Wikipedia preview
出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2015/05/19 14:14:32」(JST)
[Wiki ja表示]
(
x,
y) の組とそれぞれの相関係数を示している。相関は非線形性および直線関係の向きを反映するが(上段)、その関係の傾きや(中段)、非直線関係の多くの面も反映しない(下段)。中央の図の傾きは0であるが、この場合は
Yの分散が0であるため相関係数は定義されない。
相関係数(そうかんけいすう、英: correlation coefficient)とは、2 つの確率変数の間の相関(類似性の度合い)を示す統計学的指標である。原則、単位は無く、−1 から 1 の間の実数値をとり、1 に近いときは2 つの確率変数には正の相関があるといい、−1 に近ければ負の相関があるという。0 に近いときはもとの確率変数の相関は弱い。因みに 1 もしくは −1 となる場合は 2 つの確率変数は線形従属の関係にある。
たとえば、先進諸国の失業率と実質経済成長率は強い負の相関関係にあり、相関係数を求めれば比較的に -1 に近い数字になる。
普通単に相関係数といえば、ピアソンの積率相関係数(Pearson product-moment correlation coefficient)をさす(本項で詳述する)。これの検定には偏差の正規分布を仮定する(パラメトリック)方法であるが、他にこのような仮定を置かないノンパラメトリックな方法として、スピアマンの順位相関係数、ケンドールの順位相関係数なども一般に用いられる。
相関係数は、あくまでも確率変数の線形関係を計測しているに過ぎない。また、確率変数間の因果関係を説明するものでもない。相関係数は順序尺度であり間隔尺度ではないので、例えば「相関係数が0.2と0.4であることから、後者は前者より2倍の相関がある」などと言うことはできない。
しばしば、相関があるという表現が、あたかも因果関係を示しているかのように誤解あるいは誤用される。
2つの変数(A,B)間に相関が見られる場合、偶然による相関を除けば、次の3つの可能性が想定される(相関と因果の違いに関する誤解・誤用において目立つのは、3番目の場合である)。
- A が B を発生させる
- B が A を発生させる
- 第3の変数C が A と B を発生させる (この場合、AとBの間に因果関係はなく擬似相関と呼ばれる)
相関分析とは 2 変数の間に線形関係があるかどうか、およびその強さについての分析であり、2つの変数の間に質的な区別を仮定しない。それに対し回帰分析とは、変数の間にどのような関係があるか(具体的な関数の形)についての分析であり、また説明変数によって目的変数を予測するのを目的としている。
相関係数と相関の強さの関係は次のとおり。
相関係数 |
相関の強さ |
0.7> |
強い |
0.4-0.7 |
中間の強さ |
0.2-0.4 |
弱い |
0.2< |
ない |
定義
2 組の数値からなるデータ列 があたえられたとき、相関係数は以下のように求められる。
ただし、, はそれぞれデータ , の相加平均である。
これは、各データの平均からのずれを表すベクトル
のなす角の余弦である。
また、この式は共分散をそれぞれの標準偏差で割ったものに等しい。
関連項目
- 相関関数
- 回帰分析
- 自己相関
- 交絡
- 相関関係と因果関係、擬似相関
- コピュラ (統計学)
Japanese Journal
- 要支援・軽度要介護高齢者を対象とした主観的運動強度による運動負荷強度設定方法の考案
- 荒井 友章,杉浦 令人,櫻井 宏明 [他],金田 嘉清
- 理学療法科学 30(2), 187-192, 2015
- … 質量との関係性を検証した.また,簡便的な運動負荷強度設定方法の信頼性と妥当性の検証を行った.〔結果〕再現性は重み付きk係数=0.72~0.92という結果が得られた.また,RPEと負荷質量との関係性はSpearmanの順位相関係数にてr=0.93であった.そして,考案した運動負荷強度設定方法の信頼性と妥当性が得られた.〔結語〕本研究で考案した方法が簡便的に高齢者に適した負荷を算出する方法であることが示唆された. …
- NAID 130005083751
- LC-MS/MS法による水道水中の2,6-ジクロロ-1,4-ベンゾキノンの測定法検討と実態調査
- 中井 喬彦,小坂 浩司,浅見 真理,秋葉 道宏
- 水環境学会誌 38(3), 67-73, 2015
- … 水道水中のDCBQ濃度とクロロホルム濃度との関連性をスピアマンの順位相関係数を用いて評価した結果,両者に関連性が認められた。 …
- NAID 130005068438
Related Links
- [統計]相関係数と順位相関係数について (2): 順位相関係数 昨日の記事からのつづき. 今日は本題の順位相関係数について書く. 元々は2つのリストの類似度を測る指標としての文脈で考えていたわけだけれど,実は2つの変数が正規分布 ...
- スピアマンの順位相関係数 相関係数は2変量に直線的な相関関係があれば適用されるが、そうでない場合やデータの順位しか分かっていない場合もあります。そんなときに有効なのがスピアマンの順位相関係数です。求め方は、以下の ...
Related Pictures
★リンクテーブル★
[★]
- 英
-
- 関
- 関わる、関心、関する、観点、関連、関連性、敬意、結合、結線、心配、相関、相関性、相互関係、相互作用、属する、妥当、適切、結びつける、連結、連絡、適した、意味づける、懸念、接続、関係性、相関関係
[★]
- 英
- phase、phasic、phased
- 同
- encoding
- 関
- 位相性、局面、時期、相、段階、相動性、段階的に実行する、フェーズ
[★]
- 英
- number、count、numeral
- 関
- ナンバー、数値、数える、カウント、番号をつける、数字、数詞
[★]
- 英
- correlation、correlate
- 関
- 関係、関連、相関性、相互関係、相関関係
[★]
- 英
- coefficient、modulus、moduli