アカラシア

出典: meddic

achalasia
(国試)食道アカラシア esophageal achalasia, 噴門無弛緩症
ヒルシュスプルング病 Hirschsprung's disease
[show details]


  • first aid step1 2006 p.273

概念

  • 食道平滑筋層内アウエルバッハ神経叢細胞の変性・消失によって、下部食道括約筋の弛緩不全食道蠕動が消失することによる食物の通過障害や、食道の異常拡張を呈する機能的疾患
  • 食道下端1-4cm辺りの狭窄(機能的開大欠如)とその口側食道の異常拡大を来す。
  • 食道の拡大幅は3-4cmが多く、著しいものは6-10cmに達する

疫学

  • 発症は稀で。10万人に1-2人
  • 男女ほぼ同頻度,
  • 年齢は20-50歳代(20-40歳ともいわれる(IMD.841))
  • 新生児期から症状が出ることもあり、また症状は7-8歳ごろから出現することが多い(QB.O-171)。

病型 HIM chapter 286

  • 特発性アカラシア:多くのアカラシアが特発性に分類される
  • 二次性アカラシア:胃癌の食道への浸潤、リンパ腫、シャーガス病、ある種のウイルス感染、好酸球性胃腸炎、神経変性疾患

分類

形状

  • 紡錘型
  • フラスコ型
  • S状型

拡張度

  • I度 :最大横径3.5cm
  • II度 :3.5~6.0cm
  • III度:6.0cm以上

内圧測定(IMD)

  • A型:嚥下による食道の陽性波が認められるもの。
  • B型:嚥下による食道の陽性波が認められないもの。

病理

  • 食道固有筋層内のアウエルバッハ神経叢の神経節細胞の減少・消失
  • 下部食道括約筋(LES)は外見的に正常。筋層の肥厚などは認められない。 → 器質性疾患は否定的

病因

  • 不明
  • 環境の変化、精神的ストレスが誘因となって比較的急激に発症し慢性に経過し、軽快~増悪を反復、感情の乱れの強いときに増悪傾向
  • 冷たい飲食物の摂取、急いで摂食する場合でも誘発される

病態

  • 食道括約筋の弛緩不全や食道蠕動の消失は次の様に説明される。
  • 1. 下部食道括約筋(噴門部括約筋)におけるアウエルバッハ神経叢の神経節細胞の減少・消失による蠕動の伝達とそれによる食道下端部開大が起こらない
  • 2. VIPや一酸化窒素合成酵素を含む抑制性ニューロンの消失。進行期にはコリン作動性ニューロンも影響を受ける。(HIM chapter 286)

比較

アカラシア 下部食道括約筋(噴門部括約筋)のアウエルバッハ神経叢の神経節細胞が減少
ヒルシュスプルング病 腸管内神経節細胞(肛門側腸管の壁内神経節細胞(アウエルバッハ神経叢、マイスナー神経叢))の欠如

症状

  • 自覚症状が生じる段階ではすでに食道は異常拡張を呈している(IMD)
  • 嚥下障害(食道内に食物の停滞・逆流)、悪心・嘔吐前胸部痛、体重減少、誤嚥
  • 1. 嚥下障害:緩解と増悪の反復
  • 固形物・流動物の両方で嚥下障害が生じる ← 固形物のみだったら、器質的な変性による閉塞が考えられる。
  • 胸腔内圧を上昇させる手技(ex. Valsalva maneuver)は食道の食物を胃に通過させるのに有効な手技である
  • 2. 嘔吐:食道内に停滞している食物の逆流
  • 体位変換や就寝時に起こりやすい
  • 嘔吐 → 嘔吐物の気道への吸引 → 咳嗽、呼吸困難、喘鳴 → 誤嚥性肺炎
  • 3. 胸部不快感・胸痛:胸骨下に疼痛、圧迫感、狭窄感など ← 食道炎の合併は10%
  • 4. 体重減少:十分な摂食ができないため。慢性期におこりうる。

