グルコース-6-ホスファターゼ

出典: meddic

phosphatase
glucose-6-phosphatase, G6Pase
グルコース-6-脱リン酸酵素
糖新生


  • 糖新生に関わる酵素
  • 肝臓に存在する。筋肉には存在しない


臨床関連


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出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2013/07/09 22:02:38」(JST)

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和文文献

  • 臨床研究・症例報告 1歳半健診を契機に発見された糖原病Ia型の男児例
  • 高橋 知男,瀬島 斉,斎藤 恭子 [他]
  • 小児科臨床 63(1), 137-140, 2010-01-00
  • NAID 40016883536
  • 糖原病及び関連疾患.肝グルコース-6-ホスファターゼ欠損症

関連リンク

グルコース-6-ホスファターゼは、グルコースの恒常性維持のための役割をもつ肝臓と 腎臓で見られ、網状組織内部原形質の内膜に存在する。筋肉と脳はこの酵素を含んで おらず、結果、いくらかのグルコース-6-リン酸は、グリコーゲンの分解で解糖系によって ...
なぜこのような違いが生じるかであるが、それはグルコース-6-ホスファターゼの活性の 違いによる。グルコース-6-ホスファターゼは「グルコース-6-リン酸→ グルコース」への 変換に関与しているが、グルコース-6-ホスファターゼは肝臓・腎臓で活性が強いので ある。 ...

関連画像

グルコース-6-リン酸デオキシ -D- グルコース と 糖新生デオキシ -D- グルコース と


★リンクテーブル★
先読みphosphatase
リンク元糖質コルチコイド」「フォン・ギールケ病」「糖原病」「ピオグリタゾン」「糖新生
拡張検索グルコース-6-ホスファターゼ欠損症
関連記事グルコース」「ホスファターゼ」「コース

phosphatase」

  [★] ホスファターゼフォスファターゼ脱リン酸化酵素脱リン酸酵素

phosphohydrolasephosphoric monoester hydrolase

WordNet   license wordnet

「any of a group of enzymes that act as a catalyst in the hydrolysis of organic phosphates」


糖質コルチコイド」

  [★]

glucocorticoid (Z), glucocorticoids
グルココルチコイド
副腎皮質副腎皮質ホルモン
  • 以下、内的に合成される糖質コルチコイドについて述べる

種類

分類

性状

  • ステロイド

産生組織

標的組織

生理作用

1. エネルギー代謝

糖新生においてグルコースの前駆体となるアミノ酸を肝臓に供給すべく動員する作用 (SP.894)

a. 糖代謝作用

糖新生の亢進
血糖上昇
肝細胞以外のグルコースの取り込みを抑制 (SP.894) ← 末梢でインスリンの作用に拮抗
グルコース-6-ホスファターゼの活性亢進 (SP.894)
グリコーゲンの合成亢進
血糖値の上昇に伴い、肝臓などでグルコースからグリコーゲンが作られる (SP.894)

b. タンパク質代謝作用

肝臓での糖新生の基質を末梢から供給する作用
肝細胞以外でのアミノ酸取り込み阻害 (SP.894)
特定のアミノ酸合成を阻害 (SP.894)
生理的範囲:(肝臓)同化作用が起こる、(肝臓以外)異化作用が起こる
ステロイド大量投与時:ほとんど異化作用が起こる→副作用につながる

c. 脂質代謝作用

  • 脂肪細胞に対して、インスリンの拮抗作用を持つが、一方で糖質コルチコイドにより血糖値が上昇する
  • 脂肪分解↑→血糖値↑ …(1)
脂肪細胞に対してグルコースの取り込みを抑制し、中性脂肪の生合成を抑制し、さらに大量の遊離脂肪酸とグリセロールを放出させる。肝臓でグリセロールからグルコースが合成される。 (SP.894)
  • 血糖値↑→脂肪合成↑ …(2)
血糖値の上昇によりインスリンが分泌され、脂肪細胞で脂肪の合成が促進される (SP.894)
  • (1)、(2)のいずれの反応が起こるかは体の部位によって異なり、脂肪分布の変化が生じる。
中心性肥満、満月様顔貌、バッファローハンプ

2. 電解質代謝作用

糖質コルチコイドの電解質コルチコイド様作用。
Na+再吸収↑、K+排泄↑
コルチゾールの電解質作用はアルドステロンの約1/400
コルチゾールの量    はアルドステロンの約 200倍
ゆえに、電解質コルチコイドの1/2の作用力を持つ

