メトロニダゾール

出典: meddic

metronidazole, MTZ
フラジール Flagyl, Metro-IV、アスゾールランピオンパック(ランソプラゾールアモキシシリンメトロニダゾール)
トリコモナス
  • first aid step1 2006 p.139,142,148,165,172,178,208,276,282

特徴

構造

作用機序 PPC. 641, 647

  • メトロニダゾールの活性化には嫌気性生物の発酵に関与する酵素 pyruvate-derredocin oxidoreductase,PFORが必要
  • pyruvate-ferredoxin oxidoreductaseはferredoxinをreduced ferredoxinに変換するが、これに共役してメトロニダゾールがreduced metronidazole(活性型)に変換される。
PFORは宿主細胞(好気性生物)には存在しないので、原虫や嫌気性生物が特異的に障害を受ける
  • 微生物の蛋白質、膜、DNAに傷害を与える

適応

USMLE (first aid step1 2006 p.172)

横隔膜より下の嫌気性菌に対して用いられる
H. pylori:bismuth + amoxicillin/tetracycline + metronidazole

副作用

  • disulfiram-like reaction with alcohol; headache,metallic taste (first aid step1 2006 p.172)




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出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2015/09/02 11:30:14」(JST)

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和文文献

  • メトロニダゾールに対する副反応のためにチニダゾールで治療し得た後天性免疫不全症候群に併発したアメーバ性大腸炎の1例
  • 渡辺 珠美,菅原 斉,松林 洋志,石井 彰,青木 厚,牛丸 信也,野首 光弘,西田 淳二,吉田 行雄,川上 正舒
  • 自治医科大学紀要 33, 147-153, 2011-03-01
  • メトロニダゾールに対する副反応のためにチニダゾールで治療した後天性免疫不全症候群に併発したアメーバ性大腸炎を経験した。症例は42歳,男性。入院3ヶ月前から下痢が持続し他院入院。下部内視鏡検査でアメーバ性大腸炎と診断され,メトロニダゾールの内服が開始された。投与3日目に四肢と前胸部に皮疹が出現したため内服を中止した。その後,食欲低下と急激な体重減少,会話時の息切れ,動悸が出現し当院を受診。ヒト免疫不 …
  • NAID 110008507492
  • LC-MS/MSによる鮭および蜂蜜中のジメトリダゾール,メトロニダゾールおよびロニダゾールの分析
  • 坂本 美穂,竹葉 和江,笹本 剛生,草野 友子,林 洋,金井 節子,神田 真軌,永山 敏廣
  • 食品衛生学雑誌 52(1), 51-58, 2011
  • LC-MS/MSを用いて,鮭および蜂蜜中のジメトリダゾール,メトロニダゾールおよびロニダゾールの分析法を検討した.各薬剤を酢酸エチルで抽出した後,シリカゲルカートリッジカラムを用いて精製を行った.測定は各薬剤の安定同位体標識標準品を用いて,SRMモードで行った.鮭および蜂蜜に0.4?2 μg/kgとなるように各薬剤を添加して,添加回収試験を実施したところ, 回収率91.2?107.0%,併行精度1 …
  • NAID 130000671812
  • 胃に穿破したアメーバ性肝膿瘍に対し内服治療のみで根治を得た1例
  • 高橋 憲史,荒川 和久,須納瀬 豊,戸塚 統,戸谷 裕之,竹吉 泉
  • 日本消化器病学会雑誌 108(8), 1413-1419, 2011
  • 症例は26歳,男性.肝腫瘍疑いで近医より当院紹介となった.腹部CTで肝左葉に8×6cmの腫瘤を認め,肝膿瘍を疑った.上部消化管内視鏡で胃小彎に巨大な粘膜下の隆起があり,隆起上に膿汁が流出する潰瘍を認め,膿瘍の穿破と判断した.潰瘍の生検でアメーバ虫体が確認された.膿瘍のドレナージは行わず,メトロニダゾールの内服のみで治癒し得た.胃に穿破したアメーバ性肝膿瘍はまれな疾患であり,文献的考察を加え報告する …
  • NAID 130001070726

