出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2012/11/07 18:35:08」(JST)
この項目では、生物の記憶について記述しています。コンピューターにおける記憶については「メモリ (曖昧さ回避)」を、主記憶装置については「主記憶装置」を、松本清張原作のテレビドラマ「記憶」については「たづたづし」をご覧ください。 |
神経心理学 |
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主要項目
ブレイン・マシン・インタフェース
外傷性脳損傷 |
脳機能
覚醒
注意 |
人物
アーサー・レスター・ベントン
デヴィッド・ボーム |
テスト
ベンダー・ゲシュタルト・テスト
ベントン・ビジュアル・リテンション・テスト |
表・話・編・歴
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記憶(きおく)とは、
ここでは主として人間(ヒト)の記憶について説明する。
目次
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人間の記憶の分類法はさまざまだが、スクワイアの記憶分類という分類法が最も一般的[要出典]である。よって、ここではスクワイアの記憶分類を基にしたモデルについて述べる(他の分類も提唱されている)。記憶は感覚記憶、短期記憶、長期記憶の3つに大きく分類される。自伝的記憶、展望的記憶という概念を提唱する学者もいる[誰?][1]。
映像や音などを最大1~2秒ほど、記憶する記憶。
短期記憶(STM, short term memory)とは、短期間保持される記憶である。約20秒間保持される。7±2(5つから9つまで)の情報しか保持できない。この仮説は心理学者のジョージ・ミラーによって指摘された。7±2という数はマジカルナンバーと呼ばれる。短期記憶を蓄える貯蔵庫を短期記憶貯蔵(STS)と呼ぶ。
短期記憶の情報は時間の経過とともに忘却される。これを防ぐためには維持リハーサルを行う必要がある。
短期記憶から長期記憶に記憶を転送するためには、精緻化リハーサルを行う必要がある。
意識に昇る以前の感覚器官に保持される。
短期記憶を発展させた作動記憶という概念が提唱されている。作動記憶は短期的な情報の保存だけでなく、認知的な情報処理も含めた概念である。容量には個人差があり、その容量の差がある課題での個人のパフォーマンスに影響を与えていると言われている。作動記憶は中央制御系、音韻ループ、視空間スケッチパッドからなる。
音韻ループと視空間スケッチパッドを制御し、長期記憶と情報をやりとりするシステムである。
言語を理解したり、推論を行うための音韻情報を保存するシステムである。
視覚的・空間的なイメージを操作したり、保存したりするシステムである。
長期記憶(LTM)とは、長期間保持される記憶である。忘却しない限り、死ぬまで保持される。長期記憶を蓄える貯蔵庫を長期記憶貯蔵(LTS)と呼ぶ。
長期記憶の忘却の原因については、減衰説と干渉説、さらに検索失敗説が存在する。減衰説とは、時間の経過とともに記憶が失われていくという説である。干渉説とは、ある記憶が他の記憶と干渉を起こすことによって記憶が失われていくという説である。検索失敗説とは、想起の失敗は記憶された情報自体が消失しているのではなく、適切な検索手がかりが見つからないため、記憶内の情報にアクセスできないことによるという説である。
長期記憶は陳述記憶・非陳述記憶の2つに分類される。長期記憶を近時記憶と遠隔記憶の2つに分類する説も存在する。
詳細は「宣言的記憶」を参照
言葉で表現できる記憶である。宣言的記憶とも呼ばれる。陳述記憶は神経学的には即時、近時、遠隔記憶、心理学的には短期・長期記憶にわけられ、両者を合わせて陳述記憶と言う。
詳細は「エピソード記憶」を参照
個人的体験や出来事についての記憶である。1972年に心理学者のタルヴィングによって、意味記憶と対になる形でその区分が提唱された。
意味記憶とは言葉の意味についての記憶である。1966年に心理学者のマックス・キリアンによって提唱された。意味記憶の構造は、(コリンズとキリアンによって)意味ネットワークという形でモデル化されている。他にも、意味記憶を表す多くのモデルがある。
非陳述記憶とは、言葉で表現できない記憶である。非宣言的記憶とも呼ばれる。非陳述記憶は手続き記憶・プライミング記憶の2つに分類される。
詳細は「手続き記憶」を参照
物事を行うときの手続きについての記憶である。いわゆる「体で覚える」記憶がこれにあたる。
先行する事柄が後続する事柄に、影響を与える状況を指して「プライミングの効果(または“プライミング効果”)があった」と称される。そのような状況における「先行する事柄」をプライムと称す。先行する事柄には、単語、絵、音などがありうる。例えば、「医者」という言葉を聞くと、その後「看護師」、「あかひげ」などという言葉の読みが、「富士山」や「帰郷」という言葉の読みよりも早くなるのはプライミング効果があったこととなる。
多くの場合、その効果が無意識的である点、およびかなりの長期間(例えば1年間)にわたり効果が持続する点、記憶に障害を受けた者にも無意識的なプライミング効果は損なわれずにある(機能し続けている)点に、この現象の面白さがある。
自分自身に関する事柄についての記憶である。自分が幼いころのことを覚えているのは、自伝的記憶が働いているためである。 エピソード記憶の一部。
[1]自伝的記憶テスト
将来行う行動についての記憶である。これに対して、過去の出来事についての記憶は回想的記憶と呼ばれる。この記憶が面白いのは、一般に記憶とは「過去」の事柄を指すと受けとられているのに対して、この展望的記憶が未来(将来)の記憶である点である。スケジュール帳、PDAなどの予定を管理する機器類の使用方法、使用行動と絡めて研究されることも多い。
記憶の階層については、心理学者のタルヴィングによって考えられた記憶システム論というモデルがある。これによると、
の順に、左の記憶ほど原始的で、生命の維持に直接関わり、右の記憶ほど高度な記憶になる。
記憶の過程は記銘、保持、想起(再生、再認、再構成)、忘却という流れになっている。
情報を憶えこむことを記銘という。情報を人間の記憶に取りこめる形式に変えるという情報科学的な視点から符号化と呼ばれることが多い。
情報を保存しておくことを保持という。情報科学的な視点から貯蔵と呼ばれることが多い。
情報を思い出すことを想起という。情報科学的な視点から検索と呼ばれることが多い。想起のしかたには以前の経験を再現する再生、以前に経験したことと同じ経験をそれと確認できる再認、以前の経験をその要素を組み合わせて再現する再構成などがある。
記憶されていたことを想起できなくなることを忘却(ぼうきゃく)という。
東京大学の研究チームは、脳における軽微な忘却が運動制御指令の最適化に有効であることを理論的に初めて証明した、と発表[2]。
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以下、スカラーペディアより。科学的な立場からの解説。
以下、スタンフォード哲学百科事典より。哲学的な解説。
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