検査

X線造影

  • 1. 胸部X線写真:食道陰影の出現、胃泡の消失
  • 2. 食道X線造影(上部消化管造影):
  • 下部食道の辺縁平滑な狭窄(鳥のくちばし様) (barium swallow:bird beak)、食道内腔の拡張像(椎体より大)。
  • 造影剤は食道内に停留(健常者では数秒間、食道アカラシアの患者では1時間程度)
  • 食道の逆蠕動、攣縮、胃内流出の遅延などが認められる(IMD)
  • (1) 嚥下時に陽性波消失(遠位食道の蠕動波の消失) ← 食塊の移動させるように上部から下部に向かって食道内圧の上昇が移動していく。
  • (2) 噴門陰性波消失(下部食道括約筋弛緩(LES弛緩)の欠如)
  • (3) LES圧の上昇
  • 4. 内視鏡:悪性疾患などの除外
  • (1) 内視鏡スコープの噴門部通過には問題はない → 器質的疾患ではないから
  • (2) 食物残渣の存在、食道内腔の拡張、慢性例では食道炎、食道癌の合併
  • 植物残渣の停滞 → 浮腫・炎症 → 食道炎
  • コリン作動性薬物を投与すると食道壁の痙攣や異常蠕動運動が生じ、食道内圧が上昇
  • 試験施行の結果、胸痛を来しうるため、食道内圧検査を行うのが一般的(IMD)
  • 6. CCK test
  • CCKは括約筋の圧力を低下させるが、アカラシアではCCKは神経伝達抑制作用が失われる(HIM chapter 286)


診察

鑑別疾患

IMD

  • 1. 食道狭窄を示す器質性疾患
  • 2. 二次的な、あるいは他の食道蠕動運動障害を示す疾患

DIF改変

治療

精神的ケア

  • 心理的なサポートと生活指導

薬物療法

  • 抗コリン薬
  • 亜硝酸薬:ニトログリセリン、硝酸イソソルビド。 副作用あり
  • カルシウム拮抗薬:ニフェジピン。 副作用有り
  • sildenafil:cGMPを増加させ症状の軽減をもたらす → cGMPの増加はLES圧を減少させ、嚥下に伴うLESの弛緩を増強する
  • ボツリヌス毒素:コリン作動性ニューロンの神経終末からのコリン放出を抑制する。6ヶ月で60%の患者の症状を緩和できる。老人の一時的な症状緩和や高リスク患者に有用である。ただし、反復利用により食道の線維化を来しうる。

下部食道括約筋拡張術バルーン

  • 標準的治療
  • バルーン拡張術:有効率70%前後。繰り返して行う。合併症は出血や穿孔である。

外科手術(アカラシア手術)

  • 食道接合部の通過障害の改善と逆流防止を目的。

ヘラー法(Heller method, 粘膜外筋切開法)

  • 腹腔鏡下でHeller筋層切開術+噴門形成術(Dor手術)を施行
  • Heller's cardiomyotomy
  • A surgical procedure for achalasia performed by dividing the circular muscles of the oesophagogastric junction. Using an abdominal approach a longitudinal incision is made through the lower oesophageal and upper gastric muscle wall exposing the mucosa. The procedure may be combined with a Nissen to prevent the complication of post-procedure reflux.
http://www.surgeryrevision.co.uk/10.htm


ウェンデル法(Wendel method, 下部食道・噴門部全層切開縫合法)

ジラール変法(Girard method, 噴門形成法)

Fundic patch法(Thal and Hatafuku法, タール・ハタフク法, Thal-籏福法)

  • 狭窄が強い場合

下部食道筋層切除+胃底部縫着術

  • 狭窄が強い場合

フォロー

  • 粘膜病変の発生(食道炎、食道癌)の有無を上部消化管造影・内視鏡などで定期的に経過観察(1年ごと)
  • 長期の食道アカラシアは食道癌のリスクとなりうる

国試

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和文文献

  • 手術症例報告 食道アカラシアの初回手術から40年後に発生した早期食道癌の1例
  • 太田 正穂,成宮 孝祐,工藤 健司 [他]
  • 手術 66(13), 1917-1919, 2012-12
  • NAID 40019512761
  • アカラシア (特集 上部消化管疾患 : 診断と治療の進歩) -- (食道)
  • 長尾 玄,森 俊幸
  • 診断と治療 100(10), 1669-1673, 2012-10
  • NAID 40019460838
  • カラービジュアルで理解! 消化器疾患ナビ(5)食道アカラシア(esophageal achalasia)
  • 阿久津 泰典,松原 久裕
  • 消化器外科nursing 17(8), 756-760, 2012-08
  • NAID 40019404419
  • Y-04 若年アカラシア患者の病態と手術成績の検討(優秀演題賞候補口演1,第54回日本平滑筋学会総会)
  • 坪井 一人,小村 伸朗,矢野 文章,星野 真人,山本 世怜,柏木 秀幸,矢永 勝彦
  • 日本平滑筋学会雑誌 16(1), "J-24", 2012-07-02
  • NAID 110009479558

