ルポイド肝炎
出典: meddic
■
和文文献
- 消化器領域の100年 : 10.自己免疫性肝炎
- 西岡 幹夫
- 日本内科学会雑誌 91(2), 561-565, 2002-02-10
- NAID 10008353774
- 慢性関節リウマチ,Sjogren症候群およびCRST症候群を合併した原発性胆汁性肝硬変-ルポイド肝炎重複症候群の1例
- 井本 勉,金 守良,中沼 安二,大曲 勝久,木下 秀樹
- 肝臓 39(10), 738-744, 1998-10-25
- … PBC-ルポイド肝炎重複症候群と診定し, 副腎皮質ステロイドを試用したところ肝機能検査成績はほぼ正常化した. … PBC-ルポイド肝炎重複症候群の病態を考える上で興味深い1例と考え報告した. …
- NAID 10005576125
関連リンク
- 免疫異常を調べる検査の一つであるLE細胞現象が陽性である自己免疫性肝炎をルポイド 肝炎と呼んだ時代がありました。自己免疫性肝炎の最初の報告が、全身性 エリテマトーデス(SLE)に 類似した病気で肝障害がみられた患者さんをもとになされた ことから、 ...
関連画像





添付文書
Webサービス by Yahoo! JAPAN
★リンクテーブル★
| リンク元 | 「自己免疫性肝炎」「類狼瘡肝炎」 |
| 関連記事 | 「肝炎」「炎」「イド」 |
「自己免疫性肝炎」
- 英
- autoimmune hepatitis AIHA, AIH
- 関
- 類狼瘡肝炎(ルポイド肝炎)、難病
まとめ
- 中年の女性に好発する慢性経過の肝炎であり、自己免疫機序が関与していると考えられる。HLA-DR4陽性例に多いといわれている。診断は除外診断であり、ウイルス性肝炎や原発性胆汁性肝硬変などをを除外する。
概念
- 難病
- 慢性肝炎
- 中年女性に好発
- HLA-DR4に多い ⇔原発性胆汁性肝硬変ではHLA-DR8が多い
- 抗核抗体(ANA):陽性
- 抗平滑筋抗体(ASMA):陽性
- 抗ミトコンドリア抗体(AMA):陰性
- 高ガンマグロブリン血症
- IgGの上昇 ⇔ 原発性胆汁性肝硬変ではIgMが上昇
疫学
- 男女比=1:7で女性に多く、発症は10-30歳での発症もみられるが、多くは40歳以降。
病型
| AIH | 自己抗体 | HCV感染 | |||
| 抗核抗体 | 抗平滑筋抗体 | 抗LKM-1抗体 | 抗SLA抗体 | ||
| ANA | ASMA | ||||
| I型 | + | + | - | - | - |
| IIa型 | - | - | + | - | - |
| IIb型 | - | - | + | - | + |
| III型 | - | - | - | + | - |
| IV型 | - | + | - | - | - |
病型と病態
- LAB.894
- II型は抗LKM-1抗体の存在で特徴づけられる
- IIa型は女性に多く、高力価を示し、肝硬変への進展が早い
- IIb型は中年男性に多く、力価はそれほど高くない
病態生理
- 自己免疫機序により肝細胞が障害されるらしいが、詳細は不明である。
病理
- (診断基準に含まれているように)組織学的には肝細胞壊死所見およびpiecemeal necrosisに伴う慢性肝炎あるいは肝硬変であり、しばしば著明な形質細胞浸潤を認める。
症状
- 自覚症状に乏しく、血液検査で偶然発見される
- 肝障害:黄疸、全身倦怠感、食欲不振。重症例では腹水、肝性脳症、肝不全。
検査
- 血液検査
- AST, ALT:高値
- γ-グロブリン:高値(2g/dl以上)
- 免疫グロブリンG:高値(2g/dl以上)
- ウイルスマーカー:陰性 (除外診断)
- 免疫血清学的検査
- 抗核抗体:I型で陽性
- 抗平滑筋抗体:I,IV型で陽性
- 抗LKM-1抗体:II型で陽性
- 抗SLA抗体:III型で陽性
- 肝生検:piecemeal necrosisの所見をもつ慢性肝炎の像
診断基準
- 参考3