3. 水代謝作用

GFR↑、ADHに拮抗、細胞内への水移動の抑制→水利尿作用を有する。  尿崩症 + 副腎不全 → 多尿がいくらか改善されると考えて良いと思われる。仮面尿崩症

4. 骨・軟骨に対する作用

  • a. ビタミンDと拮抗して腸管からのCa吸収阻害 (SP.894)
  • b. 腎尿細管におけるCa再吸収阻害 (SP.894)
  • c. 骨芽細胞の分化・増殖を抑制 (SP.894)
糖質コルチコイドの大量投与→軟骨↓骨成長↓(活性型ビタミンD3に拮抗・尿細管Ca再吸収↓→PTH↑、骨芽細胞の分化抑制、タンパク質の異化作用↑)→骨粗鬆症、骨壊死 or 骨端線閉鎖を促進(←?要調査)
b.の機序で尿に排泄されるカルシウムが増加  →  高カルシウム尿症 → 尿路結石

5. 抗炎症作用

  • 胸腺やリンパ組織を萎縮させる → 炎症反応や免疫反応を抑制
リンパ球数の減少、白血球の遊走抑制、抗体産生低下、ヒスタミン放出抑制(局所の毛細血管拡張抑制) (SP.894)
末梢好中球数は増加する(YN.F-78) → 白血球増多症

SPC.330

  • a) 核内受容体を介してlipocortinを発現させ、これがphospholipase A2を阻害する。これにより、アラキドン酸の産生が抑制され、炎症を促進するロイコトリエンの産生も抑制される。
  • b) 末梢血Tリンパ球、単球、好酸球、好塩基球:骨髄からの放出減少と再分配(?)のため末梢血中では減少する。
  • c) 末梢血好中球:炎症部位への集合が抑制され(血管外への遊走が抑制される(GOO.1600))、末梢血中では増加する。
  • d) Bリンパ球はヘルパーT細胞が抑制されるために抗体産生能が減少する。
  • e) リンパ球などの細胞表面の立体構造を換えて抗体や補体の結合を抑制する。
  • f) 毛細血管(毛細管)の収縮により、血管の透過性は低下する。

6. 循環器

  • カテコールアミン・アンジオテンシンIIによる血管収縮作用の許容作用 → 糖質コルチコイドなしではその作用を十分に及ぼし得ない
欠乏症では血管のカテコールアミン・アンジオテンシンIIに対する感受性低下

7. 中枢神経系

  • 認知機能や情動を修飾 (SP.895)

8. 成長発達

  • 胎児期の消化酵素・リン脂質(肺胞表面の張力に関与)の合成に関与 (SP.895)
  • 小児期で骨や熱強訴域に直接作用して身長の伸びを抑制する (SP.895)

作用機序

免疫抑制(GOO. 657,674,1600)

糖質コルチコイドはリポコルチンを産生→リポコルチンはホスホリパーゼA2の活性を修飾→アラキドン酸産生↓

分泌調節

  • 1. 概日リズム
  • 2. フィードバック制御
    • 糖質コルチコイドがACTHCRHを抑制
  • 3. ストレス反応

臨床関連


  • 合成ステロイドホルモン

副作用

副腎皮質ホルモン剤
Table 59–2 Relative Potencies and Equivalent Doses of Representative Corticosteroids
COMPOUND ANTIINFLAMMATORY POTENCY Na+-RETAINING POTENCY DURATION OF ACTION* EQUIVALENT DOSE, MG
cortisol 1 1 S 20
cortisone 0.8 0.8 S 25
fludrocortisone 10 125 I
prednisone 4 0.8 I 5
prednisolone 4 0.8 I 5
6α-methylprednisolone 5 0.5 I 4
triamcinolone 5 0 I 4
betamethasone 25 0 L 0.75
dexamethasone 25 0 L 0.75


-グルココルチコイド
-グルココルチコイド
-glucocorticoid


フォン・ギールケ病」

  [★]

von Gierke disease, von Gierke's disease, Gierke disease、Gierke's disease
I型糖原病 type I glycogen storage disease糖原病I型 glycogen storage disease type I
グルコース-6-ホスファターゼ欠損症 グルコース-6-脱リン酸酵素欠損症 G6Pase欠損症 glucose-6-phosphatase deficiency
肝腎型糖原病 hepatorenal glycogenosis
糖原病
[show details]
  • first aid step1 2006 p.92,98
  • 糖原病Ia型、糖原病Ib型、糖原病Ic型をまとめて記述する

概念

  • 肝臓、腎臓、小腸粘膜のグルコース-6-ホスファターゼの欠損によりグリコーゲンが肝臓や腎臓に蓄積する
  • 肝型糖原病
  • グルコース-6-ホスファターゼ欠損によるグルコース産生障害、肝臓におけるグリコーゲンの貯留と低血糖

