ギテルマン症候群

出典: meddic

Gitelman's syndromeGitelman syndrome
Gitelman症候群
利尿薬バーター症候群Bartter症候群

概念

  • チアジド系利尿薬感受性Na-Cl co transporter(NCCT)の機能変異により、ナトリウム吸収が障害される疾患である。ナトリウムと塩素イオンの喪失によるhypovolemiaによりRAA系が亢進し、高アルドステロン血症を呈するが、高血圧とはならない。アルドステロンによるカリウム排泄の亢進と、集合管でのナトリウム再吸収亢進によりカリウムイオン・水素イオン排泄亢進により低カリウム血症、代謝性アルカローシスをきたす。バーター症候群と異なり、低マグネシウム血症をきたすのが特徴的である。

バーター症候群とギテルマン症候群

出典不明
  バーター症候群 ギテルマン症候群
異常部位 ヘンレの太い上行脚 遠位曲尿細管
共通点病態 二次性アルドステロン症
低カリウム性アルカローシス
RAA系亢進
正常血圧
診断時年齢 6歳以下 学童~成人
成長障害 多い 無し~少ない
羊水過多 44% 0%
テタニー 少ない 多い
尿中カルシウム 正常~増加 減少
低マグネシウム血症 40% 100%
低ナトリウム血症 多い 少ない
遠位尿細管Cl再吸収 高度低下 軽度~中等度低下
多飲・多尿・脱水 中等度~高度 無~中等度

参考

  • 1. GITELMAN SYNDROME - OMIM
http://omim.org/entry/263800
  • 2. [charged] Bartter and Gitelman syndromes - uptodate [1]
  • 3. [charged] Regulation of magnesium balance - uptodate [2]



UpToDate Contents

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和文文献

  • ギテルマン症候群の遺伝学的検査体制の構築
  • 中山 智祥,青井 則子,佐藤 直之,佐藤 三佳乃,小菅 琴子,泉 洋一,相馬 正義,松本 紘一
  • 臨床病理 58(2), 156-161, 2010-02-25
  • NAID 10026444437
  • 地域住民におけるサイアザイド感受性Na-Cl共輸送体(SLC12A3)遺伝子変異頻度について : 岩木町健康増進プロジェクト
  • 保嶋 実,蔦谷 昭司
  • 臨床病理 57(4), 391-396, 2009-04-25
  • NAID 10025224870

関連リンク

バーター症候群およびギテルマン症候群はまれな遺伝性疾患であり,腎臓からの カリウムおよびナトリウムの喪失,レニンおよびアルドステロンの過剰産生,ならびに 正常血圧を特徴とする。バーター症候群(異常腎輸送症候群: バーター症候群も参照 ) は,ヘンレ ...
バーター症候群†. まれな先天性疾患で,小児期早期に腎臓からの塩類喪失および体液 量減少を伴い発症し,高アルドステロン症および低カリウム性代謝性アルカローシスを 引き起こす。 ギテルマン症候群†. バーター症候群様の疾患で,低マグネシウム血症や ...


★リンクテーブル★
先読み利尿薬
リンク元バーター症候群」「チアジド系利尿薬」「偽痛風」「集合管」「Gitelman syndrome
関連記事症候群」「」「症候

利尿薬」

  [★]

diuretic, diuretics
尿細管

適応

利尿薬の種類 (GOO.744)

  CATIONS ANIONS 尿酸 腎血液動態
Na+ K+ H+ Ca2+ Mg2+ Cl- HCO3- H2PO4- 急性 慢性 RBF GFR FF TGF
炭酸脱水酵素阻害薬 炭酸脱水酵素阻害 近位尿細管
 
