中毒性巨大結腸症

出典: meddic

toxic megacolon
巨大結腸症候群


病態

  • 腸管の運動低下のために拡張をきたした病態。腹部波長間隔腸により膨隆し、腸管運動は減少、消失する(IMD.886)

病因

治療

治療の禁忌

  • 大腸内視鏡検査
  • ガスの注入により穿孔リスク

UpToDate Contents

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和文文献

  • 臨床報告 中毒性巨大結腸性イレウスで発症した結腸癌術後劇症型偽膜性腸炎の1例
  • 西江 学,岩垣 博巳,村上 敬子 [他]
  • 臨床外科 65(5), 735-739, 2010-05
  • NAID 40017101029
  • 質疑応答 外科 中毒性巨大結腸症の診断・治療

関連リンク

中毒性巨大結腸症の根本原因は炎症性大腸疾患(IBD)です。 炎症性大腸疾患では、消化管に部分的な腫れや炎症が起こります。 またこれらの疾患は、痛みを伴ったり、大腸や小腸に永久的な損傷を与える可能性があります。
腸管合併症には、 腸管からの大量出血、腸管の狭窄・閉塞、穿孔、中毒性巨大結腸症、大腸癌 などがあります。 腸管合併症 大量出血 出血は、潰瘍性大腸炎の最も一般的な症状です。しかし、それとは明らかに異なる大量の出血が ...
2. 中毒性巨大結腸症 Toxic Megacolon 中毒性巨大結腸症は大腸の非閉塞性の6cm以上の拡張と全身症状を伴い、炎症性腸疾患や感染性腸炎の致死的合併症として1950年に初めて報告された疾患概念である。 現在では(慢性の増悪も ...

関連画像

便潜血反応陽性、白血球 がんの分子腫瘍学・遺伝学④ 脈拍>90/分 ⑤ Hb<10g/dl ⑥ 澤田 私 も 中 毒性 巨大 結腸


★リンクテーブル★
先読み巨大結腸症候群
国試過去問101B091
リンク元クローン病」「潰瘍性大腸炎」「止瀉薬」「中毒性巨大結腸」「toxic megacolon
関連記事中毒」「結腸」「巨大」「」「巨大結腸症

巨大結腸症候群」

  [★]

megacolon syndrome
  • 結腸が異常に拡張した病態


101B091」

  [★]

  • 大腸内視鏡検査で経口腸管洗浄薬による前処置が可能なのはどれか。2つ選べ。
[正答]


※国試ナビ4※ 101B090]←[国試_101]→[101B092

クローン病」

  [★]

Crohn disease, Crohn's disease
Crohn病
限局性回腸炎 regional ileitis回腸末端炎終末回腸炎 terminal ileitis
潰瘍性大腸炎炎症性腸疾患 inflammatory bowel disease
  • first aid step1 2006 p.113,140,276,280,283,326,427
  • see also 消化器系チュートリアルの材料.xls

まとめ

  • 特定疾患治療研究事業に含まれる疾患である(特定疾患)。消化管のあらゆる部位に非連続性に起こる原因不明・全層性の慢性肉芽腫性炎症疾患である。10歳後半から20歳代の若年者に多く、また男性に多い(男女比2:1)。病因は不明であるが、炎症反応の亢進であるかもしれない。病理学的にはリンパ球、形質細胞浸潤を伴う全層性炎症像がみられる。また、非乾酪性類上皮細胞肉芽腫が特徴的である。症状は腹痛、下痢、発熱、体重減少などあり、肛門病変(痔瘻や裂肛)が初発することがある。血液検査では炎症所見(WBC,CRP上昇、赤沈亢進)が見られ、貧血、低栄養の所見、またα1アンチトリプシン試験で異常となる。画像検査では、非連続性の病変が認められ、またアフタ状潰瘍、腸間膜付着側の縦列潰瘍、敷石像、瘻孔形成、肛門病変が認められる。治療は内科的治療が中心である。絶食、栄養療法(成分栄養剤による経腸栄養療法、経静脈栄養。小腸ok)、薬物療法(サラゾスルファピリジン(大腸only)、メサラジン(小腸・大腸ok)。ステロイド(栄養療法・5-アミノサリチル酸不応例)、インフリキシマブ、免疫抑制薬、顆粒球吸着療法(GCAP)が行われる。外科療法は狭窄、膿瘍、肛門病変に対して行われる。(SSUR.535 YN A-62)

