ウルソデオキシコール酸

出典: meddic

ursodeoxycholic acid, UDCA
acidum ursodesoxycholicum
ウルソデスオキシコール酸 ursodesoxycholic acid
シキコールTM配合ウビロンウルサミックウルソウルデストンウルデナシンカルディオダインゴクミシンプレコートレプター
ウルソジオール

特徴

  • 利胆薬。肝機能の改善と胆石溶解を期待して使用する。

構造

  • C24H40O4

作用機序

ウルソ錠50mg/ウルソ錠100mg
  • ウルソデオキシコール酸は胆汁分泌を促進する作用(利胆作用)により胆汁うっ滞を改善する.また,投与されたウルソデオキシコール酸は肝臓において,細胞障害性の強い疎水性胆汁酸と置き換わり,その相対比率を上昇させ,疎水性胆汁酸の肝細胞障害作用を軽減する(置換効果).さらに,ウルソデオキシコール酸はサイトカイン・ケモカイン産生抑制作用や肝臓への炎症細胞浸潤抑制作用により肝機能を改善する.そのほか,上記の胆石溶解作用,消化吸収改善作用が知られている.

薬理作用

動態

適応

ウルソ錠50mg/ウルソ錠100mg
  • 1. 下記疾患における利胆
  • 胆道(胆管・胆のう)系疾患及び胆汁うっ滞を伴う肝疾患
  • 2. 慢性肝疾患における肝機能の改善
  • 3. 下記疾患における消化不良
  • 小腸切除後遺症,炎症性小腸疾患
  • 4. 外殻石灰化を認めないコレステロール系胆石の溶解
  • 5. 原発性胆汁性肝硬変における肝機能の改善
  • 6. C型慢性肝疾患における肝機能の改善

注意

副作用

  • 消化器症状、過敏症

禁忌

  • 1. 完全胆道閉塞:利胆作用のため増悪
  • 2. 劇症肝炎:増悪

参考

  • ウルソ錠50mg/ウルソ錠100mg
[display]http://www.info.pmda.go.jp/go/pack/2362001F1088_2_04/2362001F1088_2_04?view=body



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UpToDate Contents

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和文文献

  • ウルソデオキシコール酸内服により総胆管結石症を繰り返した症例
  • 古謝 亜紀子,安岡 秀敏,飯田 智広,斎藤 秀一,井上 照基,高草木 智史,今泉 淳
  • The Kitakanto medical journal 61(2), 259-260, 2011-08-19
  • NAID 120003272634
  • C型肝炎に対するインターフェロン以外の治療法 肝庇護療法--ウルソデオキシコール酸,強力ミノファーゲンC (新時代のウイルス性肝炎学--基礎・臨床研究の進歩) -- (C型慢性肝炎に対する治療学の進歩)
  • 松崎 靖司,池上 正,齋藤 吉史
  • 日本臨床 69(-) (999), 256-261, 2011-05
  • NAID 40018838478
  • 自己免疫性肝疾患の病態と治療 (特集 肝炎診療の新たな展開) -- (診断・検査・治療)
  • 広石 和正,井廻 道夫
  • 綜合臨床 60(1), 107-111, 2011-01
  • NAID 40017649991

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ウルソデオキシコール酸(胆管・胆のう系疾患、肝臓疾患、胆石症などの治療薬 )について主な作用 副作用 用い方と注意点を説明します ... 服用上の注意 服用を始めてすぐに効果が出るものではなく長く服用することになる ...

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添付文書

薬効分類名

  • 肝・胆・消化機能改善剤

販売名

ウルソデオキシコール酸錠100mg「ZE」

組成

  • ウルソデオキシコール酸錠100mg「ZE」:1錠中ウルソデオキシコール酸100mgを含有する.

添加物

  • トウモロコシデンプン,結晶セルロース,カルメロースカルシウム,ヒドロキシプロピルセルロース,軽質無水ケイ酸,ステアリン酸マグネシウムを含有する.

効能または効果

・下記疾患における利胆
胆道(胆管,胆のう)系疾患及び胆汁うっ滞を伴う肝疾患

  • ウルソデオキシコール酸として,通常,成人1回50mgを1日3回経口投与する.なお,年齢,症状により適宜増減する.

・慢性肝疾患における肝機能の改善

  • ウルソデオキシコール酸として,通常,成人1回50mgを1日3回経口投与する.なお,年齢,症状により適宜増減する.

