グルタチオン

出典: meddic

glutathione, GSH
γ-グルタミルシステイニルグリシン γ-glutamylcysteinylglycine5-L-グルタミルL-システイニルグリシン
オペガードネオキットタチオンビーエスエスプラスランデールチオン



概念

  • 細菌からヒトに至るまで広く存在するチオール含有ペプチドである。
  • グルタチオンは細胞内の主要な抗酸化成分であり、また、毒物などを細胞外に排出することで、細胞を内的・外的な環境の変化から守る役割を果たしている。
  • グルタチオンは、細胞内に 0.5-10 mMという比較的高濃度で存在する。一方細胞外の濃度はその1/100から1/1000程度である。グルタチオンには還元型 (GSH) と酸化型 (glutathione disulfide, GSSG)が存在する。酸化型は、二分子の還元型グルタチオンがジスルフィド結合によってつながった分子である。細胞内のグルタチオンは、通常、ほとんど(98%以上)が還元型であり、この状態はグルタチオン還元酵素によって維持されている。


構造

  • グルタチオンは'グルタミン酸、システイン、グリシンが、この順番でペプチド結合したトリペプチドである (L-γ-glutamyl-L-cysteinyl-glycine)。ただし、グルタミン酸とシステインの結合は通常のペプチド結合とは異なり、グルタミン酸側鎖のγ-カルボキシ基とシステイン主鎖のα-アミノ基からなる(γ-グルタミル結合)。このためグルタチオンは、ペプチドでありながら、ほとんどのプロテアーゼに対して耐性であり、分解されない。グルタチオンを直接分解できる酵素はγ-グルタミルトランスペプチターゼや、その近縁のごく限られた酵素のみである。




参考

  • タチオン注射用100mg/*タチオン注射用200mg
[display]http://www.info.pmda.go.jp/go/pack/3922400D1060_1_01/3922400D1060_1_01?view=body



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和文文献

  • 分裂酵母に誘導合成される重金属結合ペプチド:Cadystin(Phytochelatin) : 生合成の機構,光反応性半導体製造への応用,および重金属環境汚染検出への利用
  • 村杉 章
  • 生物工学会誌 : seibutsu-kogaku kaishi 89(5), 228-237, 2011-05-25
  • … 多くの種類の植物細胞でも見いだされ,phytochelatinと名づけられた.多くの植物においても,カドミウム耐性に関連する主要な成分はメタロチオネインではなくcadystinである.グルタチオンのγ-Glu-Cys残基を,受容体である別のグルタチオンに転移する酵素が植物細胞に見いだされ,cadystin合成酵素と名づけられた.この酵素の遺伝子がクローン化され,クローン化された遺伝子から発現された酵素を使用して酵素 …
  • NAID 110008662242
  • 2-III-14 グルタチオンペルオキシダーゼによるレドックス制御を介した環境ストレス応答機構(一般演題要旨,日本ビタミン学会第63回大会講演要旨)
  • 尾形 知哉,丸田 隆典,Gaber Ahmed,田茂井 政宏,吉村 和也,重岡 成
  • ビタミン 85(4), 239, 2011-04-25
  • NAID 110008607968
  • 遺伝子改変マウスの凍結/融解精子を用いた体外受精における還元型グルタチオンの有用性
  • 竹尾 透,喜多 章太,堤 晶,大丸 泰知,福本 紀代子,春口 幸恵,中牟田 裕子,竹下 由美,松永 寛子,土山 修治,中潟 直己
  • Journal of mammalian ova research = 日本哺乳動物卵子学会誌 28(2), 108, 2011-04-01
  • NAID 10028124518
  • マウスにおけるショ糖および蜂蜜の摂取が生体内グルタチオン動態に与える急性的影響について
  • 今村 友美,越智 沙織,進藤 弥生 [他]
  • 日本食品化学学会誌 18(2), 77-82, 2011
  • NAID 40019008078

関連リンク

グルタチオン(Glutathione, GSH, Glutathione-SH)は3つのアミノ酸から成るトリ ペプチドである。通常はあまり見られないシステインのアミノ基とグルタミン酸の カルボキシル基間のペプチド結合を有する。抗酸化物質の一つであるグルタチオンは、 フリーラジカル ...
グルタチオンペルオキシダーゼ(glutathione peroxidase)は、主な生物学的役割が 酸化的損傷からの有機体の保護であるペルオキシダーゼ活性を有する酵素ファミリーの 一般名である。グルタチオンペルオキシダーゼの生化学的機能は、脂質ヒドロペル オキシド ...