比較

Table 15-10. Distinctive Features of Crohn Disease and Ulcerative Colitis*
Feature Crohn Disease
(Small intestine)
Crohn Disease
(Colon)
Ulcerative Colitis
Macroscopic
Bowel region Ileum ± colon† Colon ± ileum Colon only
Distribution Skip lesions Skip lesions Diffuse
Stricture Early Variable Late/rare
Wall appearance Thickened Variable Thin
Dilation No Yes Yes
Microscopic
Pseudopolyps None to slight Marked Marked
Ulcers Deep, linear Deep, linear Superficial
Lymphoid reaction Marked Marked Mild
Fibrosis Marked Moderate Mild
Serositis Marked Variable Mild to none
Granulomas Yes (40% to 60%) Yes (40% to 60%) No
Fistulas/sinuses Yes Yes No
Clinical
Fat/vitamin malabsorption Yes Yes, if ileum No
Malignant potential Yes Yes Yes
Response to surgery‡ Poor Fair Good


概念

  • 原因不明の炎症性疾患
  • 腸壁全層に肉芽腫形成が見られる
  • 小腸や大腸に縦走潰瘍、敷石像、アフタの形成

病型

  • 病変の存在部位により分類(小腸型、小腸大腸型、大腸型、特殊型など)
頻度:小腸大腸型>小腸型>>大腸型

病理

  • 全層に及ぶ縦走潰瘍、敷石像、アフタの形成
クローン病 腸結核 腸管ベーチェット病
縦走潰瘍 輪状潰瘍 打ち抜き状潰瘍
敷石像 帯状潰瘍 下掘れ状潰瘍

病因

  • 遺伝的因子 + 環境因子(食餌抗原や細菌、ウイルス感染など) → 免疫異常 → 腸管に慢性炎症性変化

症状

  • 主要症状:腹痛、下痢、発熱、体重減少 ← 水様性下痢が一般的で血便が見られることは少ない(QB.A-142)
  • 腹痛(臍周囲部および回盲部痛)、間欠性発熱、下痢、嘔吐、肛門部病変。体重減少、貧血

合併症

  • 1. 消化管合併症:狭窄、瘻孔、痔瘻、肛門周囲膿瘍
  • 2. 消化管外合併症

続発症

検査

  • 腹部単純X線写真:イレウスを疑う症例ではニボーの確認のために重要。クローン病の確定診断にはやくにたたない。
  • 上部消化管内視鏡
  • 下部消化管内視鏡
  • 小腸造影:小腸病変の評価。特に回腸末端の病変、程度、潰瘍、狭窄、瘻孔
  • 腹部造影CT:TNFα阻害薬やステロイドを用いる際には、腹部から触知下腫瘤が腸管の癒着か、膿瘍の合併によるものかを評価する必要がある(QB.A-144)
  • 注腸造影:大腸病変の描出
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診断

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鑑別診断

IMD

治療

YN.A-66

  クローン病 潰瘍性大腸炎
病因??? 炎症反応亢進 免疫応答の異常
寛解導入 栄養療法  
5-アミノサリチル酸(大: サラゾスルファピリジン、小: メサラジン) 5-アミノサリチル酸(大: サラゾスルファピリジン、小: メサラジン)
ステロイド ステロイド
抗TNF-α抗体  
シプロフロキサシンメトロニダゾール ATM療法
顆粒球吸着療法(白血球除去療法) 顆粒球吸着療法(白血球除去療法)
  免疫抑制薬
緩解維持 在宅経腸栄養法 無治療~5-アミノサリチル酸(大: サラゾスルファピリジン)
5-アミノサリチル酸  
免疫抑制薬  
外科 狭窄、難治性痔瘻 大出血、狭窄、穿孔、中毒性巨大結腸症、癌化

外科療法

  • 狭窄、瘻孔形成、痔瘻の場合に適応となる。
  • 腸切除の後遺症:吸収障害(脂肪>蛋白>糖)、[回盲部切除]胆汁酸ビタミンB12の吸収不良、小腸内細菌異常増殖(結腸からの侵入?)

