静脈内投与時の挙動
- 図:GOO. 243、First Aid FOR THE USMLE STEP 1 2006 p.203
- 血圧、心拍数はGOO. 243. 末梢血管抵抗は、First Aid FOR THE USMLE STEP 1 2006 p.203を参考にした
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ノルアドレナリン
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アドレナリン
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イソプロテレノール
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心拍数
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↓↓
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↑
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↑↑↑
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血圧
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収縮期
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↑↑
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↑
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↓
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平均
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↑↑
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-
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↓↓
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弛緩期
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↑↑
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↓
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↓↓
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末梢血管抵抗
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↑↑↑
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↓
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↓↓↓
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- ノルアドレナリンとアドレナリンの受容体に対する作用の違い
- アドレナリンは、α1・α2受容体、β2受容体に対してノルアドレナリンより強く作用する
- β1受容体に対してはノルアドレナリンとアドレナリンのいずれも同等の作用を示す。
- First Aid FOR THE USMLE STEP 1 2006 p.203によれば、
- アドレナリン:α1, α2, β1, β2
- ノルアドレナリン:α1, α2, β1
- イソプロテレノール:β1, β2
アドレナリンの作用 (GOO.244)
- β2受容体とα受容体のアドレナリンに対する反応の閾値はβ2の方が低い
- 通常量(?)のアドレナリンでは、β2受容体に作用し、これを介した血管平滑筋の弛緩(骨格筋)がおこる
- これにより末梢血管抵抗が低下する。
- 平均血圧は変動しないので、圧受容器反射は起こらない
- β1受容体を介した作用と静脈還流量が増加により、心拍数・1回心拍出量・(二次的に心拍出量、左心室仕事量が増加)が増加
ノルアドレナリンの作用
- アドレナリンのようにβ2受容体を介した骨格筋に分布する血管の弛緩は望めない。
- ノルアドレナリンにより、α1, α2受容体を介した血管平滑筋の収縮がおこり、末梢血管抵抗が上昇する。
- β1受容体を介した心臓に対する陽性の作用により、心拍数・1回心拍出量が上昇する。
- これらにより、収縮期、弛緩期、および平均血圧が上昇する。
- 一回拍出量の増加により圧受容器を介して迷走神経が刺激され、徐脈となる
イソプロテレノール (GOO. 250)
- α1, α2受容体にたいする作用はほとんどなく、β1, β2受容体を介した作用のみ現れる。
- 従って、α2受容体を介した作用により、骨格筋の血管平滑筋を弛緩させ、末梢血管抵抗が低下する。
- 結果として収縮期、弛緩期、および平均血圧は低下する。
- β1受容体を介した心臓に対する陽性の作用により、心拍数・1回心拍出量が上昇する。
★リンクテーブル★
[★]
- 英
- isoproterenol, ISP
- 化
- 硫酸イソプロテレノール isoproterenol sulfate, 硫酸イソプレナリン isoprenaline sulfate、塩酸イソプレナリン isoprenaline hydrochloride、塩酸イソプロテレノール isoproterenol hydrochloride
- 同
- イソプレナリン
- 商