関連リンク

フラジールとは?メトロニダゾールの効能,副作用等を説明,ジェネリックや薬価も調べられる(おくすり110番:病気別版) ... 概説 原虫や細菌を駆除するお薬です。それらが原因のいろいろな病気に用います。 作用 【働き-1】 トリコモナス症 ...
メトロニダゾールは殺菌性で主に嫌気性菌およびある種の原虫に対して使用する。 薬理: 経口メトロニダゾールは吸収良好である。静脈内使用は,一般に経口的に治療できない患者に対してのみ必要とされる。メトロニダゾールは体液中に ...
フラジールとは?メトロニダゾールの効能,副作用等を説明,ジェネリックや薬価も調べられる(おくすり110番:薬事典版) ... 成分(一般名) : メトロニダゾール 製品例 : フラジール腟錠250mg ・・その他(ジェネリック) & 薬価 区分 : 生殖器官用 ...

関連画像

メトロニダゾール Metronidazole メトロニダゾール メトロニダゾール注射液 500mg メトロニダゾール 250 Mg  中メトロニダゾール400mg、200mgメトロニダゾール(Metronidazole  いるメトロニダゾールの注射版 とメトロニダゾールです。アゼ

添付文書

薬効分類名

  • 抗トリコモナス剤

販売名

  • フラジール内服錠250mg

組成

成分・含量(1錠中):

  • メトロニダゾール250mg

添加物:

  • コムギデンプン,グリセリン,メチルセルロース,水アメ,タルク,ステアリン酸マグネシウム,白糖,デンプングリコール酸ナトリウム,アラビアゴム末,ゼラチン,沈降炭酸カルシウム,安息香酸ナトリウム,カルナウバロウ

禁忌

既往に本剤の成分に対する過敏症を起こした患者

血液疾患のある患者(特発性血小板減少性紫斑病の患者を除く)[白血球減少があらわれることがある。「効能・効果に関連する使用上の注意」の項参照]

脳,脊髄に器質的疾患のある患者[中枢神経系症状があらわれることがある。]

妊娠3ヵ月以内の婦人[「妊婦,産婦,授乳婦等への投与」の項参照]

効能または効果

トリコモナス症(腟トリコモナスによる感染症)

下記におけるヘリコバクター・ピロリ感染症

  • 胃潰瘍,十二指腸潰瘍,胃MALTリンパ腫,特発性血小板減少性紫斑病,早期胃癌に対する内視鏡的治療後胃

本剤をヘリコバクター・ピロリ感染症に用いる場合

プロトンポンプインヒビター(ランソプラゾール,オメプラゾール又はラベプラゾールナトリウム),アモキシシリン水和物及びクラリスロマイシン併用による除菌治療が不成功だった患者に適用すること。

進行期胃MALTリンパ腫に対するヘリコバクター・ピロリ除菌治療の有効性は確立していない。

特発性血小板減少性紫斑病に対しては,ガイドライン等を参照し,ヘリコバクター・ピロリ除菌治療が適切と判断される症例にのみ除菌治療を行うこと。

早期胃癌に対する内視鏡的治療後胃以外には,ヘリコバクター・ピロリ除菌治療による胃癌の発症抑制に対する有効性は確立していない。

トリコモナス症(腟トリコモナスによる感染症)

  • 通常,成人にはメトロニダゾールとして,1クールとして,1回250mgを1日2回,10日間経口投与する。

ヘリコバクター・ピロリ感染症

  • アモキシシリン水和物,クラリスロマイシン及びプロトンポンプインヒビター併用によるヘリコバクター・ピロリの除菌治療が不成功の場合
    通常,成人にはメトロニダゾールとして1回250mg,アモキシシリン水和物として1回750mg(力価)及びプロトンポンプインヒビターの3剤を同時に1日2回,7日間経口投与する。
    *本剤をヘリコバクター・ピロリ感染症に用いる場合,プロトンポンプインヒビターはランソプラゾールとして1回30mg,オメプラゾールとして1回20mg又はラベプラゾールナトリウムとして1回10mgのいずれか1剤を選択する。

重大な副作用

末梢神経障害(0.1%未満):長期投与により末梢神経障害があらわれることがあるので,観察を十分に行い,四肢のしびれ,異常感等が認められた場合には投与を中止し,適切な処置を行うこと。

薬効薬理

薬理作用

  • Trichomonas vaginalisに対し,抗原虫作用を示す 14)

