- 英
- acrylamide
WordNet
- a white crystalline amide of propenoic acid can damage the nervous system and is carcinogenic in laboratory animals; "they claimed that acrylamide is produced when certain carbohydrates are baked or fried at high temperatures"
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出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2013/09/06 16:18:25」(JST)
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アクリルアミド |
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|
識別情報 |
CAS登録番号 |
79-06-1 |
KEGG |
C01659 |
|
特性 |
化学式 |
C3H5NO |
モル質量 |
71.08 |
外観 |
無臭結晶 |
密度 |
1.122 (30 ℃), 固体 |
融点 |
84.5
|
沸点 |
125 (/25 mmHg)
|
特記なき場合、データは常温(25 °C)・常圧(100 kPa)におけるものである。 |
アクリルアミド (acrylamide) はアクリル酸を母体とするアミドの一種である。英語の発音からアクリルアマイドと呼ばれることもある。 示性式は CH2=CHCONH2、分子量 71.08、CAS登録番号は [79-06-1]。
目次
- 1 概要
- 2 製造
- 3 用途
- 4 食品に含まれるアクリルアミド
- 5 ポリアクリルアミド
- 6 出典
- 7 外部リンク
概要[編集]
融点は 84.5℃、常温では無臭白色結晶で、水、アルコール等に可溶である。熱や光に不安定であり、重合しやすいため、市販の試薬や工業薬品には安定剤(重合禁止剤)としてヒドロキノンやBHTなどが添加される。
アクリルアミドは毒物及び劇物取締法上の劇物に指定されており、神経毒性・肝毒性を有し、皮膚からも吸収されるため、取扱いには注意を必要とする。
変異原性(発癌性)が認められ、PRTR法の第一種指定物質となっている。
また、労働安全衛生法によって、純品及び0.1%以上を含有する混合物には、含有量や危険性を表示し、MSDSなどに危険性や対応方法を告知することが義務づけられている。
製造[編集]
アクリルアミドは、アクリロニトリル (CH2=CHCN) の加水分解により工業的に合成されている。銅触媒、酸触媒を利用した製造法が実用化されている。
現在は、アクリロニトリルを微生物が出す酵素で水和する、バイオ法での製造が効率の点で優れるため、主流となっている。バイオ法による製造は、1973年にフランスのガルズィー(P. Galzy)らがブレビバクテリウム(Brevibacterium)が産生するニトリルヒドラーゼ(Nitrile hydratase)によって、アクリロニトリルを水和しアクリルアミドを生成することを発見したことに始まる。1985年には日本の日東化学工業株式会社(現ダイヤニトリックス株式会社)がロドコッカス属(Rhodococcus)の細菌を用いて世界初の実用化装置を稼働させた。[1]現在、ロドコッカス属を使う方法が主流であるが、他にもシュードモナス・クロロラフィス(Pseudomonas chlororaphis)を用いる方法なども使われたことがある。
用途[編集]
ポリアクリルアミドの製造原料、染料、合成樹脂、架橋剤の合成原料など。工業的には水分をほとんど含まない結晶粉末か、50%までの水溶液として流通している。
食品に含まれるアクリルアミド[編集]
- WHOの下部組織IARCはアクリルアミドは発癌性が強く疑われると評価している(IARC発がん性リスク一覧参照)
- 2002年にスウェーデン政府がイモ類を高温で焼いた、あるいは揚げた食品中にアクリルアミドが含有されていることを発表した。その後の研究で量の多少はあるが焼いたり揚げたりした食品にはアクリルアミドが含有されていることが明らかとなった。このアクリルアミドはアスパラギンと糖類のメイラード反応(下図)によって生成していると推定されている。現在この食品中のアクリルアミドのリスク評価が国際的に進められている。
- 2005年には、FAOとWHOからなる合同委員会が「食品中のアクリルアミドは健康に害を与える恐れがあり、含有量を減らすべき」という勧告を発した。
- 2007年、オランダのマーストリヒト大学のジャネケ・ホゲルボルスト (Janneke G. Hogervorst) 氏らが「アクリルアミドの摂取は特に非喫煙者の女性において子宮内膜がんと卵巣がんの危険性を高める」という疫学調査結果を Cancer Epidemiology Biomarkers & Prevention 誌 11 月号に発表した。※マーストリヒト大学プレスリリース
- 2008年、オランダのマーストリヒト大学の研究チームが「アクリルアミドの摂りすぎは腎臓がんのリスクを高める」という研究を American Journal of Clinical Nutrition 誌5月号に発表した。
アクリルアミドを含むとされる食品[編集]
同じ製品でも使用原料や加工条件の違いなどにより、アクリルアミドの含有量には大きな個体差があり、含有量を的確に表現できないとされる。また以下の食品に含まれる油分などの過剰摂取の方が高リスクかつ発がんとの関係がはっきりしているうえ、伝統的に摂取され続けてきた食品も多く、どの程度人体への悪影響があるのかも不明な点が多い。
