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数学において、調和平均(ちょうわへいきん、harmonic mean、subcontrary mean)はいくつかの種類がある平均のうちの 1 つである。典型的には、率(英語版) (rate) の平均が望まれている状況で適切である。
正の実数 x1, x2, ..., xn > 0 調和平均 H は
と定義される。上の方程式の第三の式から、調和平均は算術平均や幾何平均に関係していることがより明白である。
同じことだが、調和平均は逆数の算術平均の逆数である。簡単な例として、1、2、4 の調和平均は である。
調和平均は 3 つのピタゴラス平均(英語版)の 1 つである。どんな正のデータ集合に対しても、調和平均は常に 3 つの平均のうち最小であり、算術平均は常に最大であり幾何平均は常に間にある。(空でないデータ集合のすべての値が等しければ、3 つの平均は常に互いに等しい; 例えば、{2, 2, 2} の調和、幾何、算術平均はすべて 2 である。)
調和平均は冪平均(英語版)の特別な場合 M−1 である。
数のリストの調和平均はリストの最小の元に強く向かう傾向にあるから、(算術平均に比べて)大きい外れ値の影響を和らげ小さい外れ値の影響を重くする傾向にある。
算術平均はしばしば誤って調和平均が必要なところで用いられる[1]。例えば下のスピードの例において 50 という算術平均は正しくない、大きすぎる。
調和平均は上の等式の三番目の式においてみられるように他のピタゴラス平均と関係する。これは分母を数の積の算術平均 n 回ただし各回で j 番目の項を省いたものと解釈すれば気付かれる。つまり、最初の項に対して、すべての n 個の数から最初を除いたものを掛け、二番目は、n 個の数から二番目を除いたものすべてを掛け、などなど。n を除外して算術平均と一緒に行く分子は、幾何平均の n 乗である。したがって n 次調和平均は n 次幾何平均と算術平均に関係する。
3 つの正の数 H, G, A がそれぞれ 3 つの正の数の調和、幾何、算術平均であることと次は同値である[2]:p.74,#1834
同一でない数の集合が mean-preserving spread を受けていれば — つまり、集合の 2 つあるいはもっとの元が算術平均を変えないまま互いに "spread apart" であれば — 調和平均は常に減少する[3]。
重み(英語版) , ..., の集合がデータ集合 , ..., に伴っていれば、重み付き調和平均 (weighted harmonic mean) は次で定義される
定義されたような調和平均は重みがすべて 1 の特別な場合であり、すべての重みが等しいような任意の重み付き調和平均に等しい。
ある状況において、特に率(英語版)や比を含む多くの状況において、調和平均は最も正しい平均を提供する。例えば、乗り物がある距離をスピード x(例えば時速 60 km)で走りそれから同じ距離を再び時速 y(例えば時速 40 km)で走ると、その平均スピードは x と y の調和平均(時速 48 km)であり、総走行時間はその平均スピードで全距離を走った場合と同じである。しかしながら、乗り物がある時間スピード x で走って同じ時間スピード y で走ると、その平均スピードは x と y の平均スピードであり、これは上の例では時速 50 km である。同じ原理は 2 つよりも多い区分にも適用する: 異なるスピードの部分旅行の列が与えられると、各部分旅行が同じ距離を走っていれば平均スピードはすべての部分旅行のスピードの調和平均であり、各部分旅行が同じ時間かかっていれば平均スピードはすべての部分旅行のスピードの算術平均である。(どちらの場合でもなければ、重み付き調和平均あるいは重み付き算術平均(英語版)が必要である。)
同様に、2つの電気の抵抗を平行に繋げれば、抵抗 x(例えば 60Ω)と抵抗 y (例えば 40Ω)として、効果は x と y の調和平均(48Ω)に等しい同じ抵抗の2つの抵抗を用いた場合と同じである。しかしながら、抵抗を直列につなげば、平均抵抗は x と y の算術平均である(総抵抗は x と y の和に等しい)。前の例と同様、同じ原理は 2 つよりも多くの抵抗が繋がれた時にも、すべて並列あるいはすべて直列であれば、適用する。
同じ原理は直列のコンデンサーにも適用する。
情報学分野においては、主に情報検索および機械学習に用いられるアルゴリズムやシステムを評価する際に、適合率と再現率の調和平均であるF値が用いられる。
また、代数学においては典型的な共同作業問題において調和平均が登場する。例えば、1つのプールから2本のパイプA、Bを用いて水を汲み出す問題が考えられる。このとき各々のパイプのみを用いた場合にはそれぞれ4時間、6時間を要するものとすると、2本のパイプを両方用いたときには(6 · 4)/(6 + 4)、すなわち2.4時間を要するが、これは6と4の調和平均である4.8の半分である。
水文学では、地層や土壌に対して平行な流れに対する透水係数の平均を考える際には算術平均を用いる一方、垂直な流れに対する透水係数の平均を考える際に調和平均が用いられる。この違いは、水文学における伝導性が抵抗性の逆数であることによって生じるものである。
サイバーメトリクスでは選手の指標として、本塁打数と盗塁数の調和平均であるパワースピードナンバーが用いられる。
集団遺伝学においては、有効的育種集団の世代の個体数に急激な変動があった際の影響を計算するときに調和平均が用いられる。 This is to take into account the fact that a very small generation is effectively like a bottleneck and means that a very small number of individuals are contributing disproportionately to the gene pool, which can result in higher levels of inbreeding.
