出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2015/05/15 19:20:32」(JST)
オカダ酸 | |
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IUPAC名
9,10-デエピチオ-9,10-ジデヒドロアカンチフォリシン |
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識別情報 | |
CAS登録番号 | 78111-17-8 |
PubChem | 446512 |
日化辞番号 | J328.374G |
KEGG | C01945 |
特性 | |
化学式 | C44H68O13 |
モル質量 | 805 g mol−1 |
特記なき場合、データは常温 (25 °C)・常圧 (100 kPa) におけるものである。 |
オカダ酸(オカダさん、okadaic acid)は分子式C44H68O13で表されるポリエーテルの一種である。IUPAC命名法では9,10-デエピチオ-9,10-ジデヒドロアカンチフォリシン (9,10-Deepithio-9,10-didehydroacanthifolicin) となる。CAS登録番号は [78111-17-8]、カリウム塩は [155751-72-7]。
オカダ酸は、有毒渦鞭毛藻により産生される毒素である。この藻類を餌とする二枚貝の中腸腺にオカダ酸が蓄積されることで、下痢性の食中毒を引き起こす原因となる。類似化合物にディノフィシストキシン (dinophysistoxin, DTX) があり、同様に中毒を引き起こす。
単体は白色の結晶状固体。オカダ酸はC38脂肪酸の派生物質である。
オカダ酸は、1970年代に海綿動物のクロイソカイメン (Halichondria okadai) から初めて単離された[1] 。オカダ酸の名称は、クロイソカイメンの学名であるHalichondria "okadai" に因んだものである。また、細胞毒性物質として海綿動物のH. malanodociaからも単離された。オカダ酸の真の産生者は有毒渦鞭毛藻である。
P388細胞とL1210細胞に対するオカダ酸の細胞毒性は、50%効果濃度 (EC50) で各々1.7 nMと17 nMである。さらに、オカダ酸はプロテインセリン/スレオニンホスファターゼ1、2A、および2Bを強く阻害する。オカダ酸のプロテインセリン/スレオニンホスファターゼに対する阻害活性は2A > 1 > 2Bの順に強い。なお、プロテインセリン/スレオニンホスファターゼ2A阻害におけるオカダ酸の解離定数は30 pMである。
また、オカダ酸はTPAと同等の強力な発ガン促進作用を示す。
有毒渦鞭毛藻により、ホタテガイやムラサキイガイなどの本来は毒を持たない貝が有毒化することがある。この毒化による食中毒を防止するため、食品衛生法上の規制で下痢性貝毒は貝可食部1グラムあたり 0.05 MU 以下と定められている。この基準を上回った場合、出荷自主規制などの措置が執られる。
オカダ酸による食中毒での死亡例は報告されていない。
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