関連リンク

アカラシア(英: achalasia)もしくは食道アカラシア(しょくどうアカラシア、英: esophageal achalasia)は、食道の機能障害の一種である。食道噴門部の開閉障害 もしくは食道蠕動運動の障害(あるいはその両方)により、飲食物の食道通過が困難と なる疾患で ...
Q1:食道アカラシアとは、どんな病気ですか? A1:食道アカラシアは、食道壁内の神経 の障害により食道の蠕動運動が障害され、下部食道括約筋が開かなくなり、食物の 通過障害と異常拡張 ... Q2:食道アカラシアの症状には、どのようなものがありますか ?
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みどのブログ、アカラシアな日々です。「食道アカラシア」という珍しい病気にかかって しまった体験記。 2007年8月に腹腔鏡手術を受けました。

関連画像

メコリール試験 アカラシア・症状・痛み・病気図7 :アカラシアの食道造影 アカラシアの手術前と手術後の 食道アカラシア(esophageal achalasia アカラシアの検査として、食道 食道アカラシアの治療法図12 アカラシア(食道X線像)


★リンクテーブル★
先読みヒルシュスプルング病」「Hirschsprung's disease
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ヒルシュスプルング病」

  [★]

Hirschsprung's disease, Hirschsprung disease, HSCR
Hirschsprung病先天性巨大結腸 congenital megacoloncolonic aganglionosis
morbus Hirschsprung


国試



Hirschsprung's disease」

  [★] ヒルシュスプルング病


099A024」

  [★]

  • 51歳の男性。嚥下困難と体重減少とを主訴に来院した。6年前から食物のつかえ感を自覚していた。最近症状の悪化があり、体重が1か月で5kg減少した。身長169cm、体重47㎏。胸腹部に異常所見を認めない。血液所見:赤血球384万、Hb11.5g/dl、Ht34%、白血球7,500。血清生化学所見:総蛋白6.1g/dl、アルブミン3.7g/dl、尿素窒素12mg/dl、クレアチニン0.6mg/dl、AST19単位、ALT21単位。上部消化管造影写真を以下に示す。この疾患で正しいのはどれか。
  • a. 男性に多い。
  • b. 嗄声をきたす。
  • c. 吐血することが多い。
  • d. 嚥下性弛緩反応がない。
  • e. 胃液の逆流によって発生する。


[正答]
※国試ナビ4※ 099A023]←[国試_099]→[099A025

095C010」

  [★]

  • 37歳の女性。8年前から嚥下障害を自覚していたが、最近症状の増悪があり来院した。食道造影写真を以下に示す。この疾患で正しいのはどれか。


[正答]
※国試ナビ4※ 095C009]←[国試_095]→[095C011

095C024」

  [★]

  • 75歳の男性。嚥下痛を訴えて来院した。40年前から糖尿病の治療を受けている。食道造影写真を以下に示す。考えられるのはどれか。


[正答]
※国試ナビ4※ 095C023]←[国試_095]→[095C025

098G099」

  [★]

  • 疾患と腹部エックス線単純写真の所見の組合せで誤っているのはどれか。
[正答]


※国試ナビ4※ 098G098]←[国試_098]→[098G100

096H029」

  [★]

  • 壁内神経叢の異常に起因する疾患はどれか。
  • a. (1)(2)
  • b. (1)(5)
  • c. (2)(3)
  • d. (3)(4)
  • e. (4)(5)
[正答]


