デクスメデトミジン
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Japanese Journal
- 塩酸デクスメデトミジン プレセデックス静注液200μg「アボット」
- 集中治療における新しい鎮静薬 塩酸デクスメデトミジン(プレセデックス)の薬理学的特徴と臨床試験成績
- 泰地 和子
- 日本薬理学雑誌 : FOLIA PHARMACOLOGICA JAPONICA 124(3), 171-179, 2004-09-01
- … 塩酸デクスメデトミジン(プレセデックス)は,強力かつ選択性の高い中枢性α2アドレナリン受容体作動薬である.α2アドレナリン受容体作動薬は,鎮静および鎮痛作用,抗不安作用,ストレスによる交感神経系亢進を緩和することによる血行動態の安定化作用等,広範な薬理作用を示す.本薬はラット大脳皮質における受容体親和性試験において,α2アドレナリン受容体に対して高い親和性と選択性を示し,α2受容体 …
- NAID 10014284519
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- プレセデックス, ホスピーラ, 沈静, 集中治療, 呼吸抑制, 覚醒, デクスメデトミジン, 小児 麻酔, 鎮静剤, ICU, α2アゴニスト, 人工呼吸中, 抜管後, 譫妄, 交感神経抑制,青斑核.
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Japan Pharmaceutical Reference
薬効分類名
販売名
プレセデックス静注液200μg「マルイシ」
組成
有効成分
含量(1バイアル2mL中)
添加物
禁忌
効能または効果
人工呼吸中及び離脱後の鎮静
- ※通常、成人には、デクスメデトミジンを6μg/kg/時の投与速度で10分間静脈内へ持続注入し(初期負荷投与)、続いて患者の状態に合わせて、至適鎮静レベルが得られる様、維持量として0.2〜0.7μg/kg/時の範囲で持続注入する(維持投与)。また、維持投与から開始することもできる。なお、患者の状態に合わせて、投与速度を適宜減速すること。
- 本剤は手術室あるいは移送を伴う状況で投与を開始するべきではなく、手術後、集中治療室等に移送が完了した後、患者の循環動態、呼吸等について継続的な監視体制が整った状況で投与を開始すること。
- 本剤は投与速度を適切に調節することができるシリンジポンプ等を用いて、緩徐に持続的に投与すること。
- 本剤の初期負荷投与中に一過性の血圧上昇があらわれた場合には、初期負荷投与速度の減速等を考慮すること。[本剤の末梢血管収縮作用により一過性の血圧上昇があらわれることがある。]
- ※鎮静の維持開始速度は0.4μg/kg/時の速度を目安とし、初期負荷から維持への移行を慎重に行うこと。
また、維持速度は0.7μg/kg/時を超えないこと。[海外臨床試験において、0.7μg/kg/時を超えて投与した場合に呼吸器系、精神神経系及び心血管系の有害事象の発現率が増加することが報告されている。]
- ※本剤は挿管中、抜管中及び抜管後を通じて投与可能であるが、本剤の持続投与期間が120時間(5日間)を超える使用経験は少ないので、それを超えて鎮静が必要な場合には、患者の全身状態を引き続き慎重に観察すること。
- 本剤を使用するときは本剤2mLに生理食塩液48mLを加え、50mL(4μg/mL)とすること。(「適用上の注意」の項参照)
慎重投与
- 心血管系障害のある患者
[低血圧、徐脈があらわれやすくなる。患者の全身状態を十分に観察しながら投与速度を調節すること。特に高度な心ブロックを伴う患者等は重度の徐脈があらわれるおそれがある。徐脈に対してはあらかじめアトロピンの投与、ペースメーカーの使用を考慮すること。]
- 心機能が低下している患者
[本剤の初期負荷投与時に一過性の血圧上昇があらわれることがあり、予期せぬ重篤な循環動態の変動を誘発するおそれがあるので、投与速度の急激な変更は避け、常に循環動態及び出血量を監視しながら慎重に投与速度を調節すること。また、必要に応じて強心薬及び血管作動薬を併用しながら、慎重に投与し、適切な循環動態の維持を行うこと。]
- 循環血流量が低下している患者
[低血圧があらわれやすくなる。本剤投与開始前及び投与中に輸液負荷等を行い、患者の全身状態を慎重に観察しながら投与速度を調節すること。循環血流量が低下した状態で低血圧が持続した場合は、肝血流量の低下から本剤の消失が遅延するおそれがある。このような場合は特に注意を払って投与速度の減速を考慮すること。(「薬物動態」の項参照)]
