自尊感情
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出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2014/09/03 04:33:44」(JST)
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自尊心(じそんしん self-esteem)とは、心理学的には自己に対して一般化された肯定的な態度である[1]。
一般には自惚れなどとも同一視されるが、ここでは社会心理学における自己の概念に関連して高揚もしくは維持されようとする態度、あるいは精神医学(QOL)上の『ありのままの自己を尊重し受け入れる』態度とする。
目次
- 1 概要
- 2 自尊心の欠如及び過剰
- 3 世界保健機構と自殺防止
- 4 脚注
- 5 関連項目
概要
社会における人間のさまざまな行動は時に構造的な原因ではなく個人的な原因によって左右される場合がある。ここで問題となるのはそのような個人の行動を決定している自己(self)の状態である。自己には誰でも直感的に自覚できる主体としての自己(self as knower)と身体や役割などから属性として評価することができる客体としての自己(self as known)があるが、心理学者ウィリアム・ジェームズは客体としての自己を取り上げて分析している。ジェームズによれば、自己には身体や家族、住居など生理的欲求の充足に関連している物質的自己、名誉や羨望など社会的欲求の充足に関連している社会的自己、そして知性や道徳など知的欲求の充足に関連している精神的自己の領域がある。そして、これらのうちどの領域を最も重要な自己概念として選択するかによって自尊心は決定される。ジェームズは自尊心=成功(success)/願望(pretensions)という定式化によって自尊心は分母となる願望の水準と成功の水準によって規定されると論じた。この定式は一般に大きな成功を収めていたとしても、願望がより大きければ自尊心の水準が低くなることを表している。
自尊心の欠如及び過剰
自尊心の欠如は、しばしばセルフ・コントロールを失い、依存症や摂食障害などの精神障害や自殺を引き起こすことがある。特に、うつ病の患者は自尊心を失っていることが多く、欧米のうつ病治療では、投薬療法とカウンセリングによる患者の自尊心の回復が同時並行的に行われることがある(但し、第三者から患者に対する「過度の励まし」、「自助努力の強要」は患者の自尊心を回復させるものではなく、単なるプレッシャーを与えるだけで事態を悪化させることもあるので注意を要する。精神医学的な「自尊心」とは、"ありのままの自分を尊重し受け入れる"ということであり、世間一般でいう「向上心」や「上昇志向」とは異なる。)。また、自尊心には、みずからが過ちを犯したり勝負において敗れることへの恐怖を打ち消す効果もある(自尊心が強ければ強いほど自分に満足している)。そのため、自尊心が過剰になると、みずからが過ちを犯したり勝負において敗れてもそれを認めることがなかなかできなかったり、この結果を相手方の不当性に求めたりする。
世界保健機構と自殺防止
世界保健機構は2000年に、青少年層に多発する自殺を防止するため教員や学校医、スクールカウンセラーを対象とした、「自殺の予防に向けた教職員のための資料」[2]を発表し、家庭内暴力、家族の頻繁な喧嘩、離婚等による離別、頻繁な引っ越し、先住民族であること、性自認や性的指向の問題などの自殺を引き起こす要因を指摘し、不寛容からの解放によるいじめや校内暴力の防止と共に、就学者の自尊心の強化を挙げ、それが青少年を精神的苦悩や依存心から保護し、生活上の困難やストレスに対処できる力を与えることを明記している。
脚注
- ^ より一般的な意味では自分自身の名誉や品格を維持しようとする心理の全般を指すが、ここでの定義はT. M. Newcomb, R. H. Turner, P. E. Converseによる定義「自己に対して最も一般化された態度」に基づいている。
- ^ Preventing Suicide, A resource for teachers and other school staff, WHO, Geneva, 2000
関連項目
- 傲慢
- 主体と客体 - 俯瞰
- 自己同一性(アイデンティティ)
- 自己実現
- 自己実現理論
- 制限(自制心)
- 劣等感(劣等コンプレックスとも)
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- 大言壮語
- 批判
- 自己中心性
- 自惚れ
- 共感 (の欠如)
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- 羨望
- 空想
- 誇大性
- 傲慢
- 魔術的思考
- 対人操作
- 自己愛的虐待
- 自己愛的高揚
- 自己愛的傷つき
- 自己愛的屈辱
- 自己愛的怒り
- 自己愛的供給
- 自己愛的ひきこもり
- 完全主義
- 自尊心
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- 偽りの自己
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- フリードリヒ・ニーチェが使用し、ゲオルグ・グロデック(Georg・Groddeck)の『エスとの対話』("Gesellschaft")などで使われた用語で、彼と交流があったジークムント・フロイトが採用した精神分析学用語ともなった。(なお、1953年にジェイムズ・ストレイチーによるフロイト翻訳全集の英訳の際、エスはイド(ラテン語)と訳されアメリカ系の精神分析学で流布された。)自我参照。(wikipedia jaより)
参考
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- 自己、自我