病態生理

  • 肝臓でグルコースを血中に送り出すときに働く最後の酵素で、欠損によりG6Pの濃度が高まり、肝臓と腎臓に大量のグリコーゲンが蓄積する(G6Pはglycogen synthaseを活性化する

病型と病因

  • 糖原病Ia型 = フォン・ギールケ病
  • グルコース-6-ホスファターゼの欠損
  • 糖原病Ib型
  • グルコース-6-リン酸トランスロカーゼの欠損
G-6-Paseの活性部位は小胞体の内腔面に存在する。G-6-Paseが機能するためには、基質であるG-6-Pが細胞質から小胞体内へ移動する必要がある。G-6-Pが小胞体膜を通過するのにひつような輸送系がグルコース-6-リン酸トランスロカーゼである。 (PED.330)
  • 糖原病Ic型
  • リン酸/ピロリン酸トランスロカーゼの欠損
  • 小胞体内で生成されたピロリン酸のリン酸への分解(ピロホスファターゼ活性)とリン酸の小胞体外への輸送障害

疫学

  • Ia型:80-90% (PED.330)
  • Ib型:10-20% (PED.330)

遺伝形式

病変形成&病理

症候

  • 低血糖発作、肝腫大、低身長
  • 新生児期に低血糖、乳酸アシドーシスがみられることがあるが、多くは3,4ヶ月で肝腫大により気づかれる。
  • 知能:重篤な低血糖発作を繰り返さない限り正常
  • 顔貌:人形様の丸い顔貌 doll-like faces with fat cheeks
  • 身長:低身長(short stature)
  • 四肢:体幹に比較して四肢が細い(relatively thin extremities)
  • 腹部:protuberant abdomen ← 肝腫大, 腎腫大。脾腫、心肥大なし。
  • 血液:
  • 血小板凝集能・接着能低下 → 鼻出血・挫傷
  • 高尿酸血症
  • 高脂血症:トリグリセリド・コレステロール・リン脂質上昇  ← de novo トリグリセリド合成が亢進(参考2)

Ia型

  • growth retardation, enlarged liver and kidney, hypoglycemia, elevated blood lactate, cholesterol, triglycerides, and uric acid(HIM.2458)

Ib型

  • as for Ia, with additional findings of neutropenia and neutrophil dysfunction(HIM.2458)

合併症

  • 思春期の遅延
  • 女性の場合、超音波検査でpolycystic ovariesが見られることがある。
  • 高尿酸血症による若年性の痛風、尿路結石
  • 高脂血症による膵炎、四肢伸側の黄色腫
  • 易骨折、osteopenia、橈骨骨密度低下、
  • 肝臓:20-30代で肝腺腫、出血。悪性化し肝臓癌となることも
  • 腎臓:20歳以上でタンパク尿が必発、高血圧症、腎結石、腎石灰化症、クレアチンクリアランス異常。腎臓透析、腎移植が必要になることも

検査

  • 好中球:(GSD Ibにおいてのみ)慢性/間欠性好中球減少(ほぼ必発)、好中球機能低下。 (参考2)
  • 血小板機能:低下
  • 血液生化学
  • 肝酵素は正常(liver enzymes are usually normal.)
  • 乳酸、ピルビン酸、トリグリセリド、脂肪酸、コレステロール、リン脂質、尿酸、ALT、ASTが高値 (PED.330)
  • 乳酸、ピルビン酸高値:肝臓で血中に放出できなかったG6Pは解糖系の下流に進み、血中ピルビン酸上昇、過剰のピルビン酸から乳酸が産生される。また、アセチルCoAの蓄積により、脂肪酸、コレステロールが増加する。

治療

予後

予防

USMLE

  • Q book p.138 28

参考

  • 1. 写真
[display]http://img.medscape.com/pi/emed/ckb/dermatology/1048885-1116574-1802.jpg
[display]http://img.medscape.com/pi/emed/ckb/dermatology/1048885-1116574-1840.jpg
  • 2. [charged] Glucose-6-phosphatase deficiency (glycogen storage disease I, von Gierke disease) - uptpdate [1]



糖原病」

  [★]

glycogen storage disease GSD GSDs , glycogenosis
グリコーゲン病グリコーゲン蓄積病
グリコーゲン解糖系
  • first aid step1 2006 p.98

定義

  • グリコーゲン代謝系酵素欠損により、組織にグリコーゲンが蓄積する疾患群

分類 (FB.304,HIM.2458)