・下記疾患における消化不良
小腸切除後遺症,炎症性小腸疾患

  • ウルソデオキシコール酸として,通常,成人1回50mgを1日3回経口投与する.なお,年齢,症状により適宜増減する.

・外殻石灰化を認めないコレステロール系胆石の溶解

  • 外殻石灰化を認めないコレステロール系胆石の溶解には,ウルソデオキシコール酸として,通常,成人1日600mgを3回に分割経口投与する.なお,年齢,症状により適宜増減する.

・原発性胆汁性肝硬変における肝機能の改善

  • 原発性胆汁性肝硬変における肝機能の改善には,ウルソデオキシコール酸として,通常,成人1日600mgを3回に分割経口投与する.なお,年齢,症状により適宜増減する.増量する場合の1日最大投与量は900mgとする.

・C型慢性肝疾患における肝機能の改善

  • C型慢性肝疾患における肝機能の改善には,ウルソデオキシコール酸として,通常,成人1日600mgを3回に分割経口投与する.なお,年齢,症状により適宜増減する.増量する場合の1日最大投与量は900mgとする.


原発性胆汁性肝硬変における肝機能の改善:

  • ・硬変期で高度の黄疸のある患者に投与する場合は,症状が悪化するおそれがあるので慎重に投与すること.血清ビリルビン値の上昇等がみられた場合には,投与を中止するなど適切な処置を行うこと.

C型慢性肝疾患における肝機能の改善:

  • ・C型慢性肝疾患においては,まずウイルス排除療法を考慮することが望ましい.本薬にはウイルス排除作用はなく,現時点ではC型慢性肝疾患の長期予後に対する肝機能改善の影響は明らかではないため,ウイルス排除のためのインターフェロン治療無効例若しくはインターフェロン治療が適用できない患者に対して本薬の投与を考慮すること.
    *・非代償性肝硬変患者に対する有効性及び安全性は確立していない.高度の黄疸のある患者に投与する場合は,症状が悪化するおそれがあるので慎重に投与すること.血清ビリルビン値の上昇等がみられた場合には,投与を中止するなど適切な処置を行うこと.


慎重投与

  • 重篤な膵疾患のある患者〔原疾患が悪化するおそれがある.〕
  • 消化性潰瘍のある患者〔粘膜刺激作用があるため,症状が増悪するおそれがある.〕
  • 胆管に胆石のある患者〔利胆作用があるため,胆汁うっ滞を惹起するおそれがある.〕


重大な副作用

間質性肺炎(頻度不明):

  • 発熱,咳嗽,呼吸困難,胸部X線異常を伴う間質性肺炎があらわれることがあるので,このような症状があらわれた場合には,投与を中止し,副腎皮質ホルモン剤の投与等の適切な処置を行うこと.


薬効薬理

利胆作用3,4)

  • タウロウルソデオキシコール酸(TUDCA)における胆汁内最大排泄値はタウロコール酸の2倍以上を示し(ラット),また,ウルソデオキシコール酸(UDCA)を静脈内持続注入すると胆汁中重炭酸イオン濃度上昇を伴う利胆がみられた(ラット)(分泌型利胆).

肝血流増加作用5)

  • ガマ肝にデオキシコール酸Naを投与すると血管拡張を示し,肝血流量の増加がみられた.

抗エンドトキシン作用6)

  • 胆汁瘻ラットに対し,UDCA投与1週間後エンドトキシン投与した群はエンドトキシン単独投与群に比し有意な死亡率の低下を示した.

肝HMG-CoA reductase活性抑制作用7)

  • UDCAはコレステロール生成を反映する肝HMG-CoA reductase活性を抑制した(赤毛ザル).