作用機序

  • 抗原虫及びヘリコバクター・ピロリ除菌作用
    メトロニダゾールは原虫又はヘリコバクター・ピロリ菌体内のニトロ還元酵素系の反応によって還元を受け,ニトロソ化合物(R-NO)に変化する。このR-NOが抗原虫作用及びヘリコバクター・ピロリに対する殺菌作用を示す。また,反応の途中で生成したヒドロキシラジカルがDNAを切断し,DNAらせん構造の不安定化を招く 15)?17)

有効成分に関する理化学的知見

一般的名称:

  • メトロニダゾール(JAN)[日局]
    Metronidazole

化学名:

  • 2-(2-Methyl-5-nitro-1H-imidazol-1-yl)ethanol

分子式:

  • C6H9N3O3

分子量:

  • 171.15

化学構造式:

性状:

  • 白色?微黄白色の結晶又は結晶性の粉末である。
    酢酸(100)に溶けやすく,エタノール(99.5)又はアセトンにやや溶けにくく,水に溶けにくい。
    希塩酸に溶ける。
    光によって黄褐色になる。

融点:

  • 159?163℃

分配係数:

  • 0.81[pH7.4,1-オクタノール/緩衝液]


★リンクテーブル★
先読みアモキシシリン」「ランソプラゾール
国試過去問102I076」「108I073」「095D058」「108G035
リンク元クローン病」「潰瘍性大腸炎」「抗菌薬」「バンコマイシン」「ATM療法
拡張検索メトロニダゾール脳症

アモキシシリン」

  [★]

amoxicillin
amoxicillinum
アミノヒドロキシベンジルペニシリン amino-hydroxybenzyl penicillin aminohydroxybenzylpenicillin AMPC
アモキシシリンアモペニキシンアモリンエフペニックスオーグメンチン配合クラバモックス小児用配合サワシリンパセトシンランサップランピオンパック ワイドシリン、Amoxil、Polymox
アンピシリン




ランソプラゾール」

  [★]

lansoprazole
スタンゾームタイプロトンタケプロンタピゾールラソプランランサップランソラールランピオンパックPrevacid
消化性潰瘍用剤
  • 攻撃因子抑制剤



102I076」

  [★]

  • 26歳の男性。腹痛と血便とを主訴に来院した。5日前から左下腹部痛と粘血便とを認めた。1か月前にインド旅行をした。身長170cm、体重68kg。体温36.5℃。脈拍84/分、整。血圧118/62mmHg。眼瞼結膜と眼球結膜とに異常を認めない。腹部全体に軽度の圧痛を認める。筋性防御を認めない。大腸内視鏡写真(S状結腸)と新鮮便の顕微鏡写真とを以下に示す。
  • 治療薬として適切なのはどれか。


[正答]


※国試ナビ4※ 102I075]←[国試_102]→[102I077

108I073」

  [★]

  • 22歳の女性。外陰部の違和感を主訴に来院した。 2か月前から気になっているという。痒みや痛みはない。陰唇と会陰部とに隆起性の病変が見られたため生検を行った。外陰部の写真 (別冊 No.29A)と生検組織の H-E染色標本 (別冊 No.29B、C)とを別に示す。
  • 治療として適切なのはどれか。



[正答]


※国試ナビ4※ 108I072]←[国試_108]→[108I074

095D058」

  [★]

  • 52歳の男性。会社の健康診断で胸部エックス線検査を受け、異常を指摘されて来院した。自覚症状は特にない。胸部エックス線写真、経気管支肺生検組織PAS及びGrocott染色標本を以下に示す。適切な治療薬はどれか。


[正答]
※国試ナビ4※ 095D057]←[国試_095]→[095D059

108G035」

  [★]


[正答]


※国試ナビ4※ 108G034]←[国試_108]→[108G036

クローン病」

  [★]

Crohn disease, Crohn's disease
Crohn病
限局性回腸炎 regional ileitis回腸末端炎終末回腸炎 terminal ileitis
潰瘍性大腸炎炎症性腸疾患 inflammatory bowel disease
  • first aid step1 2006 p.113,140,276,280,283,326,427
  • see also 消化器系チュートリアルの材料.xls

