プラゾシン
出典: meddic
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GOO. 269.
分類
- 選択的α1受容体拮抗薬
薬理作用
- 末梢動脈の拡張→末梢血管抵抗↓→血圧↓(α1受容体遮断による) (SPC.249)
- 動静脈に働き末梢血管抵抗を減少させ、静脈還流量を低下させる (GOO.269)
- 心臓の前負荷を減らす。心拍出量と心拍数には影響を与えない (GOO.269)
- 反射性頻脈が少ない。(他の血管拡張薬では心拍数↑。hydralazine) (GOO.269)
- →前負荷減少、選択的α1遮断、さらには中枢神経に働いて、交感神経系の出力を抑制しているのかも (GOO.269)
ミニプレス
- プラゾシンは高血圧自然発症ラット、腎性高血圧ラット、DOCA高血圧ラットのいずれにおいても優れた降圧作用が認められている。
- プラゾシンの降圧作用はα受容体を遮断することにより末梢血管を拡張させ、その抵抗を減少させることによるが、従来のα遮断薬と異なり、シナプス後α受容体を選択的に遮断し、シナプス前α受容体にはほとんど作用しない。このためシナプス前α受容体を介するノルアドレナリン放出の負のフィードバック機構を抑制せず、過剰のノルアドレナリン放出をおこさないことがin vitroにおけるウサギ肺動脈の試験で認められている。シナプス後α受容体に対するプラゾシンの選択的な作用は本態性高血圧症患者に反射性頻脈をほとんどきたさないこと、レニン活性に及ぼす影響が少ないこと、長期連用による耐性発現がみられないこと10)などの特性に関連するものと考えられている。
適応
副作用
- first-dose phenomenone (SPC.249)
- 起立性低血圧 postural hypotension syncope
- 老人に多い
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出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2014/06/10 13:41:07」(JST)
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UpToDate Contents
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- 1. 心的外傷後ストレス障害の薬物療法 pharmacotherapy for posttraumatic stress disorder
- 2. 物質使用障害および不安関連障害を併発した場合の治療 treatment of co occurring substance use disorder and anxiety related disorders
- 3. 降圧剤と脂質 antihypertensive drugs and lipids
- 4. 初期治療に抵抗性を示したレイノー現象の治療 treatment of the raynaud phenomenon resistant to initial therapy
- 5. レイノー現象の病因 pathogenesis of the raynaud phenomenon
和文文献
- 前立腺肥大症に伴う排尿障害改善薬シロドシン (ユリーフ^【○!R】カプセル2mg, 4mg)の薬理学的特徴および臨床試験成績
- 小林 護,清水 智司
- 日本薬理学雑誌 : FOLIA PHARMACOLOGICA JAPONICA 128(4), 259-268, 2006-10-01
- … α1-アドレナリン受容体(AR)遮断作用を有する薬剤であり,前立腺肥大症(Benign prostatic hyperplasia:BPH)に伴う排尿障害の改善薬である.ヒトα1-ARサブタイプをそれぞれ発現させた細胞膜分画を用いて,3H-プラゾシンを放射性リガンドとした受容体結合試験を実施したところ,α1A-ARに対して高い結合親和性と選択性を示した.機能的薬理試験において,摘出ウサギおよびヒト前立腺のα1-AR刺激による収縮を低濃度より濃 …
- NAID 10018811525
- 症例報告 塩酸プラゾシンとアルファカルシドールの併用療法が奏効した硬化性萎縮性苔癬の1例
- 木村 容子,上田 明弘,安元 慎一郎 [他]
- 臨床皮膚科 60(4), 360-362, 2006-04
- NAID 40007264668
- 前立腺肥大症に伴う排尿障害治療薬ナフトピジルの薬効薬理
- 生垣 一郎
- 日本薬理学雑誌 116(2), 63-69, 2000-08-01
- … ジルはフェニルピペラジン誘導体に属する新規のα1アドレナリン(α1)受容体遮断薬であり,前立腺肥大症に伴う排尿障害の治療薬である.ナフトピジルはヒト前立腺膜標品のα1受容体への[<SUP>3</SUP>H]プラゾシンの結合を競合的に拮抗し,Ki値は11.6nMであった.クローニングされたヒトα1受容体サブタイプ(α1a,1b,1d)に対する親和性を調べたところ,ナフトピジルは,α1a-およびα1b-受容体サブタイプに対する親和性よりα1d- …
- NAID 10008180562
関連リンク
- ミニプレスとは?プラゾシンの効能,副作用等を説明,ジェネリックや薬価も調べられる(おくすり110番:薬事典版) ... 用法用量は医師・薬剤師の指示を必ずお守りください。 すべての副作用を掲載しているわけではありません。
- 栄養・生化学辞典 - プラゾシンの用語解説 - エピネフリンのα1-受容体に選択的なアンタゴニスト.末梢血管の拡張効果があり,血圧を下げる作用を示す.