有効成分に関する理化学的知見

一般名:

  • ウルソデオキシコール酸(JAN)(Ursodeoxycholic Acid)(JAN)

化学名:

  • 3α,7β-Dihydroxy-5β-cholan-24-oic acid

分子式:

  • C24H40O4

分子量:

  • 392.57
  • 200?204℃


★リンクテーブル★
国試過去問105B052」「105B050」「105B051」「106D043」「107A036」「107I023
リンク元原発性胆汁性肝硬変」「胆汁酸負荷試験」「利胆剤」「TM配合」「TM配合散
拡張検索タウロウルソデオキシコール酸
関連記事」「ウルソ

105B052」

  [★]

  • 次の文を読み、 50-52の問いに答えよ。
  • 76歳の男性。転居に伴いB型慢性肝疾患の治療継続目的で紹介され来院した。
  • 現病歴  10年前に自宅近くの医療機関でB型慢性肝炎と診断され、ウルソデオキシコール酸を服用していた。自覚症状は特にない。
  • 生活歴   飲酒は機会飲酒。
  • 既往歴・家族歴   特記すべきことはない。
  • 現 症   意識は清明。身長176cm、体重64kg。体温36.4℃。脈拍76/分、整。血圧132/68mmHg。腹部は平坦で、心窩部に肝を1cm触知するが、圧痛を認めない。左肋骨弓下に脾を1cm触知する。下肢に浮腫を認めない。
  • 検査所見   尿所見:蛋白(-)、糖(-)。血液所見:赤血球 311万、Hb 10.9g/dl、Ht 32%、白血球 3,600。血液生化学所見:総蛋白 6.0g/dl、アルブミン 2.6g/dl、クレアチニン0.8mg/dl、総ビリルビン 0.9mg/dl、AST 84IU/l、ALT 68IU/l、ALP 220IU/l(基準115-359)。免疫学所見:HBs抗原陽性、HCV抗体陰性、AFP 140ng/ml(基準20以下)。食道内視鏡写真(別冊No.7)を別に示す。


  • 腹部ダイナミックCTで早期に造影される腫瘤影を認めた。肝動脈造影写真(別冊No.8A)と上腸間膜動脈造影写真(別冊No.8B)とを別に示す。肝病変に対する治療として適切なのはどれか。



[正答]


※国試ナビ4※ 105B051]←[国試_105]→[105B053

105B050」

  [★]

  • 次の文を読み、 50-52の問いに答えよ。
  • 76歳の男性。転居に伴いB型慢性肝疾患の治療継続目的で紹介され来院した。
  • 現病歴  10年前に自宅近くの医療機関でB型慢性肝炎と診断され、ウルソデオキシコール酸を服用していた。自覚症状は特にない。
  • 生活歴   飲酒は機会飲酒。
  • 既往歴・家族歴   特記すべきことはない。
  • 現 症   意識は清明。身長176cm、体重64kg。体温36.4℃。脈拍76/分、整。血圧132/68mmHg。腹部は平坦で、心窩部に肝を1cm触知するが、圧痛を認めない。左肋骨弓下に脾を1cm触知する。下肢に浮腫を認めない。
  • 検査所見   尿所見:蛋白(-)、糖(-)。血液所見:赤血球 311万、Hb 10.9g/dl、Ht 32%、白血球 3,600。血液生化学所見:総蛋白 6.0g/dl、アルブミン 2.6g/dl、クレアチニン0.8mg/dl、総ビリルビン 0.9mg/dl、AST 84IU/l、ALT 68IU/l、ALP 220IU/l(基準115-359)。免疫学所見:HBs抗原陽性、HCV抗体陰性、AFP 140ng/ml(基準20以下)。食道内視鏡写真(別冊No.7)を別に示す。
  • 血液検査所見で予想されるのはどれか。



[正答]


※国試ナビ4※ 105B049]←[国試_105]→[105B051

105B051」

  [★]

  • 次の文を読み、 50-52の問いに答えよ。
  • 76歳の男性。転居に伴いB型慢性肝疾患の治療継続目的で紹介され来院した。
  • 現病歴  10年前に自宅近くの医療機関でB型慢性肝炎と診断され、ウルソデオキシコール酸を服用していた。自覚症状は特にない。
  • 生活歴   飲酒は機会飲酒。
  • 既往歴・家族歴   特記すべきことはない。
  • 現 症   意識は清明。身長176cm、体重64kg。体温36.4℃。脈拍76/分、整。血圧132/68mmHg。腹部は平坦で、心窩部に肝を1cm触知するが、圧痛を認めない。左肋骨弓下に脾を1cm触知する。下肢に浮腫を認めない。
  • 検査所見   尿所見:蛋白(-)、糖(-)。血液所見:赤血球 311万、Hb 10.9g/dl、Ht 32%、白血球 3,600。血液生化学所見:総蛋白 6.0g/dl、アルブミン 2.6g/dl、クレアチニン0.8mg/dl、総ビリルビン 0.9mg/dl、AST 84IU/l、ALT 68IU/l、ALP 220IU/l(基準115-359)。免疫学所見:HBs抗原陽性、HCV抗体陰性、AFP 140ng/ml(基準20以下)。食道内視鏡写真(別冊No.7)を別に示す。