欠損酵素 組織 グリコーゲン構造 病名 発症時期 症状
I グルコース-6-ホスファターゼ 肝臓 正常 フォン・ギールケ病 childhood growth retardation, enlarged liver and kidney, hypoglycemia, elevated blood lactate, cholesterol, triglycerides, and uric acid
II α-1,4-グルコシダーゼ リソソーム 正常 ポンペ病 childhood  
III アミロ-1,6-グルコシダーゼ
debrancher enzyme deficiency
全器官 最外層分子がないか非常に短い コリ病 childhood hypoglycemia, hepatomegaly, short-stature, and myopathty
IV アミロ-(1,4→1,6)-トランスグリコシラーゼ
brancher enzyme deficiency
肝臓、全器官? 非常に長い枝無し鎖 アンダーセン病   infantile failure to thrive, cirrhosis, liver failure, and extreme hypotonia.
V グリコーゲンホスホリラーゼ
muscle phosphorylase deficiency
筋肉 正常 マッカードル病 adult exercise intolerance, muscle cramps, myoglobinuria on strenuous exercise, increased CK
VI グリコーゲンホスホリラーゼ
hepatic phosphorylase deficiency
肝臓 正常 エルス病   hematomegaly and variable hypoglycemia
VII 6-ホスホフルクト-1-キナーゼ 筋肉 正常 垂井病    
VIII ホスホリラーゼキナーゼ 肝臓 正常 X染色体ホスホリラーゼキナーゼ欠損症    
IX ホスホリラーゼキナーゼ 全器官 正常   childhoog  
0 グリコーゲンシンターゼ 肝臓 正常だが少量      



ピオグリタゾン」

  [★]

pioglitazone
塩酸ピオグリタゾン pioglitazone hydrochloride ピオグリタゾン塩酸塩
アクトスODアクトスソニアス配合メタクト配合リオベル配合
糖尿病
糖尿病用剤
  • 経口血糖下降薬

作用機序

アクトスOD錠15
  • 末梢組織におけるインスリン作用増強:
  • 肝におけるインスリン作用増強:モデル動物で、肝におけるグルコキナーゼの活性を亢進し、グルコース-6-ホスファターゼの活性を低下させ、糖産生を抑制
  • インスリン受容体作用増強:モデル動物骨格筋で、低下したインスリン受容体及びインスリン受容体基質のリン酸化を正常化し、ホスファチジルイノシトール-3-キナーゼの活性を亢進
  • TNF-α産生抑制作用:骨格筋TNF-α産生亢進を抑制し、これと並行して高血糖を軽減

薬理作用

アクトスOD錠15
  • インスリン受容体のインスリン結合部以降に作用してインスリン抵抗性を軽減し、肝における糖産生を抑制し、末梢組織における糖利用を高め血糖を低下させる。この作用は、インスリン抵抗性の主因である細胞内インスリン情報伝達機構を正常化することによると推測される。

添付文書




糖新生」

  [★]

gluconeogenesis
解糖



図:FB.306

糖新生の不可逆反応を司る酵素


グルコース-6-ホスファターゼ欠損症」

  [★] フォンギールゲ病糖原病I型


グルコース」

  [★]

glucose, grape sugar, dextrose
ブドウ糖注、グルノン
GLUT血中グルコース濃度血糖値GLUT
グルコース1-リン酸グルコース6-リン酸

分子量

  • 分子量:180 g/mol
血糖 100 mg/dl -> 1000 mg/l ; 1000 mg/l / 180 g/mol ≒5.6 mmol/l = 5.6 mM

尿細管におけるグルコースの再吸収 SP.801

  • 近位尿細管における刷子縁で行われる。
  • 管腔側に糖/Na+共輸送体 SGLT(SGLT1SGLT2)が存在し、Naとグルコースを共輸送する
  • SGLT2がグルコースの取り込みに貢献している(低親和性、高用量の輸送担体)
  SGLT1 SGLT2
局在 近位尿細管 近位尿細管
 中間部(S2)  起始部(S1)
 終末部(S3)
グルコースの親和性 高親和性 低親和性
  • 側底膜にはGLUT2が存在し、血液循環にグルコースを輸送する。

輸液で用いられるグルコース

  • 末梢静脈:5%グルコース。5g/100g -> 50g/1L -> 50/180 Eq/L -> 277.78 mEq/L

臨床関連




ホスファターゼ」

  [★]

phosphatase, phosphoric monoester hydrolase
脱リン酸酵素脱リン酸化酵素リン酸加水分解酵素リン酸モノエステル加水分解酵素リン酸モノエステルヒドロラーゼ
  • 生体分子のリン酸モノエステル結合を加水分解し、無機リンを遊離させる脱リン酸反応を触媒する酵素群


コース」

  [★]

course
過程課程経過




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