異常角化を来たし、外観上、扁平隆起性の紫紅色紅斑や丘疹がみられる。 (NDE.251)

症状

  • 皮膚、爪、粘膜(口腔粘膜)、外陰、陰茎に皮疹が出現する。皮膚には扁平で隆起した灰青色~紫色の局面を形成 (NDE.250)
  • 時に掻痒感 (NDE.251)
  • びらん、潰瘍を形成すれば疼痛 (参考1)


身体所見

  • 掻破したところに皮疹が出現する現象

治療

  • 薬剤性の場合は原因薬剤の中止。
  • ステロイド軟膏、タクロリムス軟膏


参考

  • 1. [charged] Lichen planus - uptodate [2]
  • 2. Lichen Planus | Health | Patient UK
[display]http://www.patient.co.uk/health/Lichen-Planus.htm

国試



角化症」

  [★]

keratosis
角化異常症 keratotic disorder、角皮症 keratodermia
遺伝性掌蹠角化症


  • 遺伝性の魚鱗癬
  • 内臓病変を随伴する魚鱗癬(魚鱗癬症候群)
  • その他の遺伝性角化症
  • 乾癬


紅皮症」

  [★]

erythroderma
剥脱性皮膚炎 exfoliative dermatitis

定義

  • (1)全身(体表の80%以上)の持続性の炎症性発赤(潮紅)し、健常部皮膚を殆ど残さず、(2)粃糠様・落葉状の落屑が持続する病態

原因

起こしやすい疾患 (2009 CBT QB2 p.116)

(%)は紅皮症に占める割合
湿疹続発性(約50%) アトピー性皮膚炎自家感作性皮膚炎など
各種疾患続発性 乾癬(数%)、毛孔性紅色粃糠疹天疱瘡など
中毒性 薬疹(約10%)(ピラゾロンINHSMなど)、ウイルスなどの感染症、GVHD
落屑性 ビタミンB群欠乏症
腫瘍性 T細胞リンパ腫(Sezary症候群菌状息肉腫)

起こしうる疾患 (NDE.122)



膿疱性乾癬」

  [★]

pustular psoriasis
角化症乾癬コゴイ海綿状膿疱=コゴイ微小膿瘍


病因

  • 肝機能異常?:肝機能異常との関連が指摘されている。本疾患を発症した患者の90%に以前から存在する肝機能障害が存在していたという報告がある。(参考1)
  • 妊娠、感染、糖質コルチコイドの中止と関連があると言われている。(参考1)

参考

  • 1. [charged] Epidemiology, pathophysiology, clinical manifestations, and diagnosis of psoriasis - uptodate [3]



滴状乾癬」

  [★]

guttate psoriasis
乾癬急性滴状乾癬


  • 背部に散在する軽度の麟屑を伴う紅斑、丘疹 Gibertばら色粃糠疹との区別が重要
  • 1cm以下の小さいの病変を形成する → それでteardrop-likeなのでguttateなんて名前がつけられちゃいました
  • 先行感染(溶連菌)や慢性経過の乾癬が存在していることが多い。(参考1)


参考

  • 1. [charged] Epidemiology, pathophysiology, clinical manifestations, and diagnosis of psoriasis - uptodate [4]


急性滴状乾癬」

  [★]

acute guttate psoriasis
滴状乾癬



乾癬性脊椎炎」

  [★]

psoriatic spondylitis




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