ペラグラ

出典: meddic

pellagra
ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド NAD
ニコチン酸ナイアシンビタミンB3ナイアシン欠乏症ニコチン酸欠乏症

疫学

  • 男女比=2:1。これはエストロゲンの代謝産物によってトリプトファンの代謝(つまりナイアシンの生合成?)が阻害される事による。 (HBC.498) 

病因

  • 1. 食事中のナイアシン不足。
  • 飢餓状態にあっては、ナイアシン欠乏のみならず、トリプトファンからナイアシンを合成するための補酵素(鉄、リボフラビン、ビリドキシン)の欠乏によっても生ずる
  • 2. トリプトファン吸収障害
  • Hartnup diseaseでは細胞膜上のトリプトファン輸送機構が障害されており、小腸からの吸収、腎尿細管での再吸収が障害されるるため(HBC.498)
  • 3. 体内での大量消費

pellagra 3D

  • 皮膚炎 dermatitis
  • 下痢 diarrhea
  • 痴呆 dementia
  • (死 death)

症状

  • 皮膚・粘膜症状:皮膚炎(色素沈着/脱出を残す)、舌炎、口角炎、口内炎
  • 神経症状:知覚障害、運動失調
  • 消化器症状:
  • 精神症状:健忘症、認知症

HIM.443

  • 初期症状:食欲減退、全身倦怠感、易刺激性(irritability)、腹痛、嘔吐
  • 日光照射部位の皮疹(pigmented and scaling)(Casal's necklace, 進行例で見られる) → bright red glossitis
  • 食道炎、腟炎
  • 下痢(直腸炎 proctitisや消化不良に起因する)、うつ、てんかん発作、認知症

疫学

HIM.443
  • トウモロコシを主食とした人々に多い:中国、アフリカ、インド。
  • 北米では、アルコール中毒、先天的に小腸と腎臓でニコチン酸の吸収が低下しているヒト(Hartnup disease)、カルチノイド症候群(トリプトファンがセロトニンに変換されて消費される)


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出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2015/09/24 23:37:36」(JST)

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和文文献

  • 症例報告 拒食により生じた亜鉛欠乏を伴うペラグラの1例
  • 眞海 芳史,安田 文世,木花 いづみ
  • 臨床皮膚科 66(1), 27-30, 2012-01
  • NAID 40019145097
  • アルコールと神経障害
  • 症例 ペラグラの2例
  • 高橋 阿起子,正木 太朗,西谷 奈生 [他]
  • 皮膚科の臨床 53(3), 449-452, 2011-03
  • NAID 40018749630
  • 飲酒と神経内科疾患 (特集 飲酒が関連する疾患に内科医はどう対応するか)

関連リンク

世界大百科事典 第2版 ペラグラの用語解説 - ビタミンB群,とくにニコチン酸アミド欠乏による全身性疾患。皮膚では顔面,手足の背面,上胸部などの露出部に紅斑,水疱,潰瘍を生じ,やがて色素沈着と萎縮を残す。このほか消化器 ...
ペラグラ(ぺらぐら)とは、ナイアシン欠乏症(ニコチン酸欠乏症)のことを指す。ナイアシンの欠乏により手足や顔、首などに皮膚炎が起こる。また、下痢や頭痛、めまい、神経障害などの症状を引き起こす。さらに、ナイアシン ...
本格的にナイアシンが不足しますと、二日酔いといった軽い症状だけではなく、もっと深刻な欠乏症の原因になってしまいます。 ナイアシンの欠乏症で最も怖いのがペラグラ(食欲不振や全身けん怠感や、酷い皮膚炎などを招きます ...

関連画像

ペラグラ とは ペラグラ 黒毛舌図 3 ペラグラ 患者 強い 日光  ペラグラ 予防 の 因子 を 分離copyright 1996 2014 dermis ヴァンパイア 吸血鬼 ペラグラ毎日 ペラグラ220px-Pellagra2.jpg


★リンクテーブル★
先読みビタミンB3」「NAD」「ニコチン酸欠乏症
国試過去問108B059」「103I052」「105G008」「107D001」「106I030」「101F030」「080B082
リンク元ビタミン」「脂肪肝」「統合失調症様症状」「ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド」「腸性肢端皮膚炎
拡張検索ペラグラ様皮疹」「オペラグラス手

ビタミンB3」

  [★]

vitamin B3
ニコチンアミドナイアシンアミドニコチン酸ニコチン酸アミド
ビタミン
→see ナイアシン


NAD」

  [★]


ニコチン酸欠乏症」

  [★] ナイアシン欠乏症


108B059」

  [★]