まとめ

  • 特定疾患治療研究事業に含まれる疾患である(特定疾患)。消化管のあらゆる部位に非連続性に起こる原因不明・全層性の慢性肉芽腫性炎症疾患である。10歳後半から20歳代の若年者に多く、また男性に多い(男女比2:1)。病因は不明であるが、炎症反応の亢進であるかもしれない。病理学的にはリンパ球、形質細胞浸潤を伴う全層性炎症像がみられる。また、非乾酪性類上皮細胞肉芽腫が特徴的である。症状は腹痛、下痢、発熱、体重減少などあり、肛門病変(痔瘻や裂肛)が初発することがある。血液検査では炎症所見(WBC,CRP上昇、赤沈亢進)が見られ、貧血、低栄養の所見、またα1アンチトリプシン試験で異常となる。画像検査では、非連続性の病変が認められ、またアフタ状潰瘍、腸間膜付着側の縦列潰瘍、敷石像、瘻孔形成、肛門病変が認められる。治療は内科的治療が中心である。絶食、栄養療法(成分栄養剤による経腸栄養療法、経静脈栄養。小腸ok)、薬物療法(サラゾスルファピリジン(大腸only)、メサラジン(小腸・大腸ok)。ステロイド(栄養療法・5-アミノサリチル酸不応例)、インフリキシマブ、免疫抑制薬、顆粒球吸着療法(GCAP)が行われる。外科療法は狭窄、膿瘍、肛門病変に対して行われる。(SSUR.535 YN A-62)

比較

Table 15-10. Distinctive Features of Crohn Disease and Ulcerative Colitis*
Feature Crohn Disease
(Small intestine)
Crohn Disease
(Colon)
Ulcerative Colitis
Macroscopic
Bowel region Ileum ± colon† Colon ± ileum Colon only
Distribution Skip lesions Skip lesions Diffuse
Stricture Early Variable Late/rare
Wall appearance Thickened Variable Thin
Dilation No Yes Yes
Microscopic
Pseudopolyps None to slight Marked Marked
Ulcers Deep, linear Deep, linear Superficial
Lymphoid reaction Marked Marked Mild
Fibrosis Marked Moderate Mild
Serositis Marked Variable Mild to none
Granulomas Yes (40% to 60%) Yes (40% to 60%) No
Fistulas/sinuses Yes Yes No
Clinical
Fat/vitamin malabsorption Yes Yes, if ileum No
Malignant potential Yes Yes Yes
Response to surgery‡ Poor Fair Good


概念

  • 原因不明の炎症性疾患
  • 腸壁全層に肉芽腫形成が見られる
  • 小腸や大腸に縦走潰瘍、敷石像、アフタの形成

病型

  • 病変の存在部位により分類(小腸型、小腸大腸型、大腸型、特殊型など)
頻度:小腸大腸型>小腸型>>大腸型

病理

  • 全層に及ぶ縦走潰瘍、敷石像、アフタの形成
クローン病 腸結核 腸管ベーチェット病
縦走潰瘍 輪状潰瘍 打ち抜き状潰瘍
敷石像 帯状潰瘍 下掘れ状潰瘍

病因

  • 遺伝的因子 + 環境因子(食餌抗原や細菌、ウイルス感染など) → 免疫異常 → 腸管に慢性炎症性変化

症状

  • 主要症状:腹痛、下痢、発熱、体重減少 ← 水様性下痢が一般的で血便が見られることは少ない(QB.A-142)
  • 腹痛(臍周囲部および回盲部痛)、間欠性発熱、下痢、嘔吐、肛門部病変。体重減少、貧血

合併症

  • 1. 消化管合併症:狭窄、瘻孔、痔瘻、肛門周囲膿瘍
  • 2. 消化管外合併症

続発症

検査

  • 腹部単純X線写真:イレウスを疑う症例ではニボーの確認のために重要。クローン病の確定診断にはやくにたたない。
  • 上部消化管内視鏡
  • 下部消化管内視鏡
  • 小腸造影:小腸病変の評価。特に回腸末端の病変、程度、潰瘍、狭窄、瘻孔
  • 腹部造影CT:TNFα阻害薬やステロイドを用いる際には、腹部から触知下腫瘤が腸管の癒着か、膿瘍の合併によるものかを評価する必要がある(QB.A-144)
  • 注腸造影:大腸病変の描出
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診断