- ミニプレス(プラゾシン)の作用機序:高血圧治療薬 血圧とは、血管にかかる圧力のことを指します。高血圧を発症することで常に血圧が高いと、血管に大きな負担がかかってしまいます。その結果、心臓や脳血管が詰まるなどの致死 ...
関連画像








添付文書
薬効分類名
- 高血圧・排尿障害治療剤
販売名
ダウナット錠0.5mg
組成
- 1錠中:プラゾシン塩酸塩 ………0.55mg
(プラゾシンとして 0.5mg)
〈添加物〉
結晶セルロース、ステアリン酸マグネシウム、デンプングリコール酸ナトリウム、乳糖水和物、ヒドロキシプロピルセルロース、無水リン酸水素カルシウム
効能または効果
- 本態性高血圧症、腎性高血圧症
- 前立腺肥大症に伴う排尿障害
本態性高血圧症、腎性高血圧症
- プラゾシンとして通常、成人1日1?1.5mg(1回0.5mg 1日2?3回)より投与を始め、効果が不十分な場合は1?2週間の間隔をおいて1.5?6mgまで漸増し、1日2?3回に分割経口投与する。まれに1日15mgまで漸増することもある。
なお、年齢、症状により適宜増減する。
前立腺肥大症に伴う排尿障害
- プラゾシンとして通常、成人1日1?1.5mg(1回0.5mg 1日2?3回)より投与を始め、効果が不十分な場合は1?2週間の間隔をおいて1.5?6mgまで漸増し、1日2?3回に分割経口投与する。
なお、症状により適宜増減する。
慎重投与
- ホスホジエステラーゼ5阻害作用を有する薬剤を服用している患者 (「相互作用」の項参照)
- 肝機能障害のある患者[主として肝臓で代謝されるため血中濃度が上昇するおそれがある]
重大な副作用
- 失神・意識喪失 一過性の血圧低下に伴う失神・意識喪失があらわれることがあるのでそのような場合には本剤の投与を中止し、適切な処置を行うこと。(「重要な基本的注意」の項参照)
- 狭心症 狭心症があらわれることがあるので、異常が認められた場合には本剤の投与を中止し、適切な処置を行うこと。
薬効薬理
- プラゾシン塩酸塩は、アドレナリン性α-受容体を遮断することにより、末梢血管を拡張させ降圧作用を示す。プラゾシン塩酸塩のα-受容体遮断作用は、シナプス後α-受容体に選択的に作用するために、シナプス前α-受容体を介するノルアドレナリン放出の負のフィードバック機構を抑制しないことが報告されている。
α1遮断作用
- プラゾシン塩酸塩はラット摘出輸精管において、ノルアドレナリンによる収縮反応を競合的に拮抗した。α1-受容体に対するプラゾシン塩酸塩の親和性は、ブナゾシンと同等でフェントラミンよりも強力であった。3)
降圧作用
- プラゾシン塩酸塩(0.3,3.0mg/kg,p.o.)はSHR(自然発症高血圧ラット)において、用量依存的な血圧降下を示し、その降圧活性はブナゾシンよりも強力であった。また、用量依存的な心拍数の増加が認められた。3)
循環系に対する作用
- プラゾシン塩酸塩(0.1mg/kg,i.v.)は麻酔犬において、収縮期血圧及び拡張期血圧を下降させた。また、椎骨動脈、総頸動脈及び大腿動脈血流量に対して増加作用が認められた。3)
有効成分に関する理化学的知見
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★リンクテーブル★
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関連記事 | 「ゾシン」 |
「アドレナリン受容体」
平滑筋臓器における傾向
受容体 | 反応 | 例外 |
α受容体 | 興奮 | 小腸運動:抑制 |
β受容体 | 抑制 | 心臓 :興奮 |
- 注:心臓は平滑筋臓器じゃありません。
アドレナリン受容体
- SP.412改変
受容体 | 作動薬 | 遮断薬 | 存在部位 | 作用 | |||||