- 食品中のアクリルアミド分析結果(厚生労働省ホームページ)
- ポテトチップ
- フライドポテト
- 食パンの耳、トーストの焦げた部分
- 揚げ物の焦げた部分
- ほうじ茶
- 麦茶
- 中国茶
- ココア
- コーヒー
- かりんとう
- アーモンド
- クッキー、ビスケット、クラッカー
- 芋けんぴ
- きな粉
- カレー粉
- インスタントラーメン
ポリアクリルアミド[編集]
アクリルアミドは、熔融すると激しく重合反応を起こし、高分子化合物であるポリアクリルアミド (polyacrylamide) となる。ポリアクリルアミド自体には、アクリルアミドのような毒性は認められないとされるが、製造過程において微量の未重合のアクリルアミドモノマーがポリマー内に残留する可能性があるため、取り扱いには、手袋、保護眼鏡を着用することが望ましい。
ポリアクリルアミドは水溶性合成樹脂の一種として、主に原油の三次回収助剤、廃水処理用の凝集剤、製紙用の乾燥紙力増強剤、濾水剤として用いられる他、繊維助剤、洗濯糊、接着剤(合成糊)、塗料などにも広く用いられる。 また、水溶液中で重合させたポリアクリルアミドゲルは電気泳動 (PAGE) 等に用いられる。
出典[編集]
- ^ http://www.mrc.co.jp/rd/research/challenge.html 三菱レイヨン R&D|研究内容・実績|私たちの誇る革新技術 (2012年1月25日閲覧)
外部リンク[編集]
- 加工食品中アクリルアミドに関するQ&A 厚生労働省
- 食品中のアクリルアミドに関する情報 農林水産省
- 食品中のアクリルアミドについて 食品総合研究所
- 加工食品中のアクリルアミド(pdf) 食品安全委員会
UpToDate Contents
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Japanese Journal
- 米国食品医薬品局(FDA)によるアクリルアミド関連情報
- 第78回東京女子医科大学学会総会 シンポジウム「東京女子医科大学の臨床研究への取り組み-東京女子医科大学病院臨床研究支援センター設立にあたって-」 (3)先端医療研究の実現に向けて-再生医療創出拠点に向けた取り組み
- 岡野 光夫,OKANO Teruo
- 東京女子医科大学雑誌 83(3), 181-186, 2013-06-25
- … 細胞培養皿の表面に温度応答性高分子であるポリN-イソプロピルアクリルアミド(PIPAAm)をナノレベルの薄さで表面に固定、温度応答機能を持つインテリジェント表面を開発した。 …
- NAID 110009605133
Related Links
- 厚生労働省によるページ。アクリルアミドの発ガン性や食品中の含有量などを解説。
- フライドポテト 5~7月に購入した試料では、平成25年度は平成18年度と比べて、アクリルアミド濃度の中央値が半分程度に、平均値が7割程度に減少していました。 9~11月に購入した試料では、平成25年度は平成18年度と比べて ...
Related Pictures
Japan Pharmaceutical Reference
薬効分類名
販売名
リドカインテープ18mg「NP」
組成
有効成分(1枚中)
添加物
- アクリル酸2-エチルヘキシル・アクリル酸ブチル・ジアセトンアクリルアミド共重合体溶液
禁忌
(次の患者には使用しないこと)
- 本剤の成分又はアミド型局所麻酔薬に対し過敏症の既往歴のある患者
効能または効果
- 静脈留置針穿刺時の疼痛緩和
- 本剤を1回1枚、静脈留置針穿刺予定部位に約30分間貼付する。
本剤除去後直ちに注射針を穿刺する。
重大な副作用
ショック、アナフィラキシー様症状(頻度不明)
- ショック、アナフィラキシー様症状を起こすことがあるので、観察を十分に行い、不快感、口内異常感、喘鳴、眩暈、便意、耳鳴、発汗、全身潮紅、呼吸困難、血管浮腫(顔面浮腫、喉頭浮腫等)、血圧低下、顔面蒼白、脈拍の異常、意識障害等の異常が認められた場合には使用を中止し、適切な処置を行うこと。
なお、本剤除去後にも、同様症状を起こすことがあるので、注意すること。
薬効薬理
- 神経細胞膜のNa+チャネルを抑制することによって神経の活動電位発生を抑制するという局所麻酔薬共通の作用により、知覚神経の求心性伝導を抑制する。表面麻酔から注射麻酔まで広く用いられる。局所麻酔薬の中で唯一抗不整脈薬としても用いられる。心臓のNa+チャネルを抑制する第I群の抗不整脈薬である。2)
有効成分に関する理化学的知見
一般名
化学名
- 2-Diethylamino-N-(2,6-dimethylphenyl)acetamide
分子式
分子量
融点
性状
- ・白色〜微黄色の結晶又は結晶性の粉末である。
・メタノール又はエタノール(95)に極めて溶けやすく、酢酸(100)又はジエチルエーテルに溶けやすく、水にほとんど溶けない。
・希塩酸に溶ける。
★リンクテーブル★
[★]
- 英
- sodium dodecyl sulfate-polyacrylamide gel electrophoresis、SDS-PAGE
- 関
- ポリアクリルアミドゲル電気泳動
[★]
- 英
- two-dimensional polyacrylamide gel electrophoresis
- 関
- 二次元ゲル電気泳動法
[★]
- 英
- SDS-polyacrylamide gel electrophoresis SDS-PAGE
[★]
- 英
- polyacrylamide gel electrophoresis, PAGE
[★]
ポリアクリルアミドゲル電気泳動法