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鑑別診断

IMD

治療

YN.A-66

  クローン病 潰瘍性大腸炎
病因??? 炎症反応亢進 免疫応答の異常
寛解導入 栄養療法  
5-アミノサリチル酸(大: サラゾスルファピリジン、小: メサラジン) 5-アミノサリチル酸(大: サラゾスルファピリジン、小: メサラジン)
ステロイド ステロイド
抗TNF-α抗体  
シプロフロキサシンメトロニダゾール ATM療法
顆粒球吸着療法(白血球除去療法) 顆粒球吸着療法(白血球除去療法)
  免疫抑制薬
緩解維持 在宅経腸栄養法 無治療~5-アミノサリチル酸(大: サラゾスルファピリジン)
5-アミノサリチル酸  
免疫抑制薬  
外科 狭窄、難治性痔瘻 大出血、狭窄、穿孔、中毒性巨大結腸症、癌化

外科療法

  • 狭窄、瘻孔形成、痔瘻の場合に適応となる。
  • 腸切除の後遺症:吸収障害(脂肪>蛋白>糖)、[回盲部切除]胆汁酸ビタミンB12の吸収不良、小腸内細菌異常増殖(結腸からの侵入?)

USMLE

  • Q book p.290


参考

  • 1.
  • [display]http://homepage3.nifty.com/mickeym/No.101_200/163kuro.html
  • 2. 病理学コア UC
[display]http://jsp.umin.ac.jp/corepictures2007/09/c01/index.html
  • 3. 株式会社JIMRO IBDの診断と治療
[display]http://www.jimro.co.jp/ibd/index_ibd.htm
  • 4. クローン病の治療指針 活動期の治療2010
[display]http://mimibukuro.org/cd/medical-guideline08/2
  • 5. クローン病 注腸造影
アフタ病変
[display]http://www.ajronline.org/content/179/4/1029/F14.expansion
縦走潰瘍
[display]http://www.ajronline.org/content/179/4/1029/F12.expansion
偽ポリープ
[display]http://rfs.acr.org/gamuts/data/images/ID1143.htm

国試



潰瘍性大腸炎」

  [★]

ulcerative colitis, UC
colitis gravis, colitis chronica gravis, colitis ulcerosa
炎症性腸疾患 inflammatory bowel diseaseクローン病難病

まとめ

  • (免疫応答の異常?)大腸粘膜までを侵し、びらんや潰瘍を形成する原因不明のびまん性非特異性炎症である。長期にわたって増悪寛解を繰り返す特定疾患治療研究事業の対象疾患である。男女差無く、若年者(25歳)と中年(50歳)に多い。病変は全大腸、左側結腸、もしくは直腸を侵す物に分類されるが、全大腸型が最も多い。症状は「下痢、血便、腹痛」が中心であり、発熱、体重減少、貧血などの全身症状も伴う。重症度は下痢、血便、発熱、脈拍、ヘモグロビン、血沈が指標となる。合併症としては、中毒性巨大結腸症、原発性硬化性胆管炎、壊疽性膿皮症、結節性紅斑、強直性脊椎炎、口内アフタなどがある。血液検査では炎症所見(CRP,WBC,ESR上昇)が認められる。注腸造影検査ではハウストラの消失、鉛管状の結腸が、また内視鏡検査では、連続病変、粘膜血管の不明瞭化、シュードポリープが認められる。組織像では粘膜下層までの炎症像、陰窩膿瘍がみられる。治療はサラゾスルファピリジン、メサラジン、ステロイド、免疫抑制剤、ATM療法などがある。手術療法は中毒性巨大症、穿孔・出血、大腸癌合併の時に適応となる。長期的には大腸癌のリスクが高くフォローが必要である。

概念

  • 大腸粘膜を侵し、びらんや潰瘍を形成する原因不明のびまん性非特異性炎症
  • 粘膜下組織まで炎症が見られる
  • 特定疾患治療研究事業の対象疾患である。

疫学

  • 日本では、1年間人口10万人対0.3人前後
  • 30歳以下の成人に多い。

病因

  • 反復する細菌感染?