α | α1 | A≧NA>ISP | [直接作用] ノルアドレナリン アドレナリン ドーパミン [間接作用] チラミン [直接・間接作用] エフェドリン アンフェタミン メタンフェタミン | メトキサミン フェニレフリン | フェノキシベンザミン フェントラミン | プラゾシン タムスロシン | 血管平滑筋 | 収縮 | |
腸平滑筋 | 弛緩 | ||||||||
膀胱括約筋 | 収縮 | ||||||||
肝臓 | グリコーゲン分解 | ||||||||
α2 | A≧NA>ISP | クロニジン グアンファシン グアナベンズ メチルドパ | ヨヒンビン | NA作動性神経終末 | NAの放出抑制 | ||||
血管平滑筋 | 収縮 | ||||||||
膵臓β細胞 | インスリン分泌抑制 | ||||||||
β | β1 | ISP>A=NA | イソプロテレノール | ドブタミン | [第一世代]:ISA有 ピンドロール [第二世代]:ISA無 プロプラノロール [第三世代]:β1特異的 アテノロール ビソプロロール [第四世代]:有用な特性 カルベジロール | 心臓 | 心拍数↑ 心収縮↑ 心伝導速度↑ | ||
腎臓(傍糸球体細胞) | レニン分泌促進 | ||||||||
β2 | ISP>A>NA | サルブタモール テルブタリン リトドリン | 骨格筋血管 気管支 胃腸 尿路 子宮平滑筋 | 弛緩 | |||||
肝臓、骨格筋 | グリコーゲン分解 | ||||||||
膵臓β細胞? | インスリン分泌促進? | ||||||||
β3 | ISP=NA>A | 脂肪組織 | 脂肪分解促進 |
- イソプロテレノールはβ受容体のアゴニスト
- β1受容体、β3受容体を除き、アドレナリンの方がノルアドレナリンより効力が高い
- β1受容体では、アドレナリンとノルアドレナリンは同等
- β3受容体では逆転し、ノルアドレナリンの方がアドレナリンより効力が高い
- α1受容体、α2受容体共に血管平滑筋に存在
- α1受容体は肝臓のグリコーゲン分解を促進する → 血糖値が上昇
- α2受容体は腎臓のインスリン分泌を抑制する → 血糖値が上昇
- α2受容体はアドレナリン作動性ニューロンのシナプス前膜に存在する
- β1受容体は昇圧作用:心↑、腎レニン分泌↑
- β2受容体は肝臓と骨格筋のグリコーゲン分解を促進 → 血糖値上昇
- β3受容体は脂肪細胞に作用
- 皮膚や粘膜にはα受容体のみ存在
- 体のどの部位にどんな受容体があるかはGOO.143-144を参照せよ
- epinehrine relaxes the detrusor muscle of the bladder as a result of activation of β receptors and contracts the trigone and shincter muscles owing to its α agonist activity. This can result in hesitancy in trination and may contribute to retention of urine in the bladder. Activation of smooth muscle contractino in the prostate promotes urinary retention.(GOO.246)
- 排尿筋弛緩→β受容体。括約筋弛緩→α受容体
- 膀胱頚部から尿道にはα受容体が分布しており、尿道平滑筋の収縮に関与 (SP.818) (cf.プラゾシン)
シグナル伝達の経路 (GOO.238)
- 全て7回膜貫通Gタンパク質共役型受容体
- α1:Gq:Gq-PCL-IP3
- α2:多様(アデニル酸シクラーゼの抑制、K+チャネルとの開口、Ca2+チャネルの閉鎖)
- β1, β2, β3:Gs
「前立腺肥大症」
定義
