- 英
- sweat
- 関
- 発汗
WordNet
- excrete perspiration through the pores in the skin; "Exercise makes one sweat" (同)sudate, perspire
- condensation of moisture on a cold surface; "the cold glasses were streaked with sweat"
PrepTutorEJDIC
- 〈U〉『汗』 / 〈U〉(一般に,物の表面にできる)湿気,露,水滴 / 〈U〉《しばしばa ~》発汗[状態];〈C〉発汗作用 / 〈U〉《しばしばa ~》《話》心配(いらだち,怒り)の状態 / 〈U〉《しばしばa ~》骨折り,つらい労働 / 『汗をかく』 / (一般に,物の表面が)湿気を帯びる,汗をかく / 《話》汗水流して働く / 〈水分〉‘を'毛穴などから出す / …‘に'汗をかかせる / 〈体重など〉‘を'汗を流して減らす《+away(off)+名,+away(off)+名》 / …から水分を出させる / 〈人・馬など〉‘を'汗水流して働かせる,酷使する
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出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2017/11/06 17:46:39」(JST)
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この項目では、汗(あせ)について説明しています。汗(かん、君主の称号)については「ハーン」をご覧ください。 |
汗 |
分類および外部参照情報 |
ICD-10 |
R61 |
ICD-9-CM |
780.8 |
汗(あせ)とは、哺乳類が皮膚の汗腺から分泌する液体である。およそ99%が水であるが、さまざまな溶解固形物(主に塩化物)も含む[1]。o-クレゾール、p-クレゾール、および少量の尿素などの化学物質もしくは芳香化合物も含まれている[要出典]。汗を分泌することを発汗という。
人間においては、汗は主として体温調節の手段であるが、男性の汗の成分はフェロモンとしても機能するという説もある[2]。サウナ風呂などで汗をかくことには体から有害物質を取り除く作用があると広く信じられているが、これには科学的根拠はない[3]。皮膚表面からの汗の蒸発には、気化熱による冷却効果がある。よって、気温の高い時や、運動により個体の筋肉が熱くなっている時には、より多くの汗が分泌される。緊張や吐き気によっても発汗は促進され、逆に寒さにより抑制される。
目次
- 1 動物とヒトの発汗
- 2 機構
- 3 組成
- 4 用語
- 5 汗を使った慣用表現
- 6 脚注
- 7 関連文献
- 8 関連項目
- 9 外部リンク
動物とヒトの発汗
イヌやオオカミといったイヌ科の動物には汗腺がほとんどない。四肢の裏側に汗腺を持つが非常に小さなものである。体温調節は長い舌を垂らして激しく呼吸することで舌に付着した唾液を汗の代わりに蒸発させて行っている。ゾウやウサギなどは長い耳を大きく動かして、耳やその周辺に集中した血管を風にさらす事で体温調整を行っている。
また、ネコの汗腺は四肢にのみ存在して匂いを有する汗を分泌する事や、カバが皮膚を乾燥から守るために特殊な分泌物質を含んだ汗をかくが空気に触れると化学反応を起こして赤色変化する(結果的にカバの汗は赤く見える)事などが知られている[4]。
発汗は哺乳類の多くに見られるが[5][6]、冷却のために大量に汗をかくのはヒトやウマなどの限られた種類にとどまると考えられている[7]。この発汗能力の高さが、ヒトがマラソンのような長距離走を行える理由である。アフリカの狩猟民族はこれを利用し、獲物の大型獣が体温上昇で走れなくなるまで追いかけて狩る。先史時代のヒトも同様の狩りを行っていたと推測される[8]。発汗によって体内のナトリウム等のミネラルも同時に排出されるため、ヒトは他の動物に比べて大量の塩分の摂取を必要とする。ヒトが塩味を好むのはこのためで、汗をかく職業の人ほど塩分が多い食事を摂る傾向がある。
機構