  • 食道病変に対する治療として適切なのはどれか。


[正答]


※国試ナビ4※ 105B050]←[国試_105]→[105B052

106D043」

  [★]

  • 64歳の女性。皮膚の黄染を主訴に来院した。 5年前から肝機能異常を指摘されていたが、自覚症状がなかったためそのままにしていた。 3週前から皮膚の痒みが出現し、 1週前に皮膚が黄色いことに気付いたという。服薬歴に特記すべきことはない。輸血歴はない。飲酒は機会飲酒。身長163cm、体重57kg。眼球結膜に黄染を認める。右肋骨弓下に肝を4cm、左肋骨弓下に脾を3cm触知する。血液所見:赤血球335万、 Hb10.8g/dl、 Ht35%、白血球3,300、血小板8.5万。血液生化学所見:総蛋白 7.8g/dl、アルブミン 3.2g/dl、総ビリルビン 2.8mg/dl、直接ビリルビン 1.8mg/dl、 AST 186IU/l、 ALT 148IU/l、 LD 184IU/l(基準176-353)、ALP 559IU/l(基準115-359)、 γ-GTP 253IU/l(基準8-50)。免疫学所見: CRP 2.4mg/dl。 HBs抗原 陰性、HCV抗体 陰性。リウマトイド因子(RF) 陰性、抗核抗体 40倍(基準20以下)、抗ミトコンドリア抗体 80倍(基準20以下)。
  • 治療薬として適切なのはどれか。


[正答]


※国試ナビ4※ 106D042]←[国試_106]→[106D044

107A036」

  [★]

  • 68歳の女性。心窩部痛を主訴に来院した。昨日から心窩部痛が出現し、次第に増悪してきたため受診した。意識は清明。体温37.8℃。脈拍92/分、整。血圧186/78mmHg。呼吸数16/分。眼球結膜に黄染を認めない。心窩部に圧痛を認める。肝・脾を触知しない。血液所見:赤血球419万、Hb 12.7g/dl、Ht 38%、白血球17,200(桿状核好中球7%、分葉核好中球76%、単球3%、リンパ球14%)、血小板21万。血液生化学所見:総蛋白6.2g/dl、アルブミン3.0g/dl、尿素窒素11mg/dl、クレアチニン0.5mg/dl、総ビリルビン1.2mg/dl、AST 51IU/l、ALT 120IU/l、ALP 390IU/l(基準115~359)、γ-GTP 70IU/l(基準8~50)、アミラーゼ40IU/l(基準37~160)。CRP 20mg/dl。腹部単純CT(別冊No.13)を別に示す。抗菌薬の投与と経皮経肝胆嚢ドレナージとを行った。
  • 次に行う治療として適切なのはどれか。



[正答]


※国試ナビ4※ 107A035]←[国試_107]→[107A037

107I023」

  [★]


[正答]


※国試ナビ4※ 107I022]←[国試_107]→[107I024

原発性胆汁性肝硬変」

  [★]

primary biliary cirrhosis, PBC
胆汁性肝硬変続発性胆汁性肝硬変慢性非化膿性破壊性胆管炎無症候性原発性胆汁性肝硬変
難病
  • first aid step1 2006 p.280
  • 2009/7/16 III 消化器

まとめ

  • 肝内の小葉間胆管が組織的に慢性非可能性破壊性胆管炎により障害され、肝内に胆汁うっ滞をきたしてうっ血性肝障害を起こす疾患である。発症は中年以降の女性に好発する。またHLA-DR8と関連があるらしい。初期症状は皮膚掻痒感であり、黄疸を示さない無症候性PBCがほとんどである。疾患の進行により、黄疸、全身倦怠感が出現、やがて肝硬変、さらに非代償性の肝硬変に陥り、腹水、門脈圧亢進症などを呈する。病理学的には慢性非化膿性破壊性胆管炎が特徴的であり、門脈域周囲にリンパ球の浸潤、非乾酪性壊死を認める。血清学的には抗ミトコンドリア抗体(M2抗体)が疾患特異的に出現し、抗平滑筋抗体も50%弱の症例で陽性となり、またIgMの上昇が認められる。その他血液検査は胆汁うっ滞による肝障害に特徴的な異常がみられる。合併症として、シェーグレン症候群が多く、関節リウマチ、橋本甲状腺炎、強皮症(あるいはCREST症候群)の合併もありうる。治療は対症療法的にウルソデオキシコール酸、ベサフィブラートを用い、肝障害が末期的になれば肝移植の適応となる。

