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出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2014/05/20 14:00:25」(JST)
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Lanthionine |
|
識別情報 |
CAS登録番号 |
922-55-4 |
PubChem |
256406 |
ChemSpider |
88959 |
- O=C(O)[C@@H](N)CSC[C@H](N)C(=O)O
|
- InChI=1S/C6H12N2O4S/c7-3(5(9)10)1-13-2-4(8)6(11)12/h3-4H,1-2,7-8H2,(H,9,10)(H,11,12)/t3-,4-/m0/s1
Key: DWPCPZJAHOETAG-IMJSIDKUSA-N
InChI=1/C6H12N2O4S/c7-3(5(9)10)1-13-2-4(8)6(11)12/h3-4H,1-2,7-8H2,(H,9,10)(H,11,12)/t3-,4-/m0/s1
Key: DWPCPZJAHOETAG-IMJSIDKUBX
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特性 |
化学式 |
C6H12N2O4S |
モル質量 |
208.2318 g/mol |
融点 |
280-283 °C
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特記なき場合、データは常温 (25 °C)・常圧 (100 kPa) におけるものである。 |
ランチオニン(Lanthionine)は、(HOOC-CH(NH2)-CH2-S-CH2-CH(NH2)-COOH)の化学式を持つ異常アミノ酸である。システインの1イオウ置換体であり、β炭素でチオエーテル結合した2つのアラニン残基から構成される。その名前に反して、ランチオニンにはランタンは含まれていない。
背景
1941年、ランチオニンは炭酸ナトリウム処理した羊毛から初めて単離され[1]、システインとβ-クロロアラニンから初めて合成された[2]。ランチオニンは、ヒトの毛髪、ラクトアルブミン、羽毛等、自然界で広く見られる。また細菌の細胞壁にも存在し、ランチビオティクスと呼ばれる抗菌ペプチドの構成成分となっている[3][4]。
調整
システインへのイオウ放出[5]、セリンβ-ラクトンの開環[4]、システインのジヒドロアラニンへのヘテロ付加[6]等の様々な合成法が発表されている。しかし、実際にはランチオニンの合成にはイオウ放出法のみが使われている。
出典
- ^ Horn, M. J.; Jones, D. B.; Ringel, S. J. (1941) Isolation of a New Sulfur-Containing Amino Acid (Lanthionine) from Sodium Carbonate-Treated Wool. Journal of Biological Chemistry, 138, 141-149.
- ^ Brown, G. B.; du Vigneaud, V. (1941) The Stereoisomeric Forms of Lanthionine. Journal of Biological Chemistry, 140, 767-771.
- ^ Paul, M.; van der Donk, W. A. (2005) Chemical and Enzymatic Synthesis of Lanthionines. Mini-Reviews in Organic Chemistry, 2, 23-37.
- ^ a b Shao, H.; Wang, S. H. H.; Lee, C.-W.; Ösapay, G.; Goodman, M. (1995) A Facile Synthesis of Orthogonally Protected Stereoisomeric Lanthionines by Regioselective Ring Opening of Serine β-Lactone Derivatives. Journal of Organic Chemistry, 60, 2956-2957.
- ^ Harpp, D. N.; Gleason, J. G. (1971) Preparation and Mass Spectral Properties of Cystine and Lanthionine Derivatives. Novel Synthesis of L-Lanthionine by Selective Desulfurization. Journal of Organic Chemistry, 36, 73-80.
- ^ Probert, J. M.; Rennex, D.; Bradley, M. (1996) Lanthionines for Solid Phase Synthesis. Tetrahedron Letters, 37, 1101-1104.
Japanese Journal
- 山下 真司,松井 康子,戸叶 隆雄,吉岡 正人
- 日本化粧品技術者会誌 46(3), 219-223, 2012
- … 熱により毛髪中のシスチン残基からランチオニン残基が生成するため,毛髪のアミノ酸組成におけるダメージの指標として利用されてきたシステイン酸に加え,ランチオニンもダメージの指標として確認する必要があると考えられた。 …
- NAID 130004691909
- 島 純
- 日本食品科学工学会誌 : Nippon shokuhin kagaku kogaku kaishi = Journal of the Japanese Society for Food Science and Technology 55(1), 37, 2008-01-15
- … ニン,デヒドロブチリン等の修飾アミノ酸を含むことである.また,デヒドロアラニン,デヒドロブチリンの一部は,システインとの分子内縮合によりモノスルフィド結合を有するランチオニンや3-メチルランチオニンを形成する.ナイシンAの抗菌スペクトルは,他のクラスのバクテリオシンと比較して広く,他種乳酸菌やグラム陽性の食中毒細菌の多くに抗菌活性を示す.また,ナイシンAと部分 …
- NAID 130000051343
- 羽毛および羊毛の常温, 常圧条件下におけるアルカリ可溶化とその生成物のアミノ酸組成
- 前田 英勝,沼田 幸代,豊田 敦
- 日本畜産學會報 = The Japanese journal of zootechnical science 68(6), 587-595, 1997-06-25
- … や羊毛はアルカリ分解によって大きく崩壊していることが分かる.両画分の塩酸加水分解物に存在するアミノ酸の大部分はL-グルタミン酸等,一般的なアミノ酸が占めていたが,それ以外にはL-システイン酸,ランチオニン,2種類の極微量の未知のアミノ酸誘導体が検出された.必須アミノ酸の含量は少なかった.薄層クロマトグラフィの結果ではアミノ酸以外の物質に由来するスポットは認められなかった.これらの可溶化物を …
- NAID 10024586874
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