  • 次の文を読み、 59~ 61の問いに答えよ。
  • 22歳の男性。全身の筋力低下のため搬入された。
  • 現病歴: 5日前に下痢と悪心とがあった。昨日の起床時に歯ブラシをしっかり握れず、朝食時には箸を使えなかった。昼には両腕を持ち上げることができなくなり、夕食時には舌がもつれて話しにくく、むせるようになった。今朝は起き上がれず、母親が救急車を要請し、即日入院となった。
  • 既往歴:特記すべきことはない。
  • 生活歴:大学 4年生。
  • 家族歴:特記すべきことはない。
  • 現症:意識は清明。身長 168 cm、体重 63 kg。体温 36.8℃。脈拍 64/分、整。血圧 150/96 mmHg。呼吸数 18/分。 SpO2 96% ( room air)。認知機能に異常を認めない。両眼の[[睫毛徴候[[を認め、鼻唇溝は浅く、口笛を吹くまねができない。構音はやや不明瞭で、軽度の嚥下障害を認める。顔面の感覚には異常を認めない。臥位での頭部挙上ができない。徒手筋力テストで上肢は 1~ 2に低下し、下肢も 3に低下している。握力は両側 0 kgである。上下肢とも筋萎縮と感覚障害とを認めない。腱反射は上下肢とも消失し、病的反射を認めない。自力歩行はできない。排尿と排便とに異常を認めない。
  • 検査所見:尿所見と血液所見とに異常を認めない。血液生化学所見:総蛋白 7.0g/dl、アルブミン 3.9 g/dl、総ビリルビン 0.9 mg/dl、AST 33 IU/l、ALT 26 IU/l、CK 86 IU/l(基準 30~140)、尿素窒素 18 mg/dl、クレアチニン 0.8 mg/dl、血糖 86 mg/dl、Na 138 mEq/l、K 4.4 mEq/l、Cl 97 mEq/l。CRP 0.8 mg/dl。動脈血ガス分析 ( room air)に異常を認めない。呼吸機能検査:% VC 73.1%、 FEV1% 94.5%。心電図と胸部エックス線写真とに異常を認めない。脳脊髄液所見:初圧 155 mmH2O(基準 70~170)、細胞数 2 /mm3(基準 0~ 2)(単核球 100% )、蛋白 83 mg/dl(基準 15~45)、糖 69 mg/dl(基準 50~75)。
  • この患者の筋力低下の原因はどれか。


[正答]


※国試ナビ4※ 108B058]←[国試_108]→[108B060

103I052」

  [★]

  • 53歳の男性。建設作業に従事している。朝から意味不明なことを言い、暴れるようになったため搬入された。日本酒で晩酌を20年間。1年前から食事を十分にとらず、酒量も増えて1升(1.8l)/日になった。昨夜も飲酒していた。頭部MRIのFLAIR像を以下に示す。
  • 診断はどれか。


[正答]
※国試ナビ4※ 103I051]←[国試_103]→[103I053

105G008」

  [★]

  • 栄養素とその欠乏によって起こる病態との組合せで正しいのはどれか。
[正答]


※国試ナビ4※ 105G007]←[国試_105]→[105G009

107D001」

  [★]


[正答]


※国試ナビ4※ 107C031]←[国試_107]→[107D002

106I030」

  [★]

  • 胃全摘術後にきたしやすいのはどれか。 2つ選べ。


[正答]


※国試ナビ4※ 106I029]←[国試_106]→[106I031

101F030」

  [★]

  • 胃全摘術後にきたしやすいのはどれか。2つ選べ。
[正答]


※国試ナビ4※ 101F029]←[国試_101]→[101F031

080B082」

  [★]

  • ペラグラの原因となるのはどれか?

ビタミン」

  [★]

vitamin


  • ビタミン、生物の生存・生育に必要な栄養素のうち、炭水化物やタンパク質、脂質、ミネラル以外の栄養素であり、微量ではあるが生理作用を円滑に行うために必須な有機化合物の総称 wiki

ビタミン

性状 ビタミン名 化合物名 機能 補酵素名 欠乏症 過剰症
  アミノ酸代謝 補酵素前駆体
水溶性ビタミン ビタミンB1 チアミン 糖代謝   チアミン二リン酸 脚気
(多発性神経炎、脚気心による動悸・息切れ)
ウェルニッケ脳症
コルサコフ症候群
 
ビタミンB2 リボフラビン 酸化還元反応 アミノ酸オキシダーゼ フラビンアデニンジヌクレオチド 口角炎、舌炎、結膜炎、角膜炎、脂漏性皮膚炎  
ビタミンB6 ピリドキシン 転移反応、脱炭酸反応、離脱反応、ラセミ化 多くのアミノ酸 ピリドキサルリン酸 末梢神経障害(INHの副作用)  
ビタミンB12 シアノコバラミン C1転移 メチオニン分岐アミノ酸 コバルト補酵素 巨赤芽球性貧血  
ビタミンC アスコルビン酸 抗酸化     壊血病
易出血性、骨・筋の脆弱化
 
ビタミンB5 パントテン酸 CoAの骨格          
ビタミンB9 葉酸 C1転移 グリシンセリン   巨赤芽球性貧血  
ビタミンB3 ナイアシン
ニコチン酸
酸化還元反応   ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド ペラグラ
(1)光過敏性皮膚炎、(2)下痢、(3)認知症
 