※国試ナビ4※ 096H028]←[国試_096]→[096H030

100Cases 60」

  [★]

attend
vt.
~に出席/参列する、(学校に)行く(go toより堅い語)
The normal ECG and chest X-ray when he attended hospital after an episode do not rule out an intermittent conduction problem.
(結果として)~に伴う
~に同行/同伴する、付き添う、仕える。往診する。~の世話をする、~に気をつける、見張る
vi.
出席/参列/出勤する(at)
留意/注目/傾聴する(to)。身を入れる、勢力を注ぐ、心を傾注する(to)。世話をする、気を配る(to)
仕える、付きそう(on)。(危険困難などが)伴う(on)
productive
  • adj
outflow
  • n.
obstruction
  • n.
the clinical picture suggests obstruction to outflow from the stomach.(この臨床像は胃流出障害示唆している)
obstruction to outflow
流出障害
  • ex.
the clinical picture suggests obstruction to outflow from the stomach.(この臨床像は胃流出障害示唆している)
aqueous outflow from the eye (眼球からの房水流出)
retain
re + tent (tineo=teneo) = to hold back
  • vt.
  • 保持する、保有する、保留する、持ち続ける、維持する。(使用のために)確保しておく
  • (ある場所に)保つ、保持する。(熱などを)保っている、失わないでいる
  • 忘れないでいる、覚えている
  • (弁護士気腫・召使いなどを)雇っておく、抱える
  • 使用/実行し続ける。(廃止しないで)そのままにしておく
palliation
n.
寛解、緩和
volvulus
腸捻転
bezoar
胃石
malrotation
腸回転異常
intussusception
腸重積
succussion
n.
強く揺り動かすこと、強く揺れること
splash
n.
はね返し、はねかけ。はねかす音。
どっと流れる水。
unit
1 unit = 10 ml of ethanol
□350ml アルコール5%
350x0.05/10=1.75 unit
http://pohwa.adam.ne.jp/you/hobby/ryori/sake2.html
1unitの量が国によって違う。純エタノール換算で、1英unitは8g=10ml(英糖尿病協会採用の数値)、1米unitは15g(20ml弱:1drinkとも)で、日本では10~14g程度(代謝熱量80Kcalが基準食品成分表5訂版,2002)や20ないし23g(日本酒1合分)を1unitとしている。日本医学界では1unit=20g(体積に換算すると25ml)を採用することが多いので、ここでもそれに従う。この基準(1unit=20g=25ml)で計算すると、40度のウィスキー1ショット(=1オンス:英液量オンスで28.41ml、米液量オンスで29.57ml日本の1ショットで30ml)が約0.5unitとなる。5度のビールなら500mlでだいたい1unit(この、日本酒1合≒ウィスキーダブル≒ビール500cc≒1unitという関係は、覚えておくと便利かもしれない:ワインなどは日本酒に準じるので、1本750mlがだいたい4unit強である)。
主訴体重減少
(主訴にまつわる症状)
 ・4ヶ月で10kg減少、食欲の減少、嘔吐(頻度次第に増えてきている。嘔吐物と量:何時間も前に食べたものを多量嘔吐する)
(主訴以外の症状)
 ・一ヶ月前から脱力感(部位:特に下肢で著しい(丘に登ったり、階段を上ったりするとき))
嗜好歴:喫煙 20/day飲酒 10units/week (ビール 6本弱)
家族歴:なし
既往歴高血圧(2年間β遮断薬治療、4ヶ月前に服薬中止)
身体所見 examination
バイタル:82/分、血圧 148/86 mmHg
全身やせ、体調が悪そう(unwell)。
呼吸器心血管系に異常なし
腹部:腫瘤触知せず、圧痛なし、振盪音/振水音を認める
検査所見 investigations
低値ナトリウムカリウムクロライド尿素
高値重炭酸
Q
1. これらの所見の説明は?
2. もっともな診断は?
A
 胃流出路の閉塞 = 食後嘔吐 + 胃の振水音
 高BUN + 低CRE → 脱水
 低Na,Cl,H+ → 嘔吐
 HCl喪失 → 代謝性アルカローシス
  H:細胞内→外
  K:細胞外→内
  従って、低カリウム血症 → 筋力低下脱力
 胃流出路の閉塞原因胃癌とか胃潰瘍による瘢痕
 診断には上部消化管内視鏡生検(組織診)、その後にCT(局所浸潤、転移巣検索)
 治療法:腫瘍だったら腹腔鏡による腫瘍摘出術。その他の場合手術をしたり、薬物療法をしたり、、、
学習ポイント
嘔吐嘔気 nausea and vomiting DIF.321, vomitus DIF.449 IMD.351
解剖で考えよう。縦に解剖、横に病因
鼻咽頭 扁桃、外来異物
食道 アカラシア、逆流性食道炎、食道癌 ・・・嚥下困難があるはず
胃 胃炎消化性潰瘍胃癌幽門部病変(ポリープ、癌、潰瘍;胃の出口閉塞させる)。子供だったら幽門狭窄症
十二指腸潰瘍十二指腸炎、Billroth II法による輸出脚の閉塞、Billroth I/II法によるダンピング症候群。胆汁性胃炎原因となる。
小腸小腸閉塞(腸重積腸回転異常症、胃石症、癌腫限局性回腸炎)
結腸潰瘍性大腸炎、アメーバ症、腫瘍男。腸間膜動脈血栓症
消化管全体:Strongyloides, Ascaris, Taenia solium
・β遮断薬の服用中止で何が起こる?
 狭心症発作性高血圧
 なんでやめたんだろう? → 副作用:(1%程度に)めまい全身倦怠感、頭痛徐脈出現
振盪音
 腹水胃内容物貯留によって聴取される。
BUN高値、Cre低値
suggest a degree of dehydration