概念

  • 特定疾患治療研究対象疾患
  • 肝内の中等大小葉間胆管ないし隔壁胆管が障害される原因不明の慢性肝内胆汁うっ滞症
  • 慢性非化膿性破壊性胆管炎(CNSDC)による慢性の肝内胆汁うっ滞を来す疾患(YN.)。
  • 初発症状は皮膚掻痒感。
  • 末期になると肝硬変像を示す。 → 門脈圧亢進症
  • 血清学的には抗ミトコンドリア抗体(IgM)が特徴的だが、胆管障害機序は不明。 → 自己免疫機序?
  • 胆汁うっ滞に基づく症状を呈さないPBCを無症候性PBC、症状を呈すものを症候性PBCという。

疫学

  • 発症年齢は40から60歳代に集中。約90%は女性。 → 中年以降の女性に好発

YN.

  • 有病率:3-4人/10万人。欧米より低いと推定されている。
  • 40-60歳の女性。女性が90%

病型と症状

初発症状:皮膚掻痒が最も多い。門脈圧亢進症に基く消化管出血が初発症状の場合がある。
  • 無症候性PBC:皮膚掻痒感、黄疸など症状を欠く。新規症例の2!3
  • 症候性PBC-S1:倦怠感、掻痒感
  • 症候性PBC-S2:非代償性。黄疸,腹水

病理

[show details]

病理所見

胆管上皮の増殖性変化,胆管上皮細胞の壊死, 胞体の腫大や好酸性変化
基底膜の破壊、核の非偏在化、核の重層化、門脈域にリンパ球、形質細胞が浸潤
門脈域主体の炎症細胞浸潤
小葉内胆管の障害像
非乾酪性類上皮肉芽腫
好酸球


病態

  • 自己免疫機序によると思われる胆管の傷害 → 胆汁うっ滞 → 肝細胞傷害および線維化 → 門脈圧亢進症 → 肝硬変
肝内の中等大小葉間胆管ないし隔壁胆管が障害されることによる肝内性胆汁うっ滞 ← これは「肝内胆管が拡張しない」ことの説明になるの?(QB.B-339)

症状(YN., HIM.chapter 302)

  • 初発症状:皮膚掻痒感(診断された症例の50%に見られる)、皮膚黄色腫
  • 疲労感:肝臓の状態や年齢にそぐわないようなひどい疲労感
  • 黄疸

身体所見

  • 門脈圧亢進症に基づく症状:肝腫大、脾腫大、腹水、浮腫
  • 原発性胆汁性肝硬変に特有:色素沈着(皮膚を掻爬するため)、黄色腫・眼瞼周囲の黄色腫(高脂血症による)

合併症

YN.

検査(YN.)

血液一般

  • 赤血球、白血球、血小板:減少 → 門脈圧亢進症による脾腫が原因

生化学 - 脂質

生化学 - 銅

  • 体内Cu:増加
  • 血清Cu:上昇、尿中Cu:上昇、肝組織内銅含有量:上昇
  • 血清セルロプラスミン:上昇

肝障害

  • ALT、AST:中等度上昇

胆汁

  • T-bil:上昇。直接ビリルビン優位
  • 胆汁うっ滞の所見が特徴的。ただし総ビリルピンの上昇は末期

免疫血清学

  • 抗ミトコンドリア抗体(AMA):陽性。臓器特異性はない ← 90%の患者で陽性。PBCに特異的。
  • M2抗体:PBCに特異的。 AMA陰性患者でもほとんどの場合M2抗体が陽性。
  • M2の主要対応抗原はミトコンドリア内膜のpyruvate dehydrogenase (PDH) E2 component。
  • 抗PDH抗体:陽性。抗PDH-E2抗体と反応する分子がPBCの胆管上皮に高濃度に存在。
  • IgM:上昇:70%の症例  ←  PBCではIgM産生能が高まったB細胞が末梢血中に存在する。PBCの発症機序との関連が示唆されている。(参考3)
  • ANA、抗平滑筋抗体は50%の症例で陽性
  • AMA陽性 + ANA陽性 = オーバーパップ症候群