- 肝機能障害のある患者
[肝機能障害の程度が重度になるにしたがって本剤の消失が遅延し、鎮静作用の増強や副作用があらわれやすくなるおそれがあるので、投与速度の減速を考慮し、特に重度の肝機能障害患者に対しては、患者の全身状態を慎重に観察しながら投与速度を調節すること。(「薬物動態」、「臨床成績」の項参照)]
- 腎機能障害のある患者
[鎮静作用の増強や副作用があらわれやすくなるおそれがあるので、投与速度の減速を考慮し、患者の全身状態を観察しながら慎重に投与すること。(「薬物動態」、「臨床成績」の項参照)]
- 高齢者
[生理機能の低下により、低血圧や徐脈等の副作用があらわれやすくなる。(「高齢者への投与」、「臨床成績」の項参照)]
- 血液浄化を受けている患者
[頻回に鎮静深度を観察しながら必要に応じて本剤の投与速度を調節すること。持続血液浄化法の導入時、終了時、あるいはカラム交換時や血液量、水分除去率の変更時には特に注意を払い、患者の鎮静深度及び循環動態を観察すること。]
- 薬物依存又は薬物過敏症の既往歴のある患者
重大な副作用
低血圧(5%以上)
- 低血圧があらわれることがあるので、このような場合には、本剤の減速又は中止、輸液の増量、下肢の挙上、昇圧剤の使用等適切な処置を行うこと。
高血圧(5%以上)
- 高血圧があらわれることがあるので、このような場合には、本剤の減速又は中止、降圧剤の使用等適切な処置を行うこと。
徐脈(5%以上)
- 徐脈があらわれることがあるので、このような場合には、本剤の減速又は中止、迷走神経の緊張を軽減する目的で抗コリン剤(アトロピン等)の静脈内投与、ペースメーカーの使用等、適切な処置を行うこと。
心室細動(0.1〜1%未満)
- 心室細動があらわれることがあるので、このような場合には、抗不整脈薬の投与、除細動、心肺蘇生等適切な処置を行うこと。
心停止(0.1〜1%未満)、洞停止(頻度不明注))
- 心停止、洞停止があらわれることがあるので、このような場合には、本剤の中止、ペースメーカーの使用、除細動、心肺蘇生、強心剤の投与等適切な処置を行うこと。
低酸素症(1〜5%未満)、無呼吸、呼吸困難(0.1〜1%未満)
- 低酸素症、一過性の無呼吸、呼吸困難があらわれることがあるので、このような場合には、気道を確保し、換気を行う等適切な処置を行うこと。
- 注)安全性評価対象としていない臨床試験において認められている。
薬効薬理
作用機序10)〜15)
- 本剤は脳内青斑核に分布する中枢性α2アドレナリン受容体を介して、大脳皮質などの上位中枢の興奮・覚醒レベル上昇を抑制することにより鎮静作用を発現する。
α受容体に対する作用10)〜15)
- 受容体親和性試験において、本剤はα1受容体に比してα2アドレナリン受容体に対する選択性が高く、本剤のラット大脳皮質における中枢性α1、α2アドレナリン受容体に対する親和性(pKi値)は、α2:9.27、α1:6.16であり、本剤のα2受容体への親和性はα1受容体への親和性よりも約1300倍高かった。
鎮静作用10)〜15)
- マウス、ラット、イヌで、中枢性α2アドレナリン受容体刺激作用に基づく鎮静作用(自発運動の低下、正向反射の消失、催眠脳波の出現等)が認められた。
有効成分に関する理化学的知見
- 一般名:デクスメデトミジン塩酸塩(JAN) (dexmedetomidine hydrochloride)
- 化学名:(+)−(S)−4−[1−(2,3−dimethylphenyl)ethyl]−1H−imidazole monohydrochloride
- 分子式及び分子量: C13H16N2・HCl:236.74
- 性状:白色の結晶又は結晶性の粉末である。水、メタノール又はエタノール(99.5)に溶けやすい。
★リンクテーブル★
[★]
- 英
- dexmedetomidine
- 化
- 塩酸デクスメデトミジン dexmedetomidine hydrochloride
- 商
- プレセデックス Precedex
- 関
- アドレナリン受容体
- ICU.782
- 選択性の高いα2刺激薬
- 呼吸抑制を生じない静脈内鎮静薬
- 作用:沈静、抗不安、軽度鎮痛、交感神経遮断作用
- 作用持続時間:10分以内
- 人工呼吸からウィーニングする際の鎮静に好適
- 副作用:低血圧(30%)、徐脈(8%)。離脱後に興奮、交感神経系反跳現象のリスクがある → 24時間以上投与はやめること