- 加齢に従い、前立腺の内腺が腫大し、尿路を圧迫して排尿障害を呈する疾患。
疫学
- 前立腺の肥大(内腺)は30-40歳代から始まり、50歳代には顕著となり、70歳代以降ではほぼ全例に認められるが、臨床症状を呈するのはこの一部である(10-20%)。
病因
前立腺肥大症 | 前立腺の内腺 |
前立腺癌 | 前立腺の外腺 |
病態
- 肥大した前立腺により尿路を刺激し、さらには閉塞して、ついには完全尿閉に至る。
重症分類
- 前立腺体積が20ml以下では軽症、前立腺体積が20-50ml以下では中等症、前立腺体積が50ml以上では重症
症状
- YN.E-86 SURO.258
- 病期は3つに分けられる:(1)第1病期 刺激期、(2)第2病期 残尿発生期、(3)第3病期 慢性尿閉期
病期 | 病態 | 症状 | |
第1病期 | 刺激期 | 腫大した前立腺による後部尿道(膀胱頚部、前立腺尿道)の刺激 | 軽度の排尿困難、夜間頻尿、排尿時不快感 |
第2病期 | 残尿発生期 | 残尿(50-150ml)の発生 | 排尿困難(いきみながらの排尿)。残尿。急性尿閉(飲酒、抗コリン薬、長時間の乗り物の乗車) |
第3病期 | 慢性尿閉期 | さらなる残尿(300ml以上)、膀胱の過伸展(排尿筋だけでは排尿できない) | 奇異性尿失禁、腎機能低下による尿毒症症状 |
検査
- 腹部超音波検査
診断
- 参考1
- 病歴、理学的検査、尿検査、血清クレアチニン測定、PSA測定、尿流測定、残尿測定、排尿時における排尿筋圧、尿流率同時測定法、内視鏡検査、画像診断(超音波検査法、静脈性腎盂造影法、排尿時膀胱尿道造影法、逆行性尿道造影法など)などにより行う。
- 診断のステップ
- 1. 病歴、理学的検査(直腸診)、尿検査、血清クレアチニン測定、PSA測定 → 排尿障害の症状が前立腺肥大症によるものと考えられるか判断
- 2. 国際前立腺症状スコアの評価:(≦7点)経過観察。(≧8点)尿流測定、残尿測定、PFSを施行 → 尿道閉塞の程度を把握し治療
- 3. (治療する場合)QOLスコアを考慮して治療方法を選択。
- 4. (追加検査)内視鏡検査、画像診断法:ルーチン検査法ではない。外科的治療の準備や合併疾患の疑診例に対して実施する。
治療
- SURO.258 参考1 参考3
- 治療のmodality
- 薬物療法
- 加熱療法:ハイパーサーミア(前立腺内加熱温度45℃以下)と高温度療法(前立腺内加熱温度45℃以上)がある。熱源はマイクロ波、RF波、レーザー波などがある。レーザー療法、温熱療法の長期成績は未確立。
- 高温度療法:プロスタトロン、TUBAL-T
- 手術療法
- 出典不明
- 第1期:薬物療法:α遮断薬、抗アンドロゲン薬、漢方薬
- 第2期:手術療法:経尿道的前立腺切除術、前立腺被膜下摘出術
参考
- 1. 2001年 前立腺肥大症 ガイドライン
- 2. 日本Endourology・ESWL学会によるBPHガイドライン
- 3. [信頼度不明]前立腺肥大症の漢方治療【百花園漢方薬局】
国試
「α受容体遮断薬」
- 英
- α adrenergic receptor blocker α-adrenergic blocking agent, α-adrenoceptor blocking agent
- 同
- αアドレナリン受容体遮断薬、α遮断薬 α-blocker, α-blockade
非選択的α受容体拮抗薬
選択的α1受容体拮抗薬
- プラゾシン prazosin
- タムスロシン tamsulosin
選択的α2受容体拮抗薬
「prazosin」
[★] プラゾシン
「prazosin hydrochloride」
「ゾシン」
[★] タゾバクタムナトリウム(タゾバクタム)、ピペラシリンナトリウム(ピペラシリン)
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