Wikipedia preview
出典(authority):フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』「2015/06/15 20:46:36」(JST)
[Wiki ja表示]
ペデリン |
|
IUPAC名
(2S)-N-[(S)-[(2S,4R,6R)-6-[(2S)-2,3-dimethoxypropyl]-4-hydroxy-5,5-dimethyl-2-tetrahydropyranyl]-methoxymethyl]-2-hydroxy-2-[(2R,5R,6R)-2-methoxy-5,6-dimethyl-4-methylene-2-tetrahydropyranyl]acetamide
|
|
識別情報 |
CAS登録番号 |
27973-72-4 |
PubChem |
5381287 |
日化辞番号 |
J37.119J |
- C[C@H]1[C@H](O[C@](CC1=C)([C@@H](C(=O)N[C@H]([C@@H]2C[C@H](C([C@H](O2)C[C@@H](COC)OC)(C)C)O)OC)O)OC)C
|
特性 |
化学式 |
C25H45NO9 |
モル質量 |
503.63 g mol−1 |
特記なき場合、データは常温 (25 °C)・常圧 (100 kPa) におけるものである。 |
ペデリン(pederin)は、2つのテトラヒドロピラン環を持つ水泡を発生させる毒性アミドの1つである。アオバアリガタハネカクシ (Paederus fuscipes) を含むハネカクシ科Paederus属の甲虫の血リンパに含まれている。ペデリンは、2千5百万匹の採取されたアオバアリガタハネカクシを処理することで初めて同定された[1][2]。化合物名はこの昆虫の属名に由来する。ペデリンの含有量は昆虫(アオバアリガタハネカクシ)の体重のおよそ0.025%である[1]。
ペデリンの生産は、Paederus属昆虫内での内部共生生物(シュードモナス属)の活動によるものであることが明らかにされている[3]。
ペデリンの製造は概して雌の成虫のみに限られる。幼虫および雄は母親から(すなわち卵を通して)獲得するか、摂取したペデリンのみを貯蔵する[1]。
目次
- 1 作用機序
- 2 脚注
- 3 関連項目
- 4 外部リンク
作用機序
ペデリンは、RNA合成に影響を与えることなくタンパク質ならびにDNAの合成を阻害することで[4]、1 ng/mLレベルで有糸分裂を阻害する。また、様々な腫瘍を持つマウスの寿命を延長することが示されている[3]。これらの理由から、抗がん治療薬候補化合物として興味が持たれている。
脚注
- ^ a b c Schofield S. (2008年7月16日). “Bugs Don’t Have to Bite to Do Damage:The Tale of the Paederus Beetle”. Canadian National Defense. 2011年6月9日時点のオリジナルよりアーカイブ。2013年7月16日閲覧。
- ^ Pavan M, Bo G (1953). "Pederin, toxic principle obtained in the crystalline state from the beetle Paederus fuscipes Curt.". Physiol. Comp. Oecol. 3: 307–312.
- ^ a b Piel J (2002). "A polyketide synthase-peptide synthetase gene cluster from an uncultured bacterial symbiont of Paederus beetles". Proc. Natl. Acad. Sci. USA 99 (22): 14002–14007. doi:10.1073/pnas.222481399. PMC 137826. PMID 12381784.
- ^ Frank JH, Kanamitsu K (1987). "Paederus, Sensu Lato (Coleoptera: Staphylinidae): Natural History and Medical Importance". J. Med. Entomol 24 (2): 155–191. PMID 3295241.
関連項目
外部リンク
- やけど虫の毒と抗がん活性 - たゆたえども沈まず-有機化学あれこれ
Japanese Journal
- ペデリンおよびノガラマイシンの全合成--収束的全合成への挑戦 (化学のフロンティア--翔け若き研究者たち-7-<特集>) -- (C部門(有機化学,有機工業化学,高分子化学))
- 1,2-および1,3-不斉誘導を基盤とする昆虫毒ペデリンの全合成 (精密合成化学--21世紀を担う若い化学者へ)
Related Links
- 前回、「ペデリン」について紹介したが、毎年、死者が出ている虫の毒と云えば、〝ハチ毒 〟をおいて他に無いだろう。 田舎のある時代に .... この虫の毒性物質は、「ペデリン」で ある事が、日本の研究者よって明確にされ、それによる障害の治療も明らかにされた。
- Pederin, a potent insect poison isolated from paedrus fuscipes, exhibits various interesting physiological activities, such as inhibition of mitosis in HeLa cell and blocking of protein synthesis at concentrations of 1-10 ng/me. We describe here ...
Related Pictures
★リンクテーブル★
[★]
- 英
- phosphorus P
- 関
- serum phosphorus level
分子量
- 30.973762 u (wikipedia)
- 単体で化合物としてはP4、淡黄色を帯びた半透明の固体、所謂黄リンで毒性が高い。分子量124.08。
基準値
- 血清中のリンおよびリン化合物(リン酸イオンなどとして存在)を無機リン(P)として定量した値。
- (serum)phosphorus, inorganic 2.5–4.3 mg/dL(HIM.Appendix)
- 2.5-4.5 mg/dL (QB)
代謝
- リンは経口的に摂取され、小腸から吸収され、細胞内に取り込まれる。
- 骨形成とともに骨に取り込まれる。
- 腎より排泄される。
尿細管での分泌・再吸収
- 排泄:10%
尿細管における再吸収の調節要素
臨床検査
- 無機リンとして定量される。
基準範囲
血清
- 小児:4-7mg/dL
- 閉経後女性は一般集団より0.3mg/dL高値となる
尿
測定値に影響を与える要因
臨床関連
参考
- http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%AA%E3%83%B3