BUN

==検査値の異常 (異常値の出るメカニズム第5版 p.144)==
===BUN上昇===

21トリソミー」

  [★]

trisomy 21
ダウン症候群 Down症候群 Down syndrome Down's syndromeトリソミー2121番染色体トリソミー 21-トリソミー trisomie 21 autosomale、trisomy G syndrome、蒙古人症 蒙古症 mongolismus モンゴリスムス
染色体核型トリソミー
[show details]

疫学

  • 母体の年齢と関係がある。
  • 20-25歳:1/1600
  • 25-30歳:1/870
  • 30-35歳:1/300

病因

  • 21番染色体が3コピーになる21トリソミーが基本病態。大多数は自然発生する。3種類の核型が存在する。
  • 1.標準型 95% 21番染色体が1本多く、全体が47本となる。
  • 2.転座型  4% 14あるいは21番染色体にRobertson転座する。
  • 3.モザイク型  1% 正常細胞とトリソミー細胞が混在する。

ロバートソン転座による14q,21qを有する21trisomy保因者

  • 13,14,15,,21,22は短腕が短くrRNAしかコードされていないので、これらの染色体の間でロバートソン転座により短腕が失われても問題が起きにくい。ロバートソン転座により染色体が45本になっている人は1000人に1人の割合で存在する。(参考1)
  • 14番と21番染色体でロバートソン転座が起きたとすると、核型はder(14;21)(q10;q10)と表記される。この場合染色体は、14番染色体、21番染色体、der(14;21)(q10;q10)の3本を有することになる。配偶子が減数分裂の際に作られるとき、6つの組み合わせができるという。すなわち、1本のみ( 14, 21, der(14;21)(q10;q10) )の場合および2本( 14+21, der(14;21)(q10;q10) + 14, der(14;21)(q10;q10) + 21 )の場合ができる。このうち、14, 21, der(14;21) + 14 の場合は受精後にモノソミーが生じることになり致死的である。14+21、der(14;21)(q10;q10)の場合は正常となる。問題はder(14;21)(q10;q10) + 21の場合であり、この場合受精後に21の長腕が3つ存在することになりダウン症候群を発症しうる。
  • 転座型ダウン症候群の場合、同胞発生するリスクがある。経験的な危険率は母が保因者の場合10-15%、父親が保因者の場合は2%である。(参考1)

形態

特有な顔貌

  • 眼裂斜上
  • 内眼角贅皮
  • 両眼間解離、耳介低位
  • 鼻根部平坦(鞍鼻)
  • 手掌の猿線

合併症

  • 1. 先天的心疾患
出現頻度:約50% ←特徴
肺高血圧症が合併
動脈管開存症もありうる
  • 2. 消化器奇形
  • 3. 血液疾患
  • transient abnormal myelopoiesis(類白血病反応)
  • 生下時末梢血に芽球細胞が見られる。症状はM7と同じ。2割以下で白血病を引き起こす。
  • blast cell, LDH, WBCが高値であるが2-6ヶ月で正常となる。


参考

  • 1. [charged]Chromosomal translocations, deletions, and inversions - uptodate [1]
  • 2. DOWN SYNDROME
[display]http://omim.org/entry/190685
  • 3. [charged] ダウン症の臨床的特徴および診断 - uptodate [2]



100Cases 55」

  [★]

