トリーチャー・コリンズ症候群
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トリーチャーコリンズ症候群 |
分類及び外部参照情報 |
ICD-10 |
Q75.4 |
ICD-9 |
756.0 |
OMIM |
154500 |
DiseasesDB |
13267 |
MedlinePlus |
001659 |
eMedicine |
plastic/183 |
MeSH |
D008342 |
プロジェクト:病気/Portal:医学と医療 |
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トリーチャー・コリンズ症候群(トリーチャー・コリンズしょうこうぐん、Treacher-Collins syndrome:TCS)は頬骨の欠如等[1]:577の顎顔面形態の不調和が特徴的な症状として見られる疾患で、常染色体優性先天性疾患の中でも稀有な例の一つである。別名トリーチャー・コリンズ・フランチェスケッティ症候群(Treacher-Collins–Franceschetti syndrome)[2]や下顎顔面異骨症[3]ともいう。平均して10,000人あたり1人の新生児に見られ[3]、多くのケースでは遺伝子疾患が指摘されている。この疾患により現れる症状の典型として、下に垂れ下がった目、下顎短小症、伝音難聴、頬骨の不形成、下眼瞼側面下垂、耳の奇形化または不形成が見られる。
病名
この疾患名はイギリスの外科医であり眼科医でもあったエドワード・トリーチャー・コリンズ(Edward Treacher Collins 1862~1932) の名を取って名付けられたものであり、1900年、最初にこの疾患についての詳細を記した彼の偉業を讃えてのものである[4]。1949年にはフランチェスケッティとクラインらが独自の研究を通して、この疾患症状を下顎顔面骨形成不全症とした。この下顎顔面骨形成不全症は臨床的特徴を表す用語として使用されている[5]。
原因
トリーチャー・コリンズ症候群の原因は遺伝子の突然変異である。
トリーチャー・コリンズ症候群と関連する遺伝子として現在TCOF1という遺伝子が唯一知られている[6]。しかしながら幾つかの例では、同症状を持ちながらもTCOF1の遺伝子変異は確認されていない[7]。だが90~95%の症例ではTCOF1の遺伝子変異が確認されている[8]。 DNA検査ではTCOF1で見つかった変異の種類が特定されており、変異の種類の大多数は遺伝子欠失または遺伝子挿入のどちらかだが、スプライシングやミスセンス突然変異も確認されている[8] [9] [10] [11]。変異の分析により、TCOF1に関して、病気に関連する100種類以上の変異が明らかになり、多くが系統特異的変異であった。一つの反復突然変異だけで事例の約17%を占めている[12]。
トリーチャー・コリンズ症候群は常染色体優性で遺伝している。
脚注
- ^ James, William; Berger, Timothy; Elston, Dirk (2005). Andrews' Diseases of the Skin: Clinical Dermatology. (10th ed.). Saunders. ISBN 0721629210.
- ^ Rapini, Ronald P.; Bolognia, Jean L.; Jorizzo, Joseph L. (2007). Dermatology: 2-Volume Set. St. Louis: Mosby. pp. 894, 1686. ISBN 1-4160-2999-0.