USMLE

  • Q book p.290


参考

  • 1.
  • [display]http://homepage3.nifty.com/mickeym/No.101_200/163kuro.html
  • 2. 病理学コア UC
[display]http://jsp.umin.ac.jp/corepictures2007/09/c01/index.html
  • 3. 株式会社JIMRO IBDの診断と治療
[display]http://www.jimro.co.jp/ibd/index_ibd.htm
  • 4. クローン病の治療指針 活動期の治療2010
[display]http://mimibukuro.org/cd/medical-guideline08/2
  • 5. クローン病 注腸造影
アフタ病変
[display]http://www.ajronline.org/content/179/4/1029/F14.expansion
縦走潰瘍
[display]http://www.ajronline.org/content/179/4/1029/F12.expansion
偽ポリープ
[display]http://rfs.acr.org/gamuts/data/images/ID1143.htm

国試



潰瘍性大腸炎」

  [★]

ulcerative colitis, UC
colitis gravis, colitis chronica gravis, colitis ulcerosa
炎症性腸疾患 inflammatory bowel diseaseクローン病難病

まとめ

  • (免疫応答の異常?)大腸粘膜までを侵し、びらんや潰瘍を形成する原因不明のびまん性非特異性炎症である。長期にわたって増悪寛解を繰り返す特定疾患治療研究事業の対象疾患である。男女差無く、若年者(25歳)と中年(50歳)に多い。病変は全大腸、左側結腸、もしくは直腸を侵す物に分類されるが、全大腸型が最も多い。症状は「下痢、血便、腹痛」が中心であり、発熱、体重減少、貧血などの全身症状も伴う。重症度は下痢、血便、発熱、脈拍、ヘモグロビン、血沈が指標となる。合併症としては、中毒性巨大結腸症、原発性硬化性胆管炎、壊疽性膿皮症、結節性紅斑、強直性脊椎炎、口内アフタなどがある。血液検査では炎症所見(CRP,WBC,ESR上昇)が認められる。注腸造影検査ではハウストラの消失、鉛管状の結腸が、また内視鏡検査では、連続病変、粘膜血管の不明瞭化、シュードポリープが認められる。組織像では粘膜下層までの炎症像、陰窩膿瘍がみられる。治療はサラゾスルファピリジン、メサラジン、ステロイド、免疫抑制剤、ATM療法などがある。手術療法は中毒性巨大症、穿孔・出血、大腸癌合併の時に適応となる。長期的には大腸癌のリスクが高くフォローが必要である。

概念

  • 大腸粘膜を侵し、びらんや潰瘍を形成する原因不明のびまん性非特異性炎症
  • 粘膜下組織まで炎症が見られる
  • 特定疾患治療研究事業の対象疾患である。

疫学

  • 日本では、1年間人口10万人対0.3人前後
  • 30歳以下の成人に多い。

病因

  • 反復する細菌感染?

症状

  • 急性・慢性に発症し、官界と再発を繰り返す。
  • 下痢血便腹痛
  • 食欲不振、体重減少、易疲労感

合併症

腸管症状

  • 腸管出血・穿孔・狭窄・膿瘍・瘻孔形成、貧血、低蛋白血症。重大なものは中毒性巨大結腸症と大腸癌
  • 中毒性巨大結腸症
  • 腸管の運動低下のために拡張をきたした状態。腹部は腸管拡張により膨隆し、腸管運動は減少または消失。
  • 若年発症、全大腸型、10年以上の長期経過例で発生頻度が高い。
  • 低分化癌が多い ⇔ (通常の大腸癌は高分化癌が多い)

腸管外症状

検査

  • 赤沈、CRP 上昇
  • 白血球 基準値以上
  • 赤血球 基準値以下
  • 血清総蛋白 基準値以下

内視鏡

  • 血管透見像消失
  • 細顆粒状
  • 偽ポリポーシス像
[show details]

注腸検査

  • ハウストラの消失

生検

  • 陰窩膿瘍

診断

臨床的重症度分類

参考1
  軽症 中等症 重症 分布 関連
1) 排便回数 ≦4回 重症と軽症との中間 ≧6回 腸管症状  
2) 顕血便 (+)~(-) (+++)  
3) 発熱 <37.5℃ ≧37.5℃ 全身症状 炎症
4) 頻脈 <90/分 ≧90/分 3)発熱,4)貧血による。
5) 貧血 >Hb 10g/dl ≦Hb 10g/dl 炎症あるいは2)血便による
6) 赤沈 正常 ≧30 mm/h 炎症
 