ヒントタイトルに騙されるな!
45歳 女性
主訴肺炎
現病歴過去6ヶ月の間、咳、発熱、および膿性痰をともなう3回のエピソードがあった。このうち1回のエピソードでは、右側の胸膜炎性胸痛があった。一連エピソードgeneral practitioner外来治療していた。これらのエピソードに加え、5年間嚥下困難既往がある。嚥下困難最初中等度であったが、だんだんと増悪している。食べ物が胸骨後部の下方に刺さる様だと言っている。どういう固形物であってもこのような症状がでる。体重過去2ヶ月で5kg減少した。嚥下困難は食事中に改善することがあるようだ。最近、形のはっきりとした食物嘔吐する問題を抱えている。
 3年前外来施行した上部消化管内視鏡では問題は認められなかった。器質的問題がないことが保証されたが、症状はひどくなってきた。排尿障害はない。便秘傾向があるが、最近少し悪くなってきた。
既往歴:無し
家族歴:無し
社会歴:10年前まで4年間アメリカ合衆国の北西の沿岸部にすんでいた。店員として働いている。
嗜好歴:喫煙なし。飲酒は週に5units以下。
服用薬:
身体所見 examination
 やせて見える。右の肺底部crackleを認める。心血管系消化器系、およびそのほかの臓器系に異常を認めない。
検査所見 investigations
 胸部単純X線写真(供覧)
問題
 診断名は?
 どうやって診断をつけるの?
答え
 噴門部アカラシア
嚥下障害の鑑別疾患
DIF.125
嚥下というのは喉頭咽頭食道機能で、1)機械的閉塞(ex. 腫瘍)、2)生理的閉塞(ex. 偽球麻痺)により機能障害される。
機械的閉塞 喉頭咽頭、あるいは食道自体の内的な疾患と周辺臓器の外的な疾患を考える。VINDICATEが有効。
V vascular 大動脈瘤、心拡大
I inflammatory 喉頭炎扁桃炎食道炎縦隔炎。 infection シャーガス病
N neoplasm 食道と気管の癌腫(carcinoma)、縦隔の皮様嚢腫
D degenerative and deficiency Plummer-Vinson syndrome(鉄欠乏性貧血)
I intoxication アルカリ狭窄(lye stricture)
C congenital and acquired 食道閉鎖症(esophageal atresia)、食道憩室
A autoimmune 強皮症
T trauma 食道破裂
E endocrine 甲状腺腫大(endemic goiter(風土病としての甲状腺腫)、グレーブス病)
生理的閉塞 神経から筋肉にいたるまでの障害であり、この経路を想像しながら鑑別を上げていく。
1. end organ 緊張性ジストロフィー、皮膚筋炎アカラシアびまん性食道痙攣
2. 神経筋接合部 重症筋無力症
3. 下位運動ニューロン 急性灰白髄炎ジフテリア性神経炎、脳幹における感染症もしくは腫瘍
4. 上位運動ニューロン 偽性球麻痺(脳梗塞脳塞栓脳出血多発性硬化症認知症、びまん性脳動脈硬化症)、パーキンソン病や他の錐体外路症状を呈する疾患

手術」

  [★]

operationsurgeryoperate
機能外科外科学作動操作オペ外科術運用操縦外科手術施行


脳外科


心臓外科

  • ロス手術 Ross手術:小児、若年者の大動脈弁疾患。肺動脈弁で大動脈弁を置換する。


  • ブラロック・タウシグ手術 Blalock-Taussig手術:肺動脈弁閉鎖症など肺動脈流が少なくチアノーゼをきたす疾患において施行される。鎖骨下動脈と肺動脈を吻合して肺動脈血流を確保する手術。動脈血酸素飽和度の改善が期待できる。

消化器

食道


直腸

  • 直腸癌

耳鼻科

婦人科

子宮奇形

産科

  • 頚管縫縮術:頚管無力症に対して


100Cases」

  [★]

アカラシア手術」

  [★]

operation for achalasia, operation for esophageal achalasia
特発性食道拡張症手術 idiopathic dilatation of esophagus operation for idiopathic esophageal dilatation、機能的食道拡張症手術 機能的食道拡張手術 functional esophageal dilatation、噴門痙攣症手術 operation for cardiospasm、巨大食道症手術 operation for megaesophagus
アカラシア噴門形成術


胸腔鏡下食道アカラシア手術」

  [★]

thoracoscopic operation for achalasia


カラシア」

  [★]

chalasia
食道カラシア




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