AMAのターゲット(HIM.chapter.302)

これらの抗原に対する自己抗体は病態形成には関与していないが、疾患のマーカーとなる。
  • pyruvate dehydrogenase complex
  • branched chain-2-oxoacid dehydrogenase complex
  • 2-oxogluterate dehydrogenase complex

超音波検査・CT・MRI

  • 胆道の閉塞がないか確認 → 続発性胆汁性肝硬変

診断

  • 組織像 + 抗ミトコンドリア抗体陽性
  • 臨床症状、血清学的検査、エコー、CTで疑い、肝生検による組織診で確定診断する。
ALP、γ-GTP → エコーで胆道閉塞性疾患を否定 → AMA、IgM検査 → 肝生検
AMA陰性の場合は肝生検が決め手

参考2より抜粋

  • 次のいずれか1つに該当するものをPBCと診断する。
  • 1. 組織学的にCNSDCを認め,検査所見がPBCとして矛盾しないもの。
  • 2. AMAが陽性で,組織学的にはCNSDCの所見を認めないが,PBCに矛盾しない組織像を示すもの。
  • 3. 組織学的検索の機会はないが,AMAが陽性で,しかも臨床像及び経過からPBCと考えられるもの。

鑑別診断

病期分類(Scheuer分類)

  • 1期: florid duct lesion - 無症候性
慢性非化膿性破壊性胆管炎(CNSDC)といわれる所見、すなわち、胆管上皮細胞の変性、壊死、脱落と、胆管周囲へのリンパ球、形質細胞の浸潤
  • 2期: ductular prliferation - 無症候性
細胆管の増生と門脈域より肝実質へのリンパ球浸潤。
  • 3期: scarring - 症候性-s1]
架橋壊死と線維性隔壁を伴った瘢痕。
  • 4期: cirrhosis - 症侯性-s2
肝硬変

予後

  • 黄疸が出現したら肝臓の予後は不良 → つまり進行性
  • 無症候性PBCの予後はおおむね良好、15-20年間経過観察された無症候性PBCの約10%が症候性PBC(黄疸あり)へ移行
  • 症候性PBCの5年生存率は約40%、総ビリルビン>2.0mg/mlで数年以内に腹水貯留などの肝不全の徴候があらわれてくることが多い

冶瞭

  • UDCA(ウルソデオキシコール酸)、ベサフィブラート、肝移植(scheuer stage IV)

薬物療法

  • UDCA(ウルソデオキシコール酸)
  • ウルソデオキシコール酸:胆汁排泄を促進して胆道系酵素を低下させる。 → 病態の進行を遅らせるだけに過ぎない

臓器移植

  • 進行例に対して肝移植を施行
  • 肝移植: 1年生存率 75-90%、 5年生存率 75-85%
  • 再発は20-30%(確診), 28-90%(compartible)

禁忌

  • ステロイド:骨粗鬆症の増悪を招くため! → 自己免疫性肝炎ではステロイドを使用(よく反応するらしい)。  PBCに対するステロイド療法は症状緩和のみで根治できず、長期投与が必要になるということか???

合併症

鑑別診断

他疾患との比較

PBCとPSCの比較

  • see BPT.659
Table 16-7. Main Features of Primary Biliary Cirrhosis and Primary Sclerosing Cholangitis
Parameter primary biliary cirrhosis primary sclerosing cholangitis
Age Median age 50 years (30-70) Median age 30 years
Gender 90% female 70% male
Clinical course Progressive Unpredictable but progressive
Associated conditions Sjogren syndrome (70%) inflammatory bowel disease (70%)
scleroderma (5%) pancreatitis (≦25%)
thyroid disease (20%) idiopathic fibrosing disease (retroperitoneal fibrosis)
Serology 95% AMA positive 0% to 5% AMA positive (low titer)
20% ANA positive 6% ANA positive
60% ANCA positive 82% ANCA positive
Radiology normal strictures and beading of large bile ducts; pruning of smaller ducts
duct lesion florid duct lesion; loss of small ducts concentric periductal fibrosis; loss of small ducts