++ NC V (+) ++ ++ I NC
浸透圧利尿薬 浸透圧 ヘンレループ
 
++ I ++ I NC I
ループ利尿薬 Na+-K+-2Cl- symport阻害 太い上行脚
 
++ ++ ++ ++ ++ (1) (1) V(+) NC V(-)
チアジド系利尿薬 Na+-Cl-symport阻害 遠位尿細管
 
++ V(-) V(+) (1) (1) NC V(-) V(-) NC
カリウム保持性利尿薬 上皮性ナトリウムチャネル阻害 遠位尿細管後部と集合管
 
(+) NC I NC NC NC NC
アルドステロン受容体拮抗 遠位尿細管後部と集合管
 
I (+) I I NC NC NC NC

利尿薬の例

  • 上皮性ナトリウムチャネル阻害薬
  • アルドステロン受容体阻害薬

利尿薬の作用部位

  • ホルモンと利尿薬の作用部位についての簡単なまとめは→尿細管

参照

http://hobab.fc2web.com/sub4-Diuretics.htm



バーター症候群」

  [★]

Bartter syndrome, Bartter's syndrome
Bartter症候群
ギテルマン症候群 Gitelman症候群

概念

  • 常染色体劣性遺伝 AR
  • RAA系の亢進 にもかかわらず 正常血圧、浮腫の欠如
  • 低カリウム血症、代謝性アルカローシス
  • 傍糸球体細胞の過形成
  • 多飲、多尿 ← アルドステロンのエスケープ現象(尿濃縮脳の障害)。これにより血圧上昇がキャンセル?
  • ヘンレループ太い上行脚にあるループ利尿薬の標的輸送体の機能異常 → 常にフロセミドが効いた状態と考えてみる

病因

  • 遺伝子異常
  • 1つは、NKCC2をコードしているSLC12A1の遺伝子異常

原因遺伝子

  Location Phenotype Phenotype Gene/Locus Gene/Locus
MIM number     MIM number  
1 15q21.1 [[3]] Bartter syndrome, type 1 601678 [[4]] SLC12A1 600839 [[5]]
2 11q24.3 [[6]] Bartter syndrome, type 2 241200 [[7]] KCNJ1 600359 [[8]]
3 1p36.13 [[9]] Bartter syndrome, type 3 607364 [[10]] CLCNKB 602023 [[11]]
4A 1p36.13 [[12]] Bartter syndrome, type 4, digenic 602522 [[13]] CLCNKB
1p32.3 [[14]] Bartter syndrome, type 4a BSND 606412 [[15]]
Sensorineural deafness with mild renal dysfunction
4B 1p36.13 [[16]] Bartter syndrome, type 4b, digenic 613090 [[17]] CLCNKA 602024 [[18]]

病態

uptodate.1
  • 尿希釈能低下:ヘンレループ上行脚と遠位曲尿細管の療法は尿希釈に重要な部位であり(ADHの作用がない条件下で、水の移動なしにNaClを再吸収できるので)、本疾患では尿希釈能の低下をきたす。
  • 尿濃縮能低下:尿濃縮にはループヘンレの正常な働きととADHが必要 → 本疾患では尿濃縮能の低下をきたす ⇔ ギテルマン症候群ではnot substantially impaired

症候および検査異常

uptodate.1
しかし、出典不明の情報では、RAA系の亢進による血圧上昇がプロスタグランジンE2による血圧低下で相殺され、血圧正常とあるが、、、どうなの?出典はYNらしい。
  • 発育遅滞、精神発達遅滞   ←  幼小児で発見されるきっかけ?
  • 低カリウム血症
  • 代謝性アルカローシス
  • 多尿、多飲 ← 尿濃縮能低下
  • 尿中カルシウム:正常~増加
  • 血清マグネシウム:正常~軽度低下
  • (時に)低リン酸血症 ←  二次性副甲状腺亢進症による

鑑別診断

IMD.1003
  カリウム 血圧 レニン アルドステロン pH その他
Bartter症候群 低カリウム血症 正常 高値 高値 代謝性アルカローシス  
原発性アルドステロン症 低カリウム血症 高血圧 低値 高値 代謝性アルカローシス  
二次アルドステロン症 低カリウム血症 高血圧 高値 高値 代謝性アルカローシス  
尿細管性アシドーシス 低カリウム血症       代謝性アシドーシス  
甲状腺機能亢進症 低カリウム血症          
Liddle症候群 低カリウム血症 高血圧 低値 低値   ACTH高値