ビタミンB7 ビオチン 炭素固定反応   ビオチン酵素 脂漏性皮膚炎鱗屑状皮膚炎  
脂溶性ビタミン ビタミンA レチノイド 転写因子、視覚       夜盲症
眼球乾燥症角膜軟化症(Bitot斑)・毛孔性角化症
脳圧亢進、四肢疼痛性腫脹、肝性皮膚落屑、悪心・嘔吐、食欲不振、催奇形性
ビタミンD コレカルシフェロール骨形成       くる病骨軟化症
腎臓・血管壁への石灰沈着、多尿、↑尿Ca、高Ca血症、高P血症
ビタミンE トコフェロール 抗酸化       未熟児の溶血性貧血  
ビタミンK フィロキノンメナキノン血液凝固因子オステオカルシンの成熟     出血傾向 溶血、核黄疸

ビタミンと欠乏症、過剰症

脂肪肝」

  [★]

fatty liversteatosishepatic steatosisliver steatosis
脂肪過多症脂肪症アルコール性肝障害

概念

病態生理

see BPT.654 uptodate.2

原因

YN.B-36改変 uptodate.1
  • 内分泌・代謝異常
  • 薬剤性

検査

  • 血液検査
  • AST・ALT:正常かやや上昇(ALT優位) (YN.B-36) ⇔ アルコール性脂肪肝ではAST優位
思うに、小葉辺縁(門脈域)にはALTが多いが、脂肪滴を蓄えた肝細胞はこの領域に多いのでは?だとすれば、lipid peroxidation productによる肝障害によりALTがleakしてALT優位となる説明がつくのだが。どうなの?

CT

  • 脂肪肝:単純CTで肝実質のCT値が脾臓よりも低くなる。正常な肝臓は脈管より高CT値を示すが、脂肪肝の場合はより低CT値を示すようになる

参考

  • 1. Non-alcoholic fatty liver disease - wiki en
[display]http://en.wikipedia.org/wiki/Non-alcoholic_fatty_liver_disease

uptodate

  • 1. [charged] 成人における甲状腺機能亢進症の臨床症状の概要 - uptodate [1]
  • 2. [charged] 非アルコール性脂肪性肝疾患の病因 - uptodate [2]



統合失調症様症状」

  [★]

schizophrenia like symptoms
  • 内科的および神経学的疾患(KPS.540)


ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド」

  [★]

nicotinamide adenine dinucleotide, NAD, NAD+
ビタミンビタミンB3ナイアシンニコチン酸ニコチンアミドNADP

機能

補酵素

  • 酸化還元酵素の補酵素 プロトンのキャリアー(あるいは電子受容体)と考えることができる。
NAD+ + H+ + 2e- → NADH
NAD+ + AH2 → NADH + H+ + A</span>
  • TCA回路や脂肪酸のβ酸化で用いられる。
  • ニコチンアミドに由来するピリジン環でプロトンを受容する。

基質

NAD and NADP are active in adenine diphosphate–ribose transfer reactions involved in DNA repair and calcium mobilization(HIM.443)
  • DNAリガーゼ
  • ADPリボシル反応

生合成

  • 肝臓
  • 1. トリプトファン → キノリン酸 →
  • 2. ニコチン酸、ニコチンアミド →

NADとNADHの比

  • 組織が十分に酸素を得ているとき:↑NAD/NADH  ← 生成された還元力が酸化的リン酸化によるATPの産生に十分使われている状態
  • 梗塞や運動時:↓NAD/NADH

NADHとNADPHの比

  • NADH:異化:各種の基質の還元剤 → 基質を脱水素しエネルギーを得る
  • NADPH:同化:合成反応の還元剤

臨床関連

  • ペラグラ
  • NADの欠乏



腸性肢端皮膚炎」

  [★]

enteropathic acrodermatitis syndrome
acrodermatitis enteropathica
腸性先端皮膚炎ダンボルト・クロス症候群 Danbolt-Closs syndrome
亜鉛欠乏症

病因

  • 長期の経中心静脈栄養
  • 消化管切除
  • 重症の下痢・嘔吐
  • ペニシラミン内服
  • (乳児のみ)亜鉛欠乏の母からの哺乳

症候

  • 皮膚症状 :
  • 部位:刺激が加わりやすい部位:開口部(口囲、眼囲、鼻孔、肛囲など)、四肢末端、外陰部
  • 皮疹:丘疹、小水疱、膿疱を伴う紅斑 → びらん、痂皮。輪状鱗屑
  • 毛髪症状 :脱毛。ほぼ必発。頭髪眉毛睫毛
  • 消化管症状:下痢
  • 粘膜症状:口内炎、舌炎、結膜炎

腸性肢端皮膚炎の3D

  • 皮膚炎 dermatitis
  • 下痢 diarrhea
  • 脱毛 datsumou  ←  ペラグラの3Dを改変

診断

  • 症状、血清亜鉛濃度で診断

鑑別診断


ペラグラ様皮疹」

  [★]

pellagra-like skin rash
ペラグラ


オペラグラス手」

  [★]

opera-glass hand





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