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出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2016/06/08 21:13:47」(JST)
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トムソン散乱(トムソンさんらん、英: Thomson scattering)とは、ニュートン力学的に考察する事の出来る束縛を受けていない自由な荷電粒子による、古典的な電磁波の散乱で、弾性散乱の一種である。イギリスの物理学者であるJ. J. トムソンが、1個の電子に対して一定の方向から光が当たる時、どの方向にどれだけ光が散乱されるかを算定した事に因んで名付けられた[1]。
目次
- 1 トムソンの公式
- 2 トムソン断面積
- 3 脚注
- 4 参考文献
- 5 関連項目
- 6 外部リンク
トムソンの公式
質量 m、電荷 q の自由粒子によるトムソン散乱で、入射電磁波に偏光のない場合に、入射方向に対して角度 θ の方向への散乱の微分断面積は
で与えられ、この式はトムソンの公式と呼ばれている。
トムソン断面積
トムソン断面積
Thomson cross section |
記号 |
σe |
値 |
6971665245871580000♠0.66524587158(91)×10−28 m2 [2] |
相対標準不確かさ |
1.4×10−9 |
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自由電子によるトムソン散乱の散乱断面積は、トムソン断面積(トムソンだんめんせき、英: Thomson cross section)と呼ばれる物理定数の1つで、その値は
である(2014CODATA推奨値[2])。
トムソン断面積はトムソンの公式を積分する事により得られて
となる。ここで c は真空中の光速、e は電気素量、ε0 は真空の誘電率、me は電子の質量である。
また、微細構造定数 α とリュードベリ定数 R∞ 及びボーア半径 a0 と古典電子半径 re をそれぞれ
と定義すると、トムソン断面積 σe は
と簡略化して表記する事が可能となる。ここで h はプランク定数、 はディラック定数である。
脚注
- ^ 物理小事典
- ^ a b CODATA Value
参考文献
- 砂川重信 『理論電磁気学』 紀伊国屋書店、東京、1999年9月(原著1982年)、第3版。全国書誌番号:99125994。ISBN 978-4314008549。NCID BA43015728。OCLC 675159672。ASIN 4314008547。
- J.D.Jackson 『電磁気学』下巻、西田稔訳、吉岡書店〈物理学叢書〉、京都、2003年2月、第3版。全国書誌番号:20373001。ISBN 978-4842703084。NCID BA57742913。OCLC 834796412。ASIN 4842703083。
- 『物理小事典』 三省堂、東京、2008年(原著1994年4月)、第4版。全国書誌番号:94041161。ISBN 978-4385240169。NCID BN10774805。OCLC 675375379。ASIN 4385240167。
関連項目
- コンプトン散乱 - 光の波長を短波長側にシフトさせると、トムソン散乱から移行して発生する非弾性散乱である。
- レイリー散乱 - 散乱体を荷電粒子とは限定せずに、より一般的に光の波長に比して小さな微粒子とのみ規定した場合の広義のトムソン散乱と見なす事が可能である。
- 光散乱
- クライン=仁科の公式
外部リンク
- “CODATA Value: Thomson cross section”. NIST (2015年6月25日). 2015年7月11日閲覧。
- 法則の辞典『トムソン散乱』 - コトバンク
UpToDate Contents
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Japanese Journal
- 23pBH-5 大型レーザーによって生成された無衝突衝撃波の協同トムソン散乱計測
- 24pAP-7 ダブルパストムソン散乱による非等方電子速度分布関数詳細計測
- 4.超短パルスレーザーで生成した単色X線を用いた高精度高密度プラズマ計測(<小特集>高速点火レーザー核融合実験の進展〜過酷環境下での計測技術の発展から見えてきたもの〜)
Related Links
- トムソン散乱 トムソンさんらん Thomson scattering 波長の長い光の自由電子による散乱。古典論では,入射波によって電子が ...
- トムソン散乱とレイリー散乱 –宇宙物理学レポート– 物理学科51519j 4 年 小林憲正 5月24日 電荷と電磁波の相互作用を見る。
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★リンクテーブル★
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- 英
- scattering、incoherence、scatter
- 関
- 非干渉性、飛散、点在、思考散乱
-incoherence