バーター症候群とギテルマン症候群

出典不明
  バーター症候群 ギテルマン症候群
異常部位 ヘンレの太い上行脚 遠位曲尿細管
共通点病態 二次性アルドステロン症
低カリウム性アルカローシス
RAA系亢進
正常血圧
診断時年齢 6歳以下 学童~成人
成長障害 多い 無し~少ない
羊水過多 44% 0%
テタニー 少ない 多い
尿中カルシウム 正常~増加 減少
低マグネシウム血症 40% 100%
低ナトリウム血症 多い 少ない
遠位尿細管Cl再吸収 高度低下 軽度~中等度低下
多飲・多尿・脱水 中等度~高度 無~中等度

参考

uptodate

  • 1. [charged] バーター症候群およびギテルマン症候群 - uptodate [19]
  • 2. [charged] 原因不明の代謝性アルカローシスおよび低カリウム血症:嘔吐;利尿薬;ギテルマンまたはバーター症候群 - uptodate [20]

OMIM

  • 1. BARTTER SYNDROME, ANTENATAL, TYPE 1
[display]http://omim.org/entry/601678
  • 2. BARTTER SYNDROME, ANTENATAL, TYPE 2
[display]http://omim.org/entry/241200
  • 3. BARTTER SYNDROME, TYPE 3
[display]http://omim.org/entry/607364
  • 4. BARTTER SYNDROME, TYPE 4A
[display]http://omim.org/entry/602522
  • 5. BARTTER SYNDROME, TYPE 4B
[display]http://omim.org/entry/613090

国試



チアジド系利尿薬」

  [★]

thiazide diuretic, benzothiazide diuretic
サイアザイド系利尿薬
利尿薬利尿薬の作用部位sodium-chloride symporter inhibitorギテルマン症候群

特徴

  • 安価である
  • 有効率が高い
  • 遠位尿細管前半部に作用するらしい
  • Na+とCl-の共輸送体(NCCT)を阻害→Na+,Cl- の再吸収を阻害する

排泄される電解質の変化

  • Na↑、K↑、H↑、Ca↓、Mg↑、Cl↑、HCO3↑、H2PO4
チアジド系利尿薬の慢性使用により体液量が減少し、近位尿細管での再吸収が亢進するため (GOO.755) ??
チアジド系利尿薬自体のDCTでの作用による;NCCTを阻害すると細胞内のNa濃度低下、これにより側底膜でのNa+-Ca2+交換系が亢進することでCa2+の再吸収↑ (GOO.755) → つまり管腔側から受動的に引き込まれるということ。
  • ループ利尿薬と同様の機序による (GOO.755)

チアジド系利尿薬

効能・効果

  • 高血圧症、心性浮腫、腎性浮腫、肝性浮腫

禁忌

  • 無尿(効果なし)
  • 急性腎不全(腎機能悪化):緻密斑より下流にチアジド系利尿薬の作用部位があるため、GFRを増加させたい場合にフィードバックがかかりにくいため?(緻密斑は適正量のNaが排泄されていると検出し、GFRを低下させても、下流では想定より多くのNaを喪失し、hypovolemicになる?)
  • 電解質異常

副作用

  • 長期間の使用における副作用:低カリウム血症、高尿酸血症高脂血症耐糖能低下、光線過敏症、脂質代謝障害。高カルシウム血症(YN.C-62) → (利尿薬参照。ループ利尿薬との違いはカルシウムを排泄するかどうか)