汗は体温の調節を可能とする。感熱ニューロンの位置する、視床下部の視索前野および前部にある中枢によって発汗は制御されている。視床下部の温度調整機能は、皮膚の温度受容体からのインプットによっても影響される。皮膚が高温になると発汗のための視床下部の設定値が下がり、中核温度の変化に反応して視床下部のフィードバック機構の利得が増大する。しかしながら、総体としては視床下部(中核)温度の上昇による発汗は平均皮膚温度の同様の上昇による発汗よりも遥かに多いものとなる。発汗の過程は中核温度を減少させる一方、汗の蒸発の過程は表面温度を減少させる。
神経により汗腺が刺激され発汗が行われる状況には2つある――物理的な熱による温熱性発汗と、感情的なストレスによる精神性発汗である。概して、感情による発汗は手の平、足の裏、腋、および場合により額に限られるが、物理的な熱による発汗は全身に起きる[9]。「手に汗を握る」ような興奮したときの手の発汗は進化的には霊長類などが木の枝を掴む際の滑り止めの役割をしていたと考えられている[10][11] 。指紋は指先の皮膚にある汗腺の開口部が隆起した線(隆線)により出来る紋様である。ゴリラやチンパンジーを含め多くの霊長類に見られるように湿潤な状態で物を掴んだり登ったりするような生活様式を営む動物種は独自に指紋を発達させてきた。オーストラリアに生息するコアラや北米に生息する水棲哺乳動物でありイタチ科イタチ属の一種であるフィッシャーでも指紋が認められる[12]。
汗は純粋な水ではなく、常に少量(0.2-1%)の溶質を含んでいる。ヒトが低温な気候から高温な気候へと移動すると、発汗の気候に適応的な変化が生じる。この過程は順応と呼ばれる。最大発汗率が増大し、溶質の組成が減少するのである。1日に発汗により失われる水の量には、100mlから8000mlまでの大きな幅がある。最も極端な条件下では、溶質の損失も1日に350mmol(適応後は90mmol)のナトリウムにまで達する。涼しい気候で、運動もしなければ、ナトリウムの損失は5mmol未満と非常に小さくなる。汗のナトリウム濃度は、順応の度合いにより30-65mmol/Lとなる。
組成
汗の主成分は水である。また、ミネラル、乳酸塩、尿素も含む。ミネラルの組成には個人差があり、また熱・運動・発汗への順応状況、(運動、サウナなど)ストレス源の種類、期間、体内のミネラル組成などの条件によっても違ってくる。ミネラル分の目安としては、ナトリウムが 0.9 g/L、カリウムが 0.2 g/L、(←塩化ナトリウム 0.9 g/L・塩化カリウム 0.2 g/Lの間違いではないか? 血漿および塩化ナトリウム参照) カルシウムが 0.015 g/L、マグネシウムが 0.0013 g/L ほどである[13]。その他のさまざまな微量元素も汗と共に排出される。濃度の目安(実測値には15倍ほどものばらつきがある)としては、亜鉛が 0.4 mg/L、銅が 0.3–0.8 mg/L、鉄が 1 mg/L、クロムが 0.1 mg/L、ニッケルが 0.05 mg/L、鉛が 0.05 mg/L ほどである[14] [15]。これらよりもさらに少ない微量元素も、それに応じた低い濃度で汗と共に体から流出するものと考えられる。ヒトの汗は血漿よりも低浸透圧である[16]。
用語
- 乏汗症(Hypohidrosis)は、理由を問わず、発汗の少ない状態である。
- 多汗症(Hyperhidrosis)は、理由を問わず、発汗の多い状態である[17]。
- 発汗漸減(Hidromeiosis)は、湿った状態において汗腺が閉塞することによる発汗の減少である[18]。
汗を使った慣用表現
日本語には、汗を労働や努力の象徴とする「汗水たらす」「汗を流す」「血と汗の結晶」「額に汗する」、心理的な汗を表す「手に汗握る」「冷や汗をかく」「汗顔の至り」などの慣用句がある。漫画では、これらの全てを漫符の「汗マーク」で表現する。中国由来の慣用句には、体から失われ取り戻せないものとしての汗に着目した「綸言汗の如し」、書物の重さをそれを曳く牛のかく汗で表現した「汗牛充棟」などがある。英語のsweat、フランス語のsuerなどにも「苦労する」という比喩的な意味がある。
脚注
- ^ Mosher HH (1933). “Simultaneous Study of Constituents of Urine and Perspiration”. The Journal of Biological Chemistry 99: 781–790. http://www.jbc.org/cgi/reprint/99/3/781.pdf.
