フォン・ギールケ病

出典: meddic

von Gierke disease, von Gierke's disease, Gierke disease、Gierke's disease
I型糖原病 type I glycogen storage disease糖原病I型 glycogen storage disease type I
グルコース-6-ホスファターゼ欠損症 グルコース-6-脱リン酸酵素欠損症 G6Pase欠損症 glucose-6-phosphatase deficiency
肝腎型糖原病 hepatorenal glycogenosis
糖原病
[show details]


  • first aid step1 2006 p.92,98


  • 糖原病Ia型、糖原病Ib型、糖原病Ic型をまとめて記述する

概念

  • 肝臓、腎臓、小腸粘膜のグルコース-6-ホスファターゼの欠損によりグリコーゲンが肝臓や腎臓に蓄積する
  • 肝型糖原病
  • グルコース-6-ホスファターゼ欠損によるグルコース産生障害、肝臓におけるグリコーゲンの貯留と低血糖

病態生理

  • 肝臓でグルコースを血中に送り出すときに働く最後の酵素で、欠損によりG6Pの濃度が高まり、肝臓と腎臓に大量のグリコーゲンが蓄積する(G6Pはglycogen synthaseを活性化する


病型と病因

  • 糖原病Ia型 = フォン・ギールケ病
  • グルコース-6-ホスファターゼの欠損
  • 糖原病Ib型
  • グルコース-6-リン酸トランスロカーゼの欠損
G-6-Paseの活性部位は小胞体の内腔面に存在する。G-6-Paseが機能するためには、基質であるG-6-Pが細胞質から小胞体内へ移動する必要がある。G-6-Pが小胞体膜を通過するのにひつような輸送系がグルコース-6-リン酸トランスロカーゼである。 (PED.330)
  • 糖原病Ic型
  • リン酸/ピロリン酸トランスロカーゼの欠損
  • 小胞体内で生成されたピロリン酸のリン酸への分解(ピロホスファターゼ活性)とリン酸の小胞体外への輸送障害

疫学

  • Ia型:80-90% (PED.330)
  • Ib型:10-20% (PED.330)

遺伝形式

病変形成&病理

症候

  • 低血糖発作、肝腫大、低身長
  • 新生児期に低血糖、乳酸アシドーシスがみられることがあるが、多くは3,4ヶ月で肝腫大により気づかれる。
  • 知能:重篤な低血糖発作を繰り返さない限り正常
  • 顔貌:人形様の丸い顔貌 doll-like faces with fat cheeks
  • 身長:低身長(short stature)
  • 四肢:体幹に比較して四肢が細い(relatively thin extremities)
  • 腹部:protuberant abdomen ← 肝腫大, 腎腫大。脾腫、心肥大なし。
  • 血液:
  • 血小板凝集能・接着能低下 → 鼻出血・挫傷
  • 高尿酸血症
  • 高脂血症:トリグリセリド・コレステロール・リン脂質上昇  ← de novo トリグリセリド合成が亢進(参考2)

Ia型

  • growth retardation, enlarged liver and kidney, hypoglycemia, elevated blood lactate, cholesterol, triglycerides, and uric acid(HIM.2458)

Ib型

  • as for Ia, with additional findings of neutropenia and neutrophil dysfunction(HIM.2458)

合併症

  • 思春期の遅延
  • 女性の場合、超音波検査でpolycystic ovariesが見られることがある。
  • 高尿酸血症による若年性の痛風、尿路結石
  • 高脂血症による膵炎、四肢伸側の黄色腫
  • 易骨折、osteopenia、橈骨骨密度低下、
  • 肝臓:20-30代で肝腺腫、出血。悪性化し肝臓癌となることも
  • 腎臓:20歳以上でタンパク尿が必発、高血圧症、腎結石、腎石灰化症、クレアチンクリアランス異常。腎臓透析、腎移植が必要になることも

検査

  • 好中球:(GSD Ibにおいてのみ)慢性/間欠性好中球減少(ほぼ必発)、好中球機能低下。 (参考2)
  • 血小板機能:低下
  • 血液生化学
  • 肝酵素は正常(liver enzymes are usually normal.)
  • 乳酸、ピルビン酸、トリグリセリド、脂肪酸、コレステロール、リン脂質、尿酸、ALT、ASTが高値 (PED.330)
  • 乳酸、ピルビン酸高値:肝臓で血中に放出できなかったG6Pは解糖系の下流に進み、血中ピルビン酸上昇、過剰のピルビン酸から乳酸が産生される。また、アセチルCoAの蓄積により、脂肪酸、コレステロールが増加する。

治療

予後

予防

USMLE

  • Q book p.138 28

参考

  • 1. 写真
[display]http://img.medscape.com/pi/emed/ckb/dermatology/1048885-1116574-1802.jpg
[display]http://img.medscape.com/pi/emed/ckb/dermatology/1048885-1116574-1840.jpg


  • 2. [charged] Glucose-6-phosphatase deficiency (glycogen storage disease I, von Gierke disease) - uptpdate [1]



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先読みtype I glycogen storage disease」「グルコース-6-ホスファターゼ欠損症
リンク元糖原病」「近位尿細管性アシドーシス」「ピックアップ」「乳酸アシドーシス」「グルコース6-リン酸
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type I glycogen storage disease」

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糖原病I型、糖原病1型

glycogen storage disease type I


グルコース-6-ホスファターゼ欠損症」

  [★] フォンギールゲ病糖原病I型


糖原病」

  [★]

glycogen storage disease GSD GSDs , glycogenosis
グリコーゲン病グリコーゲン蓄積病
グリコーゲン解糖系
  • first aid step1 2006 p.98

定義

  • グリコーゲン代謝系酵素欠損により、組織にグリコーゲンが蓄積する疾患群

分類 (FB.304,HIM.2458)

