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ロバート・B・ライシュ
Robert B. Reich
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生年月日 |
1946年6月24日(69歳) |
出生地 |
アメリカ合衆国、ペンシルヴァニア州スクラントン |
出身校 |
ダートマス・カレッジ
オックスフォード大学
イェール・ロースクール |
現職 |
政治経済学者、教授、著述家、テレビ・ラジオ解説者 |
所属政党 |
民主党 |
配偶者 |
クレア・ダルトン |
公式サイト |
Robert Reich |
第22代アメリカ合衆国労働長官
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在任期間 |
1993年1月20日 - 1997年1月20日 |
大統領 |
ビル・クリントン |
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ロバート・バーナード・ライシュ(英語: Robert Bernard Reich, 1946年6月24日 - )は、アメリカ合衆国の経済学者、文筆家、カリフォルニア大学バークレー校公共政策大学院教授。これまで、ハーバード大学ケネディスクール教授、ブランダイス大学社会政策大学院教授、アメリカ合衆国労働長官を歴任している。
姓の「ライシュ」(Reich)はフランス語表記で、ドイツ語では「ライヒ」と表記される。
目次
- 1 略歴
- 2 主な業績
- 3 朝日新聞(2013年1月1日)
- 4 著書
- 5 関連項目
- 6 外部リンク
略歴
- 1946年 ペンシルヴァニア州スクラントンにおいて、フランスにいた東欧系ユダヤ人の血を引く家庭に生まれる。
- ニューヨーク州クロスリバーのジョン・ジェイ・ハイスクールに通う。
- 1968年 ダートマス・カレッジを卒業する(A.B.、Summa cum laude)。
- Rhodes Scholarshipを得てオクスフォード大学で哲学、政治学、経済学を勉強する。
- イェール・ロースクールで法務博士(J.D.)を得る(イェール大学では、ビル・クリントン、ヒラリー・クリントン、リチャード・ブルメンソールらがクラスメートであった)。
- 1973年~1974年 第1巡回区米国控訴裁判所首席裁判官フランク・M・コフィンの法律事務官として働く。
- 1974年~1976年 アメリカ合衆国法務次官ロバート・ボークの次官補として働く(この間、ジェラルド・フォード大統領のためにも働いたことになる)。
- 1977年 ジミー・カーター大統領から連邦通商委員会政策計画スタッフの管理者に指名される 。
- 1980年~1992年 ハーバード大学ジョン・F・ケネディ政治スクールで教える。
- 1993年~1997年 ビル・クリントン大統領のもとで労働長官となる。
- ブランダイス大学とヘラー・スクール・フォー・ソーシャル・ポリシー・アンド・マネージメント大学院で教える。
- カリフォルニア大学バークレー校のゴールドマン・スクール・オブ・パブリック・ポリシーの教授(Chancellor's Professor of Public Policy)となる。
主な業績
- クリントン政権下の1993年から1997年に第32代労働長官を務めた。
- 1991年に発表した The Work of Nations: Preparing Ourselves for 21st Century Capitalism (邦訳『ザ・ワーク・オブ・ネーションズ』)で、アメリカの富の大部分は人口における二割にすぎない「シンボリック・アナリスト」なる階層のものとなり、それ以外の階層である「対人サービス業者」「ルーティン肉体労働者」との断絶が激しくなるとの見通しを発表して、格差社会の到来を予言した。なお、シンボリック・アナリストとは、「象徴分析者」と和訳できるが、知識労働者と同じような意味である。問題を発見し、必要な人材、モノ、資金、情報などを集め、問題を解決する、という行動パターンで富を得る人たちである。
朝日新聞(2013年1月1日)
- 米国経済の現状を、どう見ていますか。
- 「回復の足取りは、きわめて遅い。中間所得層が失われつつあることが大きい。米国の経済の7割は、個人消費に依存しているが、その担い手である中間層が、もはや経済を持続的に回していくだけの購買力を持ちえていない」
- なぜそうなってきたのでしょうか。
- 「この傾向が始まったのは1970年代後半からだ。中間層は消費を続けるために、まずは主婦などの女性が働きに出た。次に、多くの人が長い時間働くようになった。それでも足りないので、多くの人は住宅などを担保にお金を借りて消費に回した。住宅価格が上がっている限り、それは足りないお金を補うことに役だった」「やがて住宅バブルははじけ、借り入れすらできなくなった。2007年には国民の総所得の4分の1が人口の1%に集まっているが、これほどまでに一極集中したのは大恐慌直前の1928年以来のことだ。それほど、いまの米国は所得の格差が拡大している」「元気な消費者がいなければ企業は投資しない。米国経済が、再び力強い成長の軌道にのるには、中間層の復活こそがカギになる。それ以外に方法はない。格差をそのままにすれば、いずれ政治的な不満として噴き出てくるだろう」
- 米国のような経済格差は、世界的に広がっているのでしょうか。