関連画像

粒あたり)グルタチオン l リポソーム グルタチオン錠100mg 還元型をGSH, 酸化 型をGSSGと 4,280 (税込) グルタチオンglutathione グルタチオン 包装写真

添付文書

薬効分類名

  • グルタチオン製剤

販売名

タチオン点眼用2%

組成

有効成分

  • 日局 グルタチオン

含量(1錠中)

  • 100mg

添加物

  • 錠剤1錠
    炭酸水素ナトリウム,ベンザルコニウム塩化物,マクロゴール,亜硫酸水素ナトリウム,エデト酸ナトリウム水和物
    溶解液5mL
    ベンザルコニウム塩化物,ホウ酸

効能または効果

  • 初期老人性白内障,角膜潰瘍,角膜上皮剥離,角膜炎
  • 溶解液5mL当たり還元型グルタチオンとして100mgを用時溶解し,1回1〜2滴を1日3〜5回点眼する.

薬効薬理

生化学的作用

  • グルタチオンには,生化学的作用として,酸化還元反応への関与,補酵素としての作用,メルカプツール酸生成その他の解毒機構への関与,SH酵素又はその他の細胞成分の保護作用等が報告されている.4)

視覚器とグルタチオン

正常眼組織中のグルタチオン分布

  • 哺乳類を始めとして魚類に至るまで,脊椎動物は共通的に眼,特に,水晶体中のグルタチオン濃度が極めて高く,血液中の数十倍,肝臓中の約2倍に達するといわれている.眼球内組織毎のグルタチオン分布について,グルタチオンと銅の錯塩の発する蛍光強度の程度に応じて(+++)〜(−)に区別して表示すると下表に掲げるとおりである.5)水晶体や角膜にグルタチオンが高濃度に存在する意義については,その両組織の透明性の維持にあると言われている.
     
     
     

白内障に対する作用

  • 水晶体の混濁を主症状とする白内障の成因とグルタチオンは重大な関係を有しており,いずれの実験的白内障(兎のナフタリン白内障6),ラットのガラクトース白内障7),幼鶏のジニトロフェノール白内障8),牛のβ-ナフトキノン白内障9),ラットの放射線白内障10)等)においても,白内障の発症に先立って水晶体中のグルタチオン量の減少や,水晶体中でのグルタチオン合成酵素の活性低下が立証されており,グルタチオンの投与により発症を防止したり,進行を防止出来ることが報告されている.

角膜に対する作用

  • 角膜におけるコラーゲンの合成の促進と,コラーゲンを分解する酵素コラーゼの活性阻止にグルタチオンが関与しているとされている.角膜潰瘍の発生因子としてコラーゼが指摘されていることからも,角膜中のグルタチオン量の低下は,角膜機能の低下を示すものと考えられる.実験的に発症させた角膜障害等(卵白アルブミンによる家兎アレルギー性角膜炎11),農薬による眼障害12),放射線性角膜炎13))において角膜中グルタチオン量の低下と角膜障害の程度並びに経過の関係が明らかになり,グルタチオンの投与が障害を軽減させたり,回復を促進することが報告されている.

有効成分に関する理化学的知見

一般名

  • グルタチオン(Glutathione)

化学名

  • (2S )-2-Amino-4-[1-(carboxymethyl)carbamoyl-(2R )-2-sulfanylethylcarbamoyl]butanoic acid

分子式

  • 101736

分子量

  • 307.32

融点

  • 約185℃(分解)

性状

  • グルタチオンは白色の結晶性の粉末である.水に溶けやすく,エタノール(99.5)にほとんど溶けない.


★リンクテーブル★
先読みオペガードネオキット」「ビーエスエスプラス
リンク元薬物代謝」「アセトアミノフェン中毒」「グルタチオンジスルフィド」「スルフヒドリル基」「解毒剤
拡張検索グルタチオンペルオキシダーゼ」「グルタチオン合成酵素」「グルタチオンS-転移酵素」「酸化型グルタチオン

オペガードネオキット」

  [★] オキシグルタチオン

ビーエスエスプラス」

  [★] オキシグルタチオン

薬物代謝」

  [★]

drug metabolism
  • 肝臓が貢献。例外的に肺や腎で代謝されることもある

薬物代謝の過程

1. 第1相反応:酸化oxidation、還元reduction、加水分解hydrolysis

oxygenases
-OH, -COOH, SH, -O=, -NH2を付与
生物学的性質の不活化

2. 第2相反応:抱合conjugation

transerases
可溶化。分子量の増加→腎排泄されやすくなる

生物異物代謝 (GOO.73)