欠損酵素 組織 グリコーゲン構造 病名 発症時期 症状
I グルコース-6-ホスファターゼ 肝臓 正常 フォン・ギールケ病 childhood growth retardation, enlarged liver and kidney, hypoglycemia, elevated blood lactate, cholesterol, triglycerides, and uric acid
II α-1,4-グルコシダーゼ リソソーム 正常 ポンペ病 childhood  
III アミロ-1,6-グルコシダーゼ
debrancher enzyme deficiency
全器官 最外層分子がないか非常に短い コリ病 childhood hypoglycemia, hepatomegaly, short-stature, and myopathty
IV アミロ-(1,4→1,6)-トランスグリコシラーゼ
brancher enzyme deficiency
肝臓、全器官? 非常に長い枝無し鎖 アンダーセン病   infantile failure to thrive, cirrhosis, liver failure, and extreme hypotonia.
V グリコーゲンホスホリラーゼ
muscle phosphorylase deficiency
筋肉 正常 マッカードル病 adult exercise intolerance, muscle cramps, myoglobinuria on strenuous exercise, increased CK
VI グリコーゲンホスホリラーゼ
hepatic phosphorylase deficiency
肝臓 正常 エルス病   hematomegaly and variable hypoglycemia
VII 6-ホスホフルクト-1-キナーゼ 筋肉 正常 垂井病    
VIII ホスホリラーゼキナーゼ 肝臓 正常 X染色体ホスホリラーゼキナーゼ欠損症    
IX ホスホリラーゼキナーゼ 全器官 正常   childhoog  
0 グリコーゲンシンターゼ 肝臓 正常だが少量      



近位尿細管性アシドーシス」

  [★]

proximal renal tubular acidosis, proximal RTA, pRTA, proximal tubular acidosis
2型尿細管性アシドーシスII型尿細管性アシドーシス尿細管性アシドーシス2型尿細管性アシドーシスII型
2型腎尿細管性アシドーシスII型腎尿細管性アシドーシス腎尿細管性アシドーシス2型腎尿細管性アシドーシスII型
type 2 renal tubular acidosis, type II renal tubular acidosis, renal tubular acidosis type 2, renal tubular acidosis type II
type 2 RTA, type II RTA, RTA type 2, RTA type II
尿細管性アシドーシスアシドーシス遠位尿細管性アシドーシス
[show details]
HIM 
 -type 2 (proximal). 1744t,1755,1759,1805,1809
  • アニオンギャップが正常な高Cl性の代謝性アシドーシス
  • 近位尿細管における重炭酸イオン再吸収障害による酸血症

病因

参考1
  • 原発性
  • 特発性、孤発性
  • 家族性
  • 続発性

病態

参考1
  • 重炭酸が何らかの原因により再吸収されない。 → 高Cl性代謝性アシドーシス
  • リン酸、グルコース、尿酸、アミノ酸が再吸収されない。 → 低リン酸血症、腎性糖尿、低尿酸症、アミノ酸尿
水・電解質と酸塩基平衡 改訂第2版 p.151
  • 近位尿細管で重炭酸イオン(その他各種電解質も)の再吸収が低下するために血清HCO3-が低下する
  • 血清HCO3-が15mEq/l以下になると再吸収が可能となるので、proximal RTAにおいて血清HCO3-が15-17mEq/l以下になることはまれ。

参考

  • 1.
わかりにくい
[display]http://omim.org/entry/179830
  • 2. [charged] Etiology and diagnosis of distal (type 1) and proximal (type 2) renal tubular acidosis - uptodate [2]
  • 3. [charged] Pathophysiology of renal tubular acidosis and the effect on potassium balance - uptodate [3]


ピックアップ」

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乳酸アシドーシス」

  [★]

lactic acidosis
乳酸アシドーシス

概念

  • 種々の原因によって血中乳酸値が上昇し、代謝性アシドーシスを来した病態

病因

HIM.290
  • type A(末梢組織への酸素供給不全):循環不全(ショック、心不全)、重度貧血、ミトコンドリア酵素の不全、酸素呼吸の阻害薬(一酸化炭素、シアン)
  • type B(有酸素性代謝の障害):悪性腫瘍、核酸類似物質(HIV治療薬としての逆転写酵素阻害薬)、糖尿病、腎不全、肝不全(糖新生異常)、チアミン欠乏、重症感染症(コレラ、マラリア)、てんかん発作、薬物・毒物(ビグアニド系薬、エタノール、メタノール、プロピレングリコール、イソニアジド、フルクトース)、ミトコンドリア糖尿病、糖原病I型(フォン・ギールケ病)

治療

HIM.290
  • 原因疾患の治療
  • 可能な限り血管収縮薬は避ける → 末梢循環を悪化させる
  • pH7.15未満となるような重度のアシドーシスに対してはNaHCO3を投与してもよい。
  • 重症でない場合NaHCO3の投与は? → NaHCO3の投与によりcardiac performanceを抑制し、乳酸の産生を促進(HCO3-はphosphofruktokinaseの活性を亢進させる)して乳酸アシドーシスを悪化させることがある。

予後

  • 不良



グルコース6-リン酸」

  [★]

glucose 6-phosphate, G6P, G-6-P
グルコース-6-リン酸 glucose-6-phosphate
グルコース1-リン酸グルコース解糖系糖新生


グルコース6-リン酸の運命(G6P) (FB.451)

  1. グルコース
  2. グリコーゲン
  3. リボース5-リン酸(R5P)
  4. アセチルCoA

解糖

酵素

グリコーゲン分解

糖新生

臨床関連

  • フォン・ギールケ病


病」

  [★]

diseasesickness
疾病不調病害病気疾患

フォンギールケ」

  [★]

von Gierke病
[[]]




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