自己免疫性肝炎と原発性胆汁性肝硬変

  自己免疫性肝炎 原発性胆汁性肝硬変
AIH PBC
疫学 年齢 中年女性 中年女性
HLA HLA-DR4 HLA-DR8
自己抗体 抗核抗体 ANA 抗ミトコンドリア抗体 AMA
抗平滑筋抗体 ASMA
検査 ↑血清IgG ↑血清IgM
胆道系酵素上昇
合併症 各種自己免疫疾患 Sjogren症候群
関節リウマチ
慢性甲状腺炎
強皮症
治療 ステロイド ウルソデオキシコール酸
肝移植
禁忌   ステロイド

症例

  • 52歳女性。3ヶ月前から皮膚の掻痒感と軽度の黄疸が出現したため来院した。抗ミトコンドリア抗体が陽性である。

参考

  • 1. 原発性胆汁性肝硬変 - 難病情報センター
[display]http://www.nanbyou.or.jp/sikkan/029_i.htm
  • 2.
[display]http://www.nanbyou.or.jp/pdf/029_s.pdf
  • 3. [charged] Pathogenesis of primary biliary cirrhosis - uptodate [1]

国試


胆汁酸負荷試験」

  [★]

胆汁酸負荷テスト
経口胆汁酸負荷試験胆汁酸
  • 吸収不良症候群関連検査

概念

  • ウルソデオキシコール酸を経口投与しその後の血清胆汁酸をみる(1)

方法

  • ウルソデオキシコール酸を300-600mg経口投与し、血性胆汁酸の変化を検査。(QB.A-324)

判定

健常人では血中胆汁酸は1-8μm/L(LAB.1351)

高値

  • 50μmol/L以上:肝障害(肝硬変など)(1)

低値

  • 10μmol/L以下:吸収障害(回腸、特に回盲部)(1)

参考

  • 回腸末端部切除後の血中胆汁酸組成の変化と経口的胆汁酸負荷試験の有用性について
  • 平野 正満,藤村 昌樹,木下 隆,山本 育男
  • 日本外科学会雑誌 99(臨時増刊), 508, 1998-03-10
  • LINKOUT CiNii Article
  • 在宅経腸栄養療法中のクローン病再燃予測因子としての経口胆汁酸負荷試験の意義
  • 榮浪 克也,高後 裕
  • 消化と吸収 20(1), 103, 1997-11-30
  • LINKOUT CiNii Article
  • 179 硬変肝の胆汁酸負荷試験による切除量決定(<特集>第45回日本消化器外科学会総会)
  • 大西 博信,谷村 弘,石本 喜和男,佐々木 政一,内山 和久,中井 健裕,落合 実,山出 尚久,坂田 好史,堂西 宏紀
  • 日本消化器外科学会雑誌 28(2), 437, 1995-02-01
  • LINKOUT CiNii Article
  • Crohn病における在宅経腸栄養療法の緩解維持効果の検討-製剤別の比較を含めて-
  • 野村 昌史,垂石 正樹,蘆田 知史,綾部 時芳,榮波 克也,斉藤 裕輔,小原 剛,柴田 好,並木 正義
  • 日本消化器病學會雜誌 = The Japanese journal of gastro-enterology 92(1), 32-40, 1995-01-05
  • LINKOUT CiNii Article
  • 1. suuchan.net
[display]http://suuchan.net/note/Chapter-040804.html

利胆剤」

  [★]

cholagogue
胆汁分泌促進物質利胆薬

商品


TM配合」

  [★] ウイキョウ末ウルソデオキシコール酸カンゾウ末ケイヒ末ケイ酸マグネシウムゲンチアナ末サンショウ末ジアスターゼショウキョウ末チョウジ末リパーゼ炭酸水素ナトリウム沈降炭酸カルシウム

健胃消化剤

TM配合散」

  [★] ウイキョウ末ウルソデオキシコール酸カンゾウ末ケイヒ末ケイ酸マグネシウムゲンチアナ末サンショウ末ジアスターゼショウキョウ末チョウジ末リパーゼ炭酸水素ナトリウム沈降炭酸カルシウム

タウロウルソデオキシコール酸」

  [★]

tauroursodeoxycholic acidTUDCA


酸」

  [★]

acid
塩基


ブランステッド-ローリーの定義

ルイスの定義

ウルソ」

  [★] ウルソデオキシコール酸




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