出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア（Wikipedia）』「2013/07/10 23:36:54」(JST)
束一的性質（そくいつてきせいしつ、英: Colligative properties）とは不揮発性溶質の希薄溶液における相平衡の性質で、存在する溶質分子の数だけに依存する性質である[1]。
高分子化合物などの（平均）分子量を、束一的性質に基づいて、沸点上昇、凝固点降下、浸透圧の変化量をもとに決定することが可能である。
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溶質を溶媒で希釈する際に化学ポテンシャルが減少することを原因として、蒸気圧降下、沸点上昇、凝固点降下、浸透圧といった現象が引き起こされる。化学ポテンシャルの強度は溶質のモル分率に依存する為、束一的性質をもつ現象は溶質の種類によらずモル濃度（より正確には活量）の大小でその強度が決定付けられる。
溶液の化学ポテンシャルμi は活量ai を用いて
で表される。μiΘ は純溶媒の標準化学ポテンシャルである。この効果は溶質の化学的な性質に無関係で、ai のみに依存する。その結果として起こる蒸気圧降下などの変化もai だけによって決まり、その化学的な構造には依存しない。
以下、全ての溶質の質量モル濃度の総和をΣm とする。
ラウールの法則とも呼ばれ、溶媒成分の蒸気圧をP⚬とすると、希薄溶液の蒸気圧P は溶媒成分のモル分率Xa に比例し、次の関係が成立する。
沸点の変化分ΔT はΣm に比例する。ここでKb は沸点上昇定数である。
凝固点の変化分ΔT はΣm に比例する。ここでKf は凝固点降下定数である。
浸透圧ΠはΣm に比例する。ここでR は気体定数、T は絶対温度である。
揮発性の溶質を含む希薄溶液が気相と平衡にあるときには、気相内の溶質の分圧p は溶液中の濃度c に比例する。
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