低カリウム血症

GOO.756
  • カリウムは抗高血圧作用があるので、チアジド系利尿薬の利尿作用を打ち消してしまう。

耐糖能の低下

GOO.756
  • 低カリウム血症の関与が示唆されている。K+をチアジド系利尿薬と共に投与すると高血糖が改善されるから。


-サイアザイド系利尿薬
-サイアザイド系利尿薬


偽痛風」

  [★]

pseudogout
仮性痛風
軟骨石灰化ピロリン酸カルシウム二水和物結晶沈着症


概念

疫学

  • 高齢者に多い。
  • 80歳以上の半数に認められる
  • 65歳以上の高齢の女性女性に多い(REU.301)
  • 加齢により軟骨石灰化の頻度は上昇し、65-75歳では10-15%、85歳以上では30-60%にみられる。症状を呈するのはその一部である。(REU.301)

病因

ポケメ

好発部位

  • 膝関節が最多。手関節の線維性軟骨、恥骨結合、関節唇、椎間板線維輪

症候

  • 頻度:膝関節(約半数) > 足関節
  • 関節
  • 急性関節炎
  • 関節液:白濁(白血球の増多による)
  • 変形性関節症:多くの症例で合併が認められる。
  • (ときに)全身症状:発熱、白血球増多、CRP上昇、赤沈亢進

経過

  • 関節炎:数時間~1日でピーク。数日~2週間持続して軽快

検査

  • 血液検査:白血球増多、CRP上昇、赤沈亢進が認められることがある。
  • 単純X線写真:点状、線状の軟骨石灰化
半月板の石灰化
[show details]
  • 関節穿刺: ← 確定診断
  • ピロリン酸カルシウム2水和物の結晶。偏光顕微鏡下で弱い正の複屈折性が認められる 
  • 小さい結晶は白血球に貪食されている。

国試


集合管」

  [★]

collecting duct (Z) CD, collecting tubule
tubulus renalis colligens
尿細管腎臓ヘンレループ後腎中腎管

発生

L.291
  • 由来:中腎管尿管芽
  • 過程:後腎組織に入り拡張、原始腎盂(大腎杯)を形成。管腔が分岐を繰り返し小腎杯を形成、さらに集合管が多数分岐して腎錐体を形成する。

集合管 (HIS. 381)

機能

ナトリウム再吸収

  • +:アルドステロン
  • -:プログラスタンジンE2

水再吸収

  • +:バソプレシン

各疾患における集合管の役割

バーター症候群ギテルマン症候群

  • 大量のNaが集合管に到達し、ENacによる再吸収をうける。これがカリウムイオンと水素イオンの分泌を促進し、低カリウム血症と代謝性アルカローシスをきたす。(HIM.1801)



Gitelman syndrome」

  [★] ギテルマン症候群


症候群」

  [★]

syndrome, symptom-complex
症状群
[[]]
  • 成因や病理学的所見からではなく、複数の症候の組み合わせによって診断される診断名あるいは疾患


内分泌

先天的代謝異常

高プロラクチン血症

分娩後の視床下部障害によるプロラクチン分泌抑制因子の分泌抑制のため、高プロラクチン血症を呈する。
分娩に関係なくプロラクチン分泌抑制因子の分泌抑制をきたし、高プロラクチン血症を呈する。

性腺機能低下

嗅覚の低下・脱出、低ゴナドトロピン性性腺機能低下症
肥満、網膜色素変性症、知能低下、低ゴナドトロピン性性器発育不全、多指症、低身長

性早熟

思春期早発症、多発性線維性骨異形成症、皮膚色素沈着
女性型の肥満、性器の発育障害の2主徴を示し、視床下部に器質的障害をもつ疾患群。

脳神経外科・神経内科

  • Wallenberg症候群 ワレンベルグ症候群:椎骨動脈、後下小脳動脈の血栓塞栓症などで生じる。頚部より下位で温度覚の障害が健側に出現するのに対し、頚部より上位では障害側に温度覚の障害が出現する。



群」

  [★]

group
グループ集団分類群れグループ化


症候」

  [★]

symptom and sign
症状, 徴候 兆候




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