- ^ Wyart C, Webster WW, Chen JH, et al. (February 2007). “Smelling a single component of male sweat alters levels of cortisol in women”. The Journal of Neuroscience 27 (6): 1261–5. doi:10.1523/JNEUROSCI.4430-06.2007. PMID 17287500. Lay summary – UC Berkeley News (6 February 2007).
- ^ Chris Woolston (2008年1月28日). “You sweat, but toxins likely stay” (英語). Los Angeles Times. http://www.liberation.fr/actualite/societe/236528.FR.php?rss=true 2010年9月15日閲覧。
- ^ 堀一之「カバは赤い色の汗をかく (PDF) 」 、『化学と生物』第42巻第7号、社団法人日本農芸化学会、2004年7月、 pp. 451-452、 ISSN 1883-6852。
- ^ Goglia G (January 1953). “[Further research on the branched sweat glands in some mammals (Cavia cobaya, Sus scrofa, Equus caballus).]” (Undetermined). Bollettino Della Società Italiana Di Biologia Sperimentale 29 (1): 58–60. PMID 13066656.
- ^ Robertshaw D, Taylor CR (November 1969). “Sweat gland function of the donkey (Equus asinus)”. The Journal of Physiology 205 (1): 79–89. PMC 1348626. PMID 5347721. http://www.jphysiol.org/cgi/pmidlookup?view=long&pmid=5347721.
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- ^ Kameia, Tomoya; Tsudab, Takao; Kitagawab, Shinya; Naitoha, Ken; Nakashimaa, Koji; Ohhashi, Toshio (June 1998). “Physical stimuli and emotional stress-induced sweat secretions in the human palm and forehead”. Analytica Chimica Acta 365 (1-3): 319–326. doi:10.1016/S0003-2670(97)00642-9.
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- ^ Constanzo, Linda S.. BRS Physiology (4th ed.). p. 155.
- ^ “hyperhidrosis” (英語). All About Sweat. 2010年9月15日閲覧。
- ^ Parsons K (2009). “Maintaining health, comfort and productivity in heat waves”. Glob Health Action 2. doi:10.3402/gha.v2i0.2057. PMC 2799322. PMID 20052377. http://www.pubmedcentral.nih.gov/articlerender.fcgi?tool=pmcentrez&artid=2799322.
関連文献
- Sato K, Kang WH, Saga K, Sato KT (April 1989). “Biology of sweat glands and their disorders. I. Normal sweat gland function”. Journal of the American Academy of Dermatology 20 (4): 537–63. doi:10.1016/S0190-9622(89)70063-3. PMID 2654204.
- Ferner S, Koszmagk R, Lehmann A, Heilmann W (1990). “[Reference values of Na(+) and Cl(-) concentrations in adult sweat]” (German). Zeitschrift Für Erkrankungen Der Atmungsorgane 175 (2): 70–5. PMID 2264363.
- Nadel ER, Bullard RW, Stolwijk JA (July 1971). “Importance of skin temperature in the regulation of sweating”. Journal of Applied Physiology 31 (1): 80–7. PMID 5556967. http://jap.physiology.org/cgi/pmidlookup?view=long&pmid=5556967.