症状

  • 急性・慢性に発症し、官界と再発を繰り返す。
  • 下痢血便腹痛
  • 食欲不振、体重減少、易疲労感

合併症

腸管症状

  • 腸管出血・穿孔・狭窄・膿瘍・瘻孔形成、貧血、低蛋白血症。重大なものは中毒性巨大結腸症と大腸癌
  • 中毒性巨大結腸症
  • 腸管の運動低下のために拡張をきたした状態。腹部は腸管拡張により膨隆し、腸管運動は減少または消失。
  • 若年発症、全大腸型、10年以上の長期経過例で発生頻度が高い。
  • 低分化癌が多い ⇔ (通常の大腸癌は高分化癌が多い)

腸管外症状

検査

  • 赤沈、CRP 上昇
  • 白血球 基準値以上
  • 赤血球 基準値以下
  • 血清総蛋白 基準値以下

内視鏡

  • 血管透見像消失
  • 細顆粒状
  • 偽ポリポーシス像
[show details]

注腸検査

  • ハウストラの消失

生検

  • 陰窩膿瘍

診断

臨床的重症度分類

参考1
  軽症 中等症 重症 分布 関連
1) 排便回数 ≦4回 重症と軽症との中間 ≧6回 腸管症状  
2) 顕血便 (+)~(-) (+++)  
3) 発熱 <37.5℃ ≧37.5℃ 全身症状 炎症
4) 頻脈 <90/分 ≧90/分 3)発熱,4)貧血による。
5) 貧血 >Hb 10g/dl ≦Hb 10g/dl 炎症あるいは2)血便による
6) 赤沈 正常 ≧30 mm/h 炎症
 
軽症 軽症項目全て満たす
重症 ( 1 and 2 ) and ( 3 or 4 ) ) and (6項目のうち4項目以上)
1,2は直腸の症状、3,4は全身症状、5は血便による貧血症状、6は炎症の程度を反映。

鑑別疾患

治療

YN.A-66
  クローン病 潰瘍性大腸炎
病因??? 炎症反応亢進 免疫応答の異常
寛解導入 栄養療法  
5-アミノサリチル酸(大: サラゾスルファピリジン、小: メサラジン) 5-アミノサリチル酸(大: サラゾスルファピリジン、小: メサラジン)
ステロイド ステロイド
抗TNF-α抗体  
シプロフロキサシンメトロニダゾール ATM療法
顆粒球吸着療法(白血球除去療法) 顆粒球吸着療法(白血球除去療法)
  免疫抑制薬
緩解維持 在宅経腸栄養法 無治療~5-アミノサリチル酸(大: サラゾスルファピリジン)
5-アミノサリチル酸  
免疫抑制薬  
外科 狭窄、難治性痔瘻 大出血、狭窄、穿孔、中毒性巨大結腸症、癌化

予後

潰瘍性大腸炎とクローン病の比較

Table 15-10. Distinctive Features of Crohn Disease and Ulcerative Colitis*
Feature Crohn Disease
(Small intestine)
Crohn Disease
(Colon)
Ulcerative Colitis
Macroscopic
Bowel region Ileum ± colon† Colon ± ileum Colon only
Distribution Skip lesions Skip lesions Diffuse
Stricture Early Variable Late/rare
Wall appearance Thickened Variable Thin
Dilation No Yes Yes
Microscopic
Pseudopolyps None to slight Marked Marked
Ulcers Deep, linear Deep, linear Superficial
Lymphoid reaction Marked Marked Mild
Fibrosis Marked Moderate Mild
Serositis Marked Variable Mild to none
Granulomas Yes (40% to 60%) Yes (40% to 60%) No
Fistulas/sinuses Yes Yes No
Clinical
Fat/vitamin malabsorption Yes Yes, if ileum No
Malignant potential Yes Yes Yes
Response to surgery‡ Poor Fair Good


参考

  • 1. 株式会社JIMRO IBDの診断と治療
[display]http://www.jimro.co.jp/ibd/index_ibd.htm
  • 2. ガイドライン
[display]http://minds.jcqhc.or.jp/stc/0029/5/0029_G0000120_CQ.html
[display]http://minds.jcqhc.or.jp/stc/0029/1/0029_G0000071_GL.html
  • 3. 潰瘍性大腸炎 - 難病情報センター
http://www.nanbyou.or.jp/entry/218
  • 4. 認定基準
http://www.nanbyou.or.jp/upload_files/009_s.pdf
  • x. まんが
http://nohira.web.fc2.com/
interesting!
  • [display]http://nohira.web.fc2.com/comic/uc/index.html

国試



抗菌薬」

  [★]

antibacterial drug, antibacterial
抗生剤薬理学抗菌薬一覧抗細菌薬
first aid step 1 2006 p.165

定義

  • 細菌/微生物に静菌作用、殺菌作用を示す物質。結果として、人において病原性を除去する目的で使用される。
  • このうち、微生物によって産生される物質を抗生物質と呼ぶ