軽症 軽症項目全て満たす
重症 ( 1 and 2 ) and ( 3 or 4 ) ) and (6項目のうち4項目以上)
1,2は直腸の症状、3,4は全身症状、5は血便による貧血症状、6は炎症の程度を反映。

鑑別疾患

治療

YN.A-66
  クローン病 潰瘍性大腸炎
病因??? 炎症反応亢進 免疫応答の異常
寛解導入 栄養療法  
5-アミノサリチル酸(大: サラゾスルファピリジン、小: メサラジン) 5-アミノサリチル酸(大: サラゾスルファピリジン、小: メサラジン)
ステロイド ステロイド
抗TNF-α抗体  
シプロフロキサシンメトロニダゾール ATM療法
顆粒球吸着療法(白血球除去療法) 顆粒球吸着療法(白血球除去療法)
  免疫抑制薬
緩解維持 在宅経腸栄養法 無治療~5-アミノサリチル酸(大: サラゾスルファピリジン)
5-アミノサリチル酸  
免疫抑制薬  
外科 狭窄、難治性痔瘻 大出血、狭窄、穿孔、中毒性巨大結腸症、癌化

予後

潰瘍性大腸炎とクローン病の比較

Table 15-10. Distinctive Features of Crohn Disease and Ulcerative Colitis*
Feature Crohn Disease
(Small intestine)
Crohn Disease
(Colon)
Ulcerative Colitis
Macroscopic
Bowel region Ileum ± colon† Colon ± ileum Colon only
Distribution Skip lesions Skip lesions Diffuse
Stricture Early Variable Late/rare
Wall appearance Thickened Variable Thin
Dilation No Yes Yes
Microscopic
Pseudopolyps None to slight Marked Marked
Ulcers Deep, linear Deep, linear Superficial
Lymphoid reaction Marked Marked Mild
Fibrosis Marked Moderate Mild
Serositis Marked Variable Mild to none
Granulomas Yes (40% to 60%) Yes (40% to 60%) No
Fistulas/sinuses Yes Yes No
Clinical
Fat/vitamin malabsorption Yes Yes, if ileum No
Malignant potential Yes Yes Yes
Response to surgery‡ Poor Fair Good


参考

  • 1. 株式会社JIMRO IBDの診断と治療
[display]http://www.jimro.co.jp/ibd/index_ibd.htm
  • 2. ガイドライン
[display]http://minds.jcqhc.or.jp/stc/0029/5/0029_G0000120_CQ.html
[display]http://minds.jcqhc.or.jp/stc/0029/1/0029_G0000071_GL.html
  • 3. 潰瘍性大腸炎 - 難病情報センター
http://www.nanbyou.or.jp/entry/218
  • 4. 認定基準
http://www.nanbyou.or.jp/upload_files/009_s.pdf
  • x. まんが
http://nohira.web.fc2.com/
interesting!
  • [display]http://nohira.web.fc2.com/comic/uc/index.html

国試



止瀉薬」

  [★]

ししゃやく
antidiarrheal, antidiarrheal drug, antidiarrhoics
止痢薬下痢止め
薬理学
  • 下痢を止めるための薬物の総称
  • 作用機序別に分類される

止瀉薬一覧

禁忌

  • 偽膜性腸炎に対する止痢薬:毒素の排泄を遅延させて中毒性巨大結腸症を誘発(YN. A-71)



中毒性巨大結腸」

  [★] 中毒性巨大結腸症 toxic megacolon

巨大結腸症候群


toxic megacolon」

  [★] 中毒性巨大結腸症


中毒」

  [★]

poisoning, intoxication

中毒治療薬一覧

中毒の早期発見のための検査

SUB.403

重金属

有機溶剤

中毒一覧




結腸」

  [★]

colon (Z)
大腸消化器系

関連構造

疾患

  • 大腸癌
  • 結腸癌:the colon, including the rectum is host to more primary neoplasms than any other organ in the body.



巨大」

  [★]

giantvasthugeprodigioushugelycolossalmega
莫大メガ


症」

  [★]

sis, pathy
  • 検査や徴候に加えて症状が出ている状態


巨大結腸症」

  [★]

megacolon, giant colon
先天性巨大結腸症





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