- イソメニール、プロタノール。ストメリン(イソプロテレノール、デキサメタゾン、メチルアトロピン)
- 関
- アドレナリン受容体、受容体。強心剤
作用機序
薬理作用
- プロタノールL注0.2mg/*プロタノールL注1mg
- 1. 心収縮力増強(Positive inotropic)作用
- イソプレナリン塩酸塩は、交感神経のβ受容体に作用し、心収縮力を増強して、心拍出量を増加する。
- これに伴って、左心室駆出速度の増大及び左心室拡張末期圧の低下をもたらし静脈還流を改善し、心拍出量を更に増加するが、この場合の心筋酸素消費量の増加は比較的軽度である(イヌ、ヒト)3)~8)。
- 2. 心拍数増加(Positive chronotropic)作用
- イソプレナリン塩酸塩は、心臓の刺激伝導系に作用して心拍数を増加する。その作用部位は、上位中枢にあり、洞機能を亢進し、房室伝導を促進する作用が強いので心ブロック時に使用して洞調律に回復させる作用がある(イヌ、ヒト)3)5)~7)。
- イソプレナリン塩酸塩は、強力な心拍出量の増加とともに末梢血管の抵抗を減少して、各組織や重要臓器の血流量を増大するので、組織循環が促進される。これは異常に増加した乳酸値の低下や尿量増加がみられることからも確認される(イヌ、ヒト)9)~12)。
- イソプレナリン塩酸塩は、気管支平滑筋に作用し、気管支内腔を拡張する作用がある。また、そのdl体はアドレナリンの約10倍の強さをもっている(イヌ)13)。
動態
注意
禁忌
- プロタノールL注0.2mg/*プロタノールL注1mg
- 1. 特発性肥大性大動脈弁下狭窄症の患者〔心収縮力を増強するため、左室からの血液流出路の閉塞が増強され、症状を増強させるおそれがある。〕
- 2. ジギタリス中毒の患者〔重篤な不整脈が起こる可能性がある。〕
- 3. カテコールアミン製剤(アドレナリン等)等との併用は避けること。(「相互作用」の項参照)
副作用
効能又は効果
- プロタノールL注0.2mg/*プロタノールL注1mg
添付文書
- プロタノールL注0.2mg/*プロタノールL注1mg
- http://www.info.pmda.go.jp/go/pack/2119400A1036_1_03/2119400A1036_1_03?view=body
[★]
- 英
- adrenarine
- 同
- (国試)エピネフリン epinephrine、エピレナミン epirenamine、スプラレニン suprarenin
- 化
- 酒石酸水素エピネフリン
- 商
- Adrenalin, EpiPen、ボスミン、エピペン
- 関
- カテコールアミン、ノルアドレナリン、アドレナリン受容体
SPC. 61,68,86,142
GOO. 244
作用機序
薬理作用
血管作用
- 小動脈、前毛細血管括約筋?収縮
- アドレナリン反転 epinephreine reversal
- アドレナリン投与下にα受容体阻害薬を投与すると末梢血管抵抗が低下し血圧が低下する現象。α受容体を介した末梢血管収縮が抑制され、β2受容体を介した末梢血管平滑筋が弛緩することによる。
動態
適応
効能又は効果
(エピネフリン注0.1%シリンジ「テルモ」添付文書)
- 気管支喘息,百日咳
- 各種疾患もしくは状態に伴う急性低血圧またはショック時の補助治療
- 心停止の補助治療
用量
- ACLS:静注1mg ← プレフィルのシリンジは大抵1mg/1mlで調製されている。
- PALS:静注・骨髄 0.01mg/kg 気管内投与 0.1mg/kg
- アナフィラキシーショック:皮下注~筋注で0.3mg
注意
- 本剤は心筋酸素需要を増加させるため、心原性ショックや出血性・外傷性ショック時の使用は避けること(エピネフリン注0.1%シリンジ「テルモ」添付文書)
禁忌
副作用
[★]
- 英
- phosphorus P
- 関
- serum phosphorus level
分子量
- 30.973762 u (wikipedia)
- 単体で化合物としてはP4、淡黄色を帯びた半透明の固体、所謂黄リンで毒性が高い。分子量124.08。
基準値
- 血清中のリンおよびリン化合物(リン酸イオンなどとして存在)を無機リン(P)として定量した値。
- (serum)phosphorus, inorganic 2.5–4.3 mg/dL(HIM.Appendix)
- 2.5-4.5 mg/dL (QB)
代謝
- リンは経口的に摂取され、小腸から吸収され、細胞内に取り込まれる。
- 骨形成とともに骨に取り込まれる。
- 腎より排泄される。
尿細管での分泌・再吸収
- 排泄:10%
尿細管における再吸収の調節要素
臨床検査
- 無機リンとして定量される。
基準範囲
血清
- 小児:4-7mg/dL
- 閉経後女性は一般集団より0.3mg/dL高値となる
尿
測定値に影響を与える要因
臨床関連
参考
- http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%AA%E3%83%B3
[★]
- 英
- noradrenarine NA
- 同
- ノルエピネフリン norepinephrin NE、ノルエピレナミン norepirenamine l‐アルテレノール l‐arterenol、レバルテレノール levarterenol
- 化
- 塩酸ノルエピネフリン norepinephrine hydrochloride、
- 商
- ノルアドリナリン
- 関
- カテコールアミン、アドレナリン、アドレナリン受容体
- α-methyldopa
生合成
ドパミン dopamine
(β位の炭素にOHを導入)
-ドーパミン β-モノオキシゲナーゼ dopamine β-monoxygenase, dopamine β-odidase
←O2 + ビタミンC(アスコルビン酸)
→H2O + デヒドロアスコルビン酸
ノルアドレナリン
[★]
- 関
- 一連、菌株、緊張、系統、系列、シリーズ、歪み、連続、システム、体系、体制、方式、筋挫傷