| 1. 血中自己抗体(特に抗核抗体、抗平滑筋抗体など)が陽性。 |
| 2. 血清γグロブリン値またはIgGの上昇 (2g/dl以上)。 |
| 3. 持続性または反復性の血清トランスアミナーゼ値の異常。 |
| 4. 肝炎ウィルスマーカーは原則として陰性。 |
| 5. 組織学的には肝細胞壊死所見およびpiecemeal necrosisに伴う慢性肝炎あるいは肝硬変であり、しばしば著明な形質細胞浸潤を認める。時に急性肝炎像を呈する。 |
| 註 * 本邦ではHLA-DR4陽性症例が多い ** 本邦ではC型肝炎ウィルス血症を伴う自己免疫性肝炎がある。 *** C型肝炎ウィルス感染が明らかな症例では、インターフェロン治療が奏功する例もある。 |
診断
- 病歴により、アルコール性肝炎、薬物性肝障害、超音波検査にて脂肪肝を除外。
- 免疫血清学検査を行いウイルス性肝炎を除外。自己抗体や免疫グロブリンの変動、サブタイプの変動をみて絞り込み、病理組織学検査で確定診断する。
鑑別疾患
治療
- 副腎皮質ステロイドが著効する
- ステロイド:十分量の後、維持量を継続する
- ウルソデオキシコール酸:ステロイドの減量に有効。また、軽症例での経過観察に用いられる(IMD)。
- 免疫抑制薬:(ステロイド抵抗性例に対して)アザチオプリン
- インターフェロンは自己免疫を賦活化させる方向に作用するので不適
合併症
肝癌:ウイルス性肝炎よりも発癌リスクが少なく、肝細胞癌のリスクへの影響はあるとはいえない。- 自己免疫疾患:ウイルス肝炎でもありうるが、自己免疫性肝炎の方がより高頻度で起こる(ウイルス性肝炎(22%)vs自己免疫性肝炎(38%)(参考1))
参考
- 1. [charged] Extrahepatic manifestations of autoimmune hepatitis - uptodate [1]
- 2. 自己免疫性肝炎 - 難病情報センター
- [display]http://www.nanbyou.or.jp/entry/268
- 3. 難病ドットコム
- 4.
「類狼瘡肝炎」
- 英
- lupoid hepatitis
- 同
- ルポイド肝炎
「肝炎」
概念
- 肝臓に炎症を生じた状態
疫学
- B型肝炎:感染者数は約110~140万人、患者数は約7万人(慢性肝炎:約5万人、肝硬変・肝がん:約2万人) (参考1)
- C型肝炎:感染者数は約190~230万人、患者数は約37万人(慢性肝炎:28万人、肝硬変・肝がん:約9万人) (参考1) → 肝細胞癌の80%がC型肝炎ウイルスによる
病因
- 薬物性
- アルコール性
- 細菌性
- ウイルス性
- 自己免疫性
病理
細菌
ウイルス
- A型肝炎:A型肝炎ウイルス:ピコルナウイルス科ヘパト属
- 形態・増殖などピコルナウイルス参考
- 他のピコルナウイルスと異なり細胞培養では、 CPEを起こさない。
- 感染経路:主に経口、糞便にウイルスを排世
- 発熱を伴う。慢性化しない。
- 予防:A型肝炎ワクチン(不活化ワクチン)
- B型肝炎:B型肝炎ウイルス:ヘパドナウイルス(Hepadona)
- 逆転等酵素を有するDNAウイルス。エンベロープあり。
- 抗HBs抗体一中和抗体・感染防止抗体 B型肝炎ワクチンによる予防 3TC
- 感染経路:血液、体液、垂直感染 慢性化 約10%
- Gianotti病(extrahepatic)
- C型肝炎:C型肝炎ウイルス:約10K b、 +鎖ssRNA
- 感染経路:血液体液、
- 慢性化:50-70%
- インターフェロン療法HCV I FN昔効例全体で約30%
- 日-t V型 f FN曹効例 2a60%、 2b45%、日本で多い1b15%)
- D型肝炎:D型肝炎ウイルス:1 . 7K bRNA
- HBVと同時に感染する。
- Rib ozyme活性(RNAがRNAを切断)
- 慢性化
- E型肝炎:E型肝炎ウイルス:7.6K bRNA +戟
- E nterically-transmitted、 E ndemic
- RNAウイルス