関連項目
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ウィキメディア・コモンズには、汗に関連するカテゴリがあります。 |
- 外分泌腺 - 汗腺 - エクリン腺、アポクリン腺
- 先天性無痛無汗症
- 低ナトリウム血症
- 脱水 (医療)
- 熱中症
- あせも(汗疹)
- 腋臭症
外部リンク
- 手のひらの汗 - 用語集、文献リストあり。
- All about sweat (英語) - 汗の百科事典
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Japanese Journal
- E-2 運動時における発汗量の身体部位差 : 吸水シートを用いて(日本生理人類学会第64回大会発表要旨,学会記事)
- Distal intestinal obstruction syndromeを認めた嚢胞性線維症の1例
- 向井 基,松藤 凡,加治 建,池江 隆正,川野 孝文,松久保 眞,右田 美里
- 日本小児外科学会雑誌 47(5), 848-851, 2011-08-20
- … 管支炎,気管支喘息の診断で入退院を繰り返していた.今回,気管支喘息重積発作のため入院したが,9病日より腹部膨満が出現した.16病日に腸閉塞の診断で開腹手術を行った.回腸遠位部に食物残渣の貯留を認めた.汗中塩素濃度が207mEq/lと異常高値であり,cystic fibrosis transmembrane conductance regulator(CFTR)遺伝子のdeletion解析で,エクソン16,17a,17bにまたがる完全欠失のホモ接合が判明し,嚢胞性線維症の診断が確定した.イレウス症状は …
- NAID 110008711758
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- 汗には、水のようにサラサラした"いい汗"と、ベトベトネバネバした"悪い汗"があります。悪い汗は、決して体にいい影響を与えません。
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Japan Pharmaceutical Reference
薬効分類名
販売名
T&T オルファクトメーター
組成
以下40種の嗅覚測定用基準臭(各5ml)よりなる。
効能または効果
検査法
- T&Tオルファクトメーター(嗅覚測定用基準臭)は表のように5種のにおいからなり、それぞれにおいは5を最も濃い濃度とし順次10倍単位に5,4,3,2,1,0,-1,-2の8段階の濃度を設定したものである。しかし、Bは溶解度の点でB5濃度の調製が不可能であるため、これを欠き、代わりに無臭の対照液がセットされている。製品は各嗅覚測定用基準臭共5mlのびん詰とし、各臭毎に8種の濃度のものを箱詰め包装にしてある。
- 幅0.7cm,長さ14cmの無臭のにおい紙を用い、検者はその一端をもち、他端を1cmほど、嗅覚測定用基準臭の中に浸してから被検者に手渡して、においをかがせる。においをかぐ要領は鼻より約1cmに基準臭を付けたにおい紙を近づける。においをかぐ場所は、出来るだけ臭気のない室内が好ましい。
- においをかぐ順序は、Aから始めてB,C,D,Eの順にする。
- 各嗅覚測定用基準臭は最低濃度-2から始めて、次第に強いにおいへとかがせるが、どこで初めてにおいを感じるかを被検者に言わせて、オルファクトグラムに記載してある番号の線上に○を記入する。(検知閾値)
- 次に更に強いにおいをかがせて、それがどのにおいか又はどんな感じのにおいか分かるまで、一段一段強くしていく。被検者が下記〈においの表現法〉の正しい答(又はそれに近い表現)をした時に、オルファクトグラムに記載してある番号の線上に×を記入する。(認知閾値)
(6)検知閾値がなかなか決まらない時にはにおい紙を3本用意して、その内1本は嗅覚測定用基準臭に、他の2本は対照液に浸して、これら3本の中でどれににおいがあるか言い当てさせる。正解を得た中で最も濃度の低いものを検知閾値とする。
- 判定基準
- 上記の検査によって、被検者の検知閾値及び認知閾値が記入されたオルファクトグラムから検知閾値及び認知閾値の平均値を求め、下記の基準により嗅覚の正常又は減退の程度を判定する。この場合、検知閾値の平均値より認知閾値の平均値の方が実際の生活の情況をよりよく表すので、判定には認知閾値の平均値を採用する。
なお、最高濃度において検知または認知不能の場合は、それぞれ最高濃度に1を加えたものを閾値として計算する。
(a,b,c,d,eは嗅覚測定用基準臭A,B,C,D,Eの検知または認知閾値の濃度を表す)
嗅覚度と5段階評価
★リンクテーブル★
[★]
- 英
- localized hyperhidrosis
- ラ
- hyperidrosis localis
- 関
- 多汗症
概念
手掌、足底、腋窩、顔面など、体の一部に限局性に多汗がみられるもの
原因
治療
- 交感神経節遮断:外科的切除などにより交感神経を遮断
- 胸部・腰部交感神経節ブロック:手掌や足底の発汗を減少させる。ペインクリニックなどで施行される。
- 水道水を用いたイオントフォレーシス
[★]
- ラ
- hyperhidrosis palmaris et plantaris
- 同
- 手掌足底多汗症
- 関
- 多汗症
[★]
- 英
- generalized hyperhidrosis
- ラ
- hyperidrosis universalis
- 関
- 多汗症
[★]
- 英
- hemihyperhidrosis
- 関
- 多汗症
[★]
- 関
- 多汗症、発汗過多