作用機序による分類

first aid step 1 2006 p.165
  Mechanism of action Drugs
1 Block cell wall synthesis by inhibition of peptidoglycan cross-linking penicillin, ampicillin, ticarcillin, piperacillin, imipenem, aztreonam, cephalosporins
2 Block peptidoglycan synthesis bacitracin, vancomycin, cycloserine
3 Disrupt bacterial/fungal cell membranes polymyxins
4 Disrupt fungal cell membranes amphotericin B, nystatin, fluconazole/azoles
5 Block nucleotide synthesis sulfonamides, trimethoprim
6 Block DNA topoisomerases quinolones
7 Block mRNA synthesis rifampin
8 Block protein synthesis at 50S ribosomal subunit chloramphenicol, erythromycin/macrolides, lincomycin, clindamycin, streptogramins (quinupristin, dalfopristin), linezolid
9 Block protein synthesis at 30S ribosomal subunit aminoglycosides, tetracyclines, spectinomycin
 ATuSi → あつし


薬物動態

  • 濃度依存性:アミノグリコシド系抗菌薬、ニューロキノロン系抗菌薬
  • 時間依存性:βラクタム系抗菌薬

治療期間

小児

尾内一信 ; 第 39 回日本小児感染症学会教育講演 2 小児感染症の抗菌薬療法 -耐性菌時代の適正使用-
感染臓器・臨床診断 原因菌 投与期間(抗菌薬)
髄膜炎 インフルエンザ菌 7-10日
肺炎球菌 10-14日
髄膜炎菌 7-10日
GBS,腸内細菌,リステリア 21日
中耳炎 <2 歳 10日
2 歳≦ 5-7日
咽頭炎 A 群連鎖球菌 10日(ペニシリン系薬)
5日(セフェム系薬)
肺炎 肺炎球菌,インフルエンザ菌 解熱後3-4日
黄色ブドウ球菌 3-4週間
マイコプラズマ,クラミジア 10-21日
腎臓、膀胱炎、腎盂腎炎 大腸菌,プロテウス,腸球菌 3日
14日
骨髄炎 黄色ブドウ球菌 21日
連鎖球菌,インフルエンザ菌 14日

主要な感染症の抗菌薬投与期間

感染レジマニュ p.27
骨髄炎 4-6週
耳鼻咽喉 中耳炎 5-7日
副鼻腔炎 5-14日
A群溶連菌咽頭炎 10日
肺炎 肺炎球菌 7-10日 or 解熱後3日間
インフルエンザ菌 10-14日
マイコプラズマ 14日(7-10日)
レジオネラ 21日
肺化膿症 28-42日
心臓 感染性心内膜炎 α連鎖球菌 2-4週
黄色ブドウ球菌 4-6週
消化管 腸炎 赤痢菌 3日
チフス 14日(5-7日)
パラチフス
腹膜炎 特発性 5日
二次性 10-14日
胆肝膵 肝膿瘍 細菌性 4-8週
アメーバ性 10日
尿路 膀胱炎 3日
急性腎盂腎炎 14日(7-10日)
急性腎盂腎炎・再発 6週
慢性前立腺炎 1-3ヶ月
髄腔 髄膜炎 インフルエンザ菌 7-10日
髄膜炎菌
肺炎球菌 10-14日
リステリア 21日
敗血症 敗血症 コアグラーゼ陰性ブドウ球菌 5-7日
黄色ブドウ球菌 28日(14日)
グラム陰性桿菌 14日(7-14日)
カンジダ 血液培養陰性化後, 14日

妊婦に避けるべき抗菌薬

  • Antibiotics to avoid in pregnancy
  • Sulfonamides––kernicterus.
  • Aminoglycosides––ototoxicity.
  • Fluoroquinolones––cartilage damage.
  • Erythromycin––acute cholestatic hepatitis in mom
(and clarithromycin––embryotoxic).
  • Metronidazole––mutagenesis.
  • Tetracyclines––discolored teeth, inhibition of bone growth.
  • Ribavirin (antiviral)––teratogenic.
  • Griseofulvin (antifungal)––teratogenic.
  • Chloramphenicol––“gray baby.”
  • SAFE Moms Take Really Good Care.