- 「格差拡大の傾向は、すでに多くの国でみられる。中国やロシア、インドなど新興国でも富が富裕層に集まる傾向がみられ、実際、こうした国の経済成長も鈍くなっている。米国ほどひどくはないが、私は、日本でも格差の広がりは無視できないと考えている」
- 中間層を復活させるには、どうすればよいのでしょうか。
- 「米国では、新しい仕事をうまく見つけられる再雇用制度や、所得階層が低い人たちへの教育の充実、公的医療保険の対象を広げることなどが考えられる」「私は11月の大統領選の結果に希望をみた。(オバマ氏が再選されたということは)米国民は例えば富裕層への増税などを望んでいることを望んでいるというシグナルだ。格差が広がっていることをふまえれば、富裕層の最高税率引き上げなどは理にかなっている」「私が主張し続けたいのは、経済は(だれかの利益が増えると、その分、別の人の損失が増える)ゼロサム・ゲームではないということだ。経済がもっとよくなれば、いまは富が集まっている富裕層にとってもよいはずだ」
著書
- 2007: Supercapitalism: The Transformation of Business, Democracy, and Everyday Life ISBN 0-307-26561-7
- 邦訳:雨宮寛・今井章子訳『暴走する資本主義』東洋経済新報社 2008年 ISBN 978-4492443514
- 2004: Reason: Why Liberals Will Win the Battle for America ISBN 1-4000-7660-9
- 邦訳:石塚雅彦訳『アメリカは正気を取り戻せるか―リベラルとラドコンの戦い』東洋経済新報社 2004年 ISBN 978-4492222546
- 2002: I'll Be Short: Essentials for a Decent Working Society ISBN 0-8070-4340-0
- 2000: The Future of Success: Working and Living in the New Economy ISBN 0-375-72512-1
- 邦訳:清家篤訳『勝者の代償―ニューエコノミーの深淵と未来』東洋経済新報社 2002年 ISBN 978-4492222232
- 1997: Locked in the Cabinet ISBN 0-375-70061-7
- 1991: The Work of Nations: Preparing Ourselves for 21st Century Capitalism ISBN 0-679-73615-8
- 邦訳:中谷巌訳『ザ・ワーク・オブ・ネーションズ—21世紀資本主義のイメージ』ダイヤモンド社 1991年 ISBN 978-4478210185
- 1990: Public Management in a Democratic Society ISBN 0-13-738881-0
- 1988: The Power of Public Ideas (editor) ISBN 0-674-69590-9
- 1989: The Resurgent Liberal: And Other Unfashionable Prophecies ISBN 0-8129-1833-9
- 1987: Tales of a New America: The Anxious Liberal's Guide to the Future ISBN 0-394-75706-8
- 1985: New Deals: The Chrysler Revival and the American System (John Donahue との共著) ISBN 0-14-008983-7
- 1983: The Next American Frontier ISBN 0-8129-1067-2
- 邦訳:竹村健一訳『ネクスト・フロンティア』三笠書房 2000年 ISBN 978-4837953821
- 1982: Minding America's Business: The Decline and Rise of the American Economy (Ira Magaziner との共著) ISBN 0-394-71538-1
関連項目
- 竹村健一 - 『シンボル・アナリストの時代』なる著書で「シンボリック・アナリスト」についてのライシュの考え方を紹介した。
- 勝間和代 - 『10年後あなたの本棚に残るビジネス書100』(神田昌典との共著)のなかで、愛読書としてライシュの本を挙げている。
- 栗本慎一郎 - 『大転換の予兆』『成り行き大国ニッポン』などの著書で、「シンボリック・アナリスト」に注目している。
外部リンク
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ウィキメディア・コモンズには、ロバート・B・ライシュに関連するカテゴリがあります。 |
- US Department of Labor biography
- UC Berkeley biography
- robertreich.org biography
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アメリカ合衆国労働長官
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