ENZYMES 反応
Phase 1 oxygenases シトクロムP450 cytochrome P450 CYP C, Oの酸化。脱アルキル化
フラビン含有モノオキシゲナーゼ flavin-containing monooxygenase FMO N,S,Pの酸化
エポキシドヒドラーゼ(mEH, sEH) epoxide hydrolases mEH, sEH エポキシドの加水分解
Phase 2 transferases? スルホトランスフェラーゼ sulfotransferase SULT 硫酸の
UDP-グルクロノシルトランスフェラーゼ UDP-glucuronosyltransferase UGT グルクロン酸の付加
グルタチオンS-トランスフェラーゼ glutathione-S-transferase GST グルタチオンの付加
N-アセチルトランスフェラーゼ N-acetyltransferase NAT アセチル基の付加
メチルトランスフェラーゼ methyltransferase MT メチル基の付加
Other enzymes? アルコール脱水素酵素 alcohol dehydrogenases ADH アルコールの還元
アルデヒド脱水素酵素 aldehyde dehydrogenases ALDH アルデヒドの還元
NADPH/キノン酸化還元酵素 NADPH-quinone oxidoreductase NQO キノンの還元


アセトアミノフェン中毒」

  [★]

acetaminophen poisoning
アセトアミノフェン N-acetyl-p-aminophenol、薬物性肝障害

概念

  • 多くの薬に含まれており、意図せずにたくさん飲んでいることもある → 規定量の数倍を飲むこともある
  • 70kgの人 325mg x 20 中毒
  •          40 死

症状

  • 1. ~数時間 嘔吐
  • 2. 24時間 嘔吐、腹痛1
  • 3. 2-5日 嘔吐、肝機能↓、黄疸、出血、熱
  • 4. 5日以降 直るか肝不全となる

病態生理

参考1
  • アセトアミノフェンは肝臓で硫酸基やグルクロン酸抱合をうけ、尿より排泄され、2%が代謝を受けずにそのまま排泄される。排泄されないアセトアミノフェンは混合機能オキシダーゼによりN-acetyl-p-benzoquinoneimine(NAPQI)に変換される。この物質は毒性が高い、反応性が高い、電子親和性が高いという特徴を有する。このNAPQIは肝臓のグルタチオンにより無毒化されて尿中に排泄される。
  • 過剰量のアセトアミノフェンが投与された場合、NAPQIを無毒化するグルタチオンが消費される。肝臓のグルタチオンが70-80%まで消費されると、NAPQIは肝細胞と反応しこれを障害する。 → 肝細胞障害型の薬物性肝障害をきたす。

治療

参考

  • 1. [charged] Acetaminophen (paracetamol) poisoning in adults: Pathophysiology, presentation, and diagnosis - uptodate [1]


グルタチオンジスルフィド」

  [★]

glutathione disulfide, GSSG
酸化型グルタチオンオキシグルタチオン oxiglutatione
ビーエスエスプラス
グルタチオン
[show details]


  • 酸化型グルタチオン。
  • グルタチオン(GSH)の酸化型(GSSG)である。酸化型グルタチオン、あるいはグルタチオンジスルフィドと呼ばれる。眼内に投与されたオキシグルタチオンは組織に取り込まれグルタチオン還元酵素によりグルタチオンとなり、組織のH2O2の除去などをおこなう。眼内灌流液にオキシグルタチオンを添加することで、角膜保護作用、血液房水柵破壊抑制作用、水晶体透明性維持作用、網膜機能維持作用の効果が期待できる。


スルフヒドリル基」

  [★]

sulfhydryl group
チオール基 SH基 SH groupチオール基 thiol groupメルカプト基 mercapto group
[[]]
[show details]
  • −SH

臨床関連

  • 無機鉛中毒:ポルフィリン合成酵素のSH基に結合して活性を阻害。
  • ヒ素中毒:活性中心にSH基を有するような酵素の活性を阻害。

参考

  • 1. wiki ja
  • [display]http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B9%E3%83%AB%E3%83%95%E3%83%92%E3%83%89%E3%83%AA%E3%83%AB%E5%9F%BA


解毒剤」

  [★]

antidote
解毒薬

商品

グルタチオンペルオキシダーゼ」

  [★]

glutathione peroxidase, GPX,GSHPx, GPO
グルタチオン


  • グルタチオン(GSH)存在下で脂質ヒドロペルオキシド(LOOH)を還元し、参加型glutathioneを生成する反応(GSSG)
  • セレンを含むGSHPxと、含まないGSHPxがある。
  • 心臓、肺、脳にはSe-GSHPxがある。
  • Se欠乏症:心筋症、肝壊死、膵萎縮、筋ジストロフィー



グルタチオン合成酵素」

  [★]

glutathione synthetase、glutathione synthase
グルタチオンシンターゼグルタチオンシンセターゼグルタチオンシンテターゼ


グルタチオンS-転移酵素」

  [★]

glutathione S-transferase
グルタチオンSトランスフェラーゼグルタチオンS-トランスフェラーゼ


酸化型グルタチオン」

  [★] グルタチオンジスルフィド




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