使っても良い

YN.H-24
  • βラクタム系
  • エリスロマイシン、アジスロマイシン

参考

  • 抗菌薬インターネットブック
まとまっていてよい
[display]http://www.antibiotic-books.jp

抗菌薬一覧

バンコマイシン」

  [★]

vancomycin, VCM
塩酸バンコマイシン vancomycin hydrochloride
Vancocin, Luphocinバンマイシン
抗菌薬一覧テイコプラニンメトロニダゾール
  • first aid step1 2006 p.140,165,166,169,173,207

特徴

  • Streptomyces orientalisから分離
  • 経腸管的に吸収されないため骨髄移植時の消化管内消毒に用いられる。

構造

作用機序

  • 細胞壁合成阻害作用(block peptidoglycan synthesis)
  • 細胞内で作られたmurein monomerの重合を妨げる?

薬理作用

抗菌スペクトル

  • MRSAを含むほとんどのグラム陽性菌と一部の嫌気性菌に抗菌作用を示す
  • 殺菌的に作用(bactericidal antibiotics)

動態

  • 腸管からほとんど吸収されない→腸管殺菌のための経口投与、点滴静注による全身投与で用いられる

適応

  • 感染性腸炎
  • 骨髄移植時の消化管内殺菌

適応菌種

  • メチシリン耐性黄色ブドウ球菌、クロストリジウム・ディフィシル

注意

禁忌

副作用

重大な副作用

添付文書
  • 1)ショック:0.1%未満(血圧低下、不快感、口内異常感、喘鳴、眩暈、便意、耳鳴り、発汗等)
  • 2)注射用塩酸バンコマイシン製剤:アナフィラキシー様症状、急性腎不全間質性腎炎、汎血球減少、無顆粒球症、血小板減少、皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群)、中毒性表皮壊死症(Lyell症候群)、剥脱性皮膚炎、第8脳神経障害、偽膜性大腸炎、肝機能障害、黄疸

その他

  • 1)過敏症(発熱、発疹、潮紅、悪寒、蕁麻疹、そう痒)
  • 2)血液(好酸球増多、白血球減少、血小板減少)
  • 3)肝臓(AST・ALT・Al-P上昇)
  • 4)消化器(下痢:48%、悪心:28%、嘔吐:34%、食欲不振) ←骨髄移植時の消化管内殺菌における発現頻度
  • 5)腎臓(BUN・クレアチニンの上昇)
  • 6)その他(口内炎、舌炎)



ATM療法」

  [★]

潰瘍性大腸炎AFM療法
  • 慈恵医大柏病院(千葉県柏市)消化器・肝臓内科の大草敏史教授ら
  • 抗生物質3剤を2週間服用するATM療法を行うと、半数の患者の症状が著しく改善
  • Fusobacterium variumがUCの発症に関与していると考えて考えられた治療
  • レジメン

PMID 20216533

Newly developed antibiotic combination therapy for ulcerative colitis: a double-blind placebo-controlled multicenter trial.
Ohkusa T, Kato K, Terao S, Chiba T, Mabe K, Murakami K, Mizokami Y, Sugiyama T, Yanaka A, Takeuchi Y, Yamato S, Yokoyama T, Okayasu I, Watanabe S, Tajiri H, Sato N; Japan UC Antibiotic Therapy Study Group.
Am J Gastroenterol. 2010 Aug;105(8):1820-9. Epub 2010 Mar 9.

PMID 16334443

Effectiveness of antibiotic combination therapy in patients with active ulcerative colitis: a randomized, controlled pilot trial with long-term follow-up.
Ohkusa T, Nomura T, Terai T, Miwa H, Kobayashi O, Hojo M, Takei Y, Ogihara T, Hirai S, Okayasu I, Sato N.
Scand J Gastroenterol. 2005 Nov;40(11):1334-42.

PMID 15813838

Mucosa-associated bacteria in ulcerative colitis before and after antibiotic combination therapy.
Nomura T, Ohkusa T, Okayasu I, Yoshida T, Sakamoto M, Hayashi H, Benno Y, Hirai S, Hojo M, Kobayashi O, Terai T, Miwa H, Takei Y, Ogihara T, Sato N.
Aliment Pharmacol Ther. 2005 Apr 15;21(8):1017-27.

メトロニダゾール脳症」

  [★]

metronidazole-induced encephalopathy
メトロニダゾール




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