In transportation, to find the average speed of a trip over a route divided into constant speed segments (of distance) one must use the #weighted harmonic mean (weighted by the distance of each segment). For example, if one travels half-way to a destination at 20 mi/hr, and then goes 60 mi/hr for the second half of the distance, the average speed is only 30 mi/hr (harmonic mean) and not the 40 mi/hr (arithmetic mean). This is because it took 3 times as long (in time) to go the first half of the trip distance as it did to go the second half and true average speed is a simple Weighted arithmetic mean with the weights being time. Thus 20 mi/hr gets 3 times more weight than 60 mi/hr:( 3/4 x 20 ) + ( 1/4 x 60 ) = 30 mi/hr
When considering fuel economy in automobiles two measures are commonly used – miles per gallon (mpg), and litres per 100 km. As the dimensions of these quantities are the inverse of each other (one is distance per volume, the other volume per distance) when taking the mean value of the fuel-economy of a range of cars one measure will produce the harmonic mean of the other – i.e. converting the mean value of fuel economy expressed in litres per 100 km to miles per gallon will produce the harmonic mean of the fuel economy expressed in miles-per-gallon.
The harmonic mean is the preferable method for averaging multiples, such as the price/earnings ratio, in which price is in the numerator. If these ratios are averaged using an arithmetic mean (a common error), high data points are given greater weights than low data points. The harmonic mean, on the other hand, gives equal weight to each data point.[4]
任意の三角形において、内接円の半径は高さの調和平均の 1/3 である。
正三角形 ABC の外接円の劣弧 BC 上の任意の点に対して、B と C からの距離をそれぞれ q と t として、PA と BC の交点が点 P から距離 y にあるとして、y は q と t の調和平均の半分である[5]。
leg a, b, 直角に対する斜辺からの高さ h の直角三角形において、h2 は a2 と b2 の調和平均の半分である[6][7]。
t と s (t > s) を斜辺 c の直角三角形の 2 つの内接四角形の辺とする。すると s2 は c2 と t2 の調和平均の半分に等しい。
台形の頂点を順に A, B, C, D として AB と CD が平行とする。E を対角線の交点とし、F を辺 DA 上にあるとし G を辺 BC 上にあるとし FEG は AB と CD に平行とする。すると FG は AB と DC の調和平均である。(これは相似な三角形を使って証明できる。)
In the crossed ladders problem, two ladders lie oppositely across an alley, each with feet at the base of one sidewall, with one leaning against a wall at height A and the other leaning against the opposite wall at height B, as shown. The ladders cross at a height of h above the alley floor. Then h is half the harmonic mean of A and B. This result still holds if the walls are slanted but still parallel and the "heights" A, B, and h are measured as distances from the floor along lines parallel to the walls.
楕円において、semi-latus rectum(焦点から楕円への短軸に平行な直線に沿った距離)は焦点から楕円の最大と最小の距離の調和平均である。
タンジェントの二倍角の公式の場合に、角 A のタンジェントが a/b と与えられていれば、2A のタンジェントは (1) tan A の分子と分母の調和平均と (2) (tan A の分母マイナス分子)の逆数の積である。
一般に、二倍角の公式は で と が実数のとき
と書ける。
例えば、
であれば、最もよく知られた形の二倍角公式は
しかしこれは次のようにも書ける
ただ 2 つの数、 と , の特別な場合に対して、調和平均は
と書ける。
この特別な場合において、調和平均は算術平均 と幾何平均 に
によって関係する。
なので つまり 2 つの数の幾何平均は算術平均と調和平均の幾何平均に等しい。
上でのべたように 3 つのピタゴラス平均の間のこの関係は n = 1 あるいは 2 に制限されていない;すべての n に対して関係がある。しかしながら、n = 1 に対してはすべての平均は等しく n = 2 に対しては平均の間に上の関係があることに注意すべきである。任意の n ≥ 2 に対して上に述べたように調和平均の三番目の等式を異なって解釈することによってこの公式を一般化できる。一般化された関係は既に上で説明された。三番目の式を注意深く観察すれば、n = 1 に対してもうまくいくことに気付くであろう。つまり、それは調和と幾何平均の間の等号を予測するが調和と算術平均の間の等号を予測しないことによって不足する。
他の平均との関係において説明されたように再解釈によって調和平均の三番目の式から導出できる一般の公式は
に対して
であることに注意しよう、ただし算術平均は項の順序とは独立に同じ数を評価するという事実を用いた。この方程式はこの結果をオペレーターそれら自身の言葉で再解釈すればもとの方程式に還元できる。これをすれば、記号的方程式
を得る、なぜならば各関数は
において評価されたからである。
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