- ^ a b “'I hated seeing my face in the mirror'”. BBC Online. (2010年11月18日). http://www.bbc.co.uk/news/health-11780938 2010年11月18日閲覧。
- ^ Treacher Collin E, Cases with symmetrical congenital notches in the outer part of each lid and defective development of the malar bones, 1900, Trans Ophthalmol Soc UK, 20, p. 190-192
- ^ Franceschetti A, Klein D, Mandibulo-facial dysostosis: new hereditary syndrome, 1949, Acta Ophtalmol, 27, p. 143-224
- ^ The Treacher Collins Syndrome Collaborative Group, Positional cloning of a gene involved in the pathogenesis of Treacher Collins Syndrome, 1996, Nature Genet 12 p. 130-136
- ^ Teber OA, et al., Genotyping in 46 patients with tentative diagnosis of Treacher Collins syndrome revealed unexpected phenotypic variation, 2004, Eur J Hum Genet 12 p. 879-890
- ^ a b Katsanis SH, et al., Treacher Collins syndrome, 2004, GeneReviews
- ^ Dixon J, et al., Treacher Collins syndrome, 2007, Orthod Craniofacial Res, 10 p. 88-95
- ^ Masotti C, Reduced transcription of TCOF1 in adult cells of Treacher Collins syndrome patients, 2009, BMC Medical Genetics, 10,136
- ^ Sakai D, et al., Treacher Collins syndrome: Unmasking the role of TCOF1/treacle, 2008, The International Journal of Biochemistry & Cell Biology, 41, p. 1229-1232
- ^ Splendore A, et al., TCOF1 mutation database: novel mutation in the alternatively spliced exon 6A and update in mutation nomenclature, 2005, Hum Mutat, 25 p. 429-434
外部リンク
- トリチャーコリンズ&ネイガー症候群の親の会 ひまわりの会
UpToDate Contents
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Japanese Journal
- Treacher-Collins症候群 (特集 Craniosynostosis・先天性頭蓋顔面骨異常の治療)
- 臨床経験 トリーチャ・コリンズ症候群とピエール・ロバン症候群における気管挿管難易度の加齢による推移について
Related Links
- トリーチャー・コリンズ症候群(トリーチャー・コリンズしょうこうぐん、Treacher-Collins syndrome:TCS)は頬骨の欠如等 :577の顎顔面形態の不調和が特徴的な症状として 見られる疾患で、常染色体優性先天性疾患の中でも稀有な例の一つである。別名トリー ...
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★リンクテーブル★
[★]
- 英
- syndrome, symptom-complex
- 同
- 症状群
- 関
- [[]]
- 成因や病理学的所見からではなく、複数の症候の組み合わせによって診断される診断名あるいは疾患。
内分泌
先天的代謝異常
高プロラクチン血症
- 分娩後の視床下部障害によるプロラクチン分泌抑制因子の分泌抑制のため、高プロラクチン血症を呈する。
- 分娩に関係なくプロラクチン分泌抑制因子の分泌抑制をきたし、高プロラクチン血症を呈する。
性腺機能低下
- 嗅覚の低下・脱出、低ゴナドトロピン性性腺機能低下症
- 肥満、網膜色素変性症、知能低下、低ゴナドトロピン性性器発育不全、多指症、低身長
性早熟
- 思春期早発症、多発性線維性骨異形成症、皮膚色素沈着
- 女性型の肥満、性器の発育障害の2主徴を示し、視床下部に器質的障害をもつ疾患群。
脳神経外科・神経内科
[★]
- 英
- phosphorus P
- 関
- serum phosphorus level
分子量
- 30.973762 u (wikipedia)
- 単体で化合物としてはP4、淡黄色を帯びた半透明の固体、所謂黄リンで毒性が高い。分子量124.08。
基準値
- 血清中のリンおよびリン化合物(リン酸イオンなどとして存在)を無機リン(P)として定量した値。
- (serum)phosphorus, inorganic 2.5–4.3 mg/dL(HIM.Appendix)
- 2.5-4.5 mg/dL (QB)
代謝
- リンは経口的に摂取され、小腸から吸収され、細胞内に取り込まれる。
- 骨形成とともに骨に取り込まれる。
- 腎より排泄される。
尿細管での分泌・再吸収
- 排泄:10%
尿細管における再吸収の調節要素
臨床検査
- 無機リンとして定量される。
基準範囲
血清
- 小児:4-7mg/dL
- 閉経後女性は一般集団より0.3mg/dL高値となる
尿
測定値に影響を与える要因
臨床関連
参考
- http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%AA%E3%83%B3
[★]
- 英
- choline
- 化
- 塩化コリン
- 関
- アセチルコリン
- choline + acetylCoA → acetylcholine + CoA
[★]
- 英
- group
- 関
- グループ、集団、分類、群れ、基、グループ化
[★]
- 英
- char
- 関
- マス、木炭、黒焦げにする、イワナ属