- 妊婦での死亡率高い(10-20%)他 (HAV 約0-1%)
- 人畜共通感染症(豚、イノシシ、鹿)
- G型肝炎 肝炎との関連は当初考えられたほど高くない
- TTV 1本鎖(-)DNA9歳以下8%、 10-20代50%、30代以降70%以上感染者
- サイトメガロウイルス、アデノウイルス、EBウイルス、水痘・帯状疱疹ウイルス、単純ヘルペスウイルス、B19ウイルス など
肝炎ウイルスまとめ
肝炎ウイルス.xls
| 感染症 | A型肝炎 | B型肝炎 | C型肝炎 | D型肝炎 | E型肝炎 | |
| ウイルス | HAV | HBV | HCV | HDV | HEV | |
| 科 | ピコルナウイルス科 | ヘパドナウイルス科 | フラビウイルス科 | 未分類 | ヘペウイルス科 | |
| 属 | ヘパトウイルス属 | オルソヘパドナ属 | ヘパシウイルス属 | デルタウイルス属 | ヘペウイルス属 | |
| ゲノム | ssRNA+ | dsDNA | ssRNA+ | ssRNA- | ssRNA+ | |
| エンベロープ | - | + | + | + | - | |
| 逆転写酵素 | - | + | - | - | - | |
| 潜伏期 | 文献1 | 15-40days | 50-180days | 1-5months | 21-90days | 2-9weeks |
| 文献2 | 約4週 | 1-6ヶ月 | 平均6-8週 | 平均7週 | 平均5-6週 | |
| type of onset | 急性 | 潜行性 | 潜行性 | 急性 | 急性 | |
| 前駆症状 | 関節炎、皮疹 | 関節炎、皮疹 | ||||
| 感染経路 | 経口・糞光 | ○ | 無 | 無 | 無 | ○ |
| 非腸管 | 稀 | ○ | ○ | ○ | 無 | |
| その他 | 食物、水 | 性的接触、周産期感染。血液、体液、垂直感染 | 性的接触(稀)。血液、体液 | 性的接触(稀) | 水 | |
| 後遺症 | キャリアー | × | ○(約10%) | ○(約50-70%) | ○(重複感染:2-20%) | × |
| 慢性肝炎 | × | ○ | ○ | ○ | × | |
| 肝硬変→肝細胞癌 | × | 2.5-3 %/年 | 5-7 %/年 | × | ||
| 劇症肝炎 | 0.1% | 0.2 % | 0.2 % | 0.3-5.0% | ||
| 死亡率 | 0.1-0.2% | 0.5-2.0%(健常者) | 1-2%(健常者) | 2-20% | 2%(一般)。20%(妊婦) | |
| 発熱 | ○ | ? | ? | ? | ? | |
| 予防 | A型肝炎ワクチン(不活化) | B型肝炎ワクチン(成分, HBs抗原)、HBIG | なし | B型肝炎ワクチン(成分, HBs抗原) | ワクチン | |
| 治療 | なし | IFN ラミブジン アデフォビル エンテカビル テルビブジン | INF+リバビリン IFN(著効率:30%。2a 60%, 2b 45%, 1b 15%) | IFN? | なし | |
| その他 | CPEなし | Gianotti病 | HBVと同時感染、Ribozyme活性 | 風土病。人獣共通感染症(豚、イノシシ、鹿) | ||
参考
- 1. 肝炎対策の経緯と今後 ―B 型肝炎訴訟・C 型肝炎訴訟を中心に― 国立国会図書館 ISSUE BRIEF NUMBER 702(2011. 2.22.)
- 2011年以前までの状況がサマリーしてあってよい
- [display]http://www.ndl.go.jp/jp/data/publication/issue/pdf/0702.pdf
- 2. 肝炎総合対策の推進 - 健康局疾病対策課肝炎対策推進室
「炎」
- n.
- comb form.
- (炎症の接尾辞)itis
「イド」









































